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2015年3月11日 (水)

君に物語を書いてあげる(眞島秀和)

そこかっ・・・。

まあ・・・もう・・・脚本家は堀北真希のためにも志田未来のためにも脚本を書いていないからな。

基本的には・・・医療というものに対する一般人の漠然とした不安を延々と書いているだけだ。

とにかく・・・ぐだぐだの一言に尽きるね。

平凡な主婦が不倫するのと・・・劇的要素に満ちた医療の世界に不倫があるのとは全く違うということが分かっていなかったようだ。

少なくともやるなら・・・堀北真希が不倫しないとな。

不倫が一種の病気だということがわからないので・・・看護婦たちがみんな精神を病んでいる感じが醸しだされるのだ。

まして、犯罪者が罪を追及されずに存在し続けるのもコンプライアンス的に問題外だしな。

悪意があるのは構わないが・・・それを野放しにしちゃ物語が成立しないんだよねえ。

とにかく・・・とってつけたようなセンセーショナルほど恥ずかしいものはないのである。

なんだか・・・これほどキャストが可哀想なドラマは久しぶりだなあ。

で、『まっしろ・第9回』(TBSテレビ20150310PM10~)脚本・井上由美子、演出・坪井敏雄を見た。ナイチンゲール症候群について言及されるが・・・これは病名ではなく、一種の俗説・・・言うならば文学的表現である。ナイチンゲールが傷病兵たちから守護天使のように慕われたという側面から見れば・・・患者が医者に対して好意を抱く陽性転移の俗称とも思われる。またナイチンゲール効果とも言うべき心理で看護した相手に好意を抱かれることを前提に患者に好意を抱く看護師も含まれる。まあ・・・要するに病院という特殊な環境の中で医療関係者と患者が特殊な感情を生じやすいという漠然とした話なのである。それをもっともらしく言っているだけです。

そういう言葉をドラマの中で安易に使うこと自体がちょっと恥ずかしいぞ。

とりあえず・・・救いようのないドラマになってきたので・・・あまり深く考えないことにしよう。

末期がんを告知されたお客様患者の大江様(眞島秀和)は絶望の淵で・・・朱里(堀北真希)と木綿子(高梨臨)に「安楽死」を求める。

絶句する二人のナース。

主治医の孝太郎(柳楽優弥)は「安楽死は日本では許可されていません」と正論を述べる。

どうせ・・・近未来SFなんだから・・・ありでもいいじゃないか。

「ここは・・・患者の願いは何でも叶えるんじゃなかったのかよ」と駄々をこねる大江様だった。

素晴らしいインターネットの世界で「東王病院は安楽死させてくれなかった」と感想を述べた大江様は「死ね」と書きこまれて傷つくのだった。

センター長(石黒賢)は「ただ・・・できないじゃなくて・・・もう少し、工夫してほしかった」とぼやくのであるが・・・できないものはできないのである。

元看護師長(木村多江)に恋をしている大江様は一目会いたくて「彼女に来るように言ってくれ」と木綿子に頼むが・・・木綿子は意地悪な気持ちからか・・・伝言を伝えない。とにかく・・・木綿子は頭がおかしいとしか思えないのである。

脚本家の看護師不信は病的なレベルだな。

キャスティング時にレギュラー出演が条件でもあったのか・・・倫理を無視して居座り続ける薬物中毒ナース・さくら(MEGUMI)は帝都大学病院からの引き抜き話に朱里を巻き込む。

ヤクザにからまれたように困惑する朱里である。

大江様に恋をしているらしい元看護師長は・・・看護師と患者に恋愛感情を持ちこむのは職業倫理として許されないと信じ、大江様に緩和治療を受けてもらう説得チームの参加を拒絶するのだった。

「死にたいから殺してくれ」

「殺人罪になるので殺せません」

不毛のやりとりである。

いつもの屋上で・・・落ち込む孝太郎を励ます朱里。

「私なんか・・・言葉を失ったのに・・・できないことはできないというあんたは偉いよ」

「まあ・・・結局、できないことはできないんだけどね」

虚しい会話である。

大江様が治療拒否をしているという情報を得た帝都病院の仲野幸助 (宅麻伸) は最新治療で治癒の可能性があると持ちかける。

「安楽死が無理なら・・・手術に失敗して死ぬのもいい」

大江様は転院を決意するのだった。

ナイトシフトはどうなってんだと言わざるを得ないナース全員集合の飲み会。

センター長の悪口を言われて激昂するニャース(菜々緒)・・・ひどい扱いだ。

頭のおかしい木綿子は酒を飲んでさらにおかしくなるのだった。

「私・・・看護婦だから・・・病気を治せない」

当然の話である。

仕方なく木綿子を連れ帰る朱里と菜々(志田未来)だった。

「ごめん・・・私も悪いことしてる」

「何」

「孝太郎のこと好きなの」

「それのどこが悪いの」

「だって・・・あなただって」

そこで・・・母親とセンター長の因縁と・・・センター長を探るために孝太郎に接近した事情を話す菜々。

思わず菜々を胸に抱く朱里だった。

「やめて・・・私・・・そういう趣味ないから」

「失礼ね・・・私だって」

今回、唯一の見せ場がこれだ・・・。

とにかく・・・新しい恋がしたくてやってきた主人公の目的は達成したのだった。

最終回前だけどな。

転院する大江様を見送るように元看護師長を誘いに行く朱里。

「これから手術なので行けない」と「まっしろな原稿用紙」を朱里に託す看護師長。

しかし、大江は・・・。

「こんなもの・・・いらない」と受け取りを拒否するのだった。

大江の去った病室で名残を惜しむ元看護師長。

朱里は主人公の意地で元看護師長を説得する。

「大江様を好きならお見舞いに行きましょう」

「看護師としてできません」

「制服脱いだら・・・ただの女ですよ」

「・・・」

孝太郎ももう一度父親の説得に向かうのだった。

「母を殺したように大江様も殺すのですか」

「今、成功している手術だって・・・最初は失敗している・・・それが医学の進歩というものだ」

「患者は実験動物ではありません」

「そりゃそうだ・・・貴重な実験人体だよ」

「鬼」

「青二才」

平行線である。

「医学の進歩ではなく・・・患者の幸せを考える医者を目指します」

「だから・・・好きにしろって言ってるだろうが」

「くそ親父」

「ばか息子」

虚しい・・・まっしろに虚しい。

「お見舞いにきました・・・えへへ」

「もう・・・遅い」

しかし・・・元看護師長の登場に血色がよくなる大江だった。

「大江様の小説の続きが読みたいのです」

「僕は死ぬつもりで手術はしない・・・生きるために手術するんだ」

大江は手を差し伸べる。

ためらう元看護師長。

「ここにいるのは・・・君の患者じゃないよ」

「大江様・・・」

二人は男と女になったらしい。

朱里はそっと病室を抜けだすのだった。

手術の成功率は・・・1%である。

百人に一人は助かるって微妙だよな。

果たして・・・大江様は小説の続きを書くことができるのか・・・。

何を期待すればいいのかわからない・・・フィナーレがやってきます。

東王病院スタッフ一同は・・・帝都大学の大江様の手術の結果待ちをするのだった。

「成功したら東王病院の面目丸つぶれだけど・・・失敗すればいいなんて言ったら人間性疑われちゃう」とつぶやくセンター長だった。

みんな・・・頭の中が・・・まっしろになって・・・。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

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