主人公は割箸を(神木隆之介)咥えさせられましたからね(広瀬すず)校内放送を全国ネットでという悲願達成!(須賀健太)
佳境である。
気がつけば冬ドラマも最終回の季節に突入してきている。
もうすぐ彼岸なんだな。
その前にホワイトデーがあるので義理を果たす必要があるがな。
危なく「もしも君が望むなら僕は犬にでもなる」というタイトルにしそうだったぞ。
冬ドラマは「広瀬すず降臨」に尽きるよな。
「ゾンビになったアリス」からの「トラメガを持った生徒会長」と姉妹の落差が凄いよな。
これだけ整った顔立ちの美少女も久しぶりだからな。
整った美しさを憎む人々のバッシンクも凄いだろうなあ。
まあ・・・宿命だよね。
山田花子みたいな声ってデスり方があるみたいだけど・・・。
つまり、あまり美少女ではない山田花子みたいな声だって言いたいわけなんだろう。
もう・・・山田花子が可哀想で聞くに堪えないよな。
そんなこと言っても美少女がシコメになるわけないんだしな。
言い出した人は絶対ブスだよな。
で、『学校のカイダン・第9回』(日本テレビ20150307PM9~)脚本・吉田智子、演出・鈴木勇馬を見た。明蘭学園高等学校の生徒会長・ツバメ(広瀬すず)は丘の上の洋館に潜む車椅子の怪人・雫井彗(神木隆之介)に唆され、ついに私立明蘭学園高等学校の生徒と教師を支配下に置くことに成功する。残るのは理事長兼校長の誉田蜜子(浅野温子)のみである。経済力による格差是正のために「特サ(特別採用)枠」制度を推進する誉田校長だったが・・・ツバメが学校を支配するためにはどうしても倒さなければいけない相手なのである。
「伊勢崎・・・って誰ですか」
怪人を伊勢崎と呼んだ金時教頭(生瀬勝久)に生徒会長は問う。
「写真でしか見たことはないが・・・第一期の特サ生徒で・・・生徒会長だったのが伊勢崎だ。不幸な事故で退学したと聞いている。五年前・・・私が赴任する前の出来事だが」
「不幸な事故」
誉田校長と対峙する車椅子の怪人。
「伊勢崎・・・なぜ・・・ここに」
「・・・」
駆けつけるツバメ・・・。
「二人は知り合いなのですか」
「まさか・・・あなたは伊勢崎と・・・不純異性交遊を・・・」
「していません」
「伊勢崎・・・」
振り返れば怪人は幽霊のように消えていた。
「どういうことなんです」
「あなたには関係がないことよ・・・」
誉田校長は言葉を濁す。
しかし・・・すでに怪人に魅了されているツバメの気持ちはおさまらない。
ラブホテルのようなお屋敷に直行である。
「先輩だったのですか」
「ああ・・・卒業はしてないけどね」
「事故って・・・」
「僕の本当の名は伊勢崎・・・あの学校で最初の特サ生徒で・・・生徒会長だった。当時もプラチナ生徒がいて一般生徒を差別していたんだ。僕はそれを見逃すことができなかった。僕は君のようにプラチナ生徒と絆を深めることはできなかった。あれはバレンタインデーの日。僕はプラチナの女生徒から生まれて初めて公園でチョコレートをもらった。するとプラチナたちが現れて僕をとりかこみ、お祝いの胴上げを始めた。僕は舞いあがり・・・そして地面に叩き落とされた。みんなが嘲笑していた。チョコレートをくれた女の子も一緒に笑っていた。しかし・・・僕はそんなことはどうでもよかった・・・あまりの痛みに悶絶しそうだったんだ。僕が身動きできないのを見て笑いはおさまった・・・プラチナたちは蒼ざめた。それから・・・僕は車椅子で生活するようになった。プラチナは親に泣きつき、親たちは弁護士を雇った。校長は悪意に満ちた事件を不幸な事故として処理した。僕はプラチナたちの謝罪の言葉の代わりに・・・多額の慰謝料をもらった・・・なにしろ・・・僕には親がいない・・・そうするより他にはなかった」
「そんな・・・ひどい・・・」
