男の人に好かれるタイプです(真野恵里菜)牡丹の花言葉は高貴な恥じらいです(麻生久美子)
そこかっ。
谷間の谷間に突入である。
冬ドラマのレギュラー・レビューも「デート」を残すのみなんだな。
冬と春の間には春のお彼岸があって・・・幽霊シーズンなんだよな。
シーズンなのか。
夏はお盆の幽霊シーズン。
秋は秋のお彼岸の幽霊シーズン。
冬は年末年始の幽霊シーズンがあるけどな。
一年中、幽霊シーズンじゃないか・・・。
2015年冬ドラマは・・・恋愛ドラマ特集みたいだったので・・・これがレギュラーでも良かったよな。
しかし・・・美中年女ばかりで・・・ちょっとアレなんだよな。
ケラは美少女に興味はないとか言ってるが・・・単に恐妻家なんじゃないのか。
ま・・・恐妻家は愛妻家だからな。
いくつになっても美少女って・・・妖怪じみてるけどな。
で、『怪奇恋愛作戦・第9回~第10話乙女☆純情奇譚』(テレビ東京201503070012~)脚本・田中眞一、演出・濱谷晃一を見た。「牡丹灯籠」プラス「小さなおうち」という感じでお嬢様幽霊・霧島霞(真野恵里菜)が登場する。太平洋戦争の空襲による死者は70年前には日常茶飯事で幽霊化していたわけである。一日で十万人が無念の死を遂げる・・・なかなかないことだ。一方で「牡丹灯籠」は中国明代の小説「牡丹燈記」をルーツとする三遊亭圓朝の怪談噺である。「お露新三郎」から「お札はがし」の件をモチーフとした作品は数知れず、一種のお約束である。
あらすじを言えば・・・旗本・飯島平左衛門の娘・お露が浪人・萩原新三郎と相思相愛になる。しかし、新三郎が奥手でなかなか逢いにこないので・・・恋やつれでお露は絶命してしまう。看病していた女中のお米もほどなく後を追い・・・お嬢様と女中という最強の幽霊コンピが誕生する。やがて・・・お盆の季節がやってきて・・・カランコロンと下駄の音を響かせ、牡丹灯籠を手にお嬢様と女中が・・・新三郎の家にやってくる。やつれて行く新三郎を案じた周囲のものが死霊除けのお札などで結界を張るが、欲にかられたものがお札をはがし・・・憐れ、新三郎は祟り殺されるのである。まあ、幽霊側からすればハッピーエンドである。
さて・・・そういうことで・・・お露にあたるのが空襲で死んだご令嬢の霞、女中のお米がばあやの草壁静子(木野花)という布陣。ターゲットは霞の許嫁にそっくりの三階堂刑事(仲村トオル)なのである。
悲別(大倉孝二)とともに遺体捜索中の三階堂は森の中でクマに襲われた霞と出会う。
拳銃でクマと対話した三階堂は足を痛めた霞を背負って霧島家のお屋敷まで送り届ける。
迎え出たのは家政婦の静子。
三階堂は勧められて海老料理をごちそうになるのだった。
静子の舞いで眠りに誘われた三階堂。
霞は三階堂の寝顔を見つめる。
「次の満月の夜が期日でございます」と囁く静子。
「わかっています」と応じる霞。
何やら・・・妖しい二人なのである。
ただ一つ明らかなことは・・・霞、かわいいよ霞ということだ。
すっかり霞の虜になった三階堂は喫茶「面影」で想いを語る。
そこへ・・・霞がやってくる。
男なら誰もが憧れる美しいお嬢様に・・・唄子(犬山イヌコ)は思わず採点する。
霞 100点
萌香(今野鮎莉)18点
夏美(麻生久美子)3点
・・・なのだった。
「ゾンビ」映画を見て・・・ゾンビを「心のない体の腐った人」と呼び、ポップコーンを「とうもろこしの炒ったもの」と呼ぶ浮世離れした霞。
好きなスイーツはシベリア(羊羹のカステラサンド)である。
零戦の設計者が主人公のアニメ「風立ちぬ」の時代の人であることが暗示されるのだった。
霞とデートする三階堂はウキウキだが・・・次第にやつれて行くのである。
「死相が出ている」と洞察する眠山(山西惇)なのである。
黴田(水澤紳吾)が修行中の寺に差し入れに行った冬は昭和十九年撮影の写真に霞そっくりの少女を見出し・・・真相に迫る。
このままでは・・・三階堂がとり殺されると危惧した夏美は原因不明の過労で入院中の病院に駆けつける。
