これが私の素敵なひとしく教育を受ける権利アハハン(神木隆之介)
このドラマの捉えどころのなさは厄介だよな。
階級闘争という「競争原理」と千年王国という「平和願望」が混然一体となっているんだよな。
「格差社会」をどうしたいんだろう。
「是正」したいんじゃないかな。
それは困難だよなあ。
未成熟な人間へのメッセージと割り切れば・・・「あきらめないで戦え」ということになるんだけどな。
「生産性」ということに限定すれば「未成年の権利」の話なんだよな。
とにかく・・・作者の「理想社会」の話なので・・・辻褄が合わなくても強引に展開していくんだよねえ。
きっと・・・作者には・・・「正義」が見えているんだな。
ある意味、(月)の東大さんや、(木)の東大ちゃんのカテゴリーとは無縁の若者向けとも言える。
危ういよねえ。
たとえば・・・「人質殺害事件で政府の責任を追及する」論調で語っていた人たちが・・・「殺害者たちの発言に自分たちの論調が組み込まれている」のを知った途端・・・ヤバイと思って口を噤むみたいな感じ。
発言している時にそのことを予想できない頭の悪い感じがするもんなあ。
匿名で語っている分には世話ないけど・・・マスメディアで語っちゃうとダメージ大きいもんねえ。
まあ・・・バカな子ほど可愛いという時代もあるからな。
それはそれできっといいんだよ。
それにしてもフィギュア・スケート・・・女子は男性しか男子は女性しか見ていないような気がして仕方ないよ。
トランス・ジェンダーの人もいるぞ。
で、『学校のカイダン・第6回』(日本テレビ20150214PM9~)脚本・吉田智子、演出・鈴木勇馬を見た。水晶の舟をうかべてちょっとだけふれる感じの口づけをかわしたいロックンローラーがいたわけだが・・・そういう少女趣味がすでに性差別である。このドラマの背景には経済的格差の問題が横たわっている。イスラームの世界では四人までの妻帯が認められているわけだが男女比で考えると四人の男がいれば三人は独身を強いられる可能性があるわけである。貧富の差が子孫繁栄に直結しているわけである。その点、一夫一婦制には平等感があるわけだが・・・結局、富める夫婦と貧しい夫婦の発生という問題が残る。その結果として生じるのが裕福な子供と貧乏な子供の発生である。これを解消するためには社会による子供の集団養育という展開があるがそうなると親子は断絶する。教育の機会の平等を求める日本国憲法の微妙な言い回しが苦労を偲ばせるのだな。「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」わけである。能力抜群であればひとしくなくてよろしいというニュアンスがある。普通教育と言えば狭義には小中九年間の義務教育を指すわけだが・・・実際には高等学校は中等教育後期にあたるのである。そのために公立高校の無償化の流れが生じている。実は明蘭学園高等学校の特別採用枠はこの流れに乗っているのである。私立高校には支援金として補助があるからだ。富裕層による寄付金と政府からの支援金を集約することで私立高校における無償化枠が生じているわけだ。それを高額寄付者がどういう気持ちで施すかという話だ。
「右や左の旦那様憐れな乞食にお恵みを」くださっているのか、あくまで善意なのかである。
貧富の差によって抜群の美少女でありながら・・・プラチナ8のキング・夏樹(間宮祥太朗)の恋愛対象になれなかったツバメ(広瀬すず)は車椅子の男・雫井彗(神木隆之介)の導きによって学園の身分制度の崩壊を目指すのである。
ツバメはシンデレラであり、車椅子の男は魔法使い。そしてトラメガはガラスの靴なのである。
暖かい魔法のシチューによって生徒会役員、クラスメート、そしてプラチナ8の美森(杉咲花)までを同志としたツバメに・・・車椅子の男は「いよいよ革命の時が来た」と唆す。
