君と僕が愛し合うこと・・・それが僕の夢でした(山下智久)
つきつめて言えば・・・愛とは相手に「オンリー・ユー」と伝え、相手から「オンリー・ユー」と伝えられることである。
二人のために世界があり・・・世界にできるのは二人を祝福するだけなのである。
ある意味・・・バカヤローなことである。
しかし・・・そういう二人はものすごく・・・幸せなんだなあ。
知性とは・・・それを思い知ることなのである。
まあ・・・そういう愛は一瞬だけ成立したとしても・・・時の流れが無惨にも消し去っていくわけである。
だが・・・愛し合う二人にはその刹那が大切なのであって・・・。
その一瞬が永遠の扉の鍵を開くことを信じるわけである。
このドラマの主人公とヒロインが今回そこに到達したことを・・・お茶の間は受け入れるしかないんだなあ・・・。
そして・・・そこから神の支配する残酷な時は無情にも動き出すのだった。
で、『アルジャーノンに花束を・第8回』(TBSテレビ20150529PM10~)原作・ダニエル・キイス「Flowers for Algernon」、脚本・池田奈津子(脚本監修・野島伸司)、演出・吉田健を見た。朝から南の島で噴火があり・・・手に汗握る一日だった。何故か、災害があると・・・ニュースショーは現地の誰かに電話をするのである。女性キャスターが現地の民宿経営者の男性に質問する。「噴火の時はどんな様子でしたか」「ダイナマイトみたいな音がしたよ」「黒い噴煙は今もあがっているのでしょうか」「今は白いね」「避難はどのようになさるのでしょうか・・・徒歩ですか」「いや・・・車だね」「避難なさらなくてよろしいのでしょうか」「まだ大丈夫です」「レベル5で全島民に避難の指示が出ているわけですが」「え・・・避難指示がでているの」「ええと・・・避難指示はお知りなんですよね」「いや・・・聞いてないなあ」「は・・・早く逃げた方がいいのではないでしょうか・・・どうして指示が届いていないのでしょうか」「いや・・・いま・・・あなたと電話で話してたんで・・・」「・・・」・・・被災者の皆さんの無事をお祈り申し上げます。
輝きに満ちた朝が来た。
輝きは眩しいものだ。
白鳥咲人(山下智久)は眴に揺れる陽光に目を覚ます。
感覚器は覚醒し、咲人の意識に情報を発信する。
夏の光・・・風に揺れるカーテン。
愛おしい女性の香り。幽かな温もり。口中の渇き。
咲人は今まで感じたことのない平穏さを感じる。
これが愛というものか・・・。
身を起こした咲人の視線を感じて望月遥香(栗山千明)は目覚める。
目に映る美しい男性の姿。
容姿、知性、体力、すべてが申し分ない理想の恋人。
その瞳に映る優しさと思いやり・・・。
思わず遥香はニコリと微笑む。
咲人も反射的にニコリと微笑む。
二人は今・・・愛の頂きに立ち・・・下界を見下ろしている。
君がいれば世界は順調だ
君が暗闇を消し去るから
君の心臓の鼓動は
僕の心臓の鼓動と同じ
君だけが僕を孤独から切り離す
君こそが僕の夢
君だけが僕に魔法をかける
君は僕のすべてだよ
「今日は僕たちの記念日だね」
「そうね」
「何をしようか」
「何をしたいのかしら」
「僕は君に贈り物がしたいな」
「まあ・・・」
「二人が暮らし始める今日の記念になるものを・・・」
「ありがとう」
「こちらこそ」
二人は歯を磨き、イチャイチャして、朝食を食べ、イチャイチャして・・・また歯を磨いた。
二人は若い・・・そして無職である。
イチャイチャするのが一番楽しいのだ。
そして二人は見つめ合い・・・微笑んだ。
誰か・・・文句ありますか。
進行性要素性障害による遷延性意識喪失状態の東京麗徳女子大学生・河口梨央は病室のベッドに横たわる。
花に近付いて行く娘を見守る大手製薬会社「興帝メディカル産業」の河口玲二社長(中原丈雄)・・・。
