近江の路は京の都に通ず(水原希子)
なんでローマ推しなんだよ。
温泉の恋しいシーズンですからあ。
テルマエ・ロマエかっ。
早く、Ⅱをオンエアしてもらいたいよね。
・・・お市の方が浅井長政に嫁いだ時期にも諸説あるわけである。
定説では永禄十年(1567年)で長政には永禄七年(1573年)生まれの長男・万福丸がいたことになる。
つまり、お市の方は後妻、あるいは継室なのである。
先妻は六角義賢の宿老の一人で佐々木高島系源氏の平井定武の娘とされている。
六角氏との同盟を解消して先妻を実家に帰したということになっているのだ。
しかし、長政には側室・八重の方もいて次男・万寿丸や三男・円寿丸なども生んでいる。
戦国時代ですからっ。
だが、お市の方が永禄四年(1561年)に嫁いだという説もあり・・・これならお市の方が全部生むことも可能である。ただし、この場合は同盟目的が・・・美濃攻略作戦の一環となるわけである。
長女の茶々は永禄十二年(1569年)生まれが定説だが・・・これも定かでない。
戦国の女たちは・・・天下人の妻となってさえも出生の日も定かではない・・・境遇なのである。
もちろん・・・サブローにはそんな知識はありません。
なにしろ・・・明智光秀が何をした人なのかも知らない人なんですからあ。
まあ・・・そういうもんだよねえ。偏差値が低いってことはさ。
で、『信長協奏曲・第5回』(フジテレビ20141110PM9~)原作・石井あゆみ、脚本・岡田道尚・宇山佳祐、演出・金井紘を見た。永禄十年に美濃国を制して、尾張と合わせて二ヶ国持ちの大名となった織田信長は上洛を視野に北近江の浅井氏と同盟を結び、同母妹の市姫を浅井長政の室として送りだす。これで信長と長政は義兄弟となったわけである。信長は単独で三万、長政は一万足らずの動員力だったと推定される。この時期、武田信玄が一万五千、北条氏康が二万、上杉謙信が一万という動員数なので数で言えば圧倒的に織田家は単独首位にたったのだった。少なくとも・・・信長の中では天下統一が現実のものになってきたと思われる。
さて・・・浅井一族は近江の北に古から棲む物部氏の一族を発祥とする説がある。本家は聖徳太子に滅ぼされるが物部一族は陸奥から九州まで全国津々浦々に繁殖していたのである。そんな近江浅井一族に藤原鎌足を始祖とする正親町三条家の庶子が流れ着いて戦国浅井家が歴史の舞台に現れるのである。出発点は近江源氏の主流・京極氏の郎党としてである。
さて・・・京極氏は・・・宇多天皇を始祖とする宇多源氏の流れである。源成頼が近江国佐々木庄に下って佐々木氏が発祥し、佐々木氏から京極家と六角家が分派する。京極家と六角家は時には対立し、時には協力して・・・近江源氏の主流となっていったのである。応仁の乱では敵味方となり、戦国中期には・・・北近江を京極家が・・・南近江を六角家がほぼ手中に収めつつあった。
しかし・・・世は下剋上である。京極家の家臣であった浅井家から・・・浅井亮政という猛将が出て、主家の京極家を圧倒し始める。京極家は浅井の庇護下に置かれるお飾りとなっていった。しかし・・・跡を継いだ久政は・・・戦下手であった。京極家の守護代として南近江の六角家に挑んだ戦いに敗れ・・・拡大した領土を失ってしまったのである。結局、久政は六角家に臣従し、婚姻政策で生き残りを図る。妹を美濃の斉藤家に、二人の娘を六角家と京極家に嫁がせるという平身低頭ぶりであった。そして・・・息子の長政には六角家の重臣の娘を嫁にもらったのである。六角の家来の娘を嫁にもらうというのは・・・つまり六角に浅井が臣従するということなのである。
ちなみに・・・久政の娘が嫁いだ六角義実は嫡流だが・・・叔父の六角定頼が主流派となって・・・長政は幼少時を定頼の人質として過ごした。
長政が元服すると・・・祖父譲りの勇猛さを示し、六角氏に反抗する。永禄三年(1560年)、赤尾清綱・海北綱親・遠藤直経らの重臣とともに若武者・長政は六角の軍勢を打ち破った。長政に魅了された家臣たちは久政に隠居を求め・・・ここに北近江の戦国大名・浅井長政が誕生する。長政は六角家から押し付けられた嫁を返品します。
つまり・・・信長は・・・この北近江の若武者に・・・市を嫁がせることにしたのだった。