反プラチナ8の団結力により・・・プラチナ8の特権を奪う実力行使が可能となったのだ。
「準備はできたのか」
「整いました」
ツバメ軍団は通学バスの座席を占拠し・・・プラチナ8を立たせることに成功する。
「どきなさいよ」
「どきません」
「馬鹿馬鹿しい・・・私はタクシーでいくわ」
学園の女王・麻生南(石橋杏奈)は気品あふれる撤退である。
「バスがなければタクシーにのればいいのよ」
ここは「ベルサイユのばら」なんだな。
しかし、特権阻止を目指すツバメ団は特権エレベーターを占拠し、特権娯楽室を一般生徒に解放するのだった。
プラチナ8の特権は剥奪されたのだった。
しかし・・・それは第三の権力の怒りを誘うのである。
ツバメの第一の敵はプラチナ8。第二の敵はプラチナ8に阿る教職員。そして第三の敵は・・・高額寄付をしているプラチナ8の親たちである。
伊吹玲奈(飯豊まりえ)のブランド志向の母親は「特別採用枠(トクサ)」の生徒が風紀を乱していると夏樹の父親のPTA会長(小木茂光)に泣きつく。
PTA会長は誉田校長(浅野温子)にトクサ制度の廃止を求めるのだった。
「富めるものと貧しいものが寄り添って新世界を切り開くことが肝心なのです」
「それは理想論ですよ」と金時教頭(生瀬勝久)は誉田校長に決断を迫るのだった。
「どうしよう・・・このままでは学校にいられなくなる」とツバメは車椅子の男に相談する。
「弱点をつけばいいのさ」
「弱点」
「いいか・・・プラチナ8の親たちは誰のために金を出しているんだ」
「プラチナ8」
「つまり・・・プラチナ8を味方につければ問題は解決する」
「無理よ・・・本末転倒じゃないの」
「無理を通せば道理は引っ込むんだ・・・いいか・・・シンデレラは一般庶民のくせに魔法で王宮の舞踏会にもぐりこんで王子を色仕掛けでたらしこむんだぜ」
「メルヘンがぶちこわしだわ」
「革命はきれいごとじゃすまないんだよ」
車椅子の男に言いくるめられて・・・キングの暮らすタワー・マンションに潜入するツバメだった。
「お前・・・どうやって入った」
「あなたの後ろをついてきただけよ」
「なんじゃあそりゃあ」
「ここって凄いわね・・・夜景が一望できて・・・まるでお城みたい」
「・・・」
「こんなに・・・素敵な暮らしをしながら・・・どうして人を苛めるの」
「お前たちが・・・むかつくからだよ」
「私たちの何が悪いの」
「何もかもさ」
「わけがわからない」
「そりゃそうだろう・・・お前と俺とでは生まれも育ちも違うんだから」
「だから・・・私とあなたが仲良くできないなんて・・・おかしいよ」
「仲良くするのか」
「帰ります」
貞操の危機を感じて下界に降りるツバメだった。
ツバメの身を案じて待っていたらしい車椅子の男。
「何か感じたか・・・」
「何もかも持っているのに・・・あの人・・・淋しそうだった」
「そこだ」
車椅子の男は「ものさし」を授与するのだった。
ツバメは同志たちによる「トクサ撤廃反対」の嘆願書をプラチナ8に示す。
「今さら何だよ・・・」とプラチナ8。
しかし・・・キングは「いいよ・・・その代わり・・・土下座しろ」と命ずる。
ツバメたちは土下座するのだった。
キングは不品行なスクールカウンセラー響すみれ(野波麻帆)たちのスキャンダルで教頭を揺さぶるが・・・効果はないのだった。
プラチナ8は所詮・・・親の愛玩物だったことを自覚する。
教育委員会に提出するトクサ廃止についての書類を整えるPTA役員会。
ツバメの祖父の徳次郎(泉谷しげる)はトクサ枠の親たちと殴り込みを計画する。
しかし・・・ツバメは先手を打って役員会に乗り込むのだった。
「君が・・・噂の生徒会長か」
「馬鹿な真似はやめなさい」
「これだから下賤の人間は・・・」
高圧的なプラチナ8の親たち。
