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2015年3月29日 (日)

おろかものにも春は来ますか?(麻生久美子)

ここ数日のレビューは谷間の谷間なので「沖縄県民の民意の自粛への祈り」を捧げている。

多数決絶対の民主主義において、民意と総意は微妙に違う。

つねに少数意見があるのである。

日米による軍事同盟を否定し、自国領土からの他国の軍事力を完全に排除すべしという意見もある。

そもそも・・・国家というものは虚構である。

人間の営みにおける方便のようなものだ。

国家と国民はギブ・アンド・テイクの関係に過ぎない。

沖縄県というエリアが日本国に属する歴史的経緯も天皇家の歴史に比べればほんの僅かである。

しかし、徳川幕府における幕藩体制というものを考えると琉球王国と薩摩国が大日本帝国に統合されることにあまり差異はないのである。戊辰戦争では東北諸藩は統合のための実戦さえ体験している。

以来、帝国の日清、日露の戦役を経て・・・沖縄は明らかに日本の一部になっていった。

敗戦に伴う大日本帝国の滅亡と日本国の誕生において・・・沖縄は米国の統治下に残された。

そこから・・・日本に沖縄が返還されるまでの歳月がある。

歴史的知識は教養である。

教養である以上、素養の深さには個人差がある。

「米国兵の犯罪率」や「軍用機の事故率」が「市民の安全」を脅かすことは「原子力発電所の事故」が「放射能汚染」を発生させるのと同じリスクである。

そのリスクは「安全保障」や「エネルギー危機」に対するリスクと二律背反的な要素を含んでいる。

人間の知的能力には格差があり・・・必ずしも理解は合一のものではない。

つまり・・・愚か者は常にある。

総合的に判断すれば・・・基地移転は「是」である。

それを「否定」する愚かさが多数を占めないことを祈るのである。

馬鹿につける薬はないのである。

で、『・第11回~最終回(全12話)』(テレビ東京201503210012~)脚本・小峯裕之(他)、演出・ケラリーノ・サンドロヴィッチを見た。四季のある国では春は一年後にやってくるのが普通である。赤道直下は基本的にいつも夏だ。地球の裏側では春の時に秋である。とにかく・・・春は一種の無限ループなのである。太陽系の終焉までの話としてはそうなる。それとは別に虚構の世界では時間旅行的な無限ループがある。今季のドラマでは「問題のあるレストラン」では・・・主人公がくりかえし変な場所でレストランをオープンするループ、「デート」では主人公がくりかえしおでかけをするというループが展開したが・・・時は流れている。米軍兵が戦争によって狂を発し、罪のない沖縄の少女をレイプすると沖縄県民が怒り、日本政府は動揺し、米国が謝罪するというループと同じだ。ロシアのマダムが「練習すれば誰でもトリプルアクセルは飛べる」と発言すれば賛否は分れるわけだが・・・「反対すれば否定できる」とは限らない。スポーツに反復練習はつきものだ。たとえば剣道では素振りをする。毎日、面打ちを百本すれば一年間で三万六千五百本になる。その間に軌道は修正され、筋力は増強され、打撃力はアップする。棒一本で簡単に人が殺せるようになるのである。リフレインというものは・・・実は恐ろしいものなのである。しかし・・・時にはふりだしに戻るという・・・恐ろしい魔法が描かれるのだった。

