チーンって音がしたよね(国仲涼子)まさか恋に落ちた音じゃ?(中島裕翔)
ご臨終なんじゃないか。
しっ・・・その言葉は今、いろいろとアレだぞ。
イスラム国より日本政府が悪いって言いたがるバカが多いからな。
バカって言う人がバカだって言われるぞ。
いいさ・・・バカだもの。
構成的には転だよな。
起承と来たからな。
お互いの存在に気がついてしまった男と女。
人はそれを恋と呼ぶんだぜ。
で、『デート〜恋とはどんなものかしら〜・第3回』(フジテレビ20150126PM9~)脚本・古沢良太、演出・石川淳一を見た。第二の演出家になったが「泣かないと決めた日」の人なのでそこそこ不気味さを醸しだしてくる。セリフにも登場するようにコミックの影響下にある脚本なので「手首と肘の中間にある関節」をどう表現するかは重要だからな。おそらく脚本上の同時性多重人格の描写は「のだめカンタービレ」ののだめの悪夢に近いものがあるはずだ。もう少しスタイリッシュでもいいのだが・・・日常的な幻影の方を強調して笑いをとりに来ている演出になっている。ここは・・・好みの分れるところ。もう少し・・・母に呪われている感じがあってもいいような気がするんだな。しかし、「ごめんね青春!」が同じネタで先行しているので控えめになっているのかもしれん。バランスだからな。とにかく面白いんだからいいんじゃないの。それもそうだな。
史上最悪のテーマパークデートの後で・・・。
藪下依子(杏)はラブレターを書いた。
それは・・・「交際打ち切り」の「お別れの手紙」である。
しかし・・・そういうものを情熱的に書くのは・・・谷口巧(長谷川博己)が彼女の機械のような心を動揺させたからに他ならない。
もちろん・・・それがラブレターであることを書いた本人も・・・受け取った相手も気がつかないのが人生の機微なのである。
「なんじゃ・・・こりゃ」とどうやら機微からは遠い島田宗太郎(松尾諭)は分厚い「訴状」のようなものを一瞥する。
しかし・・・明らかに・・・巧に女として関心を持っているらしい島田佳織(国仲涼子)は直感的に「何か」を感じるのだった。
「高等遊民という生き方に関する価値観の相違について・・・たとえ過去に教養を磨くと称して働かないという生き方が認められていたとしても・・・現在が平成の世だからと言うよりも社会人として高等遊民なる生き方を認めることは非常に困難であり、間違った生き方であると言って間違いない。それはエラーなので修正する必要があるにも関わらず不条理にも修正しないという主張を認めることは人生は目標に向かって努力することに価値があるという考え方を否定することになりかねない。社会の一員であるという認識もなく自己本位の価値観のみで生きて行くことは人間としての精神の欠如を示し、社会不適合者そのものである・・・(後略)・・・」
ヤンキーなのでむかつく佳織だった。
巧の母親の留美(風吹ジュン)の絵画教室の生徒であり、現在は自分の作品制作のアトリエとして間借りし、時々、生徒を指導することもある佳織は・・・留美のつぶやきを聞いてしまう。
「巧だって・・・教えることくらいできるのにねえ」
つまり・・・巧もまた・・・芸術家だった過去があるのだな。
そして・・・佳織は巧の輝いていた時代を知っているのだった。
その・・・記憶が・・・憤懣となって・・・佳織に依子を襲わせる。
「依子さん」
「はい」
「これ・・・読みました」
「・・・」
「わかってねえなあ・・・って思ったものですから」
依子は佳織を招き入れた。
ここまで・・・ラブコメには不可欠の女友達の気配を感じさせない依子である。
自分が飲む予定のお茶をきっちり二等分にして分け与えるその姿に・・・孤独な人間は涙を禁じえない。
友達もいないのかよ・・・である。
そりゃ・・・そうだ・・・なにしろ・・・依子には母の亡霊という親友がいるのである。
「何を理解してないと言うのでしょう」
「巧くんだって好きでニートしているわけじゃないと思うんだ。巧くん・・・頭はいいしかっこよかったし・・・私をいじめっ子から助けてくれたりもした・・・昔はね」
「・・・」
「だから・・・なんか理由があって今みたいになっちゃったけど・・・」
「だから・・・私に交際を続けろと」