「それから・・・ずっと一人で暮らしてきた・・・そこへ君が現れた・・・僕の心は動いた・・・君なら僕と違う道を歩める・・・そう思ったんだ・・・」
「でも・・・校長先生は・・・あなたを見捨てたんですね・・・昔のプラチナはごめんなさいと言わなかったんですね」
「すべては・・・昔のことだ」
「だって・・・あなたは・・・歩くこともできない身体になってるのに」
「君のおかげで・・・立つことができたよ」
「結局・・・校長は・・・自分の出世のために・・・特サを・・・あなたを利用していただけ・・・」
「それも仕方のないことだ・・・」
「そんなの・・・許せない」
ツバメの中で・・・怪人を不幸にした誉田校長への憎しみが湧きあがる。
ツバメは仲間たちに封印された事件について話す。
「酷い話だな・・・しかし・・・俺たちだってついこの間まで同じようなものだった」とキングの夏樹(間宮祥太朗)は自嘲する。
「でも・・・そんな川崎の不良少年みたいなことをしたら・・・後になって心が痛まないのかしら」と学園の女王・麻生南(石橋杏奈)・・・。
「みんなで事件について調査してみよう」と美森(杉咲花)・・・。
一方、誉田校長は格差是正教育システムが評価され・・・汚職で辞任した文科大臣に代わり・・・民間からの入閣という噂が流れる。
事故が事件であったことは昔のプラチナたちの証言で明らかになった。
「そんなこともあったなあ・・・でも・・・あくまで遊びの中で起きた事故だからな・・・今さら・・・むしかえされてもね・・・イセヤの奴・・・生きてるのか」
昔のプラチナにはまったく反省の色はなかった。
しかも・・・障害者にしてしまった相手の名前さえ・・・うろ覚えなのである。
「今さら・・・昔のことをとやかく言わずに・・・今を大切にしなさい」と校長はツバメに忠告する。
「そんな・・・なぜ・・・その時・・・加害者たちの責任を追及しなかったのです」
「加害者なんて・・・大袈裟よ・・・みんな未来のある若者たちだった」
「伊勢崎さんの奪われた未来は・・・」
「彼だってちゃんと生きている・・・充分な保障も得たし」
「校長先生は・・・自分の立場を守るために・・・真相をうやむやにしたのではないですか」
「もし・・・そうだったとしても・・・そうしなければ・・・どうなっていたと思う・・・学校は終わりよ・・・あなたが・・・この学校に来ることもなかったのよ・・・」
「・・・」
「今だって・・・このことが明るみに出たっていいことはない・・・この学校はたたかれて・・・立ち行かなくなり・・・あなたは学校を失う」
「誰かの犠牲で成り立つ幸せなんて・・・欲しくありません」
「だから・・・犠牲なんてないのよ・・・あれは・・・事件ではなくて不幸な事故なのだから」
「彼に謝罪もしないのですか」
「悪いことをしていないのに・・・謝りようがないでしょう」
「あなたが・・・許せない人だということがわかりました」
「あなたがどう思っても・・・世界は変わらないわ」
ツバメからすべてを聞いた生徒たちは生徒会規約に乗っ取り・・・「校長追放」の署名運動を開始するのだった。
チョコもらってはにかんでいると胴上げされて落されるという苛めで障害者にされた男は・・・一同を殺処分にしていいと思う人もいるからな。
そういうことやってた人はそう思わない傾向があるらしいよ。
しかし・・・お前が言うかって言う奴もいるからな。
ツバメは事件現場で仰向けになり・・・怪人の気持ちを想像して泣きたくなる。
良い子のみんなは真似しないでください。
ツバサたちは教育委員会に事件の再調査を求めるが・・・相手にされないのだった。
「そんなことしている暇があるなら・・・勉強しなさい」
もっともである。
加害者たちは大学を卒業し、一流企業に就職したり、医者や弁護士の道を歩んでいた。
副会長油森(須賀健太)は怪人を訪ねる。
