学は則ち三代に之を共にす・・・花燃ゆ(山田萌々香)
「お天気お姉さん」で武井咲、「サイレント・プア」で深田恭子の幼少期を演じた山田萌々香が吉田松陰の妹・文(井上真央)の幼少期を演じる。
下級武士なれども教養にあふれる吉田松陰の実家・杉家の幼女である文は・・・七歳にして「孟子」を諳んじるのだった。
「夏に曰ふ校、殷に曰ふ序、周に曰ふ庠、学は則ち三代に之を共にす、皆な人倫を明らかにする所以なり。 人倫の上に明にして、小民の下に親しむ。王者の起る有り、必ず来たりて法を取る、是れ王者の師と為すなり・・・」
教養なきお茶の間を置き去りにする猛女である。
「夏王朝、殷王朝、周王朝という古代中国の王朝には校、序、そして庠とそれぞれに呼ばれるものがあった。それらは名は違えども、人の正しき道を説くものである。上に立つものがこれを明らかにすれば、民衆もまたこれに倣う。王となるものは必ずこの法を選ぶ・・・つまり、正しき道を示すものが王となる」
つまり、学ばざるものは王にはなれないという訓示である。
勉強するぞ、勉強するぞ、勉強するぞ・・・なのであった。
で、『花燃ゆ・第1回』(NHK総合20140104PM8~)脚本・大島里美、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。まあ・・・シャア(池田秀一)のナレーションで・・・松陰のことを文が「キャスバル兄さ~ん」と呼び出し、「アルテイシア・・・」とつぶやきかねない感じは漂ってましたな。冒頭の「感じ合う」シーンではシャキーンと電光が走る勢いでしたな。一同爆笑してしまいました。ニュータイプなので・・・帰宅する前から寅次郎(伊勢谷友介)は家で何が起こっているか察している展開で・・・もうワザとですな。とにかく・・・とある世代の心は鷲掴みの初回というところでしょうか。まあ・・・毎年、幼少期の部分はそこそこ面白いのがお約束になっているので・・・予断は許されませんが・・・なんとなく・・・去年よりはマシな感じがいたしましたな。かなり・・・大胆ではありましたが・・・とにかく・・・ドラマのセリフになってますからねえ。そこは買いたいと思う今日この頃でございます。文の未来の夫(二人目)小田村伊之助の描き下ろしイラスト大公開で万歳でございました・・・本年もよろしくお願いしますが・・・あくまでマイペースでお付き合いくださりませ。
嘉永四年(1851年)に将軍は第12代徳川家慶の代である。天保十四年(1843年)生まれの杉文は数えで八歳、吉田松陰二十一歳、桂小五郎十八歳、高杉晋作十二歳、久坂玄瑞十一歳、伊藤博文十歳、ちなみに坂本龍馬は十五歳、新島八重は六歳。幕府禁制の書として登場する「海防臆測」は天保年間に儒者・古賀侗庵が著した。対ロシアに対する海防について記すことで幕府の諸策の遅れを指摘している。長州藩士・山田亦介(山田顕義陸軍中将の伯父)は嘉永五年(1852年)に「海防臆測」を出版した罪で隠居させられた。山田は長沼流兵学者で吉田松陰にこれを教授している。侗庵の長子・謹一郎は書院番として江戸幕府に出仕し、昌平坂学問所の儒者となっている。秋月悌次郎、河井継之助などの師である。安政二年(1855年)老中阿部正弘に洋学所頭取に任命される。山鹿流兵学が時代遅れになっていることの象徴として「海防臆測」が抽出されたわけである。江戸留学に燃える吉田松陰にそうせい候・毛利敬親三十二歳が「そうせい」というのは御愛嬌なのであった。杉家は下級藩士ながら当主・杉百合之助は呉服方、盗賊改方などを務めている。職歴から察するに忍びなのである。当然、杉百合之助の娘・文はくのいちなのである。
兵学者の兄を持つくのいち・・・文は・・・もう一人の八重なのである。
しかし・・・八重のように半ば陽忍にはならず・・・長州きってのテロリスト・久坂玄瑞の妻となる女である。
ちなみに悟ります。
そして、ちょっと意地悪なお姉さん・寿(香音)はいいとも青年隊とふつえ(坂上とし恵)のジュニアである。
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