笑いの壺の底の浅い女だわ・・・カツ丼食べて勝つどんのカーニバル(木村拓哉)
悪の嵐も最初はほんの小さな風である。
楽をして稼ぐ・・・それだけでそよ風のように悪は忍びこむ。
大金に目が眩む・・・雲を一瞬、吹き払う爽快な悪戯な風。
しかし、悪の風は知らず知らずのうちに心を蝕む。
背中を押す悪の風は地獄へ向かって吹いて行く。
悪い風が吹き荒れる悪のカーニバルに人はたやすく翻弄される。
悪の嵐が近付けば誰もがとりかえしのつかないことをしてしまう可能性がある。
やがて、人は拾った金をポケットに忍ばせるように人の命も奪うようになるのである。
悪意のブリザードに襲われて自分を見失った時・・・魂は冷えている。
そして、永遠の悪の嵐が吹き荒ぶ・・・。
で、『HERO(第2期)・第9回』(フジテレビ20140907PM9~)脚本・福田靖、演出・森脇智延を見た。組織化された犯罪には元締めの存在するものがある。単独犯とは違い、組織的犯罪は司法組織に厄介な対応を迫る場合がある。覚醒剤犯罪を見れば分かるだろう。末端の違反者を逮捕しても・・・それが憐れな薬物中毒者にすぎない場合があるわけである。本当の主犯は覚醒剤ルートの全貌を明らかにしなければ処罰の対象にならないのである。犯罪を摘発する組織は・・・地道に捜査を続け・・・共犯者たちの共犯意識を破壊し・・・悪の中枢に迫って行かなければならないのだ。これはそういう話である。
残暑が厳しいらしい。
2014年8月23日(土)に行われた「第33回浅草サンバカーニバル」はとっくに終わっているのにだ。
事務官たちの趣味談義・・・。
末次隆之事務官(小日向文世)といえば社交ダンス。遠藤賢司事務官(八嶋智人)は合コンである。・・・合コンは趣味なのか。
井戸秀二事務官(正名僕蔵)はフットサルを始めたらしい。
そして、麻木千佳事務官(北川景子)は・・・なんと露出の多い衣装で浅草サンバカーニバルに毎年参加しているらしい。
事件はどうでもいい・・・それを見せんかっと叫んだお茶の間の一部愛好家だった。
二人の事務官の新たに明らかになった趣味が・・・事件解決にそれとなく絡んでくるという趣向である。
「おかしいんですよ」
「何があった・・・」とさりげなく尋ねる久利生公平検事(木村拓哉)・・・。
「ネット通販で買ったDVDボックスが一週間過ぎても届かないんです」
「それはやばいね」と遠藤事務官。
「何のDVDですか」と叫ぶ宇野大介検事(濱田岳)・・・。
「暑いな・・・」と職場恋愛問題に敏感な川尻健三郎部長検事(松重豊)は回避モードに入るのだった。
東京地方検察庁城西支部のエレベーターは朝から蒸すのだった。
牛丸次席検事(角野卓造)からは城西支部が総力戦を求められる案件が提示される。
被害者・吉田恒春(黒木辰哉)・・・「ホームレス中学生」(2007年フジテレビ)の主人公が死体で登場である。今回は応徳義塾大学の学生である。
被疑者は同じ大学に通う四人の学生で・・・被害者に対する集団暴行による暴行致死容疑がかけられている。
凶器は発見されておらず、致命傷を負わせたのが誰かも不詳である。
検事たちは被疑者を個別に担当し・・・真実の解明に取り組む。
久利生・麻木チームは新井勇弥(渋谷謙人)・・・多部未華子と同じ1988年度組で「すみれの花咲く頃」(2007年NHK総合)で共演している。実年齢26歳なので何年留年してるのだって感じだ。ちなみに同じく共演している濱田岳もこの年度である。
田村検事(杉本哲太)・遠藤チームは阿部勝士(白洲迅)・・・ミュージカル「テニスの王子様」やミュージカル「押忍!!ふんどし部!」でおなじみのジュノン・スーパーボーイ系である。
馬場検事(吉田羊)・井戸チームは石川健吾(渡辺大知)・・・ロックバンド「黒猫チェルシー」のヴォーカルで「サイレント・プア」(2014年NHK総合)の新聞配達員で・・・日経電子版の田中でもおなじみである。