「そうじゃなくてさ・・・巧くんだって・・・悪いとこばかりじゃないってこと」
「しかし・・・困難を乗り越えて生きて行くべきです」
「理屈はそうかもしれないけど・・・人間は理屈じゃ・・・どうにもならないことがあるでしょう。巧くんは・・・あれが精一杯だってこと」
「彼に・・・何があったのです」
「知らない・・・話してくれないし・・・今後も話さないと思う」
「・・・」
「とにかく・・・言いたいことはそれだけ・・・ごちそうさん」
帰りがけに佳織は・・・「ホテルでのお見合いパーティー」のパンフレットを見かけるのだった。
ごちそうさんのめ以子は・・・じゃなかったメイクの練習をする依子。
「無駄な努力なんじゃないの」と依子の分裂した人格である母の亡霊・小夜子(和久井映見)は告げる。
「そんなことはないわ・・・アイラインの引き方だって努力次第で上達するもの」
「私があなたの年には・・・もうあなたを生んでいたし、博士号も取得して自分の研究室と研究チームを持っていた。数学者としても女としても・・・あなたよりずっと上・・・」
「うるさい」
どうやら・・・依子は小夜子に呪われているらしい。
父親の藪下俊雄(松重豊)への愛という意味では典型的な母と娘の三角関係である。
ライバルに先立たれ・・・依子は恋の迷宮を彷徨っているのかもしれない。
時系列的には・・・同時進行で島田(兄)は巧を「ホテルでのお見合いパーティー」に誘う。
偶然なら・・・それは運命である。
しかし・・・島田(妹)の画策なら・・・(妹)の気持ちもそれなりに屈折しているのである。
ストレートに言えば・・・巧の母から絵画教室を受け継いで(妹)が巧を寄生させればいいのである。
しかし・・・それは「嫌」と思うのが乙女心なんだな。
一方・・・もう一人の三角関係候補である鷲尾(中島裕翔)は「ホテルでのお見合いパーティー」と聞いて剣道の稽古後の裸体をサービスしながら・・・心がざわめく。
しかし・・・その日は接待ゴルフの予定が入っているのだった。
「巨乳が好きでも娘に豊胸手術はされたくない・・・複雑な心境なんだ」
「わかります」
もう・・・依子の父と鷲尾が練馬方面で同棲すればいいと思うよ。
接待相手の社長の姪で2005年のミス東洋英和(田中えみ)にそれとなくアプローチされる鷲尾は本格的に・・・「僕には好きな人がいます・・・真面目な人で」と堂々たる三枚目宣言である。姪を送り届けた後でパーティー会場に急ぐのだった。
そして・・・本日のデートが幕を開ける。
アイラインをボールペンで引きそこなった依子は眼帯着用で早くも逆風である。
そこへ・・・巧と(兄)が現れ・・・思わず職業欄チェックを主催者に申し出る依子。
巧は職業(空欄)で玉砕戦法に出たのだった。
妻帯者である(兄)はパンクロッカーとでも書いたのか。
それより・・・妻はいつ登場するんだ。
「ホテルでのお見合いパーティー」・・・まずは・・・自己紹介タイムである。
依子は不吉な13番。
巧は苦しみに通じる9番。
縁起が悪い二人なんだな。
向いあった男女はチーンの間(五分程度)に情報を交換し、男性が左回りで相手をチェンジしていく。
男性の13番は「メーカーの役員」である。
「どんなお仕事を・・・」
「地方自治体の公共施設における民間型不動産価値的な公民連携手法における数理モデルの応用を研究しています」
「え」
「わかりやすく言いかえればPPPこれはパレスチナ人民党や真珠様陰茎小丘疹やポリプロピレンペーパーではなくて小さな政府を志向し民間にできることは民間に委ねるという方針により民間事業者の資金やノウハウを活用して社会資本を整備し公共サービスの充実を進めていくpublic–private partnershipすなわち官民パートナーシップつまり公民連携事業の法的根拠となるPFI法いわゆる公共サービスの提供に際して公共施設が必要な場合に従来のように公共が直接施設を整備せずに民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法の制度化によりモニタリングの仕方と支払のメカニズムを連動させた事業の枠組みを設定し民間事業者に具体的な民間資金調達手法施設整備手法サービスの提供手法リスク管理方法サービスのモニタリング手法などを提案させるにあたりパフォーマンスの最適値をどのように測定するかの数理的モデルの最適化について部分的なスキームの変動を数値化し・・・(以下略)」
