忘れられないけど忘れようあなたを・・って思えば思うほど忘れられません。(綾瀬はるか)
これほど・・・ヒヤヒヤしたドラマはなかったよねえ。
ともすれば・・・ウジウジしたがる脚本家をなだめすかして・・・スカッと爽やかなシンデレラ物語の完成へ。
ゴール~である。
なんだかんだ・・・綾瀬はるかの勝利なんだよな。
適齢期を過ぎた一般職のOLをこんなにもみんなが見守っているなんて・・・ねえ。
綾瀬はるかだから・・・成立する話なのである。
たとえば・・・ついに・・・唯一の同期を見守り続けた男が・・・彼女を愛していたことが明らかになるわけだが・・・相手が綾瀬はるかだからありえるのだな・・・で、彼の内面を描けば・・・物凄いウジウジさが醸しだされるわけで・・・。
脚本家・・・何度か・・・ウジウジさせようとしていたよなあ。
演出陣が必死で抑えたんだよな。
「これ・・・最後まで秘めていた方が効きますから」とかなんとか・・・。
「え・・・でも・・・普通、ウジウジするよね。ずっと好きなわけだし・・・。ウジウジするべきなんだと思うけどなあ・・・少しくらいウジウジした方がいいんじゃないかなあ・・・」
「いやあ・・・それより、主人公の妄想シーンで盛り上げましょう」
「ウジウジ不足だと思うけどなあ」
「いやあ・・・もう結構、ウジウジしてますから」
「そう・・・」
セリフもうまいし、構成力も抜群・・・性格さえ直せば完璧なのに・・・。
あくまで妄想です。
で、『きょうは会社休みます。・最終回(全10話)』(日本テレビ20141210PM10~)原作・藤村真理、脚本・金子茂樹、演出・中島悟(他)を見た。みんな・・・実に見守っていたよね。暫定順位をつけると・・・。
①マモル(ジェントル)
①朝尾(玉木宏)
①大城(田口淳之介)
①巌(浅野和之)
①光代(高畑淳子)
①一華(平岩紙)
①立花課長(吹越満)
①武士沢(田口浩正)
①お茶の間一同
・・・みんな一位じゃないかっ。
順位なんかつけられるかっ。
二週連続でブロポーズ、そして・・・二週連続でお断りの帝江物産横浜支社食品部デザート原料課勤務・青石花笑(綾瀬はるか)である。
三十路の独身女としては思いあがるのもほどほどにしろ・・・なのだが・・・綾瀬はるかなので納得するしかないのだった。
悠斗(福士蒼汰)の将来を案じて好きだけど身を引いた花笑である・・・しかし、別れても好きなのは悠斗だけなので・・・一生独身を貫く覚悟なのだった。
だから・・・「奇跡のような相手である」朝尾のプロボーズもお断りなのである。
「ありのままでいられる相手と結婚するのがいい」と今年のトレンドを全面に出して・・・瞳(仲里依紗)は加々見(千葉雄大)と交際を開始する。
沈黙した悠斗・・・。
花笑は・・・悠斗と出会う前の立ち位置に戻る。
しかし・・・心は・・・悠斗のことで一杯なのだった。
その悠斗が・・・目の前から去っていく日は刻一刻と迫ってくる。
忘年会はアルバイト終了の悠斗の送別会なのだった。
直前のクリスマス・イブに・・・ついに童貞を瞳に捧げる加々見・・・まあ・・・もう・・・なんでもいいや。ちなみにトイレットペーパーで「ガンバレ」書いちゃう奴はロールチェンジの呪いにかかればいいと思うよ。
その夜・・・青戸家では恒例の「聖夜は手巻きずしでシャンパン・パーティー」である。
そして・・・朝尾は必殺の花束配達攻撃である・・・。
サプライズにちょっと揺れる花笑。
なにしろ・・・恐ろしいことに花笑の心はさやか(平澤宏々路)よりも童心なのである。
壁ドンが朝尾なら。朝帰りが朝尾なら。合鍵手渡しが朝尾なら。頭ポンポンが朝尾なら・・・すべてのサブライズが朝尾なら・・・朝尾が好きだったのではないかと気付く花笑。
しかし・・・さらに恐ろしいことに・・・花笑の心は純潔至上主義なのだった。
処女を捧げた以上・・・添い遂げるのは悠斗しかないのだ。
そして・・・悠斗と結婚できないのなら・・・未婚のまま・・・生涯を過ごす・・・。
それが花笑の尼寺人生だった。
「アホなの・・・」と思わずにはいられない一華である。
ちなみに二人は花と華なんだな・・・。
両親は・・・届いた花束に喜ぶが・・・花笑は幸せを感じない。
だって・・・愛しているのは・・・悠斗だけ・・・。
携帯から悠斗を削除することもできないのだ・・・。
「あのさ・・・別れた男に戻るのって・・・ある意味・・・地獄へまっしぐらだよ」
もちろん・・・ドラマだから・・・そんなことはないのだが・・・客観的に振り返っておく。
別れたきっかけを作った戸崎啓子(香椎由宇)が悠斗と付き合っていたのは三年前。
悠斗が花笑の前で誰かに別れを告げていたのは今年のことである。
少なくとも・・・もう一人いるのだな。
さらに言えば何人いるか分からないのだ。
花笑が打破した鳴前ひろ乃(古畑星夏)も処女だったわけだが・・・。
悠斗と別れた後で・・・研究一筋の啓子もなんとなく・・・処女だった感じである。
悠斗は・・・ヴァージン・キラーなんじゃないのか・・・。
本当は・・・魔性の男なんじゃ・・・。
そういう流れを無視して・・・最後まで王子様を演じきる福士蒼汰・・・やはりただものじゃないんだな。
そして・・・ついに・・・千秋先輩と種市先輩対決の決着である。
「猿から犬への花束攻撃」もかわして・・・決着をつける花笑。