そして・・・梨央の監視役であり・・・親友でもある小出舞(大政絢)・・・。
進行する病状によって・・・梨央の覚醒時間は一日のうち・・・二時間程度になっていた。
「一日は二十四時間あるのに・・・この子にはもう二時間しかない・・・」
「・・・」
「これも・・・報いと言うものかもしれない・・・」
「・・・」
「私たちは医学に投資してきた・・・しかし・・・それは大きな利益を得るのが目的だ・・・つまり・・・多くの患者がいる病気が投資対象になる。優先順位というものだ。当然・・・少数しか患者のいない難病は・・・見捨てられる・・・まさか・・・自分の娘が・・・見捨てられる一人になるなんて・・・夢にも思わなかった」
「・・・」
舞には親友の父親を慰める言葉が見つからない。
梨央を救いたい気持ちは河口社長とまったく同じだからである。
「だから・・・私は・・・甘い男になってしまった・・・あんな男の口車にのせられるほど・・・愚かな男に・・・」
病室に花束を持った杉野(河相我聞)が現れる。
「今さら・・・なんだ」
「私にも・・・娘がおります・・・」
「だから・・・同情すると言うのか」
「あれから・・・私は・・・様々な方法を検討しました・・・患者を救うためにできることはないかと」
「方法・・・」
「これをご覧ください」
杉野は薬品の生成手順を示す図式を河口社長に示す。
「ALGのプロトコルが・・・今さら・・・何の役に立つ」
「我々のプロジェクトが数年かけた試行錯誤の結果、生み出したALGを・・・彼は二週間で生成に成功したのです」
「彼・・・」
「白鳥咲人です・・・彼の超知性こそが・・・ラスト・ホープなのです」
その名を聞いて・・・舞は驚きに目を瞠る。
咲人と遥香はショッピング・モールにおでかけをした。
「欲しいものがあるかい」
「咲人さんは何が欲しいの」
「僕が欲しいのは君だけだ」
「私もよ」
二人はニコリと微笑んだ。
「このまま時が止まってしまえばいい」
「じゃ・・・そうじゃないことを教えてくれる機械はいかが」
「時計だね」
「そうよ・・・二人が一緒になってからの時を刻んでくれる」
「記念品だね」
「私はこれが欲しいな」
「僕はこれがいいな」
「あなたに似合わない時計なんてないものね」
「君に相応しくない時計もないさ」
二人は・・・ニコリと微笑んだ。
二人は腕時計の贈り物をする。
時計は時を刻み始める。
もちろん・・・残り時間は少ないのである。
観覧車に母と子が乗り込んでいく。
観覧車の中に閉ざされた時間。
母と子は観覧車の回転の中に閉じ込められてどこにもいけなくなる。
アクシデントがなければ二人は誰にも邪魔されず・・・二人きりの時間を過ごすのだ。
観覧車のケージに揺られ、二人のために凍りついた世界から遠く離れて・・・時計は回る。
幸福な時間が過ぎて高みを越え地上に戻るまで。
「ドリームフラワーサービス」の竹部順一郎社長(萩原聖人)は鹿内大(勝矢)たち従業員に声をかける。
「花にはなあ・・・お前たちの声が聞こえるんだ・・・かわいいと褒めてやれ・・・そうすれば花はもっと咲き誇る」
「花」という言葉に檜山康介(工藤阿須加)は顔色を曇らせる。
配達員たちは配送車に乗り込み・・・仕事に出る。
檜山が愛している梨央が「花」のようになってしまう時は迫っている。
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉いつものバーガーショップで非番の柳川隆一(窪田正孝)は舞のために三千円を支払う。隆一と舞はなんだかんだ・・・うまがあうらしい。前科者と不正を働いた親の娘なのでつりあっているのだな・・・。
「すごいでしょう・・・咲人さんが・・・梨央の病気を治してくれるかもしれないのよ」
「・・・」
「檜山くんにも教えてあげてよ」
「俺は伝書鳩かよ」
「ポッポッポ」
「クルックーだよ」
「鳩は希望の徴なのよ」
