フラガールと犬のチョコ(瀧本美織)心を開いてあなたを待つ(波瑠)
フクシマの話である。
恐ろしいほどに地震保険のCMが入るわけだが・・・まあ、転ばぬ先の杖だからな。
福島県双葉町に実家があるスパリゾートハワイアンズのフラダンサーの実話風ドラマである。
主人公の飼い犬はあの日・・・緊急避難した家族たちから取り残されてしまう。
主人公の女友達も避難生活を余儀なくされる。
復興へ向けて踊りだす主人公たち。
フラガールの基本は「笑顔」である。
主人公の「笑顔」が隠す涙の現実・・・。
すっかり危機感を失った政治家やマス・メディアの皆さんに正座して見せるべきだよな。
なにやってんだ・・・おまえら・・・って言いたい人は必ずいるだろう。
ちなみに天使テンメイ様による福島県の放射線・放射能の減少記事はコチラです。
で、『フラガールと犬のチョコ』(テレビ東京20150311PM9~)原作・祓川学、脚本・関えり香、演出・神徳幸治を見た。谷間だがテレビ東京のスペシャル・ドラマは侮れないのである。特に主人公を演じる瀧本美織はあの日の朝ドラ「てっぱん」ヒロイン以来、最も素晴らしい主人公を演じていると言える。これは一種の運命の力じゃないのか。女優として、ある意味、物凄く被害者の一人だからな。三月十一日に第138回を放送して「てっぱん」は三月十二日から三月十八日まで中断したのである。ちなみにその翌週の脚本家は関えり香だった。
福島県双葉町で父・善光(田口浩正)と母・あや乃(中原果南)そして姉・愛海(佐藤めぐみ)と暮らす沙衣(瀧本美織)・・・七歳の時から愛犬チョコと育ってきた。
海岸は沙衣とチョコの散歩コースだったのである。
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームの13代目のリーダーでダンサーの吉本美那子(菊池桃子)に憧れてオーデイションを受けた沙衣。
美那子は常磐音楽舞踊学院の鬼講師となっていた。
厳しいレッスンをする美那子のために鬱になる沙衣・・・。
いわき市出身の竹沢かすみ(波瑠)や同期の西村千香(小池里奈)や先輩の小松原薫子(上野なつひ)に励まされるが実家に逃げ戻るのだった。
チョコと散歩に出かけた沙衣はお守り代わりにもっていた「ダンサー美那子との記念写真」を丸めて投げ捨てる。
思わず拾って帰ってくるチョコだった。
「あきらめるな・・・って言うのね」
いや・・・それは違うと思うが・・・。
この日から・・・沙衣は心を入れ替えて猛特訓に励み・・・フラガールのエースとして成長するのだった。
そして・・・2011年3月11日がやってくる。
津波の被害を受け家を流された親友のかすみが家族が避難した避難所に向かった後で、福島原発の事故が発生するのだった。
沙衣の家族たちは緊急避難のためにチョコを家に残し双葉町を脱出する。
放射能汚染が深刻な事態をもたらす実感もないままに・・・。
そして・・・チョコは取り残されてしまったのである。
スパリゾートハワイアンズも震災の影響で営業休止となるのだった。
沙衣は避難施設の家族と合流するがそこにチョコの姿はない。
「チョコを連れて帰る」と泣き叫ぶ沙衣。
「無理なんだ」と諌める家族たち。
一ヶ月後、一時帰宅を許された善光は防護服の役人に食ってかかる。
「家を追い出されて・・・家族同然のペットを置き去りにしてきたんだ・・・もし、生きていたら連れ帰りたい・・・それの何が悪い」
「取り残されたペットは被曝している懼れがあります。ご家族の安全を第一にお考えください」
「ただちに危険とは言えないんじゃないのかよ」
「・・・」
帰宅した義光と沙衣は奇跡的に生きていたチョコと再会する。
しかし・・・連れては帰れない。
あるだけの餌を置き・・・断腸の思いで実家を後にする沙衣だった。
そして・・・次の一時帰宅の時・・・チョコは行方知れずとなっていた。
美那子の呼びかけでレッスンが再開する。
「こんな時にフラなんて・・・」と姉の愛海は次元を越えてA子属性を発揮するが、沙衣はいわき市に向かうのだった。
