結婚してくれるって本当ですか。(綾瀬はるか)
シンデレラなので・・・王子様が靴を履かせてくれるまでは待つのだ。
シンデレラなので・・・魔法使いがカボチャの馬車を用意してくれるまで待つのだ。
シンデレラなので・・・継母に虐げられても・・・実母だった。
まあ・・・シンデレラ物語は結婚したら終わりである。
「婚姻」という言葉には女が二回も含まれている。
婚姻は女の世界なのである。
婚姻の婚の昏は日が落ちかかる黄昏の意味である。つまり婚とは女の終息である。
婚姻の姻の因とは人が布団に寝そべった形である。
だから婚姻とは一日の終わりに女が布団で股を広げて待っているという意味なのだ。
とにかく・・・漢帝国の残した文字の上では・・・。
実は・・・結婚にはその程度の意味しかない。
男女雇用機会均等法によって・・・出産という責務のある女性に社会的な義務を負わせすぎた社会は・・・本当はどこか歪である。
労働力を獲得するために女性に機会を与えることと出産という・・・労働力の再生産の問題の折り合いをどうつけるか・・・まだまだ根本的に課題は多いと考える。
昔の人は「長生きなんてするもんじゃない」とよく口に出したものだが・・・そういう言論を封じた時代。
幸福な老後を誰もが送ろうとすれば・・・どこかに皺寄せは生じる。
それが・・・危険ドラッグでうつろな笑いを残す若者に結晶していないことを祈るばかりである。
で、『きょうは会社休みます。・第8回』(日本テレビ20141203PM10~)原作・藤村真理、脚本・金子茂樹、演出・中島悟を見た。何故か・・・「プロポーズ大作戦」を再放送した関東ローカルのフジテレビ。ある意味・・・嫌がらせかもしれない。久しぶりに見ると・・・「好きだ」と一言言えない男女が・・・ウジウジウジウジしたあげく・・・まともな男の結婚式をぶちこわす話である。このひどい話をある程度、ロマンチックに演じきった山Pと長澤まさみはさすがだ・・・と言う他はない。一方、こちらは九歳差の年の差カップルの話。ある程度、ギリギリの話である。・・・だから逆に・・・ウジウジしたくてもできない脚本家が・・・他のカップルに浮気している気配が常にある。だが・・・まあ・・・すべてをさらけ出す主人公と・・・何を考えているのかわからないパートナーという展開は・・・そこそこミステリアスなのである。
人は・・・家庭の事情である程度、人間性を作られる。
いかにもやり手な母親の登場によって・・・田之倉悠斗(福士蒼汰)の一面が見えた今回・・・。これは・・・本当に・・・ついこの間まで高校生だった男の子が・・・母親に似ていて母親より優しい人を捜していたら・・・帝江物産横浜支社食品部デザート原料課勤務・青石花笑(綾瀬はるか)がヒットしてしまったという・・・それだけの話なのかもしれない。
ある意味・・・ホラーである。
まあ・・・女子は怪談が好きだからなっ。
花笑と同期で・・・ここまで口の軽い男として描かれてきた大城(田口淳之介)に目撃されてしまった・・・花笑とマモクラじゃなかった悠斗。
絶体絶命・・・どころか・・・花笑としては吹聴されて外堀を埋めてもらいたい話である。
悠斗は未成年ではないので・・・犯罪的であっても法にはふれないはずだ。
むしろ・・・犯罪的なのは・・・悠斗の方で花笑の貯金に手を出したり、生命保険を賭けるように薦めてきたら危険なのである。・・・おいっ。
しかし・・・「ばれたら・・・恥ずかしい」と交際がばれた小学生のように同僚からヒャッホーってされることを危惧する花笑に対し・・・大城は沈黙を守るのだった。
「なぜ・・・秘密にしてくれるの・・・」
「だって・・・バレたら恥ずかしくて・・・会社辞めるとか言い出しそうだからさ・・・そんなことになったら責任取れないもの・・・俺はこれでもお前と同期なんだから・・・」
大城は大人だった・・・。
