悪い妖怪から生徒を守る正義の味方かもしれません(堀北真希)
オープニング・ナレーションだけだろっ。
それにしても凄い攻撃だったな。
ただでさえ・・・「世にも」の裏だと言うのに。
野球延長で一時間遅延なんて・・・黄金時代みたいだ。
ドラマもバラエティーも泣いたあの日。
育つもんも育たんわ・・・。
しかし、生中継はテレビの本質のひとつだからな。
いつ、ゴジラが出現するかわからんからな。
いや、それはわかる。
妖怪も怪獣も野球もサッカーも流行り廃りがあるよねえ。
転落の人生は恐ろしいよね。
で、『地獄先生ぬ〜べ〜・第2回』(日本テレビ20141018PM9~)原作・真倉翔・岡野剛、脚本・マギー、演出・佐久間紀佳を見た。妖怪ファンタジーは一種の宗教である。「ゲゲゲの女房」が「源義経の静御前」と姉妹だったりもする。ゲゲゲ派は昭和の時代に発生したわけだが・・・妖狐の歴史は紀元前まで遡上できる。中国から日本に上陸し平家物語の時代に妖狐は朝廷にまで入り込む。つまり、妖怪ワールドにおいてゲゲゲの女房と靜御前は無縁ではないのである。ここで便宜上、ゲゲゲ派以前のそれらは古典派ということにしよう。源義経が滅亡させた平家一族は平家の亡霊として妖怪化する。法一の耳を奪ったり、夏の海水浴場で足をひっぱったりとなかなかの存在感である。つまり古典なのである。妖怪の定義はなかなかに困難で、それはゾンビが「死なないご遺体」と呼称していいものかどうかと同じくらいにやっかいだ。ゲゲゲ派はフィクションとしてかなりの完成度を持っているが・・・それは作者の呪詛に満ちた人生経験が滲み出るからである。ゲゲゲ派にも妖狐は登場する。しかし、地下の稲荷帝国の存在からも明らかなようになかなかに政治的な存在なのである。ゲゲゲ派にはドラキュラや狼男も登場するが・・・怪物くん派にもそれらは登場する。古典派からの引用は常套手段だからである。それらは西洋の妖怪なのか・・・怪物なのか悩ましいところだ。ジーンズと呼ぶべきかデニムと呼ぶべきか・・・である。ぬ~べ~派はそういう点にはあまりこだわらない。面白ければそれでいい世界の出身だからである。
しかし・・・殺害されて高校の壁に塗りこめられて自縛霊的に妖怪・壁男になったものと・・・天界に属する超生命体・妖狐を一緒にされるとややたじろぐわけである。
壁男は悲しい・・・ただ壁から上半身を尽きだして通りかかった人を驚かせるだけである。
それは交通事故で下半身を失った障害者のようなものだ。
今なら、パラリンピックに誘導するのが・・・好ましいと思うが・・・この世界では「存在しているのが悲しいだろうと」と霊力で一発成仏である。
考えようによっては非常に危険な展開である。
ゾンビ区役所がゾンビ発祥の地をメキシコと設定してしまうのも本当は危険なのだ。
もしも、中国や韓国に設定したらクレームが来るかもしれないからメキシコにしているなら・・・そこにはメキシコなら文句言わないだろうという安易で危険な兆候があるわけである。
さあ・・・わけのわからない心配してないで・・・そろそろ本編に行けよ。
童守高校の国語教師・ぬ~べ~こと鵺野鳴介(丸山隆平)の正体・・・左手に鬼を封印している半妖怪であること・・・はのろちゃんこと中島法子(水谷果穂)と栗田まこと(知念侑李)だけが知る秘密である。
ぬ~べ~は妖怪たちから生徒を守ることが使命だと言うのだが・・・教師の使命は勉強を教えることだ。
しかし・・・ぬ~べ~は小学生のような性格で・・・どんな性格だ・・・何より生徒たちに愛されたいのである。
もちろん・・・それは演じているのがアイドルだからではない。
人に愛されてる実感がないと鬱になる心の病気だからである・・・おいっ。
まあ・・・要するに教師としても大人としても未熟なのである。
そのために・・・空回りして本質を見失うのだった。
一方、生徒たちの人気者となった家庭課教師の玉藻京介(速水もこみち)は実は妖狐なのである。
「四百年生きている」と発言しているので・・・古典派の妖狐の一族ということになる。
妖怪のことを物の化という場合があるが・・・これは無機質のものから動物や植物のものまで人間以外の万物が意識を持つように変化した状態である。
本来、妖狐は稲荷大明神や九尾の狐のように天界の生命体で、ある意味、神なのであるが・・・おそらくぬ~べ~派の妖狐は化け猫のようなものであるのだろう。
四百年前に・・・狐が何らかの刺激で物の化となったのである。そして、本家である玉藻前の一族であることを詐称しているのだろう。
ちなみに意識化現象にもモノ(悪霊)とタマ(神霊)があることが古典派の基本である。
おなじみの手法で悪霊は人の陰気を食って力を得るのである。
怨みや愚痴などの悪感情が陰気とは限らないが、笑う門には福来ると信じたいのが人情というものなのだろう。陽気なかしまし娘はなんとなく妖怪の餌食になるとは考えにくいのである。まあ、今や本人たちが妖怪のようなものだからな・・・おいおいおいっ。