しかし・・・隆一は舞の興奮に水を差す。
「だけど・・・サクちゃんのクスリで治ると喜んだのに・・・結局、ダメだっただろう・・・下手に喜んでガッカリすることになるかも・・・しれないよ」
「どうしてそんなこと言うの・・・」
「鳩はオリーブの葉をくわえなきゃならないんだよ」
「あら・・・ノアの方舟の話を知ってるの」
「塀の中じゃ・・・聖書は読み放題なんだよ」
隆一は康介をぬかよろこびさせたくなかった。
「それに・・・サクちゃんだって・・・引き受けてくれるかどうか」
「なんでよ・・・友達でしょ・・・」
「さあ・・・昔のサクちゃんと・・・今の咲人さんは・・・まるで別人みたいだからね」
「・・・男の友情ってそういうものなの?」
「・・・」
◉◉◉◉◉◉◉◉◉咲人はスーパーマーケットで買い物をしていた。
食材を手にとっていると・・・眩暈に襲われる。
揺らぐ世界。
咲人の視線の先に父親の白鳥久人(いしだ壱成)が姿を見せる。
(心霊現象でなければ・・・幻影ということになる)
咲人の思考が進む一方で・・・咲人の中に内在する幼いもう一人の咲人は呟く。
「パパ・・・」
意識は父親への思慕に傾斜する。
運動神経も退行したかのようにおぼつかない足取りで父親の幻影を追いかける咲人。
父親は浮遊移動しているようら遠ざかって行く。
そして・・・消える。
(やはり・・・脳内に異物として投与されるアルファ・リポキサンチン・グルコシドにはそれ相応の副作用があるのではないか・・・いや・・・人為的に活性化した脳内でドーパミンが過剰分泌され・・・感覚器に異常を起こさせているのかもしれない・・・情報伝達の誤作動・・・つまり・・・幻覚の発生・・・いずれにしろ・・・アルジャーノン効果には問題があるようだ)
咲人は幸福の輝きに不吉な黒い影を見出すのだった。
◉◉◉◉◉◉◉◉仕事を終えた康介は売れ残った花を持ってほぼ眠り姫となった梨央の病床を見舞う。
「一緒に食べようと思ってハンバーガー買ってきたけど・・・先に食べちゃうよ・・・なにしろ、労働者は食べないと・・・身体が資本だからさ・・・ああ・・・凄く美味いよ・・・一日、二十時間も眠ったら・・・さすがに・・・くたびれるだろうな・・・喉なんか・・・カラカラに乾いちゃうだろう・・・でも・・・こうやって・・・眠っている君の姿を見るのも悪くないさ・・・起きてたら・・・こんなにじっと見つめていられないもんな・・・寝顔を見て・・・かわいいよ・・・なんてもしも君が起きてたら・・・恥ずかしくて言えないし・・・だから・・・もう一度言っておくよ・・・君は本当にかわいいよ・・・世界で一番・・・」
思わず梨央の頬に口づける康介だった。
病室を出た康介は舞とすれ違う。
「あら・・・梨央は・・・」
「まだ・・・」
「そう・・・」
病室に入った舞は梨央が目覚めていることに気がつく。
「あ・・・今、檜山くんが・・・呼んでくる」
「いいの・・・」
「梨央・・・」
「彼の声を聞いているだけで・・・満足なのよ・・・」
「・・・」
「ここは絵本の世界だからね・・・眠り姫は眠り続けないと・・・お話が終わってしまうのよ」
舞とのデートを終えた隆一は竹部社長に呼び出される。
時間経過から考えて舞と隆一は肉体交渉を持った可能性がある。
「休みの日にすまないな・・・」
「いえ・・・充分・・・休みましたから」
「これ・・・咲人の先月分の給与だ・・・お前・・・届けてくれないか」
「ケータイの時代に伝書鳩の任務は続く・・・一家に一台ドローン的な・・・」
「なんだって・・・」
「いえ・・・もう一つ別の表の世界でマグニチュード8.5の地震が発生して震源の深さ590kmだったので日本中が揺れて都心の高層ビルではエレベーター止まりまくっておしてんです」
「わからん・・・俺も歳をとったということか・・・」