てなことはまったく知らないサブロー(小栗旬)である。
ひょんなことから・・・明智光秀と名乗る本物の信長が一瞬、岐阜城に入り、浅井家の同盟のためにお市を嫁がせると決定してしまうと・・・婚前交渉のために・・・違うだろう・・・同盟締結交渉のために近江国小谷城に向かう軍師・竹中半兵衛(藤木直人)を猛ダッシュで追いかけるのだった。
お市の婚姻を条件に隠居の浅井久政(村井國夫)と当主の浅井長政(高橋一生)が同盟に同意したところで・・・サブロー乱入である。
「だめよ、だめだめ~。愛のない結婚なんて・・・お市ちゃんが可哀想だもん」
「えええええええええ」
「アイとは・・・なんでござろうか」
「染物でござるか」
「藍染なら・・・浅井家にもございまする」
とにかく・・・四倍の兵力を持つ相手との交渉なので浅井家もギリギリ下手に出て・・・織田家の無茶ぶりに対応するのだった。
しかし・・・婚姻という証がないとそう簡単には話に乗れないのである。
婚姻同盟なら対等の関係だが・・・領地を勝手に通せば・・・臣従したも同然で・・・浅井家の面目が立たないのである。
交渉は決裂し・・・岐阜城に戻ったサブロー。
「私、浅井に嫁ぎます」と市。
「そんなの・・・ダメだよ・・・結婚ってのは・・・恋愛して・・・お互いを認め合って・・・結婚指輪を薬指にはめないと・・・」
「指輪ですか・・・」
「そして・・・誓いのキスを・・・」
「祝言に鱚ですか・・・鯛ではないのですか」
「魚の種類じゃなくて~」
偏差値低い高校生は優秀な女友達に甘えるのだった。
「帰蝶ちゃんもなんとか言ってよ」
「他国に嫁いだからと言って幸せになれないとも限るまい・・・」
斉藤家から同盟の証として織田家に嫁いだ帰蝶なのである。
「そんなあ・・・知らない国に嫁ぐなんて・・・可哀想じゃん」
自分の妻の身の上を失念するサブローだった。
「帰蝶ちゃんて・・・冷たい」
「・・・」
バカの言うことなので我慢する帰蝶だった。
一方・・・やはり・・・くのいちだった帰蝶の侍女・ゆき(夏帆)はサブローの兵法書である「日本史の教科書」を本国に送付するのだった。
そんなゆきを敵国の間者と知って泳がせる復讐の鬼・木下藤吉郎(山田孝之)・・・。
藤吉郎はサブローに提案する。
「北近江国に忍び入り国境の浅井の砦に放火して参りましょうか」
「それ・・・いいね」
ピンときたサブローは「戦意のないことを示すために・・・美濃・北近江の国境にある織田方の砦の破却作戦」を実行する。
あきれ果てる浅井の父子だった。
そうとなれば・・・侵攻するしかないのである。
だって戦国時代ですから。
「え」
浅井が攻めて来たと知り・・・愕然とするサブローだった。
密かに市を慕う池田恒興(向井理)は市に浅井との婚姻を懇願するのだった。
「兄上・・・市は嫁ぎます」
「でも・・・」
「戦をしないで勝つのは市の願いでもございます。今の織田なら・・・浅井に負けはしないでしょうが・・・戦をすれば・・・傷つくもの・・・死ぬものは・・・必ず出ますでしょう」
「・・・」
「これは・・・市の役目にございます」
花嫁衣装を着た市を盛大に送りだす織田家一同。
そのあまりの美しさに・・・正史では・・・市の再婚相手となる柴田勝家(高嶋政宏)は胸きゅんである。
池田恒興の手紙で「織田家の指輪」のならわしを知った長政は特注の指輪を用意して・・・新妻を迎えるのだった。
戦国一の美男美女カップル誕生である。
ようやく・・・帰蝶が敵国に嫁いできた女であることに気がつくサブロー。
「ごめん・・・俺がバカだった」
「うつけじゃからの・・・」
「俺・・・帰蝶ちゃんのいい夫になるよ」
「何をしてくれるのじゃ・・・」
「デート」
仲睦まじく・・・馬で遠乗りに出かけるサブローと帰蝶だった。
その姿を・・・怪しげに見つめる覆面の武将・・・明智光秀こと・・・帰蝶の本当の夫・信長だった。
まあ・・・二人は仮面夫婦だったんだろうけどさ。
とにかく・・・織田浅井同盟が成立し・・・上洛の準備は整ったらしい・・・。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
| 固定リンク
コメント