一部お茶の間向けのサービスショットである。
「退校させられそうになった時・・・助けてくれてありがとう」
「赤鼻のセンセイはひどかったな」
「だね」
「赤ちゃんは生まれた時・・・なんで泣くんだろう」
「喜びか・・・」
「悲しみか・・・」
「まあ・・・大抵の人は憶えてないよね」
「まだ記憶回路が起動してないかな」
「感情というものが形成されてないしね」
「記憶が先か・・・記憶が先かって話だよね」
「記憶あっての感情じゃないの」
「感情も記憶の一部にすぎないんだよ」
もちろん・・・懸命なお茶の間は・・・すべてが怪人の計画であることが分かる。
しかし・・・怪人のツバメに対するスキンシップの真意は不明なのだ。
「生徒会長はあなたのことを好きなんだと思います」
「君は生徒会長のことを好きなんだろう」
「・・・」
もちろん・・・最終回におけるツバメの武器は「愛らしさ」しかないんだな。
それはさておき・・・怪人は過去の秘密をツバメに開示し・・・最後の仕上げに入るのだった。
「謝ってもらいたいと思わないのですか」
「いいんだ・・・俺は忘れることにした・・・」
「忘れられないくせに・・・せめて校長先生には謝ってもらいたい・・・」
「俺は言葉こそが武器だと言ったけど・・・言葉が通じない相手もいる」
「だけど・・・あきらめたら・・・終わりでしょう」
「そうか・・・どうしても・・・やるのか」
「やります」
「最後のスピーチは厳しいぞ・・・ついてこられるのか」
「はい」
そして・・・発声練習のため・・・割り箸を咥える生徒会長。
姿勢を強制するために背中にものさしである。
もう・・・明らかにプレーだよね。
特訓の果て・・・二人はラブラブ姿勢で寝入るのだった。
とにかく・・・オーバーオール愛好家は満足したらしい。
かわいいよ、生徒会長かわいいよである。
その日・・・誉田校長の入閣決定の報せを待って・・・校内に集まる報道陣・・・。
「カリオストロの城」的オチが暗示されるのだった。
すでに・・・二重スパイとなった担任教師(金子ノブアキ)は校長に祝電を手渡す。
「講堂にて待つ。伊勢崎」
校長は講堂に向かう。
そこには生徒と教師が全員集合していた。
檀上にはツバメが立っていた。
「これは何の真似・・・」
「生徒会規約により生徒は学校で起きた事件を検証することができます」
「私は忙しいのよ」
「十分だけお時間をください・・・これは生徒全員の総意です」
教頭が立ち上がる。
「補足説明が必要な場合に備えて私も立ち会います」
「・・・」
「それとも・・・校長先生には何か不都合なことがありますか」
「十分だけよ・・・これは学校裁判なのかしら」
「音楽は鉄人28号 (2004年版アニメ)の千住明の劇伴みたいですが踊る大捜査線の松本晃彦が担当しています」
「無理矢理、悲壮感をあげようとしているのよね」
「校長・・・あなたは伊勢崎を知っていますね。彼は孤児でしたが学校に夢を持っていました。恵まれている子供と恵まれていない子供が絆を深めあい・・・未来に向かって進んでいける学校・・・その理想を託した論文でコンテストに応募した。論文コンテストの審査員だったあなたは・・・伊勢崎と出会い・・・母親代わりになった。プラチナ枠により資金を調達し、特別採用枠で一部生徒の学費負担を無料化する。伊勢崎のアイディアをあなたが実現したのです。そして・・・伊勢崎は特サの一期生になった・・・」
「・・・」
「しかし・・・特サの存在に反感を持つプラチナ枠の生徒たちは・・・ひどい事件を起こしてしまう。伊勢崎は暴力によって身体障害者となった。しかし・・・あなたは事件を隠蔽し・・・それを事故として処理しました・・・何故です」
「大を生かすために小を捨てたのよ」
「学校を守るために・・・伊勢崎は口を慎むべきだと」
「多くの生徒たちの未来を守ったの」