「あの・・・咲ちゃんのことなんですけど・・・まだ・・・怒ってんですか」
「俺の怒りが持続しないのは・・・知ってるだろう」
「じゃあ・・・咲ちゃんにあったら・・・そう伝えていいですか」
「もちろんさ・・・それに本当は俺・・・咲人になんか言われても仕方ない男なんだ」
「え・・・やっちゃったの」
「ちがうよ・・・やりたくてやりたくてたまらないのに・・・踏み出す勇気がなかったんだ」
「悲しい下心・・・ですね」
「ああそうだよ・・・誰にも言うなよ」
部屋で留守番をしている遥香に来客がある。
「杉野さん・・・」
「実は・・・話があってきた・・・彼は・・・」
「今・・・買い物に・・・」
「二人で暮らしているんだね・・・」
「すみません・・・」
「謝ることなんてないさ・・・愛し合っている二人が暮らし始める・・・世界の基本だろう」
「基本ですか・・・」
「ところで・・・仕事の話なんだけど・・・」
「しばらくは・・・二人で人生をエンジョイしたいんですが・・・」
「でも・・・いつまでも無職というわけにはいかないだろう・・・」
「そうですねえ・・・」
「僕に・・・就職先を世話させてもらえないか・・・優秀な研究員を遊ばせておくのは惜しいからな」
「まあ・・・彼は・・・天才ですしね・・・」
「実は・・・第二の被験者のことなんだが・・・」
「社長令嬢の・・・」
「天才の力を借りたいんだ・・・」
「少し・・・考えさせてください・・・今は・・・二人の時間を優先させたいんです」
「いわゆる一つのハネムーンだね・・・同棲時代かよっ」
「すみません」
「ごちそうさま」
杉野は去り・・・咲人が帰ってくる。
咲人は手料理に挑戦する。
「え・・・」
「どう・・・」
「どうしたら・・・パスタを不味くゆでられるのよ・・・」
「ちゃんと・・・レシピ通りにしたけど・・・」
「やはり・・・私が作るわ・・・」
「ちぇっ・・・」
「料理ぐらい・・・私の方が上手でないと・・・劣等感で鬱になるわよ」
「君が報酬的快不快の感情複合体に左右されるとは思わないけど・・・」
「私って・・・かなりの負けず嫌いなの・・・」
「なるほど・・・」
「キッチンを明け渡してもらうわよ」
「降伏条件はキスだ」
二人はキスをする。
「キスは上手ね」
「素晴らしいインターネットの世界で勉強した」
二人は微笑む。
咲人は背後から遥香を抱きしめる。
「あすなろ抱きって言うらしいよ」
「裸エプロンをリクエストしないでね」
「え・・・だめなの」
遥香は微笑んだ。
咲人は微笑んだ。
誰か・・・文句ありますか。
遥香は咲人と母親の窓花(草刈民代)の関係修復を考える。
結婚を視野に考えると・・・配偶者の親とは良好な関係であるべきなのだ。
「もう一度・・・お義母様を訪ねてみない・・・」
「母との関係修復は難しいと思う」
「でも・・・あなたには幸せでいてもらいたいし・・・そのためにはお義母様が幸せである必要があるでしょう・・・」
「そう・・・もう一つの別の世界では・・・」
「別の世界・・・」
「世界は不確定要素で満ちているからね」
「・・・ああ」
「僕と君は・・・こんなに素晴らしい出会いを果たせなかったかもしれない・・・」
「そうかもしれないわね」
「この世界の神様は優しい気がするよ」
「だから・・・」
「もう一度・・・母に会ってみるよ・・・」
「ありがとう」
遥香は白鳥家に打診して・・・母子の再会をセッティングする。
そして・・・窓花と娘の花蓮(飯豊まりえ)は咲人と遥香を出迎える。
咲人は・・・用心して花を持たなかった。
窓花本人が・・・もう一つの別の世界ではローズなのだから・・・。
そして・・・咲人には・・・もう・・・母親を恋人のように慕う必要はなくなったのだ。
咲人には遥香がいるのだ。
それでも・・・母親との関係が良好でないことは咲人に緊張感を与える。
愛する相手に裏切られるのは・・・痛恨の一撃だからである。
