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2014年10月 8日 (水)

もしもあの日あなたに逢わなければ私は世界を支配したかもしれません(広末涼子)

過激な男尊女卑の社会では・・・女は男に服従し、媚びねば生きていけない。

それでも世界は男と女が共に生きるように作られている。

男と女がお互いを敬い、世界を分かち合う日がいつかやってくるだろうか。

女が男を奪いあう時、女の敵は女である。

悪女として生きた女が・・・善男善女の幸福を願った時・・・聖女として祝福される。

女が女であることの不気味で不愉快な有様が苦々しく綴られて・・・これは傑作と言っていいだろう。

で、『聖女・最終回(全七話)』(NHK総合20140930PM10~)脚本・大森美香、演出・日比野朗を見た。キッドはここまでJUJUの歌がピンとこなかったのだが・・・このドラマの主題歌「ラストシーン」には「生きる悲しみ」のようなものを感じた。分かりやすかったと言えばそれまでだが・・・とにかく・・・ぐっときたのである。それにしても・・・二十歳そこそこから現代まで・・・夢の女と罪の女を演じ分け・・・最後は化け物めいた魔の女に堕ちてから・・・聖なる微笑みに至るヒロイン・・・広末涼子のただならぬ深みを感じさせた作品だったなあ。構成的にはやや破綻しかけている部分もあったが・・・とにかく・・・主人公のセリフがいい。やはり・・・脚本家は実力者なんだな。

Swpp006売春婦の娘に生まれて、生き地獄の中で育ったヒロインは・・・油断のない女に成長したのだが・・・ただ一度の愛に躓くのである。神の計画の恐ろしさがそこにある。そう言う意味で・・・愚かで初々しい「真珠の耳飾の少女」でしめくくってもよかったのだが・・・聖なるものを満載しながら・・・どこか邪悪で空虚でみだらな「何か」を感じさせるフェルメールの作品「信仰の寓意」を掲げることにした。もうなんだかよくわからないポーズをとっている女性は磔となったイエスを背負って・・・地球を足蹴にしているわけである。アダムを失楽園に導く林檎も無造作に転がり、仇を為した魔王は砕かれている。イヴの末裔の勝利さえ感じさせる情景だ。当然、男性たちにはあまり評判の良くない・・・フェルメールなのである。

男たちの望む女と・・・女がそうありたい自分自身とは常に乖離があるんだなあ。

初恋の呪縛を封印し・・・平凡で普通な愛を選択した晴樹(永山絢斗)は思い通りのならない世界に対する鬱憤を基子(広末涼子)にぶつけるのだった。

「なんで・・・あの時のまま・・・素敵な人でいてくれなかったんです・・・」

「私は何一つ変わっていない・・・あの時のままよ・・・あなたを・・・あなただけを心から愛しているの」

「いいえ・・・少なくともあなたは・・・あの時・・・誰かを殺そうとは思っていなかったはずだ」

「そんなことはないわ・・・いつだってみんな死んでしまえばいいと思っていた」

「そんな悲しいことを言わないでください」

「でもね・・・あなただけは愛してる」

「そんなこと言われても・・・僕には無理なんですよ・・・僕はイエス・キリストじゃない・・・あなたの罪を許すことも・・・あなたの罪を背負うこともできないんだ」

「どうして・・・」

「だって・・・あなたは・・・犯罪者じゃないですか」

どしゃぶりの雨の中・・・すれちがう男と女である。

訣別したつもりの晴樹と・・・永遠の愛を信じる基子。

おそらく・・・どちらかが間違っているのだろう。

晴樹を待つことに疲れた基子は・・・恋のライバルである泉美(蓮佛美沙子)に直談判を決意するのだった。

多くの男にとってどうでもいい泉美の花嫁衣装選びに付き添う晴樹。

ウエディングドレスを身に付けた泉美の更衣室に・・・幽霊のように現れる基子。

「とてもよく似合うわ・・・あなたにはそのタイプが相応しい」

「え」

「あなたにお願いがあるの」

「・・・」

「晴樹くんを譲ってください」

「譲れません」

「どうして・・・あなたは素敵だもの・・・きっと他にもいい人が見つかるわ・・・だけど私には晴樹くんしかいないの・・・きっと晴樹くんも・・・私との愛を選んでくれる・・・だって晴樹くんを男にしたのは私なんだから」

