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2015年2月 7日 (土)

セカンド・ラブ(亀梨和也)延長は絶対しないのだ(深田恭子)

表現の自由を制約するものに「性」がある。

「性」があることは多くの人が認めるところだが・・・絶対に認められない人がいるわけである。

「性」というものの世界観戦争は複雑怪奇なものである。

「性」がなければ人間もいないわけである。

「性」を表現することの不自由さは表現者なら誰もが感じることである。

なぜ・・・それを表現してはいけないのか。

明快な答えなどない。

人を殺してはいけないのと同じように・・・それはあからさまにしてはいけないものらしい。

人を殺してはいけない理由が「殺されたくない人がいるから」だとしたら・・・。

性を表現してはいけないのは・・・「表現されたくない人がいるから」なのだろう。

それは・・・どんな人なのだろう・・・考えると恐ろしくなるのだった。

で、『セカンド・ラブ・第1回』(テレビ朝日201502062315~)脚本・大石静、演出・塚原あゆ子を見た。「夜行観覧車」「Nのために」と地味にスタイリッシュな作品を仕上げて来た演出家が還暦を過ぎてもなかなかにチャレンジャーな脚本家を迎えて初回を見る限り深夜ドラマとしても際どいラインまで性を表現するらしい。男女ともに美しいスターを迎えてのラブ・ロマンスであり・・・物凄い傑作になるかもしれないが・・・そもそもお茶の間はそういうものに対して見る目がないのである。その見る目のなさは・・・そもそもそういう表現を見慣れていないことに原因があるわけだが・・・逆に言えばストレートに見過ぎてもいるわけである。そういう・・・極限の状況にあって・・・由緒正しいラブ・ロマンスをどこまで追求できるのか・・・これは・・・観察するしかないのだった。

ダンスの世界はなかなかに奥深い。

おそらく・・・その背景を借りて物語は展開していくのだろうが・・・一部お茶の間はバレエ漫画という独特のジャンルをこなしているかどうかでかなり・・・感情移入力が変わってくるだろうと予測する。

主人公の一人、平慶(亀梨和也)はコンテンポラリー・ダンサーという設定である。

コンテンポラリーは現代的な・・・という意味だから・・・現代のダンサーは全員コンテンポラリー・ダンサーということになる。

しかし・・・この場合のコンテンポラリーは・・・バレエのジャンルにおける・・・クラシック(古典)とコンテンポラリー(新作・新解釈・新アレンジ=現代的発展系)の意味合いが強い。

コミック「舞姫 テレプシコーラ/山岸凉子」の第二部ではローザンヌのバレエ・コンクールを舞台にクラシックとコンテンポラリーを基礎と応用の側面から捉え主題としている。バレエの基礎力を鍛えるだけでなく創作力が問われて行くという展開である。

つまり・・・バレリーナたちはコンテンポラリー(現代的であること)が要求されるのだった。

この辺りのことまで表現してくれるといいよねえ。

もう一人の主人公である西原結唯(深田恭子)は三十代の県立山王女子高校の化学教師である。女子大生時代にファッション誌の読者モデルになって・・・脚光を浴びた過去がある。しかし・・・読モ仲間のミオパン(テレ朝なのにな)は女子アナになっているのに・・・と独身の結唯は思わずにはいられない。

