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2015年2月 8日 (日)

私たちの望むものは○○棒ではなく××棒なのだ(杉咲花)

どういう意味・・・?

特に意味はありません。

意味深かっ。

世界観戦争において・・・「棒」はひとつのカテゴリーだからな。

美しい棒もあれば醜い棒もあるからな。

そもそも審美眼のない奴に「棒を語る資格」なしだよな。

棒はいいよねえ。

棒を聞いてるとボーッとなるよね。

そこかいっ。

で、『校のカイダン・第5回』(日本テレビ20150207PM9~)脚本・吉田智子、演出・南雲聖一を見た。ちなみに「マルシェ」はフランス語で「市場」である。つまり・・・マーケットだ。市場というのは基本的に売り買いの場であるが・・・それは突き詰めて言えば「情報交換」の場ということになる。美味しい話があれば食いしん坊が殺到するのである。テレビで美少女が美味しいものを食べていれば幸せになれる人は幸せなんだな。なんだなんだな。・・・本当に洗脳されているな。民主主義の基本戦略は多数派工作である。少数派は一発逆転を狙って不安な空気を醸しだそうとするが多くの場合、大衆にそっぽを向かれる。笛を吹いても踊らない人が多いからである。だから・・・魔法の笛じゃないとね。みんなを泥沼に引きづり込むくらいの魔力があるやつじゃないと。

このドラマの狙いは「生きる苦しみではなく生きる喜びを求める人は戦うべきかどうか」という点にあると思う。

そのために用意された舞台がJBCテレビなら「美女か野獣」になり、明蘭学園だとこのドラマになるわけである。

登場人物は謎めいているが・・・学園の女王・麻生南(石橋杏奈)と車椅子の男・雫井彗(神木隆之介)は実は正体不明なのである。わかっているのは石橋の杏奈氏が1992年生まれのなんちゃって高校生で・・・神木くんが1993年生まれで一つ年下ということだけだ。

何の情報だよっ。

彗は自称・大人だが・・・ひょっとしたら・・・不登校の生徒かもしれないのだった。傷だらけの制服があったってOBとは限らず現役かもしれんからな。

さて・・・階級社会あるいは格差社会の制度的オマージュとして・・・スクールカーストの導入は基本である。

しかし・・・実際の学校はピンからキリまであるために・・・なかなか共感しにくいものなのである。

似たり寄ったりの社会はそこそこ典型的ではないものだからである。

合衆国のB級映画では・・・アメフト部のキャプテンとチア・リーダーによるキングとクイーンが学校の頂点にいるのがお約束である。これを忠実にあてはめたのが「仮面ライダーフォーゼ」であることは言うまでもない。

このドラマでは・・・アメフト部の代わりにバスケ部が採用されているが・・・どうしても貧乏くさいわけである。

それはさておきアメリカンで言えばキング(ジョック)に当たるのがバスケ部の夏樹(間宮祥太朗)である。なにしろ・・・主人公のツバメ(広瀬すず)の憧れの男だったのだ。

しかし、学園的な配偶者はクイーン・ビー(女王蜂)の南ということになる。二名のサイドキック(侍従)として玲奈(飯豊まりえ)とエミリー(吉倉あおい)が配置され、ワナビー(とりまき)の代表として美森(杉咲花)が・・・メッセンジャー(小間使い)としてツバメが抜擢されたわけである。それ以外の女生徒は庶民あつかいなのである。

こうした擬似支配構造に叛旗を翻したツバメのゲームが展開しているのである。

さて・・・学園にはもう一つの支配構造があることは言うまでもない。

それは教師と生徒の関係だ。

実はここでも謎の人物がいる。

理事長兼校長の誉田蜜子(浅野温子)である。序盤では寄付金目当てで裕福な家庭の子女であるプラチナ8を優遇する言動が目立っていたが・・・中盤に入って微妙な発言がある。

ツバメを評して「似た生徒を知っている」などと言い出す。

それが・・・彗を指すのか・・・あるいは校長自身を指すのかは伏せられているがつまり一筋縄ではいかない人物なのである。

ツバメ自身にも明確ではない・・・「変革の道」をたどって・・・ここまで学園の勢力図は塗りかえられてきた。

ここでは・・・校長は中立者となっている。

車椅子の男・彗

生徒会長ツバメ

副会長油森(須賀健太)

会計玉子(清水くるみ)など生徒会役員

2年1組のクラスメートたち

校長

担任教師(金子ノブアキ)

スクールカウンセラーすみれ(野波麻帆)

金時教頭(生瀬勝久)

生徒会顧問教師(金山一彦)

