Nozomi(賀来賢人)Naruse(窪田正孝)Nishizaki(小出恵介)Nのために(榮倉奈々)
決定なのか。
(月)「ごめんね」
(火)「信長」
(水)「選タク」
(木)「休み」
(金)「N」
(土)「ぬ~べ~」
(日)「官兵衛」
谷間なしである。
「ひみつのアッコちゃん」のレビューは・・・年末で・・・会えない時間が愛を育てるのか。
それにしても「ひみつのアッコちゃん」(綾瀬はるか・吉田里琴)→「Nのために」(榮倉奈々)→「甲殻不動戦記 ロボサン」(私立恵比寿中学)の流れで視聴すると頭が沸騰するよな。
やはり、秋ドラマは殺意に満ちているな。
で、『Nのために・第1回』(TBSテレビ20141017PM10~)原作・湊かなえ、脚本・奥寺佐渡子、演出・塚原あゆ子を見た。誰かの子供であること。誰かの親であること。そこに普通の関係を見出す事の出来る人は幸せなのかもしれない。五分毎に便意を訴える母親とか、子供に麻薬を打つ父親とか、父親を湯船に沈める子供とか、母親を崖から突き落とす子供とか・・・そういう関係とは無縁の人々。そういう普通の家庭と・・・普通でない家庭の境界線はすぐそこにあるかもしれない。人は不条理に出会う。逃げるか、立ち向かうかはその人の資質によるものなのだろう。
【2014年】かって・・・瀬戸内海の小さな島の駐在だった高野茂(三浦友和)は殺人事件の犯人として刑期を終えた西崎真人(小出恵介)を訪ねる。
「そんな昔のことは忘れたね」
【2004年】事件は会社員の野口夫婦が住むマンション「スカイローズガーデン」の48階の一室で起こった。
夫である野口貴弘(徳井義実)が妻である奈央子(小西真奈美)を殺害し、奈央子の愛人である西崎が貴弘を殺害したのである。
【2014年】「しかし・・・現場には他に人がいましたよね」
「・・・」
事件現場には貴弘の部下である安藤望(賀来賢人)、大学生の成瀬慎司(窪田正孝)、同じく大学生の杉下希美(榮倉奈々)が居合わせた。
「彼らは・・・あなたと顔見知りだった」
「・・・」
「あなたは事件直後、担当の弁護士に・・・俺たちはすべてNのためにやった・・・と語っている」
「・・・」
「俺たちってあなたと誰です・・・Nって何のことですか」
「そんなこと調べてどうするつもりだ」
「成瀬慎司と・・・杉下希美の二人は・・・古くからの知り合いでね・・・捜しているんですよ」
「・・・」
「15年前二人は・・・あおかげ島という小さな島の高校生だったんです」
【1999年】杉下希美は・・・島で一番の企業の経営者の娘として何不自由のない暮らしをしていた。
島は祭りの開催で賑わっていた。
幼馴染で島で一番の料亭の息子である成瀬慎司を目で追う希美は・・・婿養子だがやり手の父親・晋(光石研)、美しい母親・早苗(山本未來)、中学生の弟・洋介(葉山奨之)という家族に囲まれて何の不安も感じていない。
しかし・・・祭りの終わりとともに・・・家庭は崩壊する。
愛人の宮本由妃(柴本幸)を島に連れ帰った晋は・・・妻と子供たちを家から追い出したのである。
「何言ってるんだ・・・頭おかしくなったのか」と洋介は父親に問う。
「この家に婿養子にきて17年・・・傾きかけた会社を立て直し・・・家族を養うためにやるだけりことはやった。毎年、毎年、祭りの世話をしてきた。しかし、俺も自分のための祭りがしたくなったんだよ・・・俺は俺の稼いだ金で・・・俺の喰いたいものを食い・・・俺の暮らしたい女と暮らすことにしたんだ」
お嬢様育ちの早苗はおろおろするばかりだった。
事態を把握した希美は父親に殺意を抱く。
凶器を手にした望美を制止したのが・・・島の駐在だった高野だった。
結局、希美は母親と弟とともに山奥の廃屋に移り住む。
父親は生活費として月十万円を振り込むと約束する。
狭い島である・・・噂はたちまち広まる。
島の実力者である父親の行為はそれほど問題にはされず・・・追い出された三人が後ろ指をさされる始末である。
母親は現実を受け入れられずゆっくりと狂って行く。
高級な化粧品に執着し、最初の振り込みをすべて費やす。
飢えた希美は父親に無心に行くが応対するのは愛人だった。
「お金ね・・・そうだ・・・こうしよう・・・私が料理してあげる・・・それをあげるわ・・・だけどもらう時は土下座して頼んでね」
愛人は料理が上手で嗜虐的な性格だった。
「お願いします・・・料理をください」と屈辱に耐える希美。
「私はねえ・・・料理が上手なの・・・あなたのお父さんにはいつも褒められる。あなたのお母さんは料理が下手なんですってね・・・不味くて食べられたものじゃないって・・・十七年もよく我慢していられたよね」
弟は・・・唇を尖らせる。
「あの女の作った料理なんて・・・」
「黙って食べなさい・・・一ヶ月の我慢よ・・・あの人が心配して作ってくれたんだから」
