きのう、処女を喪失したのできょうは会社休みます。(綾瀬はるか)
呪縛が解けたな・・・。
ついに「アオイホノオ」から解放されたみたいだ。
同僚社員に佐藤二朗がいたらどうしようかと思ったぜ。
流れとしては・・・「ホタルノヒカリ」がそこそこやれたんだから・・・コレも行ける・・・的な感じ。
後はバランスだよな。
「恋」と「仕事」の両立という現代女性の直面する問題が「筋」だからな。
いや・・・どちらかというと少子化時代の「恋」と「家族」の問題にシフトするのかもしれんぞ。
なるほど・・・。
ホタルはほぼ・・・ヒロインの家族はスルーだからな。
男女雇用機会均等法は「親の老後」が女子にも降りかかってくる制度だからな。
実の親の世話を嫁にまかせた時代の終焉だよな。
まあ・・・スイーツはスイーツだからねえ。
結局、もてもてなんだよな。
結局、ちやほやされたいんだよな。
そういう甘い夢に徹してもらいたいねえ。
で、『きょうは会社休みます。・第1回』(日本テレビ20141015PM10~)原作・藤村真理、脚本・金子茂樹、演出・中島悟を見た。問題は脚本だよなあ。臆病な男子主人公については一応「プロポーズ大作戦」で成功しているわけだが・・・その後はずっと低調な推移で・・・「SUMMER NUDE」でとんでもない感じになってココである。なんで女流に書かせなかったんだ。しかし、原作付なので初回を見る限りは無難なスタートだった。「SUMMER NUDE」の豪華すぎた共演よりも・・・今回はオーソドックスな三角関係で・・・要するに「プロポーズ大作戦」の逆をやればいいわけである。基本的に女々しい作風なので・・・意外と合うかもしれないねえ。
30才の誕生日まで・・・なんとなく男性経験のなかったヒロインが帝江物産横浜支社食品部デザート原料課の青石花笑(綾瀬はるか)である。
本人はなんとなく・・・と思っているが・・・要するに臆病なのである。
なにしろ・・・アレはものすごく無防備になる必要のあるものだからな。
その上、アレがアレにアレしてくるという想像すると恐ろしい行為なのだ。
やはり・・・初体験は本能がアレの時にあれよあれよとすました方が無難だ。
18才の時にチャンスのあった花笑。
相手は大学の先輩である。
しかし・・・ホテルに誘われ、門限を理由に断ったのがアレだったのである。
相手には別の交際相手がいたというが・・・18才くらいならよくあることである。
切磋琢磨してアレを磨く年頃だからな。
おいっ。
脚本家がアレなのではっきりと描かれないわけだが・・・要するに引きずってしまうわけである。
チャンスを逃したというあせりで・・・時間が止まってしまったのだ。
次の日、花笑は思う。昨日、やっておけばよかったな。
一週間後、花笑は思う。一週間前にやっておけばよかったあ。
一年後、花笑は思う。一年前にやっておけばなあ。
そして12年後・・・花笑は・・・12年前にやっていればと思うのだった。
まあ・・・明らかにホラーです。
脚本家は優しい性格なので・・・この辺りの痛々しさを痛快に笑いで包まないのがもどかしいわけである。
笑える話をシリアスに持っていっちゃうんだもんなあ・・・。
しかし、ヒロインがヒロインなので存在感でなんとか持って行きます。
帝江物産は老舗の商社である。
その支社の食品部のデザート原料課の事務職の女性社員・・・。
安定しているのか不安定なのか・・・微妙な職場で十年、キャリアを積んできたのである。
ずっと・・・ここが職場とは限らんぞ。
いや・・・なんとなくそういう感じなんじゃないか。
そういう描写もこの脚本家は不得手なんだよなあ。
職場には二線級のイケメンが何人か配置されている。
「リーガルハイ」の忍びの者こと田口淳之介の演じる同僚・大城。
「ST 赤と白の捜査ファイル」の脇役刑事役の水上剣星の演じる鮫島。
「平清盛」だろうが「SUMMER NUDE」だろうがずっと童貞な感じの千葉雄大が演じる加々見。
上司は「あまちゃん」の観光協会長でおなじみの立花(吹越満)である。
ヒロインに老いを感じさせる若手女子のポジションに大川瞳(仲里依紗)である。24才で一児の母の実生活がほのぼのと反映する。
そして・・・ヒロインの恋のお相手が・・・「あまちゃん」の種市先輩こと宇宙キターッな福士蒼汰の演じる田之倉悠斗・・・。
大学生のアルバイトなのである。
実は・・・花笑は悠斗を一目見た時から・・・心を奪われていたのだった。
そんな描写ないだろう。
だから・・・悠斗は初体験の相手になるかもしれなかった大学の先輩と一緒なんだってば・・・。