あまり深く考えることなく七不思議探検隊となったぬ~べ~は壁男を壁から除霊してどこにあるのかわからない仏の世界に転生させるのだった。
そんな様子を監視する妖狐は・・・ふたつの悪だくみを思いつく。
一つは・・・ぬ~べ~を罠にはめ・・・生徒たちにぬ~べ~への悪感情を生じさせ、これを食べる。
もうひとつはそのことで生徒たちを追い詰め・・・ぬ~べ~の正体を暴露するということである。
狐なのであまり、頭がいいわけではなく・・・そんなことをして何になるのかもあまり考えない脚本なのだった。
折しも・・・童守高校は文化祭シーズンで・・・ぬ~べ~のクラスはお化け屋敷のアトラクション開催を決定する。
稲葉郷子(松井愛莉)と立野広(中川大志)がリーダーシップを発揮し、クラスは一つとなって活動するのだった。
蚊帳の外に置かれたぬ~べ~は疎外感を味わうのだった。
気分を高めるために修行中のイタコである葉月いずな(山本美月)主催の百物語(怪談話のリレー大会)に参加する生徒たち。
しかし、そこに乗り込んで「安易な気持ちで妖怪に接してはいけない」と説教するぬ~べ~。
当然・・・しらける生徒たちだった。
「邪魔しないでよ」
「君のような未熟な人間に・・・妖怪を語る資格はない」
いずなにまで説教を始めたぬ~べ~は明らかに何様なんだ状態である。
妖怪の実在を知るのろちゃんとまことはなんとかフォローしようとするが・・・自己中心的な性格のぬ~べ~はますます生徒たちの反感を買うのだった。
生徒たちが作り上げたお化け屋敷セットに「本当の一つ目小僧とは違う」と難癖をつけるぬ~べ~。
生徒たちは呆れて休憩に出る。
教室に取り残されたぬ~べ~に妖狐はとんぼの妖怪を送り込む。
とんぼの妖怪と大立ち回りを演じたぬ~べ~は・・・生徒たちの苦心して作ったセットを破壊しまくるのだった。
戻って来た生徒たちは惨状を見て「なにしてくれてんだ」と激昂。
そりゃそうだ。
落ち込んだぬ~べ~を慰める妖狐だった。
「失敗から学ぶことが大切ですよ」
優しい言葉に救われる気持ちになるぬ~べ~。
「どうしたら・・・信頼を取り戻せるか」を自分の手の中に封印された幻想世界の覇鬼(坂上忍)と謎の女教師・美奈子先生(優香)に相談する。
「そんなの形にしなくちゃだめだろう。誠意より金だよ」
「でも形のないものも信じないと未来は築けないわよ」
「未来だって・・・あははははは」
「将来のことを話すと鬼は笑っちゃうのよね」
「まあ・・・天気予報のない時代の方ですからねえ」
一方、稲川淳二のものまねが得意の童守寺和尚(マキタスポーツ)といずなの前に現れた金目当てのエクソシスト・無限界時空(高橋英樹)はいずなが無断で持ち出していた管狐のこいなりを召喚する実力を見せる。
「弟子入りしたいんですけど」
「ことわる」
「でも・・・ぬ~べ~に未熟者と言われて口惜しいのです」
「未熟者に未熟と言われてもさしたることはない」
なにやら・・・因縁ある無限界時空とぬ~べ~なのである。
誠意を見せるために・・・お化け屋敷セットの修復を始めるぬ~べ~。
不器用なぬ~べ~を見るに見かねて手伝う化学教師・高橋律子(桐谷美玲)だった。
しかし、お化けの仕掛けが発動して悶絶である。
倒れた律子先生を介抱しているところに郷子と広がやってきてあらぬ誤解が発生する。
「暴行教師だわ」
「警察を呼ばないと」
「違う・・・」
やってきたまこととともに律子先生を保健室に運ぶぬ~べ~。
教室に残った郷子と広の前に妖狐は本性を見せる。
本当にあった怪異の世界に腰を抜かす二人。
郷子の悲鳴にかけつけるぬ~べ~。
「生徒たちは私の命だ」
「八甲田山かっ」
「先生」
身を挺して火炎攻撃から守ってくれたぬ~べ~にたちまち感謝する郷子と広だった。
「そろそろ本気でいくぞ」と妖狐。
「こっちにだって奥の手がある」とぬ~べ~。
鬼の手攻撃である。
「強制成仏」
「意味分かって言ってんのか」
しかし・・・妖狐と言えども地獄の鬼には歯がたたないのだった。
逃げ出した妖狐を追ったぬ~べ~は玉藻先生の正体を知る。
「妖怪だったのか」
「お前こそ妖怪じゃないか」
「僕は人間だ」
「左手が鬼の手になってるやつは妖怪だよ」
「妖怪じゃないもん・・・人間だもん」
「子供かっ」
妖狐とぬ~べ~の間にファナモの話の好きな小学生レベルの友情のようなものが芽生えるのだった。
こうして・・・ぬ~べ~の秘密を知る生徒は四人になったのだった。
まあ・・・最終回までにはみんな秘密を知ることになっちゃうね。
そうなると一人くらいは素晴らしいインターネットの世界に鬼の手動画をアップするよね。
とにかく・・・お化け屋敷は大盛況で・・・押し掛け女房的雪女のゆきめ(知英)の友達の本物の一つ目小僧も紛れ込む。
無口なサトリの化け物はただの一般人であることは言うまでもない。
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