しかし・・・ツバメと仲間たちはそれぞれがものさしを掲げるのだった。
「結局・・・あなたたち大人が子供に与えるのものさしです」
「なんだって・・・」
「もつものが奢り高ぶり、もたざるものをあざけり見下す・・・そんなつまらないものさしにどんな価値があるでしょう。私の祖父が私にくれたものさしは三つだけ。一つ、嘘をついてはいけない。一つ、他人に迷惑をかけない。一つ、他人に優しくする。私はこの教えを守り、これからも生きていきます。そうすれば素晴らしい未来が待っていると信じることができるからです」
「言っていることがわからん」
「それはお前たちが愚かだからだ」
ツバメはものさしをへし折った。
「帰りましょう」と伊吹の母は娘を促す。
しかし、伊吹はその手を振り払う。
「え」
「あなたの事を想うとすごく胸があつくなるのです。私の夢をあなたの夢に変えたい。あなたの悩みを私も一緒に悩みたい。友達になってレモンを好きなだけたっぷりと紅茶にしぼってあなたとレモンティーを飲みたいのです」
「くだらん」とPTA会長。
「くだらなくないんだよ」とキングが進み出る。
「すまなかった・・・頑固な大人たちに・・・つまらない口出しをさせて」
キングと仲間たちは土下座するのだった。
「我が家の家訓に反するぞ」
「こんなことでゴタゴタする名門校じゃ・・・経歴に傷がつくじゃないか」
「・・・」
「だから・・・ゴタゴタなんて・・・最初からなかったことにするんだよ」
トクサ廃止の提出書類を破り捨てるキングだった。
「ゴタゴタしてごめんなさいでした」
一件落着である。
美森の仲立ちで握手を交わすツバメとキング。
好きな人と握手が出来て有頂天になったツバメは車椅子の男に感謝を述べる。
しかし・・・。
「私を忘れんな」と学園の女王・麻生南は生徒たちに一斉送信するのだった。
《ツバメのスピーチにはゴーストライターがいる。ツバメの言葉は借りもの。ツバメはうそつきだ》
誰かに言わされていた言葉で・・・踊らされていた大衆の・・・理由なき嫌悪が湧きあがる・・・らしい。
まあ・・・少なくとも作者の脳内では・・・。
関連するキッドのブログ→第5話のレビュー
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コメント
なんかね、「純粋カイダン」ならぬ「純粋カクメイ思考実験ドラマ」なのかもと思って観ています。
それか校長は八百比丘尼かも(笑)。それか夜になるとオデッセイでドライブとか……。
やっぱ須藤君は水球とかやってはじけたほうがいいですよね(-_-)。♪フックブックロー(←別人別人)
投稿: 幻灯機 | 2015年2月15日 (日) 19時21分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
革命の先にあるものはフリーセックスですからな。
すると生まれる子供は
ジャニーズ系か男子フィギュア系か韓流スター系に
なってしまうという。
まあ・・・父親似になるとは限りませんけどねえ。
それ以外の男は
AV見てオナニーか強姦魔に・・・。
美男美女だけが純愛するという
古き良きドラマだけが生き残るのですな。
経済格差を革命や改革で解消しても
いろいろな格差は残ります。
人間だもの・・・。
理想家はそういうことは無視して語りますからねえ。
何が理想ってやつなんだでございますよ。
校長は昔は刑事で・・・
時々「猟奇犯罪の夢」にまどろむ。
教頭は快楽殺人者だから
内偵中だったりして・・・。
須藤くんは
野球→水球→バスケときて
いよいよ二枚目になったんですな。
まあ・・・きっと・・・
犯罪者役者の道が待っているような気がします。
まあ、枠があるのはないよりマシですからねえ。
投稿: キッド | 2015年2月15日 (日) 22時24分