花笑の時間は止まってるんだから。・・・ああ。
生ぬるい感じの職場では生ぬるい感じのアフターファイブしかないのである。
すでに・・・恋愛の対象外となっている花笑は揶揄の対象でしかない。
課長も瞳には忘れない義理誕生日プレゼントを・・・花笑にはうっかり忘れるのである。
大城は毎日のように・・・「そろそろ・・・彼氏を作ればどう」と余計なお世話をするのだった。
ちなみに大城は花笑にとって最初から対象外だった。
どんなに若くても社会人だからである。
花笑の相手は最初から・・・悠斗以外にはいないのである。
大城のお世話がしつこいために・・・ついに嘘をつく花笑。
「私・・・最近付き合っている人がいるんです」
「えええええ」
「でも・・・他の人には言わないで・・・」
もちろん、課員一同に吹聴する大城だった。
花笑は思わず悠斗を窺う。
ね・・・花笑は最初から悠斗狙いってことでしょう。
誤解されたくないわけである。いや・・・この時点では悠斗とは何の関係もないわけだが。
花笑と比べれば恋愛に積極的な瞳は・・・ビル内の違うフロアにある食品輸入卸会社「アルバ・トレーディング」のCEOである朝尾侑(玉木宏)にまでアピールを展開していた。
「のだめカンタービレ」の千秋先輩は・・・綾瀬はるかとは「鹿男あをによし」で共演済みである。
しかし・・・今回は・・・花笑のターゲットが大学生限定なので最初から対象外なのであった。これは「鹿男」で女生徒(多部未華子)とキスをした報いだな。
だが・・・ランチタイムで花笑と同席すると何故か・・・CEOは花笑にアプローチを開始する。
スイーツの神様がそうしろというんだな。
しかし・・・「こじらせ女子」・・・大学生時代のミスを引きずり恋愛恐怖症で男性恐怖症でセックス恐怖症の花笑はコミュニケーションを拒絶である。
処女である前に人間性にも問題があるんじゃないか・・・。
そんな・・・花笑を作り上げたのは・・・両親。
「最後から二番目の恋」のダメ男でおなじみの巌(浅野和之)と「昼顔」の極めて典型的な姑を演じたばかりの光代(高畑淳子)・・・。
娘に「花のように笑え」とシュールなほどにロマンチックな名前をつけてしまった・・・スイーツな両親なのだ。
そのために・・・花笑は「いい子」のまま、三十路に突入しようとしているのである。
まあ・・・良い両親が子供を幸せにするかどうかは未知数だからな。
三十路になるのに交際相手もいない娘のためにバースデーケーキを並んで買う巌だった。
一方・・・悠斗のストーカーである花笑は尾行して屋上で電話の会話を盗み聞く。
「だから・・・君とはもう終わったんだよ」
悠斗に彼女がいたことにショックを感じると同時に・・・彼女がいなくなった事を知り歓喜する花笑。
もちろん・・・本人さえはっきりと認めない深層心理の話である。
「あ・・・なんか・・・すみません」
花笑に気がつき動揺する悠斗。
スイーツの神様の指示により・・・悠斗が彼女に別れを告げたのは・・・実は花笑に恋をしてするからなのだ。
えええええっ。一体なんで。
もちろん・・・おっぱいバレー的なアレですね。
もちろん・・・そんなこととは露知らぬ・・・花笑だった。
そして・・・誰もが花笑の誕生日だとは気付かない課内飲み会の夜。
瞳のアプローチをかわすための「俺・・・彼女います」という悠斗のウソにカチンとくる花笑。
「この間、電話で別れ話してたでしょう」という理不尽な攻撃をするのだった。
「え」
なぜか・・・おしゃれなバーで・・・花笑と瞳と悠斗の二~三次会である。
花笑と瞳のツーショットでの会話。
「瞳ちゃんは積極的でうらやましいな」
「だって花笑さん・・・彼女いるんでしょ」
「あ・・・友達がね・・・消極的で彼氏ができなくて」
「そんなの・・・コーマンですよ」
「コーマン・・・」
「高慢ちきだって言うんですよ。いつかバス亭に白馬の王子様が迎えに来るなんて言い出すタイプですよ。来ませんよ。バス亭に来るのは路線バスだけですよ」
「・・・」
酔い潰れた花笑を送りだすと残ったのは本気で花笑を狙っている悠斗と・・・心の奥底で悠斗を狙っている花笑の二人が残るのだった。
「ひどいな・・・タレコミなんて」
「だって・・・彼女をふっておいて彼女がいるなんてずるいじゃないですか」
「もしかして・・・彼氏いるって・・・ウソなんですか」
「・・・」
超能力者のような悠斗だった。
もちろん・・・スイーツの神様が囁いているのである。
気まずくてトイレに立つ花笑。
そこへ・・・花笑の数少ない友達で二児の母の笹野一華 (平岩紙)からお誕生日のお祝いメールが届く。
