改札口で君のこと待った(亀梨和也)私鉄沿線ではまるのだ(深田恭子)
「セカンド・ラブ/中森明菜」は1982年だが、「私鉄沿線/野口五郎」は1975年である。
昭和の香りがします。
「改札口で君のこといつも待ったものでした。電車の中から降りて来る君を探すのが好きでした」・・・こういう場面がありましたな。
携帯電話が普及してラブ・ロマンスは死んだと言われますので思いきって・・・忘れちゃうという展開もおしゃれでございました。
スマホがないだけでハラハラドキドキするという21世紀の物語なんだな。
フィクションなので東京近県というアバウトな背景。
走っている電車はいかにも神奈川県方面の京浜急行風ですが、県立山王女子高校は千葉県にある東洋学園大学流山キャンパス風である。
ここは京急ということにしておきたい。
なんとなく哀愁があるんだな。東京側は赤穂浪士の墓でおなじみ泉岳寺が起点である。
品川を経て大森からは羽田空港に至る空港線もある。
多摩川を渡れば神奈川県だ。川崎駅があり、まもなく横浜駅。
イメージとしては横浜から横須賀に至る沿線で物語が進行中である。
金沢八景駅あたりに学園があり、彼のアパートは逗子(ずし)、アルバイト先は汐入あたりで乗り換えて逗子線である。彼女の実家は追浜(おっぱま)駅あたりというところか。不倫相手とは金沢文庫あたりのファミレスで現地集合したりしているんだな。
ああ・・・ちまちましていて侘しくていいなあ。
で、『セカンド・ラブ・第2回』(テレビ朝日201502132315~)脚本・大石静、演出・塚原あゆ子を見た。タイトルは意味深だが・・・素直に考えるとコンテンポラリー・ダンサーの平慶(亀梨和也)はバレエを通じて知り合った年下のバレリーナ・野口綾子(早見あかり)とファースト・ラブ。県立山王女子高校の化学教師の西原結唯(深田恭子)は年上の同僚教師・高柳太郎(生瀬勝久)との不倫がファースト・ラブということになる。ただし・・・セリフに「若い男の子にふりまわされたくない」とあるので・・・以前にも年下の男との性交渉があったのかもしれない。
ダンサーとして行き詰っていた慶と不倫関係に未来を見失っていた結唯は・・・たちまち結ばれてしまうのだった。
激しい最初の夜を越えて・・・目覚めた慶は結唯をアパートに残しアルバイトに出かける。
満ち足りた夜を過ごした結唯は火の気のない部屋で寒さに震えて目を覚ます。
「鍵は郵便受けにあります」
慶の残したメモを見た結唯は我を取り戻す。
スマホで時間を確かめるとすでに出勤時間が迫っていた。
あわてて身支度を整えた結唯は慶の部屋にスマホを置き忘れてしまう。
「私は何をしているのだ」
会ったばかりの男と激しいセックスをしてコンビニで下着を購入し駅のトイレで着替えた結唯は自分に問いかける。
登校する女生徒たちと校門を通る結唯し不倫相手の高柳の視線を煩わしく感じるのだった。しかし・・・それを実感するまでには至らない結唯。
「あれは夢の中の出来事・・・」という気持ちが強い。
校舎に入れば灰色の日常が帰ってくるはずだった。
しかし・・・職員室の同僚たちの様子がおかしいことに結唯は気がつく。
木田校長(越村公一)が事情を諭す。
「プライベートについて申すことは憚られるのですが母上が学校や私の自宅にまで先生の安否を・・・」
「母が・・・」
三十半ばの娘が無断外泊したことで動転した結唯の母親・真理子(麻生祐未)なのである。
もちろん・・・心配性なので仕方ないと考えることもできるが・・・真理子には娘への異常な執着が匂い立つのだった。
仕方なく・・・結唯は学校の電話で家に連絡を入れる。
「ごめんね・・・友達と飲んで・・・昨日は友達の家に泊めてもらったの・・・誰って・・・高校の同級生の加藤さん・・・佐藤ルリ子さんの家にスマホを彼女の家に忘れてしまって」
佐藤家にスマホを取りに行くと言い出す母親に辟易する結唯だった。