「その話は本人から聞いた・・・でもどうしても一緒にいてくれと頼まれたんだ」
「え」
「俺は頼まれたら嫌とは言えない男だ」
「ええ」
「俺は彼女と一緒にあちらの世界に行く」
「ぇぇぇ」
怨霊としての正体を露わにした静子は病院から三階堂を攫っていくのだった。
霧島家の菩提寺の住職(ミッキー・カーチス)は写真の由来を語る。
霞のお見合い前日に霧島家は空襲で全滅していたのだった。
そして・・・霞のお見合い相手は・・・三階堂に瓜二つの帝国軍人だったのである。
お見合い相手に未練を残した霞は亡霊となってしまったのだ。
事情を聞いた三階堂は軍服に着替えて旅立つ決意を固める。
「満月の夜に冥界へのゲートが開きます・・・これからはずっと一緒ですね」
「うん」
三階堂の体全体に幽霊を寄せ付けない経文を書くことで対抗しようとするが・・・人体に写経は職人的技量を求められるので・・・なんだかんだ困難を極めるのである。
仕方なく夏美は単身で幽霊屋敷に乗り込む。
「三階堂は連れていかせない」
「三階堂さんは私のもの・・・誰にも渡さない」
霞も怨霊としての正体を見せて夏美は為す術もないのである。
ついに・・・ウェディングドレスに身を包み・・・新婚旅行に旅立つ準備万端の霞。
霞、きれいだよ霞・・・なのだった。
「夏美・・・もういいんだよ」と三階堂。
「よくない」
「関係ないじゃないか」
「関係あるもの・・・私、あなたに言えてないことが・・・」
必死に三階堂にすがる夏美。
そのみじめな姿に心を動かされる・・・霞だった。
「よく考えたら・・・向こうには本物のあの方がおられる・・・三階堂さん・・・あなたはその無様な女性を・・・幸せにしておあげなさい」
「霞ちゃん・・・」
「月がきれいですね」
霞は旅立った。
花嫁は・・・夜汽車にのって・・・あの世に向かうのである。
三階堂と夏美は・・・現世の森に戻ってくる。
そこにはお屋敷の名残はないのだった。
セット費用が捻出できなかったのだ。
「月がきれいですねは・・・夏目漱石が翻訳したアイ・ラブ・ユーだね」
教養を示す眠山。
「夏目漱石って誰ですか」
教養とは無縁の三階堂だった。
こうして・・・夏美は・・・愛しい幼馴染の奪還に成功したのである。
しかし・・・だからといって何かが変わることはないのだった。
関連するキッドのブログ→成海璃子の怪奇恋愛作戦
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コメント
本性が悪霊というならともかく、霞さんと永遠のときを生きるのもいいような気がするんだけどなぁ(~_~;。麻生久美子も好きだけど。
前篇冒頭の「不発弾」も伏線だったんだなぁw
最近とみに話題づいている?「月が~」を出し、時代がかったということとも重ね、眠山に一応説明させ、三階堂でオトすというところがステキでした。
というよりとにかく真野恵里菜(単語登録済み)のプクプク具合が可愛い……と何度も言いたい(笑)。
投稿: 幻灯機 | 2015年3月24日 (火) 19時48分
まあ、怒った時のこわい顔も
ホラー好きなら許容範囲でございますからね。
霞と夏美か・・・。
究極の選択ですなあ。
う・・・選べません。
夏目先生が文学的に
意訳の奥義を披露・・・という逸話ですが
まあ・・・ボブ・マーリーと
ソーセキ・ナツメ・・・
世界ではどっちが有名なんだろうか・・・
とふと考えたことを
お知らせしておきます。
おいらおまわりうっちまった
おいらおまわりうっちまった
ああ・・・こわいですな。
おいらふはつだんおとしちまった
おいらふはつだんおとしちまった
これもこわいですな。
エスパーとか幽霊とか・・・
そういうものが似合う美少女・・・。
霊感少女エリナとか・・・
そういう深夜ドラマを
作ってもらいたい今日この頃です。
本人がうれしいかどうかは別として・・・。
投稿: キッド | 2015年3月25日 (水) 03時01分