目ざとくそれを察知する悠斗。
花笑が戻るまでにバースデー・サービスをオーダーするのだった。
初めて男に誕生日を祝われた花笑は陥落する。
「今夜・・・朝まで一緒にいてください」
「朝まで・・・何するの」
「バッティングセンターとか・・・ゲームセンターとか・・・」
「そして・・・私をあなたのセンターにしてくれるんですか」
「そんな・・・親父ギャグはなかったと思います」
だが・・・花笑のセンターは激しく貫かれたのだった。
下半身がじんじんする朝・・・おっぱいバレー的な悠斗の手をそっと外した花笑はホテルから脱走するのだった。
なにしろ・・・12年間過ごした竜宮城の夢が醒めたのである。
大学生とのアレが失敗から成功にチェンジして・・・花笑は浦島太郎となった。
玉手箱を開けたら18才から30才になっていたのだった。
「ああああああああああああ」と叫びながら朝の街を走る花笑だった。
それを目ざとく見つけるCEO。
「おや・・・昨日と同じ服・・・やりましたか」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と叫びながら会社から撤退する花笑。
そして・・・たまりにたまった有給休暇を消化するのだった。
「今日、会社休みます」
失われた12年に呆然とする花笑だった。
娘のコーマンを許してきたというか結果としてコーマンを阻んできた巌は・・・おいっ・・・娘にケーキを食べさせる。
ここを優しいシーンと考えるか・・・残酷と考えるかは・・・微妙なところですな。
まあ・・・どんな父親も自分以外とのセックスを娘に許したくはないわけですが・・・おいおいおいっ。
そして・・・女学生から適齢期を過ぎたおばさんに突然なってしまった花笑は意中の人と顔を合わせることもできないのだった。
ものにした女の態度にとまどう悠斗。
エレベーターの壁ドンである。
「俺・・・マジですから」
「え」
「俺じゃ・・・ダメですか」
「え」
キスである。
「ええええええええええええ」
通りすがりのCEOは一瞬ですべてを見抜くのだった。
「なんか・・・困ってるんだろ・・・相談にのるよ」
スイーツです・・・極上のスイーツの世界が今、幕開きました。
アレがアレしたからな。
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コメント
ファーストクラスは前作 夢中?になって見ていたのに
続編が発表された時は キャストも変わっちゃうし なんだかなという感じで
綾瀬はるかちゃんのドラマのほうが期待値が高かったです
でも どちらもそれ程関心がなかったので初回はザッピングになってしまいました
会社休みますは脚本家さんと自分の相性が合わないのか
喪失ネタとかはカラッと笑い飛ばしてくれないと見ていられなくて
主人公の性格もジメッとしているように思えて
もう耐えられなくなっね
途中で見るのをやめてしまいました
でもキッドのレビューを読んだら 最後の方は
楽しい展開だったみたいですね♪
キャストも豪華だし来週録画してもう一度見てみます
ザッピングの感想でアレですが^^;
ちょっとごちゃごちゃしてたけどファーストクラスが思ってたよりは楽しめました
もう少し 整理してくれたら好きなドラマになりそう^ ^
やっぱり なんだかんだ私はファーストクラス好きみたいです 笑
投稿: chiru | 2014年10月17日 (金) 08時48分
ふふふ・・・「ネタ」としては
「ファーストクラス」に「アオイホノオ」の赤井タカミを演じた中村倫也がアシスタントデザイナー・冴木として登場するのでおいしかったんですけどねえ。
ずっとドラマで仕事をし続けた大河ドラマ女優の綾瀬はるかと
好き放題やってようやく深夜の「ファーストクラス」で返り咲いた沢尻エリカでは・・・
最初から勝負にならない感じがいたしました。
しかし、こちらは脚本家がアレですので
ジリジリと下げるかもしれない。
一方、平均視聴率 7.7%「若者たち」の後を背負って深夜で平均視聴率 8.0%だったこの「ファーストクラス」はのし上がるかもしれない。
昔だったらVSコーナーでしたねえ。
ちなみに関東では日曜日のお昼に再放送があると思われます。
まあ・・・「ファーストクラス」はある程度面白いに決まっているので・・・。
どうなるのかわからない・・・こちらを
レビュー対象といたしました。
なにしろ・・・脚本家がアレですからなあ。
投稿: キッド | 2014年10月17日 (金) 17時07分
じいやちゃま、こんにちは!