◉◉◉◉◉◉◉アルジャーノンは死の衝動に囚われていた。
孤独の悲哀がアルジャーノンを支配する。
ボクハセカイデタダイッピキノネズミ・・・。
その時、邪悪な影が背後から迫る。
ひっそりと忍びよる肉食動物の影・・・。
アルジャーノンは生と死の狭間で震えあがった。
死にたい/死にたくない・・・明滅する欲望。
蜂須賀大吾部長(石丸幹二)は第三被験者選定のためのリストを読んでいた。
杉野が入室する。
「見たまえ・・・全世界の知的障害者を持つ親が・・・全員、手を挙げているぞ・・・」
「咲人くんの成功の結果ですね・・・」
「そうだ・・・これが世間というものだ」
「部長は・・・咲人くんを失って・・・平気なのですか」
「平気・・・息子が成長して旅立つ・・・当然の結果じゃないか・・・君は娘が嫁入りする時に駄々をこねるタイプかな・・・私は一番弟子が独立したって賛辞を送るよ。去る者は追わず・・・それがポリシーだ・・・執着することは愚かなことだろう・・・」
「息子さんのことは・・・」
「どうしようもないことはあるだろう・・・」
「・・・」
「君も・・・新しいラボのリーダーになるのだ・・・トップに立つものはその苦さを充分に味わうものさ・・・」
「独立先をご存じなのですか」
「河口社長から話があったよ・・・仁義というものがあるからな・・・私に悪意がなかったことは・・・彼にだって本当は分かっている・・・ただ身内のことはな・・・どうしようもないのだ」
「・・・」
そこへ・・・小久保研究員(菊池風磨)があわてふためいて飛び込んでくる。
「蜂須賀部長・・・杉野さん・・・」
「なんの騒ぎだ・・・」
「アルジャーノンが・・・発作を・・・」
「何・・・」
飼育室に研究員たちが集合する。
「どういうことだ・・・このデータの異常をなぜ・・・報告しない」
「すでに・・・アルジャーノンの役割は・・・咲人さんの成功で・・・終わったものと・・・」
「馬鹿な・・・アルジャーノンがレースの先頭を走っていることに変わりはないんだぞ」
「すみません・・・」
「出血は・・・」
「ケージの壁に自分で激突したようです」
「輸血の用意をしろ・・・」
「採血します」
「これは・・・まさか・・・ALG試薬の副作用・・・」
「その可能性はある・・・」
「至急・・・咲人くんに・・・連絡を・・・」
◉◉◉◉◉◉
もう一つの別の世界では・・・息子を捨てた母親は・・・みじめな暮らしをしていた。
娘は精神を失調した母親の世話をしながら鬱屈した日々を送っている。
半世紀前なら・・・「お母さんを施設にいれろっていう人もいるけど・・・そんなこと出来ないわ・・・親を施設に入れるなんて・・・そんなひどいこと・・・」と言う娘は普通だったのである
しかし・・・こちらの世界では貧しいながらも・・・白鳥家の生活は保護されている。
引き籠っている窓花もどこか優雅にさえ見える。
窓花は咲人に背を向けて姿勢を正し・・・中庭を見つめている。
母の態度に戸惑いつつ・・・咲人は花蓮に謝罪する。
「この間はせっかく訪ねてきた君に・・・失礼なことを言ってすまなかった」
「咲人さんは・・・学会で非常に緊張していたので・・・」とフォローする遥香。
「あ・・・大丈夫です・・・あの・・・母からも叱られました・・・私は昔・・・お兄さんにひどいことをしたって・・・ごめんなさい」
「・・・」
「花蓮・・・君があやまることはないよ・・・君は僕よりずっと幼かったんだし・・・知的障害者の兄を持つことは・・・時には大変な重荷になることだから・・・」
「そんな・・・重荷だなんて・・・」
もう一つ別の世界では・・・兄の言葉に記憶を呼び覚まされる花蓮である。
兄が知的障害者であることでいじめにあったこと。
そのために兄を怨んだこと。
遊んでいる時にした怪我を・・・兄の責任だと嘘をついたこと。
