シングルベッドから世界へ(亀梨和也)私はとりのこされた気分なのだ(深田恭子)
酒を飲んでたで許されるなら世話ないよな~。
そこか。
しかし・・・もう・・・すっごく恥ずかしくてさ・・・。
死にそうなのかもしれないから・・・そっとしておいてやろうよ。
そんなことしちゃう人が国のトップの方にいるってアレだろ・・・。
アレだよなあ。
危機感ないんだよな。
明日、日本が終るっていう危機感がな。
「未亡人が妻子ある年下の男性と路上キス!」
もう・・・笑うしかないよね。
きっと・・・死んじゃいたい気分だよね。
でも・・・がんばろうね。
死ねばいいのになんて言わないからね。人間だもの。
で、『セカンド・ラブ・第5回』(テレビ朝日201503062315~)脚本・大石静、演出・片山修を見た。認知症を発症している人と接していると人間の愚かさの原点のようなものが見えてくる。たとえば抑制する力が激減するのである。つまり、行儀が悪くなるのだ。口の中に手をいれるなと言ってもたちまち入れるのである。そういう物分かりの悪さは小学生の勉強の苦手な子供レベルである。それと同じように酒を飲んだら車を運転してはいけないと言っても運転するし、路上キスはするなと言ってもするわけである。恋をするなと言ってもしちゃうのも同じなのである。・・・そうなのかっ。
人の嫌がることはしない。そういう人間としての最低のお約束が通じないのは困ったものだ。
人を殺すのも・・・不倫も・・・同じ罪であるということがわからなくなる人。
ねえ・・・どんなに人目を忍んでもばれる時はばれるのだ。
ばれた時にどんなことになるか・・・認知症でない人は想像できるはずである。
しかし・・・恋は一種の認知症なので・・・仕方ないんだよねえ。
平慶(亀梨和也)と恋に落ちた西原結唯(深田恭子)は二人だけが幸せならば他には何もいらない蜜月を過ごす。
しかし・・・幸せの絶頂は何故か続かないのだ。
心が死にかけていた二人だったが・・・結唯との出会いで蘇った慶は活発に動き始める。
一方、慶に見染められた結唯は刺激的な日々に幻惑されるあまり・・・慶の心の変化に不安を感じるのだった。
結唯は御伽話の世界に生きていて他人と対等な人間関係を構築できないのである。
結唯の願いはいつまでも変わらずに慶に愛されること。
しかし・・・慶は本能のおもむくままに動くタイプなのであった。
二人は愛し合っていたが・・・お互いの心は隔たりはじめて行く。
慶は結唯のためにさらなる高みに駆けあがろうとし・・・結唯は為すすべもなくその背中を見つめて佇むのだった。
狂気の母親・真理子(麻生祐未)に呪縛された結唯の魂は恐ろしいほどに幼いままだったのである。
結唯にとって人生はまだおままごとだったのだ。
振付師として脚光を浴びた慶は・・・挫折によって負った傷を癒すためにさらなる飛躍を求めていた。
次々と舞い込む振付の仕事。「踊り手」としての夢を失った慶は・・・「振付師」という自己表現の場を二度と失いたくないのである。
そのためには・・・全力を傾注する必要があった。
結唯は過ぎ去った蜜月の夢を追い・・・慶に子供のようにまとわりつく。
「創作バレエの振付」を考えている慶に・・・「タケノコの食べ方」を相談する。
自ら創作的な仕事をしたことがない結唯にはそれが凶悪な嫌がらせに似た行為だとは分からない。
ただ・・・上の空で答える慶にものたりなさを感じるだけなのである。
ものとものとの相互作用を実験で教える化学教師としては・・・少し・・・残念な感じである。
まあ・・・脚本家は基本、文系なので理系に対しては悪意があります。
慶はダンスに関しては・・・通訳の仕事ぶりからも分かるように能弁である。
だが・・・それ以外のことは基本的に無駄と考えるタイプだった。
同僚の上田波瑠子(秋山菜津子)の年下の恋人との旅行をうらやましく思う結唯は「温泉旅行」を慶におねだりする。
しかし・・・「怪我もしていないのに温泉に行くなんて無意味だ」と思う慶だった。
結唯は普通の享楽的でふしだらな一般女性であった。
唯一で最高の世界をストイックに目指す慶とは・・・水と油なのだ。
水と油だからこそ・・・情熱で爆発したりするのである。
オアシスだと思った慶の貧しいアパートが蜃気楼のように消えて行く予感におびえる結唯だった。
だからといって慶を憎むことはできないのである。
一般女性である結唯を愛しむ慶だったが・・・目の前に広がりはじめた未来に心を奪われる。
慶の振付はトップダンサーとして磨き抜かれた感性と舞台を追われた苦渋とが芸術性を高め・・・世間に好評をもって迎えられる。
一つの仕事の成功が次の仕事を呼び、その成功がまた仕事を呼ぶ。
このチャンスを逃すことはできないと慶は思い詰めている。