慶も擬似ストーカーだったが・・・真理子もストーカーの香りがする。
そして・・・慶の幼馴染の綾子もまた・・・。
慶のアルバイト先である港湾現場の飯場に姿を見せる綾子。
「おい、彼女かよ」と仕事仲間の田島(寺島進)は冷やかす。
「元カノで~す」と屈託のない風を装う綾子。
しかし・・・綾子は慶と結唯の激しい性交を立ち聞きしていたのである。
ストーカー1号 慶
ストーカー2号 真理子
ストーカー3号 綾子
ストーカーだらけなのである。
「おかずなしなの」
「ただ飯だから・・・」
綾子は・・・慶の頑固な生き方に・・・ため息をつく。
慶は望みを託した最後のオーディションにも不合格だった。
「それじゃ・・・私はオーディションがあるから・・・」
「ミュージカルか・・・」
「そう・・・あなたの嫌いなミュージカルよ」
しかし・・・綾子はオーディションには行かないのだ。
仕事を終えて帰宅した慶は・・・結唯の忘れものに気がつく。
母親の真理子からの着信は64件に達していた。
友達の加藤あいじゃなくて・・・佐藤と口裏を合わせようと考えた結唯はスマホがないために連絡方法を欠くのだった。
仕方なく授業に向かう結唯は・・・渡り廊下で校外に立つ慶を発見する。
慶は忘れものを届けに来たのだった。
一度、教室で生徒に指示をする結唯。
「二股試験管を使って実験をします」
二股かよ・・・。
「先生、今日は綺麗じゃん」
「やったのか」
「やったね」
敏感な生徒たちだった。
結唯は裏庭の柵越しに慶と密会するのだった。
「学校に来るなんてやめてよ」
「でも・・・スマホがないと困ると思ったから」
「とにかく・・・困るのよ」
「今夜も会いたい」
「そんなの・・・無理よ」
「あの場所で待ってるから」
「無理だってば・・・」
そんな二人を校舎では・・・高柳が見ていた。
ストーカー4号 高柳
そして・・・もちろん・・・綾子も慶を尾行していたのだった。
学校のトイレでスマホにより偽装工作をする結唯。
高柳は現地集合をリクエストするが・・・結唯の心は揺れる。
もちろん・・・結唯の心はすでに慶に向かっているが・・・高柳と過ごした不毛の五年間も簡単には捨て去ることができない。
身体はそれなりに腐れ縁に馴染んでいるのだ。
トイレから出て来た結唯を謎の女生徒・竹内そら(小芝風花)が直撃する。
「昨日と同じ服ですね」
「・・・」
ストーカー5号 竹内そら
とにかく登場人物がみんな粘着質らしい。
結唯と結ばれた慶は情熱的に踊りだす。
だが・・・ラブホテルは断ったもののとりあえずファミレスで現地集合する結唯と高柳。
そして結唯を尾行して背中合わせにすわる綾子である。
「大丈夫かい」
「痛飲してしまって」とお茶を濁す結唯だった。
「風邪の具合は・・・」
慶の部屋の寒さに風邪を引いた結唯なのである。
「もう大丈夫です」
「私は君を大切に思っている。アムロがララアに会うのが遅すぎたように・・・先に出会ったものとの絆も大切にしたい。だが・・・君の幸せを祈っていることは・・・君の母親にも負けないつもりだ・・・君が誰かと出会ったなら・・・僕は潔く君の幸せを祈るつもりだ・・・今夜はどうしても現地集合できないのかな」
「今夜はちょっと・・・」
結唯は慶のことが気になっていた。
「今夜は車で君の家まで送って行くよ」
「え」
結唯の家では真理子が娘の帰りを表で待ち伏せしていた。
別れのキスを求める高柳の前にゾンビのように現れる真理子だった。
「どなた・・・」
「同僚の高柳先生です」
「あらあら・・・」
恐縮して走り去る高柳だった。
「良い先生ねえ」
「・・・」
待ち人来らずで肩を落して帰宅した慶を待ち伏せる綾子。
「冷蔵庫空っぽでしょう」
「・・・」
「あの女のどこがいいの」
「え」
「あの女・・・同僚の教師・・・下卑た中年親父と不倫してるわよ」