プラチナ8

このような構図になっている。

しかし、プラチナ8の中ではすでにタクト(白洲迅)とエミリーは心を揺さぶられている。

今回は・・・文化祭を軸に・・・ツバメは生徒会役員に続いてクラスメートを扇動しようとしている。

慧的には・・・文化祭役員は領地としての村、クラスメートは城(都市)と考えているらしい。

転任してきたツバメは初めての文化祭が楽しみで実行委員に名乗りを上げる。

「マルシェ(市場)」の名を冠するレストランの経営がクラスの企画である。

なぜか・・・協力的な美森。

クラスは一丸となって文化祭に参加する。

しかし・・・メイン料理であるシチューを煮るかまどが破壊されると空気は一変。

ブラチナ8の扇動によって・・・クラスメートたちは掌を返し・・・「ボイコット」を叫ぶのである。

すべては・・・人気急上昇中の生徒会長を貶めるために美森が仕組んだ罠だったのである。

「よくやったわね」と美森を褒める南。

車椅子の男の館でニンジンを貪り食いながら嘆くツバメだった・・・。

「所詮・・・クラスの生徒たちは・・・支配されることに慣れた家畜なんだよ」

「言いすぎです」

車椅子の男はニンジンで間接キッスを堪能しながらツバメを煽るのだった。

「それで・・・降参するのか」

「しません」

ツバメには生徒会役員という同志がいるのである。

ツバメと生徒会役員たちはあくまで「レストランマルシェ」開業を目指すのだった。

「ツメが甘いんだよ」と夏樹。

「大丈夫」と虚勢を張る美森だった。

美森は財力を使い他校の生徒を使って油森を襲撃させる。

美森としては脅す程度のつもりだったが・・・傭兵たちはやりすぎて油森を病院送りにするのだった。

しかも・・・美森は玉子に姿を目撃されてしまうのだった。

「これ以上犠牲を出すわけにはいかない・・・」

「じゃ・・・あきらめるのか」

「・・・」

「敵は暴力という最悪の手段を使った・・・世論を味方につけるチャンスなんだよ」

「世論」

「そうさ・・・世論なんて風向き次第でどうにでもなる・・・そして風向きを変えるためには敵の弱点をつくのが一番なのさ」

「弱点・・・」

「そのためには・・・敵の弱みを握ってこい」

ツバメは・・・傭兵たちから情報を収集する。

そして・・・美森が実は中学時代に無視による苛めを受けていたことを知るのだった。

文化祭前夜・・・教室で一人、篭城を続けるツバメ。

美森は・・・クラスメートを引き連れツバメを嘲笑しにやってくる。

しかし・・・文化祭の盛り上がる中・・・クラスメートの中には参加したい気持ちも芽生えていた。

ツバメは魔法のトラメガを取り出した。

「私は文化祭をやりたい。みんなで文化祭を楽しみたい。しかし、それを君たちに強要したりはしない。君たちの本心はどうなんだろう。楽しみたいのか。楽しみたくないのか。油森くんは私と楽しみたいと言ってくれた。しかし、彼は今、病院のベッドにいる。何故だ。やりたいものにやるなと言う誰かがいるからだ。暴力をふるってまで強要するものがいるからだ」

蒼ざめる美森。ツバメは魔法の棒を取り出した。

「この棒で・・・その人を打つことはできるかもしれない。やりたいものにやるなと言うなと強要することは可能かもしれない。けれど私は昔・・・自分がいじめられることを恐れ・・・いじめる側に参加したことがある。仲間はずれにした人を笑いもした。人に嫌なことをしている時ほど人は笑います。もっと昔・・・誰かを仲間はずれになんかしなかった頃・・・たとえばみんなで作って食べたカレーはなんて美味かっただろう。そして誰かを仲間はずれにして食べたものはなんて不味かっただろう。私は笑いながら泣いていた。でも・・・仲間はずれにされた人間はもっとつらかったのではないか。もっと泣いていたのではないか。その人の食べるものが美味しかったとはとても思えない。だから・・・私は決めたのだ。この棒でおいしいものを作ろうと。望むものは誰でも・・・みんなで食べることのできる美味しいものを・・・マルシェにはおいしいものがたくさんある。一人で食べるよりもおいしい料理がきっとできる。私が立つのはやりたいからやるだけの世界。境界線を越えて・・・やりたい人だけがやればいいのだ。私がやりたいことはただ一つ・・・みんなで飯ウマって言いたいだけ。心から笑いたいだけなのだ・・・だから・・・明日来るものをけして拒んだりはしないのだ」

翌日・・・ツバメはシェフのコスプレで同志たちと大きな鍋を囲む。

南は「まあ・・・淋しいこと」と嘲笑する。

しかし・・・クラスメートたちは次々と現れ・・・食材を鍋に投げ入れる。

ニンジンが。玉ねぎが。ジャガイモが。ミルクが。肉が。

ツバメは棒で鍋をかきまぜた。

おいしいシチューが出来上がっていく。

そして・・・美森もトリュフを持って現れた。

「ごめんなさいでした」

美森は油森に謝罪した。

油森は笑って「トリュフを切ってください」と促すのだった。

美森はプラチナ8の指輪を南に返上する。

「私は・・・一人ぼっちにされるのが嫌で作り笑いを浮かべていました・・・本当は笑うのが苦手な暗い子なんです・・・だから・・・指輪はいりません」

レストランマルシェは大繁盛するのだった。

「どうです」

「そこそこだな」

車椅子の男はシチューで間接キッスを楽しみながらツバメとそこそこイチャイチャするのだった。

「これで・・・生徒会役員という村、クラスメートという城壁都市を手に入れた。敵の一部の寝返りも達成した・・・」

「・・・」

「いよいよ・・・本陣に切りこむぞ」

そんな二人を南は見ていた。

革命はこのぐらいの時が一番楽しいよね・・・成功した時は阿鼻叫喚だからねえ。

私たちの望むものはあなたと生きることではなく

私たちの望むものはあなたを殺すことなのだ

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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