身の回りのティーンズたちがうらやましいのである。

「教職で生活は安定しているが・・・未来がない」と結唯は感じている。

まあ・・・深田恭子なのでそうは見えないのですがドラマですからっ。

大抵の女子高生は確実になぎ倒す恐るべき(32)なのである。

だが・・・ドラマの中の結唯は・・・妻子ある同僚教師・高柳太郎(生瀬勝久)と五年間も不倫を続けている残念な女なのだった。

二人はラブホで「現地集合」し、高柳にとっては完全なる火遊び、結唯にとってはできれば結婚を前提とした不倫だがどうしてもというわけでもない性欲の捌け口である。

高柳は「情熱の真っ赤な薔薇を胸に咲かせよう」などと事後に熱唱したりするが絶対に延長したりはしないのだった。

二人はラーメンを食べて、一皿の餃子を分けあって帰宅する。

高柳は愛妻の作る天然ブリの照り焼きを食べたりする。

結唯は母親の真理子(麻生祐未)が作るかやくご飯のおにぎりを持て余す。

侘しいのである。

真理子は夫に浮気され離婚。それ以来、二十年間・・・「浮気」と聞いただけで蕁麻疹を発症するのだった。

一同爆笑の侘しさなんだな。

テレビのクイズ番組に熱中する母親は明らかに娘に癒着していて重苦しい。

娘に死ねばいいのにと思われても仕方ない状態である。

そういう状況は・・・まるで死んでいるような自分を結唯に感じさせる。

だから・・・理科室から職員室に通じる渡り廊下で・・・冬の夕日を浴びて・・・結唯は深呼吸するしかない。

手を伸ばして大きく息を吸って・・・。

その姿を・・・アルバイト帰りの平慶は見た。

港湾で・・・荒くれ男の田島(寺島進)たちに混じり、荷物の積み下ろし作業で凌ぐ平慶は・・・バレエ団のオーティションを受け結果待ちをしていた。

二十代の終わりにさしかかり・・・突然、黄昏に包まれてしまった自分と折り合いがつかないのである。

幼馴染でダンサー仲間の野口綾子(早見あかり)はそんな平慶を案じるのだった。

チラシ配りのアルバイトもしている慶を手伝い・・・ラーメンにはニンニクを投下する。

バレエ教師の職をふったり、バックダンサーの募集に誘ったりもする。

「そろそろ・・・新しいステージのことを考えた方がいいよ」

「俺は・・・ソリストだ・・・」

いつまでも過去の栄光にすがっても・・・と綾子は言わない。

「今シーズンはベルリンのバレエ団が最後だね・・・合格するといいね」

しかし・・・平慶も気が付いている。

ダンサーとしての黄昏を・・・。

自分はもうソリストとして返り咲くことはできないのではないかと・・・。

ソリストとしての自信を失いつつあったのだった。

世界的には振付の巨匠・モーリス・ベジャール(1927-2007)も死去し、彼が名作「ボレロ」を振り付けたコンテンポラリー・ダンスの代名詞である現代バレエの女王・・・シルヴィ・ギエムも2015年にいよいよ引退するらしい。ギエムはまもなく五十歳である。

それに比べれば・・・平慶は早すぎる終焉を迎えつつあったのだ。

だが・・・天性の踊子である彼にとって・・・ダンスを失うことは・・・死を意味していた。

死にかけた二人が出会い・・・とにかく・・・平慶は天啓を受けたのだった。

・・・あの人に愛されたら・・・俺は自信を取り戻せる・・・。

とにかく・・・理屈の通じないタイプである平慶はやみくもに天使へのアプローチを開始する。

つまり・・・女子高の校門で待ち伏せである。

なにしろ・・・一般的な常識は通用しないのだ。

天才ダンサーなのである。

だが・・・上田波留子(秋山菜津子・・・「家族狩り」で狂った刑事の狂った妻を演じていた)たち常識の権化である教師軍団はダンサーを排除する。

しかし・・・懲りないダンサーは雨の日にまたもやってくる。

傘の花の開く中・・・ダンサーは化学教師に電話番号を渡すのだった。

高柳や上田は・・・疑わしい眼差しで結唯を見る。

仕方なく・・・結唯はポケットの中の飴玉で疑いを晴らすのだった。

けれど・・・天才ダンサーの持つ恐ろしいオーラに魅了され・・・とりあえず・・・素晴らしいインターネットの世界で検索してみる結唯。

平慶(たいらけい) (1987年4月6日~)