「私・・・朝尾さんとは結婚できません」
「彼が・・・好きだからか」
「・・・」
「いいんだ・・・俺は・・・彼に恋してる君が好きなんだから」
「ごめんなさい」と涙ぐむ花笑。
「泣きたいのは俺だよ」と最高の友達は微笑む。
これはウジウジ以外の何物でもないが・・・玉木宏なので・・・もはや爽やかなのであった。
ちなみに精神的に童女の花笑にとって・・・極悪なことに35才の朝尾はおっさんなのである。
正気かっ。
ま・・・あさお・はなえの普通のラブコメも見たいよね。
そして・・・あっという間に忘年会である。
加々見は腹踊りで・・・男をあげるのだった。
そして・・・立花課長と・・・大城が・・・見守る中・・・悠斗に別れの挨拶をする花笑・・・。
「仕事での経験を生かして・・・これからの人生を頑張ってください」
一人・・・家路についた花笑・・・王子様はガラスの靴を持って・・・いや・・・ついにメールを送る。
「花笑さん・・・今日までどうもありがとう・・・本当はあなたのこと・・・ふっきれてないけど・・・時の流れが解決してくれるのを待つことにします」
彼がメールをくれた。
彼がメールをくれた。
彼がメールをくれた。
それだけで幸せな気分になる花笑。
携帯から・・・悠斗を削除・・・である。
そして・・・立花課長に・・・総合職への転身を申し出る花笑・・・。
「終身保険に加入して仕事一筋で生きて行くつもり・・・」
年越し蕎麦を一華と食べる花笑である。
「平均寿命の86才まで残り五十六年・・・結構・・・長いよ」
「・・・」
「その間・・・ずっと一人なんだよ」
少し・・・揺らぐ花笑だった。
もちろん・・・今は意地悪な義理の姉たちが・・・靴に足をつっこんでいる時間なのである。
シンデレラはその時を待つばかりなのだ。
新年がやってきて・・・総合職となった花笑は大城の指導の元で・・・営業の仕事に励むのだった。
合言葉は「ケチャップ」である。
なぜ・・・「マヨネーズ」ではいけないかは語られない。
そして・・・とんとん拍子で結婚が決まる加々見と瞳。
一方・・・レディースデイの映画館で悠斗の元カノ同士の遭遇である。
「決断してくれて・・・ありがとう」と悠斗の昔の恋人で・・・大学の助手である戸崎啓子。
「・・・」
「彼とは・・・その後・・・」
「あってません」
「彼は・・・渡米することが決まったの」
「お二人は・・・おつきあいを・・・」
「私は研究一筋なの」
「私も仕事三昧です」
穏やかに見えるがウジウジの火花がここぞとばかりに散華しています。
「ケチャップ」と唱える度に・・・。
「やっぱり彼が好き」と思う花笑なのである。
そして・・・春。
鼻血を出しながらついに挙式を迎える加々見と瞳。
瞳は加々見瞳になってなんだかゴロがいいのである。
しかし・・・花笑の気持ちは招待客の一人・・・悠斗に向いている。
「彼は来ないよ・・・今日・・・アメリカに出発するって」
大城はある意味・・・何を考えているか分からない男だった。
なぜなら・・・彼は花笑がずっと好きだったのだ。
それは・・・おそらく・・・大城が仕込んだ米国への往復航空券のビンゴの賞品に結晶しているのだ。
しかし・・・それは花笑の手には渡らない。
物凄いウジウジの極みだが演出力で見事に隠蔽されているのだな。
しかし・・・爽やかにウジウジできる朝尾は花笑の背中を軽やかに押すのだった。
「何も・・・ビンゴの商品じゃなくたって・・・アメリカには行けるだろう・・・どうせ、会いに行くなら・・・今、行けばいい」
「・・・」
「すぐ近くのバスターミナルから・・・あいつは出発するんだよ」と大城。
「地味に揺らせてこい」
「はっ」
走りだす花笑・・・。
朝尾は大城に微笑む。
「淋しそうだな」
「あなたほどでは・・・」
「まあ・・・その件については・・・じっくり語ろうじゃないですか」
「お伴しますよ・・・」
はっきりいっていくらドラマとはいえ二人は・・・見守りすぎである。
たちまち・・・バスターミナルにたどり着く花笑・・・。
「あの・・・まだ間に合いますか・・・」
「・・・」
「まだ・・・問題は解決していませんか・・・」
「言ったでしょう・・・花笑さんは俺のこと・・・好きだって」
魔性です・・・魔性の王子様ですよ~。
こうしてシンデレラの足にガラスの靴が・・・。
一年後・・・花笑は悠斗を空港で迎えに行くために「きょうは会社休みます。」なのであった。
両親は「えええええええ」とお茶を噴き出すのである。
空港には王子の帰国を待ちわびる宮廷の貴婦人の群れ・・・。
しかし・・・大丈夫。
王子様はシンデレラのものだから・・・。
「ただいま・・・」
「おかえりなさい」
たとえ・・・その後にはいろいろと怖い現実がまっているとしても・・・。
シンデレラの物語はすべての乙女に囁きかけるのだ。
大丈夫・・・あなたもきっと愛されると。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
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コメント
お疲れ様でした~。
これだけしっかり書いてても、
簡単に済ませた…
みたいに感じるのは何だ(ノ∇≦*)キャハッッッ♪
こんなもんでしょ?