そして、宇野・末次チームは竹中誠(タモト清嵐)・・・「仮面ライダーフォーゼ」(2012年テレビ朝日)で鬼島夏児 / ペガサス・ゾディアーツを演じていた。宇宙キターッ!仲間である。
まあ・・・お茶の間的には被害者も含めて・・・物凄く区別のつきにくい五人なのだが・・・そこが一種の伏線になっている。
つまり・・・真犯人は誰か・・・とふっておいて・・・ここにはいませんでしたオチなのである。
被害者も含めた五人はフットサル仲間だと供述するが・・・井戸事務官が突破口を開く。
「ポジションはどこ・・・?」
「ディフェンダーです」
「君・・・フットサルやってないね」
フットサルではディフェンダーのポジションの呼称はフィクソなのである。
もちろん・・・一般的でないから・・・そう言ったという言い逃れもできるが・・・他のポジションやルールなどをつっこめば「嘘」は見抜かれてしまうわけだ。
被疑者たちの供述はあいまいで・・・致命傷を与えたのは誰かという質問にも・・・阿部は竹中がやったと言い、竹中は石川がやったと言い、石川は新井がやったと言い、新井は阿部がやったと言う。
「口裏を合わせてるな」
「こうなったら・・・久利生のおでかけ捜査に期待だな」
「え」
「そうだな」
「みんなでやりましょうよ」
「いや・・・暑いし」
「・・・」
「じゃ、そういうことで」
「なんだ・・・このじゃんけんをしてもいないのに負けちゃった感じは・・・」
チームワークはチームワークとして主役がやるべきことはやらねばならないのだった。
久利生・麻木チームは結局、街に出るのだった。
大学で・・・女子大生のテニスを観察した久利生は五人組の仲か良かったことを確認。
仲良し写真を入手する。
殺害現場の男子トイレでは臭い仲になる二人だった。
「大学からは離れているな」
「フットサルの競技場が近い・・・という理由だったんですが」
五人の行きつけの食堂は営業時間外だった。
実は・・・趣味のサンバカーニバル関連のDVDボックスが届かないために・・・心ここにあらずの麻木だったのである。
その夜・・・「St.George's Tavern」で麻木の相談を受けた宇野検事。
「東大の友人で警視庁の友人に聞いたら・・・それって通販詐偽らしい」
「え」
「だから・・・いくら待っても・・・商品は届かないみたい」
「マスター、95度のテキーラありますか」
「あるよ」とマスター(田中要次)は麻木のやってられない感じを蒸発させるのだった。
その頃・・・麻木が失調中は単独捜査の流れで・・・久利生は件の「プラジル料理店」を訪れる。
そこには怪しいブラジル人の女将・TAMAE(片桐はいり)がいるのだった。
「フェイジョアーダ・コンプレッタって何ですか」
「フェイジャンは豆よ~、まめぶじゃないのよ~」
「ブラジル料理ですか」
「ブラジル人はみんなフェイジャン好きよ~」
「あの・・・この五人の学生・・・見覚えありますか・・・」
「知ってるよ~・・・常連さんよ~・・・いつも先生と来てたよ・・・」
「先生・・・じゃあ・・・六人で・・・」
「そうよ~・・・いつも六人よ~・・・」
久利生は臭いトイレに戻り・・・もう一人が窓から逃げたのではないかと推察する。
そして・・・鑑識を呼ぶのだった。
そして・・・相当に無理をしないと届かない高さの窓から前科ありの指紋が検出される。
恐喝の容疑で逮捕歴がある応徳大学のOBで今アパレル会社の社長・椎名(丸山智己)のものだった。
椎名の写真を入手した久利生はTAMAEに裏をとる。
「この男ですか」
「そう・・・五十代なら伊原剛志、アラサーなら鈴木亮平だけど・・・アラフォーだからこの人よねえ」
「確かに・・・三人とも歴代変態仮面って感じですよね」
椎名の名前を聞かされて動揺する被疑者たち。
詐偽の被害者意識に目覚めた麻木はピンと来るのだった。
「フットサルもやらないで・・・大学からも離れた街で・・・あなたたち・・・詐偽でもしてたの」
「え」
「え・・・ってビンゴなのか」
被疑者・新井の動揺を見逃さない久利生だった。
