杉下右京(水谷豊)VSダークナイト(成宮寛貴)調教失敗!
いきなり、ネタバレかよっ。
谷間の「相棒最終回スペシャル」だが・・・今回は甲斐亨卒業スペシャルでもある。
season11~13までの相棒とお別れである。
このブログの休養期間を考えるとひとつの節目を感じるのだな。
season13の後半には第11話の鑑識員・早乙女美穂(奥田恵梨華)、第12話の女子大生・久我沢舞(早織)、第14話の令嬢・新宮奏(松本来夢→笹本玲奈)、第17話の陣川の妹・美奈子(水崎綾女)と特筆すべきゲストも多かったのだがレビューはスルーである。
陣川美奈子は再登場に期待したい。
また・・・緊縛されちゃった・・・でいいと考えます。
で、『相棒 season13 最終回スペシャル』(テレピ朝日20150318PM8~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。ダークナイトと言えば最近ではバットマンの異名である。ナイト(騎士)はキング(王)の守護者であり、民主主義の世界では民衆の守護者に他ならない。しかし、民衆は油断のならない存在であり、清濁併せのむのが日常茶飯事なのだ。そのために・・・普通の騎士では対応できない事態に闇の騎士が狩りだされるのである。正義と悪の戦いにおいて・・・暴力は善悪を超越し・・・必ずしも悪ではないからだ。しかし、弱者にとって強者は存在自体が悪しきものであるという潮流が・・・闇の騎士に悪の烙印を捺すのである。暴力を否定する法を暴力で守護する。あらゆる警察官はその相克に晒されるのである。
ダークナイト・甲斐享(成宮寛貴)は最初から暴力的な存在であった。
しかし、杉下右京(水谷豊)は亨に「正義の心」を見出し、相棒として指名する。
警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩二)は不肖の息子を退職に追い込もうと人材の墓場である特命係に希望を抱く。
キャビンアテンダンドの笛吹悦子(真飛聖)は亨がダークナイトであると知りつつ、亨の子を宿し、亨の行く末を案じる白血病患者である。
ダークナイトは法の支配を逃れ、悪事を行う悪漢たちに鉄拳制裁を行うヒーローである。
しかし、その正体を知るものはいない。
疑わしきは罰せず、被害者よりも加害者の人権を擁護し、制裁よりも更生を目指す公序良俗に飽き足らない民衆は英雄としてダークナイトを賞賛するのだった。
やがて・・・ダークナイトが初めての殺人事件を起こす。
一人の青年が逮捕されるが・・・杉下右京は容疑者がコピーキャット(模倣犯)であることを直感する。
コピーキャットが取調中に脱走したことを知る筈のない甲斐亨がうっかり言及し・・・右京はダークナイトの正体に戦慄する。
右京はダークナイト事件に関連した一つの事件を突きとめる。
脱法ドラッグによる心神喪失者の起こした殺人事件。
釈放された犯人への鉄拳制裁。
被害者の兄は・・・甲斐亨の親友だった。
コピーキャットが鉄拳制裁され、再逮捕された時・・・甲斐亨にはアリバイがあったが・・・亨の親友にはなかったのだ。
「俺はダークナイトじゃない」
「そうですか・・・しかし、コピーキャットに制裁をしたのはあなたでしょう」
「・・・」
「つまり・・・妹の復讐を果たしてくれたダークナイトに・・・あなたは恩返しをしたということですね」
「俺は何か悪いことをしましたか」
「残念ながら・・・暴行傷害は犯罪です」
甲斐亨は正体を明かす。
「あなたからは・・・逃れられないとわかってました」
「正義のために・・・私を殺しますか」
「そんなことできるわけないじゃありませんか」
「それならば・・・あなたはダークナイトになるべきではなかった」
激昂する右京。
しかし、亨の親友は嘯く。
「警察が放置した悪の被害者は・・・ただ苦しみに耐えるしかないんですか」
「それが・・・法秩序の根本原理ですから」
「甲斐亨は馬鹿野郎ですが・・・あなたほどではないようだ」
「おや」
甲斐亨は懲戒免職となったが・・・管理責任を問われ、ラムネから停職処分を申し渡される右京。
もちろん、悠々自適の海外旅行に出かけるのだった。
父親の特権を利用して見送りに来る亨・・・。
「ご迷惑をおかけしました」
「私とあなたの関係が終わったわけではありません」
「ありがとうございます」
「私とあなたは途中です」
「・・・」
杉下右京にとって世界で正しいのは・・・自分だけなのである。
それは・・・もちろん・・・恐ろしいことだ。
恐ろしいことから目を離せないお茶の間は・・・次の犠牲者をしばらく待つのである。
関連するキッドのブログ→相棒 season13 元日スペシャル
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