「美味い・・・なんて美味いんだ・・・俺たちっていつも不味いものを食べてたのか」
「お母さんにはそんなこと言っちゃダメよ」
「うん」
掌を返すように・・・希美の友達は去って行った。
ただ・・・慎司だけが・・・希美に寄り添う。
慎司の父親(モロ師岡)と母親(美保純)も諍いが絶えない。料亭の経営も傾いていたのだった。
希美と慎司の二人は趣味の詰将棋で心を通わせる。
希美が出題し、慎司が解くのだった。
シャープベンをカチカチカチと三回ノックしたら・・・それは「凄い」の意味なのである。
「どうして・・・自分で解かないの」
「私は将来・・・豪華客船で・・・アラブの富豪と将棋で勝負するの・・・勝って油田をいただくのよ・・・そのためには戦略が必要なの。あなたが解いた手順を暗記するのが私の為すべきことなのよ」
「へえ」
尋常ではない家庭を生きる希美の心情を優しく受け止める慎司だった。
希美の母親は高価な宝石を購入しようとし、息子の怒りを買う。
「しっかりしてくれよ・・・姉さんがどんな思いで食事を用意していると思ってんだ」
「やめて」
「あの女の手料理なんだぞ・・・母さんが毎日美味しい美味しいと喰ってんのは」
「ひいいいいいいいい」
しかし、希美の母親は現実から逃避し続けるのだった。
もはや・・・まともな人間ではないのである。
なんとか冬を乗り切った希美。
弟は本土の全寮制高校に進学し、希美は新聞配達のアルバイトで糊口をしのぐ。
「大学なんかに行く必要はない。俺は大学に行ってないが大学に行った奴より金を稼いでいるからな・・・やりたいことがあったら金を稼ぐのが一番だ」
父親は希美を大学に行かせるための経済的援助を拒否するのだった。
しかし、希美は折れない。
闘志を燃やすのである。
希美にはだめな母親の血も流れていたが・・・素晴らしい父親の血も流れていたのだった。
慎司の料亭が人手に渡るのが決まった夜。
慎司は希美を真夜中のデートに誘いだすのだった。
朝日の当たるバルコニー。
「私・・・奨学金でもなんでももらって大学に行く・・・そして一人で生きていく」
「俺も・・・奨学金でもなんでももらって大学に行くよ」
二人は・・・たくましく生きていくことを誓うのだった。
【2014年】高野は回想を止めた。
「そんな二人だったんだ」
「そういう二人にあんたは何かしたのかい」
「他人のできることに限りはある」
「ふふふ・・・若者は自分のことしか考えないと・・・大人たちは言うよね」
「・・・」
「でもさ・・・誰かのためになら何でもするって若者だっているだろう」
「・・・」
「その人がいなければ生きている意味がない誰かのために・・・嘘もつけば人も殺す・・・そういう若者だってさ」
「一体・・・何があったんです・・・あなたたち四人は何を隠しているんですか」
「すべては・・・Nのために・・・さ」
素晴らしい滑り出しである。
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コメント
みんなNなんですね
瀬戸内海の美しいけれど閉鎖的な島
映像も映画みたいで榮倉奈々ちゃんも窪田君も高校生役がなんだか全く違和感なくて三浦友和さんも出演されてるし
映画みたいで とても引きこまれました
バルコニーでの演説を聞いていると彼女は犯罪に手を染めていない気がするし
それを心から望んでいますが どうなんでしょうか
今年一番かも?と思うくらい期待値があがってます
窪田君はこの役 ハマリ役ですね
最後まで夢中で見られるドラマになってくれたら嬉しいです
投稿: chiru | 2014年10月19日 (日) 20時06分
みんなNなのでございますよ。
野口夫妻もNですし
妻の野口奈央子はN.N.でございます。
瀬戸内海の小島は
陸に囲まれた海に囲まれているので
二重に閉鎖的ですな。
そんな小さな世界で
我儘な王様と頭のおかしな王妃様
王様の愛妾に
虐げられる王女と王子。
ある意味、おとぎ話ですな。
本当は怖いなんとやらでございます。
明らかに
仄かな恋を抱いている幼馴染の前で
「誰にも頼らずやりたいことをやる」宣言。
すでにボタンを掛け違えている兆しですねえ。
とにかくミステリアスなお膳立ては
申し分ないですな。
湊ワールドは
二時間ドラマのラストの語りの部分を
・・・出生の秘密とか
愛憎のもつれとか
この辺りをじわじわと見せていくのが新機軸なんですな。
もちろん・・・「白夜行」など他の作家も使う手法ですけれど。
そうした「過去」の出来事を
どれだけ詩情豊かに見せていけるかもポイントですな。
「やったのは私だよ」
これは絶対にあるわけで・・・
誰が何のために何をやってしまうのか・・・。
楽しみでございます。
キッドは「高校入試」も「夜行観覧車」も高く評価していますので
コレにも絶対に痺れるのですな。
投稿: キッド | 2014年10月20日 (月) 15時49分