そういう慶を理解し・・・応援するには・・・結唯には知識も経験も足りなかった。
何よりも不足している自分に気がつくこともできないのだった。
「慶をダメにしたら許さない」と迫る野口綾子(早見あかり)に「ダメにしません」と言い返した結唯だが・・・その言葉には自信も根拠もなかったのだった。
ダンスは非言語的であるために国境を越える。
世界的に共通の価値観があり、そのために裾野は広い。
逆に世界で通用しなければ評価は高まらない。
雑誌のインタビューで「一時期の流行ではなく・・・永遠に通じるものを目指したい」という慶の言葉を読み解くことができない結唯だった。
海外からの慶へのオファーの電話に応じることのできない結唯。
集中力を保つために携帯電話を遮断したいという慶の思考を理解できない結唯。
結唯はあがけばあがくほど無能と言う名の底なし沼に沈んでいくのだった。
一方・・・結唯にとっては不毛の暇つぶしだった同僚教師・高柳太郎(生瀬勝久)との不倫関係は・・・清算された後も静かに尾を引いている。
結唯が無邪気に高柳という妻子ある男に与えた肉体は・・・確実に一つの家庭を破壊していたのである。
悪気はなかったではすまないのだ。
結唯はそういう想像力にも欠けていた。狂気の母親が育て上げた子供だからである。
荒廃した高柳家に・・・妻(片岡礼子)が離婚届を回収に来る。
「なぜ・・・なぜなんだ」
「若い女との性行為に溺れて私を顧みなかった男が何を言ってるの」
「え」
「触らないで・・・汚らわしい。この部屋・・・臭いわよ。腐敗したゴミと埃と・・・あなたの体臭が入り混じって吐きそうになるわ」
「・・・」
家族の去った家庭は地獄の気配が漂うのだった。
高柳は懊悩し、狂気を帯び始める。
実験室で残業する結唯の前に姿を見せる高柳だった。
「もう一度・・・やらせてくれないか」
「え」
「そっちも・・・あまりうまくいってないんじゃないか・・・いや・・・いってたって・・・少しはお時間あるでしょう」
「ジョークですか」
「やりたいんだよ・・・たまってるんだ・・・このままだとおかしくなりそうなんだ。君だって僕がそうなったら困るだろう。学校だって生徒だって困る。そうしないために人助けだと思って現地集合してくれ」
「やめてください」
「やめられないんだよ・・・もう・・・やめられないんだ」
「何がやめられないんですか」
救世主として現れる宅急便を抱えた魔女・・・ではなくて竹内そら(小芝風花)だった。
生徒の前で自制した高柳は逃走するのだった。
「こんなに遅くまで残っていたの」
結唯も生徒の前では体裁を取り繕う必要を感じた。
「私もやめられないんです」
「え」
何かを言いかけた結唯だが・・・基本的に教師としての情熱も持っていない結唯はスルーするのだった。
巨乳で美女で純情で公務員だが・・・何かが欠落している結唯なのである。
「先生は幸せですか」
謎めいた魔女ではなく生徒なのである。
帰宅した結唯は・・・慶をマネジメントする「オフィス」が知らぬ間に立ちあがっていることを知りショックを受けるのだった。
慶のマネージャーとなっていたのは綾子だった。
様子を見に行った結唯はオフィスから出てくる慶と綾子を目撃し、身を隠す。
「私だったら何でも言うこと聞くと思っているんだから・・・本当にエゴイストね」
「・・・」
「まあ・・・あの女じゃ・・・何もできないしね・・・ダンスのことも知らない。英語もドイツ語も喋れない。私ならあなたをプロデュースすることができるもの」
「・・・」
「今夜は奢ってもらうわよ・・・焼き肉ね」
厳しい現実を突きつけられ・・・悲哀を感じる結唯。
ブレイク寸前のアイドルグループから脱退し・・・女優業に賭けた女は残酷な敵役に徹するのだった。
あかりん、がんばってるなあかりんである。
行き場を失った結唯は・・・真理子に生活費を渡すために実家を訪れる。
クイズ番組を見続ける母親は・・・娘の里帰りに熱狂して夕ご飯を作りだす。
母親のだし巻き玉子の美味しさに泣きだす結唯。
「ほら・・・ごらんなさい・・・あんな男捨てて・・・ママのところに戻ってきなさい」
「春物の着替えを取りに来ただけよ」
「待ちなさい・・・帰って来なさい」
母親の蟻地獄から逃れ・・・春の夜の中・・・慶の幻を追いかける結唯だった。
どこで調べあげたのか・・・慶の元へ姿を現す高柳。
「何してんだお前・・・こんな時間にこんな女と・・・まっこりでもっこりか」
「あれ・・・この人・・・あの女の不倫相手だよ」
「返してくれよ・・・結唯を返してくれ」
「・・・」
慶と綾子はオフィスに避難する。
「あんな女・・・あの男に返しちゃえば」
「・・・」
「だって・・・棲んでる世界が違いすぎて・・・無理でしょ」