「ええと・・・」
チーンと制限時間いっぱいである。
依子は男性13番を「理解力に欠ける上に無口」と査定した。
一方、男性9番の巧は正直に「寄生する相手募集中」を宣言するのだった。
「ご職業は・・・」
「働いていません。母に養ってもらっています。しかし、母が永遠に生きるわけではないので高等遊民として私を養い、本やDVD、時々フィギアを買うお小遣いをくれる結婚相手を探しています。パートナーとしてあなたの収入は申し分ありません」
「・・・」
巧は切実に結婚相手を求める女性たちを絶句させまくるのだった。
「残念ながら年収二百万円以下では厳しいと言わざるをえません」
「なんなのっ」
その頃、依子は「髪の毛の薄い男性」に「髪の毛を薄い」を連発し髪の毛の薄い男性の逆上を誘発していたが薄いというか禿なので怒髪天をつかないのだった。
そして・・・ついに交錯する男性9番と女性13番。
「ストーカーみたいなことはやめてください」
「なんですって!」
「結婚相談所の総数と利用可能な施設に登録する機会における統計データと人口動態などを考慮した上での交際解消した男女が二週間という限定された期間内に他社の主催するお見合いパーティーで再会する確率を計算するとおよそ0.005%ということになり偶然とは考えにくいということが推定されます」
「君みたいな女をストーカーするかっ!」
「年産300個の柿をおよそ70億人超の世界中の人に消費させたいという変わった人もいますから・・・」
それが不可能であることは小学生にも計算できると天使も囁くのだった。
「君をストーカーするのはどこにでもでてくるあの水球とかしていそうな熱血イケメンだけだろう!」
「あなたとの交際は正式な文書をもってお断りしたはずです何かご不明な点でもありましたか」
「僕は美しくない文章は読まない主義なんでっ!」
「あのような別れ方では禍根を残すと思ったので正式にお別れを申し入れたのですメールや電話では失礼でしょうし直接会いに行くのはなおさら失礼かもしれないそこで正式な文書を作成して送付したのです」
「それが一番失礼だっていうんですよっ!」
チーン。チーン。チーン。と交替を促すベルが鳴り響く。
自己紹介タイムでおそらく・・・男性9番と女性13番は全員から対象外の烙印を・・・。
参加者が自由に語り合えるフリータイムに突入し・・・依子にも巧にも接近するものはいない。
仕方なく裸エプロンが似合う警視庁豊島警察署刑事課の刑事・辻巡査(松下洸平)のような男・奥田に話しかける依子だった。
「奥田さんお話ししてもよろしいでしょうか私は奥田さんに大変好印象を抱いています男性の皆さまの諸情報を独自の基準で数値化し採点した結果奥田さんは98.5点という高得点でした1位は あちらの島袋さん188点です競争率が高いので回避しました2位は山口さんですこちらもやや倍率が高いので回避し意外と人気のない3位の奥田さんが最も確率が高いのではないかと判断しました3位といっても 2位との差はわずか5.5ポイントですし4位以下を大きく引き離しています自信を持って大丈夫です連絡先を交換したいと思っているのですがいかがでしょうか」
奥田は高速度で人ごみに身を隠すのだった。
巧はまるで杉本彩のようなエマニエル夫人にアプローチする。
「僕はあなたを養うことはできませんが養ってもらうことはできます!」
「私が望んでるのは老後を共に過ごす尊敬できるパートナー・・・ツバメを欲しがってるお金持ちのおばさまを紹介してあげましょうか」
「僕はラマンになりたいのではありません!」
「あなたの望む生き方は愛人生活でしょう」
「違います!・・・そんなの飽きられたらポイ捨てじゃないですか!・・・国家による婚姻制度に基づいた安定の見込める生活が保障されなくてはなりません!・・・妻には夫を扶養する義務が生じるはずです!」
「あなたの奴隷になれってことじゃないの」
「むしろ逆でしょう!」
「残念ね・・・私はSに見えるMなのよ」