復旧のめどがたたず、一部施設を避難所として解放しているスパリゾートハワイアンズ。
支配人の長谷田(伊原剛志)は広野町から避難してきた老人(品川徹)の苦渋を見て、なんとか笑顔を取り戻したいと考える。
沙衣たちのレッスン場での臨時フラ教室の盛り上がりを見た長谷田はフラガールの被災地慰問を軸にした全国各地での無料公演「フラガール全国きずなキャラバン」を計画するのだった。
あの日以来・・・フラから遠ざかっていたかすみを双葉町での慰問ショーに招待する沙衣。
フラガールが最初に習う「クウレイマイレ」がかすみの閉ざされた心をひらくのだった。
私の願いはただ一つ
あなたのそばにいること
心を開いて
あなたを待っています
「こんな時にフラなんて・・・と思っていた・・・でも・・・今だからこそフラなんだね」
「私たちの笑顔がお客さんを笑顔にしてお客さんの笑顔が私たちを笑顔にするんだよ」
「みんな笑顔になるために生まれて来たんだもんね」
町には心ない人々もいた。
素晴らしいインターネットの世界には愛のない人々もいた。
しかし・・・フラガールたちは「困窮する福島の人々のために福島の安全なトマトをアピール」するのだった。
「福島が苦しんでいることを知ってもらいたい・・・そして福島を嫌いにならないでください」
悲しみや苦しみを笑顔に変えてフラガールたちは全国各地を行脚するのだった。
そして・・・スパリゾートハワイアンズの再会の日がやってくる。
沙衣は見事なソロダンスを披露するのだった。
名曲「メレ・オハナ(家族の歌)」が人々の心を揺さぶるのだ。
家族のために
声高らかに歌う
私の胸を飾るのは
あなたを想う愛のすべて
故郷の恵みで育ち
空に見守られている
ここにあるものは
あなたのために捧げる
私の愛のすべて
私の心の中には
あなたへの愛があるのです
私の心は
あなたへの愛で満たされています
沙衣は笑った。
みんなも笑った。
だから沙衣も笑うのだ。
ペットを救援しようとする人々がチョコを保護した。
沙衣はチョコと再びめぐり会ったのだ。
しかし・・・人々が故郷へ戻る道はまだ閉ざされている。
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コメント
「チョコ!」を日本一上手く言える女優がてっぱんこと瀧本美織なのではないかと思ったのであります。
しかし明確な悪役ならともかく、今回も出てきたような「街行く、心ない人々」を演じる役者のかたがたの心持ちとはどういうものなのだろうと、いつも思うのであります。
しかし菊池桃子も、『あすなろ三三七拍子』だと"おばさん"風なのに、このドラマだとまた全然違って素敵なお姉さん風で、役者(メイクさんとか周辺仕事も含む)ってスゴイなぁと、これもまた思うのでありました。
投稿: 幻灯機 | 2015年3月14日 (土) 07時17分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ドジッ子なのにヒロインで
気がつけばできる子という・・・古典的スタイルが
やはり似合う・・・
いろいろと試してみたけど
やはりここか・・・まあ、女優としてはどうなんだ・・・
という問題もありますが・・・
持って生まれたものというものがありますからね。
チョコとのややシュールな
やりとりが・・・キッドのツボでございました。
小池と上野、
どっちがセリフが多いんだ対決もありましたが
二人が
「心ない人」の方にキャスティングされなくて
よかった・・・とも思います。
ミステリじゃないのでさすがに「死体」じゃなかったし。
お気に入り女優が多過ぎるのも考えものでございます。
菊池桃子は・・・「スター」ですからな
「パンツの穴」から「ラ・ムー」まで
いろいろとできるわけでございます。
まだまだアイドルもできそうな気がします・・・
無理だろっ!
大竹しのぶがやりそうな
ちょっとこすっからい役の桃子も見てみたいですな。
ギスギスした桃子・・・想像できないっ。
投稿: キッド | 2015年3月14日 (土) 20時53分