思わず平手打ちをする泉美だった。

「何するのよ・・・」

「あなたに晴樹さんはふさわしくありません」

逆上して基子も泉美を打つのだった。

「あなたに何がわかるの・・・私がどんな屈辱に耐えて・・・汚れた体を清めてきたか・・・何も知らないくせに・・・」

そこに・・・晴樹が登場する。

思わず逃走する基子・・・。

晴樹は追いかける。

「基子さん・・・悪いのは僕です・・・でも彼女には二度と近付かないでください」

「晴樹くんは・・・いつ家に来てくれるの・・・私・・・ずっと待っているのに」

「基子さん・・・僕はあなたとは・・・生きていけないのです」

謝罪する晴樹の姿を写真に収めるハイエナライター。

しかし、亡霊のようにハイエナライターの背後に立つ基子だった。

「あなた・・・鬱陶しいわ」

「いい写真が撮れましたよ」

「くだらない・・・それに私はもっと美しい・・・」

「・・・」

「いいわ・・・すべてを話してあげる」

「ええっ」

基子は晴樹を地獄に引きずり込む覚悟を決めたのだった。

自ら・・・晴樹との肉体関係を暴露して・・・泉美との三角関係で悩んでいることを告白したのである。

そのスキャンダルな内容に下世話な世界は色めき立つのだった。

「お騒がせしてすみません」

「いいのさ・・・誰が誰と性交しようが自由なんだからな」

前原弁護士(岸部一徳)は退職しようとする晴樹を慰留する。

前原と黒坂弁護士(田畑智子)は基子の海辺の家を訪ねる。

「裁判は不利になるかもしれません」

「ご迷惑をおかけします」

「それは・・・」

「赤ちゃんの靴下です・・・」

基子は・・・生まれてこない赤ん坊のために・・・靴下を編むのだった。

嫉妬の虜となり弟の不幸だけを望む外道となった兄は・・・基子の自爆攻撃に苛立つ。

弟を痛めつけるのは自分でなければならなかったからだ。

しかも・・・騒動で結婚式が延期になった晴樹と泉美の絆は固く・・・入籍だけでもすまそうとしていたのである。

「弟だけが・・・何故・・・愛されるのだ」

兄は基子を呼びだすのだった。

「あなたが晴樹くんのお兄さんだったとは・・・意外だったわ」

「弟は・・・結婚しますよ」

「・・・」

基子は絶望の淵に立つのだった。

婚姻届提出のために役所に向かう晴樹と泉美。

幽鬼のように待ち伏せる基子。

「なんで・・・なんで・・・私を愛してくれないの・・・私がこんなに愛しているのに」

泉美を庇う晴樹。

「ごめんなさい」

「じゃ・・・死んでよ」

基子はありったけの愛をこめて晴樹の首を締め上げるのだった。

そこへ・・・妖怪のように出現する未亡人の文江(中田喜子)・・・。

基子を背後から刺すのだった。

のけぞる基子。

「この女・・・私から夫を奪っておいて・・・死刑にもならないのよ・・・おかしいじゃないの」

「やめてください」

文江から凶器を奪い取る晴樹。

すると文江は基子の頭を路面に激しく何度も叩きつけるのだった。

「狂ってる・・・」

「晴樹くん・・・とめてよ」

「あ・・・ああ・・・」

「誰か、救急車呼んでくださーい・・・警察も呼んでくださーい」

「せめて・・・あと一太刀・・・」

阿鼻叫喚である。

千倉氏を殺したのも千倉夫人だった。

下世話な世間は蒼ざめた。

千倉夫人の暴行によって・・・基子は失明したのだった。

見舞いに訪れる前原。

「友達として・・・来ました・・・あ、私、女に興味がないので・・・御安心ください」

「先生は・・・そういう方だと思ってました・・・だって私を口説かなかったもの」

「はい」

病院の廊下で・・・立ち聞きする泉美。

「私は・・・本当に晴樹くんを愛してました。私は偽りの微笑みでこの世を上手に渡ってきたんですよ・・・それなのに・・・晴樹くんは私の仮面を引きはがしたんです・・・私はそれが辛くて・・・晴樹くんから逃げ出しました・・・私が彼を愛したのが失敗だったのか・・・愛に怯えて逃げ出したのが悪かったのか・・・とにかく・・・私は自分で大切なものを捨ててしまったんです・・・それなのに・・・意地になってとりもどそうとするなんて・・・取り戻せると思うなんて・・・愚かな女でしょう・・・泉美さんと言ったかしら・・・あの人はきっと・・・晴樹くんを幸せにしてくれるでしょう・・・そうね・・・二人には幸せになってもらいたい・・・ああ・・・あったんですね・・・私にも・・・自分ではない誰かの幸せを願う気持ちが・・・そうか・・・あったのか」

「はい」

泉美は立ちすくむ。

晴樹は兄と対峙する。

「一体・・・どういつもりなんだ・・・」

「みんな・・・不幸になればいいのさ・・・彼女だってそう願っているはずだ」

「ふざけんな・・・あの人はただ一生懸命生きて来たんだ・・・臆病で引き籠りのあんたとは全然違う」

「ひでぶっ」

晴樹は悪い予感に襲われるのだった。

基子は入水自殺中だった。

「だめだ・・・戻ってきてください」

「海に忘れたものを拾いに行くだけよ」

「台風接近中にサーフィンするみたいなもんですよ」

「じゃ・・・一緒に来てよ」

泉美もかけつけるのだった。

「基子さんを助けて」

「だめだ・・・僕は泳げないんだ」

「湘南ボーイなのに・・・」

「湘南に生まれたって金槌は金槌さ・・・」

「あのね・・・私も金槌なの」

お似合いの二人だった。

そして・・・基子は海に没した。

基子にとって汚れに満ちた世界は消滅したのである。

この世で最も聖なるもの・・・それは「死」なのである。

聖女の思い出を胸にそれなりに幸せに余生を送る晴樹と泉美だった。

聖女の消えた世界でそれでも地球は虚しく回っている・・・。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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