上司に勧められてお見合いする監察医始めました(相武紗季)
「家族狩り」終了のために谷間である。
様々なものがかぶった夏ドラマ・・・。
応援団ドラマが二つとか。
すべてのドラマで不倫が展開とか・・・すべてでもないだろう。少なくとも「アオイホノオ」は違う。
とんこさんと津田さんとホノオは・・・あれは青春の妄想だ。
刑事ドラマにつぐ刑事ドラマとか。
まあ・・・それは毎シーズンそうだ。
そして・・・「ゼロの真実 ~監察医・松本真央~」(テレビ朝日)と「ラスト・ドクター〜監察医アキタの検死報告〜」(テレビ東京)は監察医ドラマのダブルである。
なんとなく・・・日本の終焉の予兆を感じるな。
いや・・・スーパーリンクが進化する過程なのかもしれんぞ。
「デング熱ウイルス」がテロのデモでないことを祈る。
で、『ラスト・ドクター〜監察医アキタの検死報告〜・第1回~最終回(全9話)』(テレビ東京20140711PM8~)脚本・尾崎将也(他)、演出・水谷俊之(他)を見た。こっちからかよ。・・・キャリアから考えて・・・主人公のか。ヒロインのか・・・それは聞かないでください。とにかく、今季、三本掛け持ちの脚本家がベタベタっと書いたに違いないこのドラマ。それなりに面白いし、のほほんと見るにはいい感じの仕上がりだったのだった。
最終回をざっと見てベタについて考えよう。
ベタにも様々な解釈が可能だが・・・いつか見たことがあるような展開が基本だ。わかりやすさを促進する一種の手だよな。
ヒロインの関東監察医務院の新人監察医・吉崎薫子(相武紗季)が「大目にみてね」でおなじみの院長・柳田修平(伊東四朗)の紹介でお見合いすることになるのだが・・・お見合い相手の自称・不動産業者の福山真治(袴田吉彦)が・・・結婚詐欺師である。最初なので例をあげるが今季のドラマ「東京スカーレット ~警視庁NS係」でヒロインの鳴滝杏(水川あさみ)が結婚詐欺師(黄川田将也)にひっかかっている。ベタなのである。騙されるのはバカの証拠だが、騙す人よりは「いい人」に決まっているので・・・ヒロインの善良さをベタにアピールできるわけである。
薫子の指導係で主人公の監察医・秋田晋也(寺脇康文)は「生きている人間より死んでいる人間に興味がある変人」である。職務については非常に優秀だが対人関係に難がある。別のドラマでは「右京さん」の非人間ぶりにあきれていた男が・・・こちらでは周囲に呆れられるわけである。もちろん・・・秋田より薫子の方が常識的な人間であり、そのやりとりがお茶の間の共感を誘うというベタである。
しかし、そんな秋田は普通の人々である監察医の安田(マキタスポーツ)や監察医補佐の山下(戸田恵子)、あるいは検査科の竹下係長(YOU)とのふれあいを通じて人間性を学んでいくという趣向がベタなのである。
最終回の第一の死体は酔って喧嘩した後、路上で死亡した中田(春田純一)・・・。
酒癖の悪い夫だったが・・・結婚記念日のプレゼントはかかさなかったという中田の妻・佳代子(遊井亮子)の言葉に感動するヒロイン・・・ベタである。
監察医・秋田は・・・鳩尾を殴られたためのショック死と結論を出す。
喧嘩相手は通りすがりの花屋・進藤和弘(岡田義徳)である。
「喧嘩というよりは因縁つけられただけで・・・殴ったりはしません」
しかし、目撃者の証言から起訴されることになる。
監察医として法廷で証言する秋田。
進藤の弁護士として尋問するのが・・・秋田が十年前に結婚して八年前に離婚した元妻の川田玲子(草刈民代)である。
「被害者が心臓に疾患があったことはご存じでしたか」
「知りませんでした・・・」
「病死ではないと100%言いきれますか」
「100%の正解なんて科学的ではないな」
「では100%ではないのですね」
「・・・はい」
顔をしかめる検察官(東根作寿英)だった。
裁判官の心証は「疑わしきは罰せず」の基本に傾き・・・進藤には無罪の判決が下る。
「病死じゃないのに・・・」とうなだれる秋田。
ベタである。
所要で医務院を訪れた川田弁護士は薫子たち女性スタッフと意気投合。
「あの人・・・自分は利口で他人は馬鹿だと思ってるでしょう」
「そうそう・・・」
「悪い人じゃないけど・・・我慢できなくなって」
「よく・・・二年も辛抱しましたねえ」
「ありがとう」
立ち聞きしている秋田だった・・・ベタだなあ。
第二の死体は薫子のお見合い相手・福山・・・。自宅ガレージで発見され、死体は睡眠中の一酸化中毒で・・・車のエンジンがかかっていたために・・・自殺と判断されかかる。
見合い相手の死因を動揺を抑制して判定する薫子・・・ベタだが・・・他殺の可能性もあるんだから関係者がやっちゃダメだよな。
そこへ・・・福山の婚約者を名乗る女・加藤由紀(三津谷葉子)が現れ・・・福山が結婚詐欺師であったことが判明する。
さらに・・・福山の元妻(岩崎ひろみ)が現れ・・・事情が明らかになる。
福山は難病の子供の治療費を作るために・・・悪事に手を染めていたのだった。
ベタだが・・・その悪事が結婚詐欺でいいのかどうか微妙・・・。
しかし・・・福山の善良さに心が傾く薫子は「自殺でなければ保険金が入ること」を知り、自殺ではなかった可能性を探りはじめる。
そして・・・心臓病の発作により・・・心身喪失後、中毒死という事故死だった結論を導き出す。
それでいいのかどうかは別としてベタである。
一方、冤罪被害を出すかもしれなかった監察医として素晴らしいインターネットの世界で叩かれる秋田・・・。ベタである。
別れた妻である川田弁護士も「変人」が気にかかる。
そんなある日・・・仲睦まじい進藤と被害者の妻佳代子の密会を目撃してしまうのだった。
ベタである。
探偵を使って進藤と佳代子の素行調査をする川田弁護士。
依頼者の不利益になる情報と知りつつ・・・秋田に二人の関係を伝えるベタである。
進藤が佳代子から病気の事を聞いていれば・・・発作を起こすために・・・急所を打った可能性が出て来た。
しかし・・・そんなことができるのは武術の心得があるものだけ。それはどうかな。
控訴の期日が迫る中・・・。
監察院の同僚たちは武術関係の道場の捜査を開始する。ベタである。
「それはあなたたちの仕事ではない」と警視庁中央東警察署の山倉刑事(渡辺いっけい)に叱られる一同。ベタである。
しかし、秋田と犬猿の仲の安田監察医が・・・進藤の通っていた武道教室を特定するのだった。・・・ベタである。
一方、弁護士の裏切りを知った進藤は・・・何故か・・・弁護士の口封じをはかる。ベタだから。
追われて何故か屋上に逃げて追い詰められる弁護士のベタ。
そこへ・・・秋田が段ボール武装で登場。
「そんなもので俺の拳が防げるか」と進藤。
しかし・・・段ボールの鎧の下には鉄板が仕込まれていたのだった・・・ベタでした。
秋田と弁護士の復縁の気配を感じさせながら・・・物語はベタベタと音を立てて幕を閉じるのだった。
純情可憐なキャリア・ウーマンという・・・ベタなヒロインを演じる1985年度生れを代表する女優の一人・相武紗季はベタにかわいかったのである。
ある意味、長い道程だったよな。
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