ですね~♪
『TAXI』も楽しかったです。
ありがとうございました。
あ、まだ『N』も『信長』も
『官兵衛』もあるでござるな。
もうひとふんばり!
美容師も走るでござるよ~≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ
キッドさんは、
こたつで座ってて~
投稿: mana | 2014年12月19日 (金) 10時52分
ふふふ・・・う、撃たないで~氏とならぶ
おちょくりたい脚本家になってきた
ウ、ウジウジしないで~氏・・・。
うっかりすると登場人物全員がウジウジしはじめますからな。
まあ、ロマンチックとかセンチメンタルとかは
ある程度、ウジウジ成分を含んでいますので
ほどほどなら・・・素晴らしいんですよね。
今回は・・・ほどほどで良かったと考えます。
妄想の世界では・・・
魔性の男である悠斗が
処女キターッ!って心の中で叫んでいたり
いろいろアレなんですが・・・
せっかくのラブロマンスをぶちこわすのもなんでございますからねえ。
・・・ビジネスとセックスは似ているが俺様はどちらかといえばビジネス一筋で生きて来た男だ。イタリアンなので遊び人に感じられる方もいるだろうがどちらかといえば花笑と同じように不器用なタイプなのかもしれない。ニンニクと鷹の爪とオリーブオイルがあればできるパスタのように質素な男だけに花笑は直感的に自分自身を見ているような気分になるかもしれない。それにくらべると魔性の王子は花笑にとってないものねだりを満足させるいけない男なのだろう。俺様はただ花笑に花のように微笑んでいてもらいたかっただけなのに・・・・サルーテ!・・・
朝尾CEOレビューもありましたけどな~。
まあ・・・かわいいドラマでございましたよね。
まもなく・・・「N」ですが
その後はごめんねをはさんで戦国時代・・・。
信長フィニッシュになろうとは・・・。
美容師の皆様はお忙しい年末年始・・・。
体調管理にご注意くださいませ。
水分補給のために紅茶とアップルのアイスクリームをご用意いたしましたぞ~。


投稿: キッド | 2014年12月19日 (金) 21時15分
「朝尾さん、わたし……」
CMテリー伊藤「すき家!」
↑そのあとの大城(第三の男にして忍びの者……往復航空券なかなかやるなぁ……)と課長の眼差しが良かったので許す(´д`)。
(「飲もう!」って歌はネガティブな歌詞なのによくもアルコールメーカーはPRに使ってしまうなーとか思い出したり)
あと、妄想シーンでの全員メガネパートを観て、メガネならだれでも良く見えるわけではないということがよく分かりました(笑)。
アギトとか『僕が地球を救う』のウェイトレスのころから平岩紙押しです……。
(最近ではすっかりファブリーズの人というコードネームになってしまいましたがー)
投稿: 幻灯機 | 2014年12月20日 (土) 10時40分
まあ、CMはローカル色がでますからな。
関東ローカルではとにかく
すき家指名手配ですな。
飲もう 今日はとことん盛り上がろう
森高なのでOKなのですな
これが中島みゆきなら
相当に悪酔いの修羅場に突入する可能性があります。
それは・・・メガネッ娘全員を
敵にまわすので賛同いたし・・・ます。
かかってこいやあ・・・なのですな。
「木更津キャッツアイ」といえばモー子ですが・・・。
うっちーとミー子も捨てがたいのですな。
そういえば緋田康人は・・・キャッツアイでも教頭だったな。道理でなんか懐かしかったんだ。
モー子もミー子もなんとなく顔パンパン系ですね・・・どういうジャンルだよっ。
投稿: キッド | 2014年12月20日 (土) 20時17分