「守られた加害者たちは・・・社会人になっています。若くて無謀だった時の過ちを彼らは今では悔やんでいる・・・被害者に申し訳ないと思っている」
「・・・」
「なんてことはありませんでした・・・」
「・・・」
「彼らは事件のことなどすっかり忘れ・・・被害者の名前さえうろ覚えでした。反省のかけらもありません。ひどいクズです。校長・・・あなたの送りだした生徒たちはみんなそんなクズばかりでした」
「・・・」
「自分さえよければ他人がどうなろうと関係ない・・・最後は金が解決する・・・結局、あなたは教育と言う名のクズ製造をしているのです」
「私にどうしろと・・・」
「事件を隠蔽したことを認め・・・伊勢崎さんに謝罪してください」
謎の怪人・・・伊勢崎が現れる。
「いいわ・・・ごめんなさい・・・私が対応を誤り・・・・傷ついたあなたをさらに深く傷つけたことを心から謝罪します」
会見場には校内放送によってすべてが中継され・・・記者たちが騒ぎ始めていた。
「校長は・・・今、講堂にいます」と宣言する伊勢崎。
「レレレ」
伊勢崎の言葉に驚愕する生徒会長。
「ごめんなさいと言われたら・・・俺がはい・・・そうですかと受け入れるとでも」
「伊勢崎・・・」
「踏みつけられた痛みを忘れるためには・・・同じ痛みを踏みつけた相手に与えるしかない。裁きとは太古の昔からそういうものでしょう。校長先生」
「・・・」
「目には目を・・・歯には歯を・・・謝罪されたって始らない」
「そんな・・・」
一瞬で伊勢崎の意図を察した生徒会長。
すべてが・・・この日のための計画だった・・・自分は踊らされていた・・・校長が生徒を利用して出世したように・・・あの人は私を利用して復讐を・・・。
生徒会長は混乱し・・・ショックで卒倒する。
記者たちは講堂に乱入する。
「校長・・・今の話は・・・事実ですか」
革命のもたらすもの・・・それは終わりなき混乱である。
つまり・・・それが世界の真の姿である。
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コメント
> 危なく「もしも君が望むなら僕は犬にでもなる」というタイトルにしそうだったぞ。
染谷将太は真野恵里菜とも広瀬すずとも、あと個人的には"あろうことか" 川上未映子とも共演しているという凶悪(笑)さ。それなのに伴侶として選ぶのは誰かというと…って好き好きだからしかたないですが~。
で、今回15分延長でなくあとまるまる一回、なにをどのような構成にするのか楽しみです。
つくづく、自分はキャステイングとロケハンと構成が気になる視聴者なんだなと思いますです。
投稿: 幻灯機 | 2015年3月 8日 (日) 16時40分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
染谷将太はものすごいキャリアですからねえ。
しかも二階堂ふみとは「熱海の捜査官」の後で「ヒミズ」
橋本愛とは「貞子3D」の後で「寄生獣」と
出世しながら重ねてくる。
誰とゴールしてもおかしくないのに
最後の選択が「国際派女優」でございます。
きてますな・・・。
まあ・・・神に選ばれし男なのでございましょう。
なかなか・・・愛ゆえに犬になる男を演じることはできませんからな。
この作品に関して言えば
これだけの豪華キャスティングに関わらず
脇役はメイン回のみピックアップ。
残りはひたすら主人公とパートナーを推すという
清々しい構成。
宝の持ち腐れ状態の「まっしろ」とは対照的ですな。
構成でいえば
1~9回までが長いフリ。
最終回オチという二拍子という大胆さ。
振り返れば・・・ずーっと嘘をついている怪人と
騙され続ける生徒会長の演技が迫真なのでございます
投稿: キッド | 2015年3月 8日 (日) 21時33分