「椎名を主犯とした詐偽グループだった可能性があります」
「なるほど」
「麻木のお手柄です」
「被害者ですからっ」
被疑者・新井を鬼尻にバスした久利生は・・・参考人・椎名と対峙する。
詐欺師を睨みつける麻木だった。
詐欺師に振り込んだ29800円の怨みは恐ろしいのだった。
「あなたと被害者を含めた六人の学生とはどんな関係だったんですか」
「先輩と後輩ですよ」
「それにしては・・・頻繁に会っていたようですね」
「ああいう若者たちの面倒をみるのが好きなんです」
「実は・・・事件の現場から・・・あなたの指紋が発見されました」
「・・・近所に事務所があるんで・・・よく利用するんです・・・あのトイレ・・・臭いでしょう」
「その事務所はどこにあるんですか」
「・・・サニーハイツです」
取調室はチャット・ルームで結ばれており、事務官たちは情報を共有するのだった。
学生たちは主犯の椎名の口から・・・サニーハイツの情報が出たことを検事たちに突きつけられ動揺するのだった。
組織化された犯罪者たちにとって共犯者の存在は強みでもあり、弱みでもある。
「サニーハイツで何してた」と田村検事が切りこむ。
「私の目を見て答えなさい」と馬場検事が迫る。
「私は参考人ですよね・・・犯罪を犯したのは・・・彼らのはずだ」と椎名。
「そうです・・・しかし、被害者を殺したのが誰かは・・・まだ謎です」と久利生。
「そういうことなら・・・私は帰らせてもらう」
「どうしてです・・・可愛い後輩が殺されたというのに・・・随分・・・冷たいじゃないですか」
チャット・ルームの新着メッセージの着信音が鳴り響く。
【阿部が詐偽の犯行を認めました・・・遠藤】
【石川が自白しました・・・井戸】
【竹中がすべて椎名の指示だったと供述・・・末次】
別室で鬼尻は新井を追い込む。
「私の取調は昭和の香りがあるそうです」
「・・・」
「君は確かに・・・恐ろしい犯罪の事実から逃れたいだろう・・・」
「・・・」
「事実を隠して・・・処罰を免れたいと思うだろう」
「・・・」
「しかし・・・こんなに仲の良かった友人が死んだんだ」
鬼尻は久利生の入手した写真を見せる。
被害者と仲間たちとの笑顔の写真・・・。
「君の心にそのことを悲しむ気持ちはないのかい」
「僕たちは・・・庇ったんだ・・・ほんの出来心で始めた詐偽だったけど・・・最後は嫌気がさしていた・・・でも椎名はやめると言うなら・・・すべてをばらすって・・・吉田くんがミスをして・・・僕らは制裁を命じられた・・・でも僕らは手加減して殴ってたんだ・・・それを・・・椎名の奴がスパナで・・・血が流れて・・・吉田くんが動かなくなって・・・椎名が・・・これが発覚したらみんな殺人犯だって・・・」
着信・・・。
「今・・・すごいパスが来ましたよ」と久利生。
「なんだって・・・」と椎名。
「あんたは・・・彼らを支配していたつもりかもしれないが・・・彼らの心がまるでわかってなかった・・・脅せば黙っていると思っていたのかもしれないが・・・そうはいかなかったよ」
「あんな・・・学生たち・・・苦し紛れに嘘八百を・・・」
「これは信頼できる仲間たちが・・・事件関係者から引き出した情報なんだよ・・・信じるに値するんだ・・・それに彼らが共謀してボスを追い込むほど賢いとは思えない」
「・・・」
「あなたを・・・殺人容疑で緊急逮捕します」
「くそっ」
麻木が手配した刑事たちが椎名の身柄を拘束する。
椎名には長い取調が待っているのである。
城西支部の仲間たちは健闘を讃えあうのだった。
そして・・・井戸の呼びかけでフットサルを始めるのだった。
その頃・・・牛丸次席検事の元を訪ねる特捜の江上検事(勝村政信)・・・。
「あいつと久しぶりに一緒に仕事をしたいと思いまして・・・」
「あいつって・・・あいつか」
秋が近付き・・・フィナーレも迫っているらしい。
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