このドラマの登場人物は基本的に・・・知性に欠陥がある。

落語で言えば・・・全員、与太郎なのだ。

しかし、与太郎にも格差があり、与太郎のボケに与太郎がツッコミをいれるという展開である。

その馬鹿馬鹿しさが頂点に達する最終話である。

ちょっぴり馬鹿なお茶の間は・・・物凄い馬鹿たちに心地よい優越感を感じるのだった。

「温泉に行かないか」と夏美(麻生久美子)を誘う三階堂刑事(仲村トオル)・・・。

「いいけど・・・いやらしいことしないでよ」と期待に鼻の穴をふくらませる夏美。

「皆さんもご一緒に行きましょうね」と唄子(犬山イヌコ)たちに声をかける三階堂。

夏美は馬鹿だった。

しかし・・・応募していない抽選に当たって「必ず七人で参加しなければならない温泉旅行ご招待」に応ずる三階堂は馬鹿の中の馬鹿なのだった。

こうして・・・夏美と三階堂、唄子と眠山(山西惇)、冬(緒川たまき)と黴田(水澤紳吾)、そして、秋子(坂井真紀)の七人は鬼神村に向かって旅立つのだった。

悲別(大倉孝二)と萌香(今野鮎莉)はお留守番である。

しかし・・・鬼神村には八十年に一度、七人の人間を生贄として捧げないと鬼が出てきて滅びをもたらすという伝説があった。

旅館の女将(高橋ひとみ)、番頭(山本龍二)をはじめとする従業員一同、植木職人(鈴木浩介)やおでん屋(オクイシュージ)までが旅人の命を狙っているのだった。

そうとは知らずにさっそく・・・植木職人に一目惚れする秋子だった。

そして・・・UNOとタロットカードを間違えた黴田は斧で両断され・・・助けを求める秋子の電話に悲別はボケ続け、秋子は結局、植木職人に毒殺され、唄子と眠山は竹輪ダイナマイトで爆死、三階堂は風邪薬と称する毒薬を致死量以上飲んだ上におむすびを追いかけて崖から落ち、温泉で冬は感電死である。

謎の老婆(中村メイコ)は不吉な歌を歌うのだった。

宇宙人ピピは

杉本哲太の義母なのだ

UNOはタロットカードでやれないこともない

・・・全然、違うぞ。

そして・・・ついに夏美も槍で刺し抜かれてしまう・・・。

全滅である。

しかし・・・その時、夏美が着用していた装身具は眠山がらみの妖しいグッズ・・・。

「壊れると一日やりなおしペンダント」だったのである。

槍で壊れたペンダントの機能が発動し・・・夏美は鬼神村のバス停留所に到着した場面にワープする。

ちなみに・・・「夏美の記憶だけが持ち越し」というアイテム効果があります。

「早く帰りましょう」という夏美。

「今、到着したところじゃないか」と一同。

三階堂は世界地図を広げ旅館を目指す。

馬鹿なので・・・危機を説明できない夏美。

馬鹿なので・・・夏美の話を聞かない一同である。

しかし・・・夏美はみんなの命を守るために馬鹿なりに孤軍奮闘するのだった。

ああ・・・馬鹿、かわいいよ馬鹿なのである。

ドタバタが展開し・・・ついに刻限がやってくる。

巨大な鬼が出現し・・・村は滅び・・・七人は助かるのだ。

「やった・・・」

「ペンダントのおかげだ」

「こんなもの・・・嫌い」

夏美は忌まわしい記憶を断ちきるために・・・ペンダントを破壊するのだった。

たちまち・・・一同は鬼神村のバス停留所に・・・。

バカは失敗から何も学ばない。

沖縄の人たちがバカなのか・・・日本政府がバカなのか・・・戦争をやめられない人類が馬鹿なのか。

それは・・・死ななきゃ分からないことと定められています。

関連するキッドのブログ→真野恵里菜の怪奇恋愛作戦

素敵な選TAXI

みんな!エスパーだよ!

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コメント

悲別……もう悲別に芸名かえてもいいと思うよ(~_~;。
三階堂……三枚目を演じるときの芸名として使ってもいいと思うよ(~_~;。

夏美の衣装は科特隊のオマージュなんでしょうか。
冬の衣装がザラブ星人っぽいとときがあったのは気のせいなのでしょうか。
秋子は……三島で保健の先生やっていても見分けがつかない(笑)。

いしいひさいちの四コマみたいなオチで豪華配役の村が滅んでしまうような、こんな(アホな)ドラマがあってもいい。でも語り部さんは最後の最後にもう一捻りなんか言ってほしかった。
タイムリープ機能の付いてないほうを探しにいきます(笑)。

投稿: 幻灯機 | 2015年3月30日 (月) 18時05分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