「・・・!」
その頃、巧をサポートするはずの(兄)は赤い糸の女でおなじみの秀子(三倉茉奈)と意気投合していた。
「俺のイントロはGだぜ」
「私を狂わせてくれそうね」
「G~FGA~」
二人は妖しいバイブレーションでホテルの一室へ。
しかしSに見えた女はどSだった。
「ハードコアか」
「お茶の間ではカットよ」
緊縛的に「トクボウ」色強いのだった。
孤立無援の巧は同じように疎外されたエル・ドライバーを見出すのだった。
「日本の悪口言わなければダリル・ハンナ好きなのにな・・・」
誰がキルビルの話をしろと・・・。
口笛が欲しいところだ。
巧の中に眠る何かが依子にシャンパンを運ばせる。
「誰かにもらえばものもらいは治るっていう!」
「それは迷信です・・・それにものもらいではありません」
しかし・・・依子は巧の配慮を受け取る。
依子は(妹)の言葉を思い出す。
「巧くんは優しかった」
その優しさはなぜ封印されてしまたのか。
依子は疑問に感じていた。
「一つ・・・聞いてもよろしいでしょうか」
「え」
そこへ・・・外見的にはウナギイヌとも仲がよさそうに見える巧にチャレンジする女・榊原まゆ(吉谷彩子)が割り込んでくる。
「よろしいですか・・・趣味について話してみたいと思ったのですが・・・」
「・・・!!」
初めて声をかけられた巧は有頂天になるのだった。
取り残される依子。
「ごめんね!」と勝利をかみしめる巧だった。
男と女である。
「少女マンガはいかがですか」
「里中満智子、萩尾望都、いくえみ綾、そして羽海野チカとか・・・」
「私・・・羽海野チカ先生大好きです」
巧は絵画教室の指導者になれる程度の画力の持ち主であるおタクである。
たちまち、意気投合する家事手伝いとそれさえもしないニート。
「同人誌時代の作品をご存じですか」
「もちのろんです~」
「萩尾から大島とか山岸とか竹宮に行かないところが僕なりのこだわりです・・・ある意味、安易な流れですからね」
「竹宮の絵に馴染めないんですね、わかります」
「デッサンおかしいでしょう」
「ですよね」
「しかし・・・」
「私は今は家事手伝いですが・・・漫画家志望なんです~」
「え」
「私が羽海野チカ先生のような漫画家になったら・・・」
「養ってもらえますか・・・」
「もちのろんです~実は・・・私、作品を持参しているんです~」
「それは・・・見てみたいな」
「はずかしいけど・・・あなたになら・・・」
「見せてくれますか」
「・・・はい・・・私のすべてをお見せします」
しかし・・・第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞の羽海野チカの山は高すぎた。
「なんだこれは・・・これでプロを目指してるなんてぬけぬけと言える君はプロの表現者というものをバカにしてるんじゃないのか?・・・タイトルのあいつとわたしのラブゲーム!って昭和のムード歌謡かよ!ストーリーもひどい。・・・美人に向かって失礼ね~えっ美人? どこどこ?~ここよここ目の前よ!!~えっ目の前?いないよ。どこどこ?~私よ私!!~えっ? お前のどこが美人だよ~全部よ、全部!!ってこんなやりとりに何コマ使ってるんだよ!絵もデッサンの基本がまるでなってない!手首と肘の間にもう1つ関節がある!腕がコの字になるのは寄生獣などの変態した人間だけなんだよはぐちゃんの手がコの字に曲がったらぶち壊しだろうがっ!」
「なによ・・・編集さんでもないくせに・・・このくそげぼやろうがっ」
決裂するコミック作家志望の家事手伝いと寄生できるならアシスタントになってもいいニートだった。
そもそも無理ゲーである。
そんなこととは知らず・・・一人、ホテルの庭園のベンチにすわる依子。
小夜子が寄り添う。
「女の子はだれでも白馬の王子様が迎えに来るのを待っているっていうけれど・・・女になるってことは現実に折り合いをつけるってことなのよ。自分の相手がたいしたことのない相手なのは自分がたいしたことのない人間だからと認めること。あんたの相手として相応しいのはあの・・・ニートってこと・・・認めちゃえば」
「うっさい死ね馬鹿」
死んでいるのである。