一方・・・上司の立花(吹越満)は花笑に一般職から総合職への・・・ジョブ・チェンジを打診してくる。
企業にもよるが・・・一般職は・・・女子事務員コース、総合職は男子営業員コースと考えても良いだろう。
つまり・・・「結婚しないなら・・・男のように働け」という話である。
もちろん・・・そのこと自体は悪い話ではない。
立花は・・・花笑の力量を高く評価しているということになる。
しかし・・・それはあくまで企業が求める労働力の話である。
結婚して出産し・・・女としての幸せを獲得することとは異質なのである。
もちろん・・・男のような女として妻のような夫を養う経済力を持ち、出産もするというライフスタイルだって選択可能だが・・・そういうことができるのは・・・かなりの能力が要求されるスーパーウーマンではないかという心配もあるし・・・第一、スイーツというよりはハーレクインロマンスの世界になってしまうま・・・おいっ。
すみません・・・ちょっと言動に危険な匂いを感じたものですから。
とにかく・・・花笑と悠斗の交際は職場では明るみに出ないのだった。
すると・・・悠斗の将来設計が気になる花笑である。
なにしろ・・・悠斗の口からは・・・「結婚」という言葉が出てこないのである。
そして・・・学生だから結婚は考えていないが・・・花笑とのことは真剣だと言っておきながら・・・就職の話を蹴って大学院に進学するというのである。
ひよっとしたら・・・真剣にしているのは恋愛で・・・結婚のことなんか・・・考えてもいないのでは・・・という危惧に襲われる花笑・・・。
親友の一華(平岩紙)の忌憚のない意見・・・。
「男は・・・なるべく結婚のことは考えないようにしているのが基本だからね」
「げっ」
そして頼りの・・・ブッシー(田口浩正)は「将来のこと・・・どう考えているの」と悠斗にさりげなく聞いてくれるが・・・悠斗の答えは・・・。
「大学院を卒業したら・・・渡米して資格をとって・・・三十までには企業したい・・・」
ある意味・・・フリーホールである。
悠斗が三十歳になったら・・・花笑は限りなく四十歳に近い三十九歳になってしまう。
もう・・・結婚適齢期どころか・・・出産適齢期を過ぎてしまうのだ。
ただちに・・・出産しても・・・子供が十歳の時に母親が五十歳なのである。人生終わっているではないか・・・それ以上は言うなよ・・・絶対にだ。
とにかく・・・それは・・・理屈抜きで困ると思う花笑である。
成熟していない女性の出産は危険だという説があるが・・・高年齢出産だってリスクは伴う。
若すぎるのも年寄りすぎるのも・・・過ぎたるは及ばざるが如しである。
しかし・・・まあ・・・「余命一ヶ月の花嫁」とか「出産と同時に母親死亡」とか・・・何事もケース・バイ・ケースですからあ・・・。
フォローのつもりかっ。
米国留学から帰国した悠斗は・・・世界一周の旅に出て・・・戻ってくると陶芸家に弟子入り。
気がつくと・・・花笑は特別養護老人ホームのベッドの上。
孤独死目前で・・・陶芸家になった悠斗老人が・・・「あの世で幸せになろう」とプロポーズ。
妄想の中で困り果てる花笑だった。
何度も言ってるが「孤独」とは幼くして親がなく、年老いて子がない状態の合わせ文字である。
存命している花笑の両親は・・・寿命があるからいつまでも面倒見られないとお茶をすするのだった。
行き詰った花笑は・・・困った時の相談役である・・・元CEOに救いを求めるが・・・朝尾(玉木宏)は起業に夢中で・・・花笑につれないのであった。
これまでの自分の態度を棚に上げて御立腹の花笑だった。
そんな折・・・「今度、母親が上京するから・・・一度会ってくれないか」と言い出す悠斗。
突然・・・海に道を開いたモーゼのような気分になる花笑である。
そして・・・やってきた料理研究家の母親(鈴木杏樹)である。
花の里の方からやってきたのか・・・。
