捜される女たちと匿名探偵(高橋克典)
探偵ものはひとつのジャンルである。
ミステリには二つのジャンルがあって・・・警察官が捜査するものと警察官ではないものが捜査するものとに分類される。
警察官がプロだとすれば・・・そうでないものは女子大生であろうと、温泉芸者であろうと、葬儀社経営者であろうと、キャビンアテンダントだろうと、ルポライターだろうと・・・素人なのである。
しかし、探偵は・・・内閣府の所管する「探偵業の業務の適正化に関する法律」に定められた職業であるので・・・プロと言えないことはない。
警察官と素人の間に・・・プロの探偵が存在するのである。
当然、氏名を届け出なければ探偵業は営めない。
しかし・・・何故か・・・ハードボイルドな探偵は名無しであることが正統派なのである。
で、『匿名探偵・第二期・第1回~最終回(全9話)』(テレビ朝日201407042315~)脚本・尾崎将也(他)、演出・秋山純(他)を見た。脚本家は単独ではないが・・・「吉原裏同心」(NHK総合)「ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告」(テレビ東京)そして、コレと三本掛け持ちである。量産機かっ。しかし・・・よどみなくそこそこの作品を仕上げているのだった。さて、「匿名探偵」は2012年に同じ「金曜ナイトドラマ」枠で第一期が放送されている。ついにレビューはしなかったので・・・谷間に登場である。
探偵(高橋克典)はMFK法律事務所の冴島響子弁護士(片瀬那奈)を通じて仕事を依頼される自称・名無しの権兵衛である。
第一期では自宅兼事務所のオーナーは新垣真由美(三浦理恵子)だったが第二期では長山逸郎(柴俊夫)に替わっている。長山は理髪店を経営しており、時々、髭を剃ってくれるのである。
探偵には二人組の刑事が付き物で・・・眩しい感じの阿南刑事(田山涼成)と棟方刑事(鈴木貴之)が配置されている。
また、助手的な役回りで第一期では大学生、第二期では社会人となった一般人の青島一平(山口大地)がいる。
そして・・・探偵行きつけのBAR「Smokey Rain」のマスター(森次晃嗣)も探偵同様、名もなきマスターなのであった。
さらに・・・何故か、事件関係者が偶然利用する・・・ボディ・マッサージの店「Lihim」にはマッサージの達人の相田香織(原幹恵)が在籍している。妄想的にはキューティーハニーが働いているとしか思えない。探偵の本名は早見かもしれないのだ。
まあ・・・それはそれとして・・・探偵は基本的に人捜しが主任務である。第二期第一話では・・・資産家の女(石野真子)の生き別れの娘(中村ゆり)の真偽を確かめたり、女優になりたくて家出した資産家の娘(荒井萌)を捜索したりしている。時には場末の町で偶然知り合った謎の女(安達祐実)から失踪した恋人を探してくれと依頼されたりもする。
探偵の棲息する世界は裏では色と欲にまみれているので・・・ゲストは結構、濡れ場を要求されるのだった。
第二期・最終回のゲストは第一期には女子高校生だった保坂麻美(小池里奈)である。今回は女子大生になっていて・・・つまり未成年ではなくなっているのだった。
つまり・・・濡れ場を要求される可能性が大きいわけである。
小池里奈といえば1993年度生まれ組である。能年玲奈を筆頭に武井咲、志田未来、西内まりや、大後寿々花、新川優愛、小島藤子、川島海荷、渡辺麻友など・・・強烈なメンバーが揃っている。
「モーモールルギャバン」のライブで「パンティー!」と叫んで盛り上がっている橋本愛が未成年なのに体当たりを連発している以上、負けるわけにはいかないのである。
・・・なんのこっちゃっ。
親代わりの新垣真由美から麻美の失踪を知らされた探偵。
「レインボー・ブリッジと東京タワーが窓から見える場所で元気にしている」という麻美の最後のメールから捜索開始である。
雲をつかむような話である。
巷では「超能力による失踪者捜索で死体が発見された件」が話題を集めていた。
超能力者は某宗教の某教祖を連想させるスタイルの城ヶ崎晃(林家三平)である。
晃の教団本部の窓からは・・・レインボー・ブリッジと東京タワーが見えるのだった。
テレビ番組でそれを知った探偵は・・・藁にもすがる思いでマイケル・ジャクソンに変装して、教団本部に乗り込むのだった。