依子が幻影に放ったパンチは・・・パーティーに紛れ込んだ妖しい紳士(岡田浩暉)の顔面を捉える。
紳士は妖しく依子をバーに誘うのだった。
「失礼しました」
「いいのです・・・あなたと知りあうきっかけです」
ドライマティーニを飲み干す依子。
「お強いのですね」
「アルコールで酩酊したことはありません」
「それは・・・私は日系フランス人のピケッティ藤間と申します」
「まあ」
「経営コンサルタントで心理カウンセラーです」
「多才なんですね・・・人はなぜニートを選択するのか・・・なにかご意見がありますか」
「それは大変、興味深い問題です。来日して小銭を稼いでいるおフランスの経済学者は21世紀の資本で格差社会の是正という問題に触れていますがそもそも経済的な格差には資本格差と所得格差があるざんす。ミーはこれを金魂巻/渡辺和博的な問題として再考しました。能力差による格差が所得差として生じることは競争社会の本質として受容できるのですが資産格差は個人的能力を越えて受け入れ難い。優秀な人間が親の遺産の資産力に敗北して好きな女を奪われたら今月今夜のこの月を僕の涙できっとくもらせてみせるという夜叉を招き相続増税ベストな選択秋葉で無差別殺人死刑判決イギリスで非合法化されにくいイスラム団の若者が殺人を合理化することに近所のおばさんが批判をしても聞く耳もたないオウム信者の地下鉄グローバル社会では富と貧困が鎖国しなければクロフネですので結果として2000000人のニートが生まれるザンス・・・シェーッ」
しかし・・・酔った記憶のない依子は・・・ただ酔うと記憶を失うだけだった。
前後不覚となった依子をホテルの一室に連れ込む紳士だった。
その姿を目撃した「才能ありすぎて孤独な男」である巧は激しく動揺するのだった。
「おい・・・この状況はなんだか・・・犯罪的なものなのか」
携帯電話で(兄)に問う巧。
しかし赤いムチの女によって亀甲縛り的な海老反り手荷物風にまとめられた(兄)には応答が困難だった。
状況を無視して帰宅しようとした巧だったが・・・底辺の底辺に眠る危機感が・・・英雄の心を覚醒させるのだった。
「何をしている」
ベッドに横たわる依子によって昏睡レイプ的なものを確信する巧。
「何もしてません」
「一服もったな」
「もりません」
むくりと起き上がり「第3月曜はチキンカレー」と叫び再び昏睡する依子。
「明らかに危険ドラッグ的ななにかじゃないか」
「誤解です・・・介抱していただけざんす・・・おなごをてごめなんてノンノンノン」
「じゃ・・・なんでマムシドリンクを二本も」
「疲労回復ざんす」
「まむしとか天狗印にそういう言い訳は通用しないんだよ」
鉄拳制裁からハンガーヌンチャクとヒーローをイメージする巧。
しかし・・・紳士のパンチでノックアウトである。
「日本の文化は難解ざんす」
警察を呼ばれるといろいろと困るらしい妖しい紳士は去っていくのだった。
ホテルの一室からは同志・袴田吉彦風の男もコトを終えて廊下に出て来た。
二人は妖しい微笑みを交わすのだった。
目覚めた巧は依子に介抱されていた。
「なぜ・・・助けに・・・」
「マンガのヒーローはそうするものだから・・・現実は僕をヒーローにしたりはしないけれど」
「・・・」
二人はロマンチックな横浜の夜をトボトボと歩く。
巧は目周りを内出血したことにより間接眼帯を体験するのだった。
「僕に聞いてみたいことって何ですか」
「なぜ高等遊民という生き方を選んだのですか」
「教えません」
「やはり」
「・・・」
「連絡先カードが残ってしまいました」
「個人情報が残っているので簡単には捨てられませんね」
「あなたの分を私が捨てておきましょうか」
「君の分は僕が捨てておこうか」
二人は連絡先カードを交換した。
その姿を・・・茫然と・・・鷲尾は見ていた。
流れるいにしえの月9ドラマ風な主題歌・・・。
ああ・・・恋が始っちゃったよお・・・。
来襲は最初の結末か。
由緒正しい起承転結なんだな。なんだなんだな。
(妹)は恥ずかしい(兄)を救助した。
「待ちうけにしてやろうか」
「や・・・やめてよね」
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コメント
キッドさん こんにちは!