日本を代表するコンテンポラリー・ダンサーの一人。

2004年 ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝。

     ドレスデン(ドイツ)のフォルトナー・バレエ団に入団。

2009年 同団においてソリストとなる。

平慶はフリー百科事典に経歴が記されたそこそこの有名人だった・・・。

思わず・・・電話してしまう結唯なのである。

「あの・・・」

「今、どこにいるの・・・」

「え・・・」

「今、どこにいるの・・・」

「・・・」

「今、どこにいるの・・・」

一般人はけして真似しないでください。

しかし・・・呼び出しに応じる結唯だった。

何故なら・・・結唯もまた重苦しい現実から逃れたかったのだ。

噴水のある公園で落ちあう二人。

「あなたは・・・本物」

問われて踊りだす平慶だった。

コンテンポラリーダンスである以上・・・何らかの意味が表現されているわけだが・・・。

この場合は・・・。

好きだ・・・交際してくださいなのだろう・・・。

「つきあってください」

思わず後ずさる結唯。

「これ・・・新種の詐偽ですか・・・私・・・お金ないです」

逃走する結唯だった。

「なんだよ・・・」

お前がな・・・とぼやくお茶の間だった。

しかし・・・逃げた先に待つのは・・・色褪せた現地集合である。

「魔女の宅急便」のキキにそっくりな謎めいた女子生徒・竹内そら(小芝風花)から・・・「私も現地集合していいですか」とからかわれた結唯。

その夜・・・蘇るのは・・・平慶の熱い視線である。

もはや下半身が我慢できないらしい。

電話をしながら・・・家を飛び出す結唯・・・。

連絡はつかなかったが・・・件の公園でお約束の再会である。

「何で電話にでないのよ・・・」

しかし・・・思わず結唯を抱きしめ、キスをする平慶だった。

「それでおしまいなの・・・」

「・・・」

「私を愛しているなら・・・セックスしてください」

「はい」

二人は平慶の部屋で結ばれるのだった。

自分で脱衣し・・・騎乗位で激しく平慶を飲みこむ結唯。

限界に挑む濡れた摩擦音が深夜のお茶の間に鳴り響く・・・。

どうやら・・・イケイケらしい。

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妖怪人間ベム

Sl001ごっこガーデン。愛と青春の部屋。エリ高等遊民を遥かに超えて行くコンテンポラリー・ダンサー・・・女子高生にはハードすぎる展開なのでス~。しかし・・・あくまでごっこなのでムフッとチャレンジなのでス~。ムフフ・・・じいや、おやつはスタミナ回復のためにニンニクたっぷり味噌ラーメンにしてね~まこぎゃぼーんでしゅ~くう刺激強すぎて・・・笑っちゃってもいいですか~シャブリ序盤でたったひとつの恋を思い出した人は多いのでありました~・・・早見あかり様はセリフ回しが独特なのでありました~ikasama4これは・・・初回に出し切るパターン・・・それともエスカレート?・・・二夜連続ヅラ刑事先生ですな

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コメント

じいやちゃま、こんにちは~~!
んもう・・意味わからないのですけどぉ・・
顔を覆った指の間からしっかりと見ましたわ。
なかなか修行を強いるドラマでしたわ~~。

>好きだ・・・交際してくださいなのだろう・

そうでしたか!
手を差し出していたので
そういうことだったのですね。
ダンス自体がもう解釈が難しい気がしてましたが
K先輩は美しく自分のものにしていて
さすがでした。。ご立派(ふふ・・ひいき目^^;)

しかしもうね、
遅くスタートしたので待ちくたびれました。
しかも初回でエネルギー全部使った気がします。
しばらくはじいやちゃまの解釈を楽しみによらせて
いただきますね。

じいやちゃま、味噌ラーメンごちそうさまです~~。
ニンニクが効いて美味しい!!
そんでキンキンに冷えたビールもご一緒に~~。

投稿: エリ | 2015年2月 7日 (土) 20時24分

✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

「恋愛ドラマ」冬の時代に
刑事や医師が大活躍でございますが・・・
今季はあの手、この手で恋愛らしきドラマに
チャレンジなのでございますねえ。

恋愛結婚の完全否定あり
ドロドロの愛憎劇あり
愛と金の話あり
男女差別一色の話あり
そう言う中でこれは
由緒正しい・・・
純愛ものと言えますな。

とにかく・・・主人公は・・・
踊ることがすべてなので
常識の通じない男・・・。
そして一人で生きていけるけれど
それだけでは物足りない女・・・。

そんな二人が激しくスパークするわけです。

ある意味・・・平慶は・・・
恋愛相手を含めて
自分のダンス以外のことは基本的に念頭にない
アーティスト。

実に恐ろしい存在でございます。

そんな男に・・・高校教師はふりまわされるばず・・・
しかし・・・男と女はそのままではすまないでしょうからねえ。
立場逆転も充分に予想できます。

お嬢様方は幼い頃から
当然のこととしてバレエのレッスンを
嗜まれるけですが
庶民の皆様にはまだ浸透しているとは言い難い世界。
ドラマの題材には時々なりますが
あまり深みにははまらないことが多いのです。

平慶のライバルには
アクロバットの得意な方もキャスティングされているようなので
ダンス対決も含めて
踊ることの真髄にまで
迫ってもらいたいところでございます。

今夜は餃子をお焼きいたしますぞ~

投稿: キッド | 2015年2月 7日 (土) 22時54分

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