「なんで・・・そんなことを・・・」
「あなたのことが心配だから・・・変な女にひっかかけてほしくないだけ」
「・・・」
「私・・・帰るね」
綾子は慶の冷蔵庫に食糧を補充すると帰って行く。
どう考えても綾子は慶に未練たっぷりなのである。
真理子は結唯のために夕飯を用意していた。
「私・・・もう寝るから」
「こんなに早く・・・」
「昨日、寝てないから!」
部屋に戻った結唯は思わず慶に電話する。
慶は綾子の言葉によるものか応答を逡巡するのだった。
途切れる着信音。
しかし・・・慶は衝動を抑えることぱできない。
結唯は慶からの電話に出る。
「もしもし・・・」
「どこにいるの」
「家だけど」
「会いたい」
「ちょっと待って・・・今夜は無理よ・・・母に言いわけしないといけないし・・・パンツをコンビニで買ったりするのは嫌だし」
「会いたいよ」
「やめて・・・若い男の子に振り回されるのはごめんなの」
しかし・・・結局・・・深夜に家を出る結唯だった。
終電に揺られ改札口で待つ慶の元へたどり着く結唯。
「昔の月9みたい」とつぶやく結唯だった。
「あなたの言うことはよくわからなかった」
「・・・」
「でも・・・これで終わりにするというのなら・・・最後にやりたい」
「え」
拒否することはできない結唯だった。
電気ストーブの赤い光を求める結唯。
消灯しようとするが・・・慶は拒絶する。
「消して・・・」
「嫌だ・・・最後なら君の身体を全部見たい・・・君のすべてを目に焼き付けたい」
「・・・」
「君も僕のすべてを見て・・・」
結唯は屹立した慶から目をそらすことはできない。
高柳とは角度が違うのである。
結局、官能の嵐に飲み込まれ・・・すべてをさらけ出す結唯だった。
「有名なコンテストで優勝した・・・トップダンサーなんでしょう・・・どうして私なんかと・・・」
「才能はあるけど席がないと言われてバレエ団を首になったんだ。席がないってことは才能がないのと同じなんだ。もう・・・死んでしまいたいと思った。踊れないなら死んでいるのと同じだから」
「・・・」
「なぜ・・・ダンスを・・・」
「踊りたかったから・・・父親は反対したけどね・・・男がバレエなんてって・・・」
「コンテンポラリーじゃないの」
「まず・・・クラシックを踊るのさ。基本だから・・・それからいろいろなダンスを学んでコンテンポラリーにたどり着く・・・」
「・・・」
「だけど・・・もうダメだと思ったんだ・・・もう死んでしまいたいと・・・そこに君が現れた・・・僕には分かったんだ・・・君が僕を救ってくれると・・・君を愛することで・・・僕はもう一度生まれ変われるって」
「あなたの話もよくわからないわ・・・」
早朝・・・慶は結唯を駅まで送った。
二人は手をつないでいた。
その手が離された時、結唯は悟った。
「これで・・・終わりになんてできない・・・」と。
始発電車で帰った娘の気配を・・・真理子は窺っていた。
睡眠不足の一日が過ぎて行く。
真理子は高柳を呼びだしていた。
「相談があるんです」
「どうしました・・・」
「娘が無断外泊しているんです」
「え」
「昨日も・・・」
「昨日も」
「私・・・娘が不倫しているのではないかと・・・」
「ふ、不倫・・・」
一同爆笑である。
その頃・・・慶は結唯からの電話に出ていた。
「会いたいの」
「どこにいるの」
結唯は慶の部屋にやってきていた。
ストーカー6号 結唯
風邪をこじらせる勢いである。
しかし・・・ドアの中に招き入れない慶。
「どうして・・・」
「もし・・・付き合っている人がいるなら・・・別れてほしい」
どこまでもストレートな慶だった。
はたして・・・結唯は三夜連続官能の極みを達成することができるのかどうか・・・来週までお待ちください。
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