高杉晋作、学習院御用掛を辞し、久坂玄瑞、京都藩邸御用掛を仰せ付かること(井上真央)(=゚∇゚)ノよお!(黒島結菜)
誰が何と言おうと高杉晋作の正妻・雅を演じる黒島結菜の主人公への親しみを込めたコレしか・・・記憶に残っていないのだった。
コレがこのドラマの正式トーンでいいんじゃないか・・・妙に歴史の中に主人公を取り入れなくても・・・。
「旦那様、帰って来た~?」
「来ない~」
「うちも~」
こういう感じの二人の方がお茶の間の爽やかな共感を誘うと思う。
だって・・・ほとんど帰ってこないんだから・・・。
二人の夫は早死にするが、二人は長生きである。
「参ったよ~、晋作、下関で遊女身請けしちゃってさ~」
「雅さまはいいよ~。実子ありだしさ~。うちなんか京都の芸妓の方に実子ありだよ~」
「あらあら」
「だよね~」
「だね~」
どうせ深夜アニメみたいな大河ドラマって言われることは確実なんだし・・・。
ハードな男たちのドタバタと・・・のんびりソフトな女たちのお留守番・・・。
そういうメリハリでいいと思います。
で、『花燃ゆ・第21回』(NHK総合20150524PM8~)脚本・金子ありさ、演出・末永創を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は序盤に鮮やかな殺陣を披露した後、潜水艦のように隠密行動で影の薄い、維新の立役者・桂小五郎描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。下剋上的観点で見ますと、金子→松陰→井伊→松洞という死を描いてきたのですから長井の切腹も描くべきですよねえ・・・。それでこそ、長州藩主の毛利敬親が意外と深みのある人物であるような気がしてくるわけですし・・・。一方で天涯孤独ゆえに必死になってなりふり構わずご機嫌とりに精を出す久坂と・・・背負っている家が重いだけにそれ以上に過激になることに父親をはじめとした親戚衆が気を揉む高杉・・・二人のすれ違いを描くだけでも充分に面白くなりそうなのに・・・妻の嫉妬を全面に押し出すという・・・まあ・・・脚本家が脚本家でございますからねえ。せっかく・・・支藩の話が出て来たので長府藩(下関)の第13代藩主の毛利元周の反対を制して中山忠光(権大納言中山忠能の七男)の光明寺党が砲撃命令を下すという・・・久坂玄瑞の陰険な策士的側面も見たいのになあ・・・と感じる今日この頃でございます。綾瀬はるか嬢三連打うっとりでございました。だから私信はコメント欄で・・・。
文久三年(1863年)二月、朝廷に対する陳情建白の類を受け付ける機関となった学習院御用掛に高杉晋作が就任。晋作は功名勤皇家の俗物根性に辟易する。上海帰りの晋作にとって攘夷はスローガンではなかった。三月、将軍徳川家茂が上洛した折、晋作はこのまま将軍を京に留め置き攘夷を決行するべきとして、あくまで幕府に対する嫌がらせとしての攘夷を考える京都藩邸御用掛の久坂玄瑞と衝突。決裂して萩に召喚される。ふてくされた晋作は西行にあやかって東行を名乗り剃髪。十八歳になった正妻・雅と子作りに着手する。攘夷一色となった京都で将軍を脅迫した破約攘夷派はついに五月攘夷決行の約束を勝ち取る。幕府はあくまで形式的な攘夷という態度をとり、各藩が個々に戦闘を開始することを禁ずる。しかし、権大納言中山忠能の七男・中山忠光を萩に連れ帰った久坂玄瑞は忠光を党首とする光明寺党を結成。あくまで幕命を順守し、攘夷に消極的な長府藩主を恫喝し、外国艦船砲撃事件を開始する。停泊するアメリカ商船ペンブローク号は突然の攻撃に驚愕し、逃走する。この快挙に朝廷は褒勅の沙汰を下すのだった・・・。
萩城下は突然の城主の引越しに騒然としていた。
城下町の中心部にある久坂の屋敷で文は探索を重ねている。
人々の心を読んでいるのである。
「戦やけ・・・」
「戦ってなんじゃろうか」
「異人と喧嘩するんやけ」
「物騒じゃな」
「萩の街は放火されるかもしれんけえ」
「異人が来るとう・・・」
「いや・・・黒船から大砲の弾が飛んでくるんやと」
「くわばらくわばら」
萩の町人たちは噂話をし、あるものは逃げ支度を始めている。
本来、萩の城は・・・徳川幕府に慮ってあえて防備の薄い城構えになっていると兄の松陰が言っていたことを文は思い出す。
軍学者として兄は実戦となった時は戦国大内氏が築いた山口城を主城とすることを藩主に進言していた。計画通りに藩主一族は山口に移転したのである。