はるか嬢の役者魂、炸裂でしたね~。
何時代かのような地味衣装にメガネですが、
仕事のできるOLという設定なのも
なんとなく依怙地そうなのも
多少、辛さを呼びますね(^^;
でもこの子に素敵男子が寄ってくるのが、
不思議でもあり嬉しくもありでしたけど~。
うん~でも少女マンガはこういうのが定番ですよね。
こじらせても夢見る妄想力があれば
いつか幸せの王子様がやってくるのだわ。
しかし、メガネをはずしたあとの綾瀬さんは
やはり魅力抜群で、
これからの輝きが楽しみですね~~♪
そんでじいやちゃま、遅ればせながら
お誕生日おめでとうございます
なんせ総領娘ですゆえ、
じいやちゃまには毎日が敬老の日と心掛けておりますが
お誕生日はちょっと月までひとっ飛びしていたもので
大変失礼しましたわ。
アンナちゃん、まこちゃまとも相談して
腰のマッサージチケットにしましたが
いつでも申し付けてね。
あと、傘と杖が一体化した魔法のステッキを
作ってもらったのでどうぞ~。
あの持ち手の柄の部分の彫刻は
人間国宝の方に長寿亀を掘っていただきましたのよ~。
さ、今夜は月のしずくを発酵させてみたので
オンザロックでどうぞ~!
投稿: エリ | 2014年10月17日 (金) 20時31分
「ホタルノヒカリ」もそうですが
綾瀬はるかの役者魂が
ドラマを原作を越えた作品に仕上げるのでございますよねえ。
今回は脚本もややもたついているので
なおさら・・・役者の存在感が光りますな。
「干物女」よりやや抽象的な「こじらせ女子」という
概念をまさに実写化しているのが
素晴らしいのでございます。
人生は素晴らしいものですが
辛いものでもございます。
たとえばお屋敷は
実にゴージャスですが
サラリーマンと専業主婦が
棲むには相応しくない。
夫が妻にお屋敷を
プレゼントして明日からここで暮らそうと
宣っても
妻は戸惑うばかりでしょうからねえ。
少なくとも
テーブルの裏から
天井のシャンデリアの支柱まで
毎日、磨きあげておくためには
千人の執事と
千台のメイドロイド
千台のハウスキーパーロイド
千人ずつの下男と下女が
必要でございますからな。
予備員まで含めると
一万人くらいの雇用が発生しますぞ~。
一人の主婦が清潔を維持できるのは
精々3LDKまででございますよねえ。
しかし、少女マンガの世界では
おいしいお菓子をいくら食べても太らないのですな。
そして眼鏡をはずせばたちまち美人でございます。
ま・・・美人かどうかは
眼鏡かけていたって分かりますけど
それを言ったらおしまいなのでございますねえ。
業務用ピスタッチオの行方も気がかりですなあ。
スイーツたるもの・・・
あまり夢を壊すのもどうかと思うのですな。
食品を扱うのにマスクも手袋もなしで
いいのでございましょうかねえ。
少なくとも小分けが日常業務なら
それなりに衛生管理された作業室が
あってほしいものでございます。
町内会の夏祭り用のお菓子の袋詰めじゃないんですからねえ。
まあ・・・演出にも問題がありますが
やはり脚本家の気がきいてない気がしますぞ。
まあ・・・いろいろとハラハラする感じですが
ヒロインと二人のハンサムさんが
きっと道を切り開いていくことでしょう。
それはさておき・・・お嬢様方に
じいめの誕生日などを
祝っていただき恐悦至極でございます。
亀のステッキは神棚に奉納いたしまする~。
じいめにとってなによりの幸せは
お嬢様方の健康と充実した生活でございまする。
全身全霊をあげてお仕えもうしあげますぞ~。
今宵のディナーは
昆布だし甘塩たら入り湯豆腐にいたしました。
たれは
キザミねぎにかつおぶしに醤油。
すだちをお好みでおしぼりくださいますように。
投稿: キッド | 2014年10月17日 (金) 21時12分