至誠にして動かざる者、未だこれあらざるなり・・・だといいのにね(井上真央)
2014年12月に他界した小説家・宮尾登美子の作品「蔵」を原作とするドラマ(1995年)で松たか子演じるヒロインの少女時代を演じた井上真央はちょうど8~9歳であった。
この時、松たか子は18歳である。
松たか子が演じるのが不自然だったから・・・子役の井上真央が演じたのだ。
最近の大河ドラマは・・・そういうリアリティーを完全に無視していて天晴れである。
制作者の頭のネジがバッチリ狂っていると言っても過言ではない。
井上真央(27歳)にランドセルを背負わせて「ピカピカの一年生」と言わせてみるといい。
ものすごく萌えるのだ・・・おいっ。
もちろん・・・舞台では・・・棺桶に片足つっこんだ人がセーラー服を着ていることはままある。
遠目なら許されるってことはあるもんね。しかし・・・ハイビジョンなのである。
もう少し・・・「至誠而不動者、未之有也」(孟子・離婁章句上)という誠心誠意があってもいいのではないか。
孟子曰く・・・大衆の心を掴みたければ、偉い人の心を掴め。偉い人の心を掴みたければ友人の心を掴め。友人の心を掴みたければ家族の心を掴め。家族の心を掴みたければ自分の真心を掴め・・・なのである。
そういう、誠の心があれば・・・井上真央(27歳)が杉文(8歳)に見えてくる・・・とでも言うのか。
そういう真心で・・・動かないものは皆無であると・・・。
いや・・・誠意が足りないので納得できない人だらけなのでは・・・。
いい加減にしてよね~。ざけんなよっ。
で、『花燃ゆ・第2回』(NHK総合20140111PM8~)脚本・大島里美、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は一年で見違えるように成長した吉田寅次郎の妹・杉文の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。とにかく・・・バトンタッチしてしまったものは仕方ないということで・・・幼女が少女の縁談を成立させて・・・思わず失恋という展開に萌えるしかないのでございますな。吉田松陰が江戸に出てやむにやまれず脱藩し、吉田家は家禄没収という憂き目に遭っていると言うのに怖い叔父さんに叱られる方が怖かった展開・・・これは・・・まさに・・・吉本新喜劇の匂いがいたします・・・。まあ・・・とにかく・・・伊之助の父・松島瑞蟠のエピソードにより・・・杉家にも松島家にも狂気の血が流れ・・・それをなんだかんだ受け入れる長州藩全体の頭のおかしさが滲みでるという・・・そういう面白さはございますよねえ。松島(兄)だって甲子殉難十一烈士だから~。あったかいんだから~。
長州藩士・吉田松陰と熊本藩士・宮部鼎蔵が東北諸藩視察旅行に出発したのは嘉永三年から五年(1852年)のいずれかによるが・・・日程調整が間に合わず、宮部のスケジュールに合わせた松陰は通行手形なしで出発し、これが脱藩行為とみなされ咎めを受けるわけである。士籍剥奪・世禄没収の処分はけして軽くないわけだが・・・なにしろ杉家の二十六石に対し、大組・吉田家は五十石ほどの録を失ったのだ。その上、せっかく養子で放出した寅次郎を引き取って養う破目になった杉家の財政は苦しかったのである。杉家長女の寿の小田村家との縁組は口減らしの効果があったと考えられる。寿の破談相手として登場する内藤家は杉氏と同じ没落大内氏の家臣の系譜だが内藤興盛の娘が毛利輝元の母となったために重臣の道を歩んだわけである。小田村伊之助はすでに大番役として家禄を得ている。また、実家の松島家を継いだ兄・剛蔵は世子である毛利元徳の侍医であり、後に初代長州藩海軍総督となる人物である。また松陰の脱藩に際しては大組藩士の来原良蔵も責任を問われている。この年、桂小五郎は練兵館(斎藤弥九郎)に入門している。そしてペリーはこの年の暮れ、ノーフォークの港からフリゲート艦ミシシッピ号で出港し・・・東インド艦隊司令官として日本に向かうのだった。
杉家の秘伝によればそのルーツは六世紀の百済王家、聖明王にまで遡る。杉家の主家である大内家が聖明王の末裔である多々良氏を名乗っているからだ。
聖徳太子の時代から、半島と列島をつなぐ忍びの一族として闇の系譜を形成してきたのである。
杉一族は・・・百済王家の草のものであると同時に、大和王家の忍びであった。
戦国時代に中国・九州地方の派遣を争った大内・大友・毛利のそれぞれに・・・杉の忍び軍団は深く関与している。
吉田寅次郎の実家である・・・杉家は・・・毛利における多々良忍びの末裔である。
たたらは鉄器にまつわる一族であり・・・半島の進んだ文化の翻訳者でもあった。
杉本家は下士でありながら・・・大組の兵法家である吉田家や儒家である玉木家と密接に結びついている。
毛利家にとって杉家こそが影の御用を勤める隠密同心の一族なのである。
そして・・・杉家の血脈の中には異能を持ったものが度々現れていた。
毛利輝元の側室となった清泰院の父・児玉元良の系譜に連なる児玉家も毛利の重臣の一族である。
吉田松陰や杉文の母は・・・その児玉の一族であった。
杉の血と児玉の血が混じり・・・その異能が覚醒したのである。
松陰寅次郎は狂気の天才として開花し・・・杉文は・・・幼児より他心通の才能を見せていた。
「お前と・・・私は・・・心が通じ合うようじゃ・・・」
寅次郎は・・・文の才能を見出していた。
「心が通じ合う・・・」
幼い妹に・・・寅次郎はくのいちとしての修行を命じる。
「以心伝心の法は・・・戦にとって恐ろしき術である」
「何故ですか」
「狼煙など無用のものとなすからじゃ・・・」
「のろし・・・」
「よいか・・・私は江戸に出る・・・お前は私の心をどこまで追えるか・・・試してみよ」
文は・・・寅次郎の心を追いかけた。
どこまでも追いかけた。
寅次郎が江戸を出て・・・陸奥への旅に出ても・・・文には兄の心を見出すことができた。
兄と妹の両親は・・・杉の忍びが復活したことを悟った。
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