3話は家族で笑いながら楽しく見ましたが
なんか ふつうの恋バナに近い感じになってしまって
ちょっと物足りなく感じてしまいました
でも長谷川さんの漫画家志望の女の子との会話はすごく楽しかったです♪
キャスト的にあまりふつうの恋バナになってしまうと関心がなくなってしまい 今は長谷川さんの演技に鈴木先生を思い出して 彼を中心に見ています
あと 国仲さんが良い味だしてるような気がします
もうすぐ 起承転結の結になるのなら
こらから第2章とかあるのでしょうか?
古沢ワールドの今後の展開を楽しみに最後まで見ていきたいと思います(*^-^)
投稿: chiru | 2015年2月 7日 (土) 18時05分
(月)の東大ちゃんは
(木)の東大ちゃんより人畜無害でございますよね。
ものすごく常識人だし
安定した職を得ているし・・・。
一方、やはり高等遊民には
そうなってしまった秘密があるようで
何が彼をそうさせたのか・・・
これがわかりやすいキーポイントなのでしょうねえ。
で・・・第一話は恋に無縁の二人のデート(起)
第二話は恋に無縁の二人のデート(承)
第三話はお互いが気になる出会い(転)
第四話はそうなってから最初のデート(結)
こういう感じの構成になっていると予想します。
来週は最後で一回リセットされて
しかし・・・より深い起承転結が第五話から
始るのではないかと・・・。
つまり・・・第五話からが第二章になるのでは
ないでしょうかと考えます。
キャラクターがとんでもない設定なので
物語の構成は
オーソドックスにしているのではないかなあと
予想しているのでございます。
まあ・・・なんにしても
安心して楽しめる月曜日でございますよねえ。
投稿: キッド | 2015年2月 7日 (土) 21時09分
キッドさん、こんにちは
連日のレビュー、ありがとうございます。
最近、恋愛から離れることも多かった月九ですが、
久々に恋愛ドラマで、しかも楽しくって、大満足ですわ。
みんながみんな、少しずつ変な人ばかりで、
真面目な鷲尾くんですら、おかしな人に見えてしまうという・・・
マナカナも岡田さんも相当濃いキャラクターなのに、目立たないなんて・・・
巧の好きなマンガ、アニメが若干古いような気がして、
その辺にもネットもゲームもしない高等遊民になった理由が
あるのかな、と見ていたのですが、
スラムダンク時代の羽海野チカ、とはまた絶妙なところを持ってきましたね。
ここまで引っ張ってきて、どうでもいい理由だったらどうしよう、
とも思えるけど、古沢さんだから読めないんですよね。
余談ですが、高等遊民って余裕のある家の話ですよね。
「学校のカイダン」の神木くんを、古美門っぽいなあ、
と感じていたのですが、やっぱり本家は違う、と思い知らされました(笑)
古沢さん、すごいです。
暦の上では春なのに、寒い日が続きますね。
体調崩されませんように、お体大切になさってください。
私は、春が待ち遠しくて、浮かれまくっています
投稿: mi-nuts | 2015年2月 9日 (月) 13時00分
どういたしましてでございます。
実はマジ王道の月9ですよね。
恋愛下手な男と女がピュアに恋に落ちるという・・・。
まあ、ストレートも剛速球なら通用するわけですな。
マナはこの手の役に特化してきましたな。
岡田さんはゲスもカスもこなしますねえ。
巧は古典文学から同人コミックまで
裾野が広いので
ある程度系統だっての読書なのでございましょう。
ちょっとフィギュアにも時間を割いているようですし。
ネットやゲームも嗜む程度には
していると思われ・・・。
巧がひきこもった理由・・・楽しみですねえ。
高等遊民には貧乏でもなれるでしょうが
高等に見えないのでしょうな。
底辺ですからな。
「学校のカイダン」は
平和主義者のジレンマの話。
反戦は戦いなのかどうかですからな。
「伝説の教師」
「働きマン」
「キイナ」
「全開ガール」
「カエルの王女さま」
吉田氏のいつもの主題ですな。
古沢氏は真面目に斜め上なのですな。
今週はこの冬一番の寒さと予想されます。
ご自愛くださりませ。
春ドラマは水10の堺雅人、木9の木村拓哉、金10の山Pと殺意に満ちている感じがいたします。
水木金かよっですな。
投稿: キッド | 2015年2月 9日 (月) 16時35分