俺が死んだら三途の川で家来集めて戦するダンチョネ・・・と前田利家(岡田准一)
ここまで完全に気配を絶っていた前田利家登場である。
ちなみに黒田如水のキリシタン仲間、高山右近はこの時期、前田家に潜伏しています。
ついでに・・・ねねの侍女・マグダレナは小西行長の母と噂される人物。
あれか・・・関ヶ原の合戦の後に・・・「息子を助けてくだされ」と突然、ねねに泣きついたりするのか。
利家は「槍の又左」の異名の如く、完全なる武闘派である。
平和大好きのこの大河ドラマスタッフにとっては最も異端なのだろうなあ。
臨終に際して後生大事を願う妻・まつに「戦で人を殺すのは罪にあらず・・・我が命を活かすために敵の命を喰らっただけだ」と経帷子を拒絶。
「閻魔大王が問責するなら解散総選挙するまでだ」なのである。
「合戦の心得」を聞かれれば「戦とは侵略である。専守防衛などは戯言」と「先手必勝」の真理を語る。
本当は・・・こういう男だけが生き残れた時代であることを・・・忘れないでもらいたい。
で、『軍師官兵衛・第46回』(NHK総合20141116PM8~)脚本・前川洋一、演出・本木一博を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は倍増越えの54行。とにかく・・・認めたくないものだな・・・自分自身の若さゆえの過ちというものを・・・でまとめてきた今回。思えば如水も若気の至りの塊だった・・・という趣向なんですな。そこから教訓を得て・・・軍師と呼ばれるほどの軍略家になったというわけですが・・・肝心の・・・「さすがは黒田官兵衛」という場面が今ひとつ明瞭に描かれてこなかったので・・・なんだかなあ・・・と思う他はないのでございます。まあ・・・周囲の人々が徳川家康も含めて流石流石を連発するので・・・もう・・・洗脳されるしかない展開なのですな。今回は妻と子を成敗した左目に邪眼を秘めし男・徳川家康公描き下ろしイラスト圧巻でございます。年賀状がんばってくだされませ。だから、私信はコメント欄でえっ。
慶長三年(1598年)、豊臣秀吉は死去し、形式的に天下の主は幼い豊臣秀頼になった。しかし・・・それはあまりにも不安定な政権の座である。秀吉死後、最大の実力者・徳川家康の動向を巡って右往左往する諸大名たち。秀吉政権の秀頼への継承を目指す石田三成は戦国生き残りの古強者・前田利家を家康の対抗馬として担ぎ出す。しかし、家康は着々と有力大名の抱え込みのための婚姻策を開始する。それを阻止しようと奉行衆は家康を問責するが、実力のあるものに言葉責めは通用しない道理である。着々と党派拡大を図る家康を阻止する手段はないのである。秀吉と違って松平一族は由緒正しい大族である。婚姻のための武器である姫の数に不自由はないのだった。次々と親戚の娘を養女にしては大名家に正室として送り込む家康。たとえば福島正則には家康の祖父・松平清康の娘と結婚した家康にとっては叔父にあたる酒井忠次の娘婿・牧野康成の娘を嫁がせ、蜂須賀小六の孫にあたる蜂須賀至鎮には信長によって死を賜った・家康の嫡男・信康の忘れ形見・登久姫り娘・万姫を嫁がせるという容赦のなさである。家康の母・伝通院と再婚した久松俊勝(家康にとって義理の父)の娘・多劫姫と夫・保科正直の娘・栄姫も婚姻政策の道具として準備万端整ったのだった。
「蜂須賀家が徳川家と縁続きになるのはめでたいことか」
「そうとも言えぬぞ・・・徳川様の天下となった時・・・蜂須賀家は徳川様の親戚・・・こちらはその親戚では黒田家は蜂須賀家より・・・格落ちということになる」
「それは・・・」
「ここは・・・糸様には実家にお帰りいただいて・・・徳川家から正室を迎えるのが上策というもの・・・」
「さすがは・・・殿・・・」
如水とその参謀たちは・・・穏やかならぬ密談を重ねるのだった。
「幸い・・・糸様は・・・跡継に恵まれませんでしたからなあ・・・」
「仕方のないことじゃ・・・」
慶長四年閏三月三日・・・。前田利家は天寿を全うした。
服部半蔵の手引きによって伏見・徳川屋敷に石田三成が逃げ込んだ頃、石田三成配下の犬たちは大坂城から京に向かう黒田の軍勢に遭遇していた。
「犬が吠えるのう・・・」
長政は鼻を蠢かす。
「どうやら・・・石田の忍犬が群れているようでござる」
「ふふふ・・・近江で遊んだ頃にはあやつらとよく遊んだものじゃ・・・」
「殿は長浜育ちでございましたな」
「そうよ・・・知っておるか・・・又兵衛・・・」
「はあ」
「我ら・・・黒田には犬の血が流れておるのじゃ・・・」
「・・・殿・・・それは違いますぞ」
「ほお・・・」
「黒田に流れしは・・・狼の血でございます」
「なるほどのう・・・」
「して・・・犬どもは・・・いかがなさいますか」
「ふん・・・犬万でも馳走してやれ」
「はっ」
忍び犬たちは・・・河原で熱狂の叫びをあげ、はしゃぎまくった。
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