そして・・・信者となっている麻美を発見するのだった。
「家には戻りません」
麻美は探偵の説得には耳を貸さないのだった。
仕方なく、探偵は手掛かりを求めて・・・恵比寿警察署の阿南刑事を拝みに行く。
すると・・・晃の発見した死体が・・・麻美の恋人の雑誌記者・北山秀樹(金児憲史)であることが判明する。
もう一度、麻美にアタックした探偵は・・・事務所に連れ帰り事情聴取に成功する。
「お前・・・あの教団にケンカを売るのか」
「北山さんは・・・あの教団のインチキを暴こうとしてたの・・・それなのに・・・死んでまで・・・教団の宣伝に利用されるなんて・・・」
「どうして・・・最初にあった時に言わないんだ」
「あそこは・・・いたるところに盗聴器が仕掛けてあるの」
「そんな危険な場所に戻すわけにはいかないぞ」
「イヤ・・・私は北山さんの仇をとるんだもの」
「しょうがないな・・・」
「北山さんは・・・教団のインチキを暴こうとして・・・教団と敵対する聖修大学の教授にも取材していたのに・・・」
専修大学の柳井教授(袴田吉彦)は晃の超能力がインチキであると断定していた。
「なに・・・柳井教授(袴田吉彦)だって」
「柳井教授(袴田吉彦)がどうしたの」
探偵はもちろんお茶の間も黒幕が誰かを悟ったのだった。
信者に性的行為を強要する晃。
ついに麻美も指名されてしまう。
「宇宙意識は性的結合によって覚醒する・・・さあ・・・服を脱ぎなさい」
ついに信者服を脱いで下着姿になる麻美。
「さあ・・・全部脱ぎなさい」
「あ・・・」
「どうした・・・」
「宇宙意識がこれ以上、脱ぐなと言っています」
「事務所NGかよ」
何者かのテレビ電話着信で難を逃れる麻美。
モザイクのかかった黒幕の画像を入手するのだった。
一方、キューティーハニー香織は客として訪れた晃を教祖だと見抜く。
キューティーハニー香織のアクロバット・スタイルで体に尋問するボデイ・マッサージに不可能はないのだった。
意味不明だぞ・・・。
晃の主宰する城ヶ崎宇宙意識開発センターの幹部・村田(倉田昭二)は麻美の行動に不審を感じ追跡する。
探偵の留守中に長山が麻美を保護するが・・・村田は彼女を拉致してしまう。
しかし・・・麻美の残した画像のモザイクは一平の手によって修正されるのだった。
黒幕は案の定・・・柳井教授(袴田吉彦)だったのである。
晃を締め上げた探偵は敵のアジトを白状させるのだった。
「秘密をつかんだ北山記者を柳井教授(袴田吉彦)が殺したんです・・・」
まあ・・・世界中のみんながそうだと思っていたけどな。
アジトでは麻美が絶体絶命のピンチ・・・。
「安心しろ・・・お前を恋人のいる場所へ送ってさしあげるから・・・」
悪を攻撃することで有名になった柳井教授(袴田吉彦)は悪を操作することで大衆を操作していたのだった。
「そこまでだ・・・柳井教授(袴田吉彦)・・・」
危機一髪で探偵の登場である。
ハードボイルドなので肉弾戦に突入。最終回はいつもの三倍くらいのアクション・シーンがサービスされるのだった。
雑魚を片付けた後は中ボス村田と半裸の探偵の打撃戦からの火球弾攻撃。
麻美の猿轡サービスからの燃える鉄拳制裁である。
スコップで物凄い攻撃を加えるラスボス・柳井教授(袴田吉彦)だったが・・・探偵の燃える炎に腕を突っ込んで炎の拳にしちゃった攻撃でノックダウンである。
こうして・・・探偵は麻美に代わって恋人の仇・柳井教授(袴田吉彦)を半殺しにするのだった。
警官隊到着である。
「やめろ・・・探偵・・・それ以上やると・・・お前を逮捕しちゃうぞ」
そのセリフを頭の眩しい刑事から聞きたくはなかった・・・。
「超能力を使って大切なものを探そうなんて・・・アホよね」と冴島弁護士。
「そうだよ・・・それじゃ・・・探偵の商売あがったりだもの」
「ありがとう・・・探偵・・・」と微笑む麻美。
もちろん・・・最後にラーメンを食べずにはいられない・・・最近のドラマである。
まあ・・・美味いからな。
夜更けのラーメンは・・・。
マスター「探偵はバーにいない・・・ジュワッ」
第三期が楽しみである。どんなゲスト女優が来るのかなあ・・・。橋本愛は来ないだろうなあ。
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