「彼女のこと・・・好きなんだ」
「ふ」
家路を急ぐ結唯の前に現れる高柳・・・狂気は人を移動させるよね。
「妻とは離婚した・・・だから結婚してくれ」
「一年前に・・・そう言われたらうれしかった・・・でも今は無理なんです」
「どうして・・・べつの女とよろしくやってる奴だぞ」
「彼のこと・・・好きなんです」
「あ」
結唯はだし巻き玉子にチャレンジした。
自分が美味しかったものを彼にも食べさせたい一心である。
しかし・・・彼が求めていないものを与えても虚しいのだ。
案の定、玉子料理には見向きもしない慶だった。
「もう・・・私のこといらなくなったの・・・」
「なぜ・・・」
「だって・・・私のことなんか・・・見えていないでしょう」
「今は・・・大切な時なんだ・・・俺はもう失いたくないんだ」
「抱いてよ」
自ら脱衣する結唯。
もう・・・温もり以外は信じられない結唯なのである。
もちろん・・・慶も結唯を嫌いになったわけではない。
たちまち・・・久しぶりに燃える男と女。
結唯は積極的に慶の肉体を求め、その精力を搾りつくそうとするのだった。
しかし・・・忘我の時はたちまち過ぎて行く。
「ロンドンの演出家から招聘された・・・」
「ロンドンって・・・どうして日本じゃだめなの・・・」
「夢を叶えるチャンスなんだ・・・邪魔しないでくれ」
「・・・」
慶は綾子と共にロンドンに旅立った。
結唯には空のシングルベッドが残されていた。
空っぽになった部屋を掃除する空っぽの結唯。
「君の夢は何だ」
「私の夢は・・・慶と結婚すること」
「・・・」
私は失敗した・・・散りゆく桜を見て・・・結唯は呟く。
才能のある人はない人に残酷だと結論する結唯。
しかし・・・話はこれからなのである。
二人の恋が終わったわけではないからだ。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
エリ「ああん・・・愛しているけど夢を追いかけて行ってしまうなんて・・・ひどい・・・でも素敵なのでス~。果たして・・・何が正解なんでしょう・・・①ひたすら待つ・・・②追いかけてロンドンへ・・・③とりあえずラーメン・・・じいや・・・来週はもしもの時の綾子衣装とロンドンセットもお願いね~・・・先輩三人と結婚するためには配偶者は三人までOKという法律改正が必要なんでス~」
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コメント
じいや、とりあえずラーメン作って~。
お醤油味でチャーシューは1センチに切ってね。
そんで少し待ってみて
気が向いたらロンドン行ってみるわ。
ロンドンにはお友達がいるから
一緒に慶を楽しんできます~~。
あと法律改正の際は根回しに必要なピーナッツとかも
用意しといてください~。
でもじいやのひと声があれば大丈夫よね。
夢をかなえるためにはチャンスだけじゃなくて
その時のありったけの実力も必要で
しかも継続する努力も厭わない性格じゃないと
残れませんものね。
その点、10年ドイツでトップだったならば
今のオファーは本物かもしれませんよね。
世界の慶になって結唯を隣にレッドカーペットを歩くなんてこともあるかもしれないわ~。
春の眠りはなかなか深いので
じいやの寝起きにリンゴを絞ってジュースを用意しました。
たくさんあるのでお代わりもどうぞ~♪
投稿: エリ | 2015年3月 8日 (日) 15時19分
トッピングはお屋敷シェフ特製チャーシュー、
まこかま印のナルトマキ、
お屋敷農園の小松菜、
秘伝の自家製メンマ、
キザミネギ、
浅草海苔となっておりまする。
お好みで半熟ゆで玉子をおつけしますぞ~。
ロンドンへは大陸間弾道ロケットが
常時スタンバイ中でございます。
お嬢様のご婚礼に際しては
あらゆる法改正の準備が整っております。
お望みならキリンさんとでも結婚できますぞ~。
幼くしてダンスに魅入られ
精進を重ねて
一度は世界のトップに名を連ねたものは
それなりの才能とひたむきな努力の結果ですからな。
踊り子よりも
さらに選ばれたものである
振付師という頂きを目指すのは
大いなる流れでございますからねえ。
ビジネスとプライベートのバランスも
大切ですからな。
愛されたいなら
パートナーとして
相応しい愛し方が求められる。
流されるままに生きて来たものが
目覚めることができるかどうか・・・。
もはやどのような幕切れも可能なほどに
描かれておりますので
脚本家の腕の見せ所でございますよねえ。
春眠暁を覚えずでございますが
じいやロイド総動員体制で
春の模様替えに臨む覚悟でございます。
ウトウト・・・
投稿: キッド | 2015年3月 8日 (日) 21時05分