じゃあ・・・前科者か・・・。
「相棒」の話はそこまでだ。
初対面の花笑に終始にこやかに応ずる悠斗の母・・・。
しかし・・・悠斗の進学問題から・・・話がこじれ・・・結婚問題に話が及ぶと顔色を変えるのだった。
まあ・・・そうですねえ・・・。
「姉さん女房」というのは一つ年上から二、三歳までというカテゴリーですから・・・息子の結婚対象としては九歳年上の女は問題外というか・・・おいおいっ。
口がすべり・・・「なんだったら・・・悠斗さんは私が養います」と宣言する花笑だったが・・・。
周囲の反応から失言だったことに気がつく花笑である。
とにかく・・・結婚で頭が一杯だったのは花笑だけだったということです。
しかし・・・優秀な頭脳を持っている悠斗は・・・たちまち・・・花笑の心理を読み解くのだった。
「ごめんね・・・花笑さん・・・そんなに・・・結婚のことを考えていたのに・・・まったく気がつかなくて・・・」
ある意味・・・慰めになってないぞ。
今回は・・・母親と同時に大学の先輩・戸崎(香椎由宇)も登場。
何やら・・・鉄仮面は怪しげな眼で悠斗を見つめるのである。
どちらかといえば・・・悠斗の姉さん女房には・・・戸崎の方が年相応なのである。
これはちょっかい出してくるかもわからんね。
まあ・・・花笑は主人公だから負けないと思うけどね。
そして・・・借金一億円の男・・・朝尾はふと・・・花笑の面影を追ったりするのだった。
まあ・・・朝尾花笑になった方がいいじゃないかと・・・良識ある誰もが思うわけだが・・・。
そこはドラマである。
朝尾をあきらめた(二度目)女・瞳(仲里依紗)とあきらめるのをあきらめた男・加々見(千葉雄大)がウジウジする夜・・・。
花笑を呼び出した悠斗はつないだ手をポケットにいれる。
私はこの町で一番幸せな女だ・・・結婚できなくても。
私は日本で一番幸せな女だ・・・結婚できなくても。
私はアジアで一番幸せな女だ・・・結婚できなくても。
私は世界で一番幸せな女だ・・・結婚できなくても。
呪文を唱えないと泣きそうになる花笑だった。
自分でナレーションしているので間違いないのだ。
夜の街角で花笑にキスをする悠斗。
そして・・・。
「結婚しよ・・・」と言うのだった。
「結婚して下さい」ではないところが・・・悠斗らしいのだ。
なにしろ・・・三年前まで・・・高校生だった男ですから・・・。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
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コメント
会社で机の並び替えが行われてロの字の中心で監視という
三年前までは高校で「キター!」とか「ズブン」とか言ってたんだものなぁ……。
ていうか、鈴木杏樹と綾瀬はるかを見て「何歳も違わないんじゃないの」と思ってwikipediaひき、鈴木杏樹の実年齢をあらためて知って驚きました。
朝の番組のzipで見ている人には何をいまさらなんでしょうけど、私も花の木のほうから来ましただったので(笑)。
投稿: 幻灯機 | 2014年12月 5日 (金) 20時27分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
妄想が小中学生レベルでございますよね~。
城島ユウキ(清水富美加)のキターッ!は萌えますな。
20年前の「若者のすべて」で鈴木杏樹はもう
社会人でしたからねえ。
綾瀬はるかが生まれた頃、鈴木杏樹は女子高校生生・・・。
微妙な年齢差でございますよね。
10年前に綾瀬はるかは「世界の中心で、愛をさけぶ」で女子高校生ですから。
まあ・・・現代・・・女優は
年を取らない・・・いや若返る職業ですから~
投稿: キッド | 2014年12月 5日 (金) 21時54分