作戦の主力は長崎と横浜を往来する外国船が通過する下関の封鎖である。
長州藩士たちは下関に動員され・・・萩は当然のことながら無防備となる。
留守を預かる藩士たちは戦々恐々としている。
杉一族は隠し目付けとして空白地帯となった萩の治安維持を命じられている。
文はそのために耳をすましているのである。
文の探索結果は弟敏三郎が文書化して・・・兄梅太郎に送る。
梅太郎は配下の忍びを手配して不届き者の盗み・略奪などに備えるのである。
文は触手を伸ばして郷村にも耳を傾ける。
いくつかの郷村では一揆の気配があった。
治安が維持され比較的平和な長州藩とはいえ・・・支配されるものは隙あらば支配を脱しようとするものなのである。
しかし・・・今の処、暴発に至る兆候はない。
文は・・・生家の側の松本村に酔狂な庵を構えている高杉晋作の心を捉えた。
どうやら・・・晋作は妻との愛の営みを終え、昼間から寝物語をしているのだった。
「旦那様・・・城下は大騒ぎなのに・・・のんびりしておられていいのですか」
「なあに・・・俺が出て行ったって負け戦は変わらないよ・・・」
「負けるのですか・・・」
「そりゃ・・・負けるさ・・・いいか・・・お雅・・・こっちの大砲はお古ばかりだ。砲台にあるのも船に積んでいるのも・・・みんな古い・・・お前・・・男と女が石投げして・・・女が勝つと思うか」
「さあ・・・」
「女も石投げの名手がいるが・・・男が遠くから投げてきたら・・・そこまで届く石を投げられるものは少ないだろう」
「はい」
「こっちの大砲が届くところより遠くから打たれてみろ・・・手も足も出ないよ」
「さようですか」
「みんな・・・痛い目に逢うといいんだ・・・」
「・・・」
「そうすりゃ・・・俺が上海で見て来たものを少しはわかろうってものさ」
「わかるとどうなるのです」
「俺の言うことを聞くようになるんだ・・・」
「ふうん」
「俺の戦はそれからさ・・・」
文は・・・兄の見た先の世で・・・高杉がいかに・・・天才的な戦をするかを知っていた。
そこで・・・文は不安になるのだった・・・高杉が戦っている時に・・・夫の玄瑞の姿はないのだ。
「だけど・・・旦那様はお医者さまですもの・・・戦が始れば・・・仕事は山ほどある・・・」
文はそうつぶやいた。
久坂は船で長州に向かっていた。
とにかく・・・京のおしろい臭い遊女と戯れている夫を覗き見して・・・嫉妬に苦しむよりはいい・・・。
文は自分に言い聞かせるのだった。
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コメント
雅のあの挨拶の意味をはかりかねていましたが
ようやくあれが上海に行った高杉晋作が
異国での挨拶の仕方に興味を持って
それを雅に教えたって事なんでしょうね
上海に行って
清国と異国との有り様に衝撃を受けて
高杉晋作は大きく変貌した・・・はずなんですが
描かれてないから
そのあたりを全部セリフベースで補完するという
去年の大河と同じような展開図式になっております
こういうのを今どきというのでしょうか
もうちょっと背景図式を言葉で語るのではなく
描いてほしいと思う今日この頃です
投稿: ikasama4 | 2015年5月31日 (日) 20時39分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
なるほど・・・欧米かっ!
・・・とツッコミを入れるところだったのでございますね。
生徒会長のことしか・・・思い浮かびませんでした。
昔、ベトナム戦争を描いた映画で
米軍ヘリがベトコンの村を襲い
東洋系の顔立ちの少女が
高射砲で応戦する場面がありまして
・・・。
少女は機銃掃射で倒れる。
自分の中に「鬼畜米英」という言葉が
迫力をもって迫ってきた記憶があります。
言葉も大切ですが
論より証拠というのが・・・
ドラマの魅力だと考えるのでございます。
確かにそれは洗脳に近い匂いがするものですが
そういう「表現」を自粛していけば
無味乾燥なものしか作れない。
杓子定規な説明ではなくて
高杉晋作が
「何」を見て心が傷つき、危機感を持ったのか。
見せてくれないドラマなんて・・・
もはやドラマとは呼べない・・・。
そんな風に思う今日この頃でございます。
投稿: キッド | 2015年6月 1日 (月) 02時16分