語りべ(池谷のぶえ)のことをすっかり忘れていました。
ま・・・最後まで正体を明かさなかったので
きっとどうでもいいんだな。
っていうか・・・お茶の間にも見えないぐらいの方が
素敵だ。

最近、大倉孝二の出番少なめなので
もう・・・悲別でいいですよね。
姓が悲、名が別なのでございましょう。

三階堂登主演で不死身の男の刑事ドラマを
ゴールデンでやるバカな局があってほしいと思います。

夏美はウルトラマンフェイスですからねえ。
フジアキコ隊員でもあるし。
冬はメフィラス星人でもあります。
秋子は不良のモンチッチです。

ぐわっしゃあんという感じてぺっちゃんこ・・・素敵でした。
スリット女将だけは脱出できたかなあ。

ちょっとヨシヒコまざってましたよね。

あれは・・・枠を越えてきたのか・・・。

第二期があれば眠山グッズ回は必携ですな。

春ですなあ。

投稿: キッド | 2015年3月30日 (月) 19時52分

キッド様、冬ドラマレビューお疲れ様でした

今期、私が見ていたのは、怪奇~とセカンド・ラブだけでした。
金曜夜だけ、急激に忙しかったです。
慶くんの所にも、悪魔ブイヨンが来てくれたら、ライバルのダンサーなんて消えちゃうのに、と思ってました(混ぜちゃダメ)
芸術家というモンスターに恋した結唯ちゃんの幸せを願いつつ…ラストシーンのロケ地はもしや、怪物王子が戴冠式(のリハ)した所では…。

三階堂、黴田くん、眠山…それぞれ描き分けられていて、なかなか魅力的だったと思います。キッド様の「落語の与太郎」という喩えがまさにピッタリですね。
そして、ホラー映画にも与太郎は付き物…真っ先に殺されちゃうタイプで(笑)
落語的、SF的な最終話で大満足でした。

春ドラマが始まりますね。月9は応援したいですが、予告を見た限り少し不安です。キッド様のレビューだけは全部読みますよー

投稿: なつ | 2015年4月 4日 (土) 21時52分

カイブツクンノトモダチハ?~なつ様、いらっしゃいませ~ヒロシクンデス

ねぎらいのお言葉ありがとうございます。

「セカンド・ラブ」から「怪奇」は綱渡りなのでございました。

レビューの準備もあるので
オンエア視聴を逃すと録画に失敗したら
どうしようとドキドキします。
メカは信じられないようなアクシデントを
発生させますので・・・。

一度、電源を抜いてまったく気がつかずに外出して
すべてが録画されていないという事態に・・・。
それは・・・メカではなくて・・・自分のミスだろうがっ。

セカンド・ラブは素晴らしいドラマだったのに
あまり、評価が高くないような気がして残念です。
まあ・・・世の中というものはそういうものですからねえ。

「夜行観覧車」
「Nのために」
「セカンドラブ」
が同じ流れにあることをもう一度だけ言いたいと思います。

これがせつない「恋愛」なんだからっ。

一方・・・「恋愛」のさいはてを描いた「怪奇・・・」はぼーっと見られる最高のオアシスでございました。

残骸のような三女優に・・・そこそこ薫る美女の残り香・・・おいっ。

そして・・・美少女ゲストたちもやがてそうなるというホラー。

悪魔としてはうっとりいたしますな。

三階堂の殺しても死なないほどのおバカさんキャラクターは素晴らしかった・・・。

バカにつける薬はないのですよねえ。

黴田くん、眠山、そして悲別は
存在がすでにホラーな感じでしたし・・・。

みんなノーメイクで妖怪できますよねえ。

ホラー映画では意外とおバカさんが生き残ったりしますしね。

殺されるアホウに生き残るアホウ、同じアホなら・・・でございます。

春ドラマは例によって視聴してからの取捨選択になりますが・・・
今のところ・・・月9の生存率は高めです。

相葉くんのドラマはいつも惜しいところで
レギュラー・レビューから漏れるんですよね。

今回ははたして・・・どうなりますか・・・。
春ドラマもよろしくおつきあいくださりませ。

投稿: キッド | 2015年4月 4日 (土) 23時02分

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