そういう忘れていたかった記憶が今の花蓮にも蘇っている可能性はある。
中学生で家を出た兄が性的な悪戯を妹に仕掛けたことも・・・。
しかし・・・2015年のお茶の間ではいかに脚本監修の人が求めても隠蔽される可能性は高いのである。
「あなたは・・・咲人ではないわね・・・」
「・・・」
「あなたのような立派な人を私は捨てたりしないわ」
「・・・お母さん・・・」
花蓮は母親の暴言にいたたまれない思いを味わう。
「そう・・・あなたは・・・私を責めにきたわけではないのね」
「・・・」
「だったら・・・何しに来たの・・・私はただ平穏に暮らしたいだけなのに・・・」
「・・・」
「いいわ・・・私は立派になった息子を抱きしめてあげればいいのね」
「・・・」
「そのくらいの我慢はしなくちゃね・・・なにしろ・・・子供を捨てた親なんだから・・・」
「・・・」
「さあ・・・いらっしゃい・・・坊や・・・私が・・・あなたを捨てたお母さんよ」
「・・・お母さん・・・なんてことを言うの・・・ひどいわ」と花蓮・・・。
「もう・・・結構です・・・お邪魔しました」と立ち上がる咲人。
遥香は窓花を睨みつける。
その眼差しに憎しみが浮かぶ。
窓花はその目を捉え・・・一瞬、にらみ合う二人。
しかし・・・窓花の目は去って行く息子の後ろ姿に注がれる。
遥香は咲人の後を追う。
「咲人・・・」
「・・・」
「ごめんなさい」
「君があやまることはない・・・君は僕のために母親と会う場を設けてくれただけだ」
「でも・・・こんなことに・・・」
「僕には屈折した母親情念複合体がある。歪んだマザー・コンプレックス。与えられるべき愛を得られず出口を失った・・・歪みだ。母親に狂おしいほどに愛されたいと願ういびつな心・・・。これを克服しなければ・・・僕は心の平穏を得られない・・・だから・・・君は」
「だけど・・・失敗したわ・・・」
「仕方ない・・・もつれた糸を解くには・・・あまりにもひずみの時が長すぎた・・・母も僕も・・・この腐った固まりをどうすることもできないんだよ・・・」
「・・・」
「いいんだ・・・僕は幼い頃・・・母親に捨てられ・・・父には死に別れた・・・だから・・・家族はいない・・・それが現実というだけだ」
遥香は咲人の手をとった。
「私がいるわ・・・私が咲人の家族になる。いつまでもずっと一緒にいて・・・同じ時を過ごし・・・おじいさんとおばあさんになるまで・・・」
「遥香・・・君を愛している」
「私も」
「君が思うよりずっとだ」
「私の方がずっとよ」
「君さえいれば他には何もいらない」
「浮気したら殺すわよ」
二人は抱き合った。
世界は静止しかけたが・・・咲人の監視は続いている。
連絡を受けた蜂須賀は二人の元へ走りよるのだった。
「博士・・・」
「先生・・・」
「二人とも・・・緊急事態が発生した・・・何も聞かずに研究所にきてくれないか」
「まさか・・・アルジャーノンに・・・何か」
「・・・」無言で同意する蜂須賀だった。
二人の短い夏は終わったのだ。
◉◉◉◉◉
「今は小康状態だ・・・興奮を抑えるために鎮静剤を投与している」
研究室に研究者たちが集合している。
「周期性はありましたか」
咲人は小久保に尋ねた。
「あった・・・」
「何のことだ・・・」と蜂須賀。
「アルジャーノンの脳波のデータの微弱な異常と・・・ALG投与との関連を咲人さんの提案で解析していたのです」
「咲人・・・君はこれを予見していたのか」と蜂須賀。
「検出されたデータに周期性があるような気がしたのです」
小沼由美子(松本若菜)がアルジャーノンの血液検査の結果を持ってやってくる。
「ストレス系のホルモンの数値がかなり高いですね」
「ストレス・・・」
「何かが・・・アルジャーノンを抑圧しているのか・・・」
「ALGは酵素の複合体ですが・・・その要素がいくつかの体内物質を模倣したカテゴリーに分類できます。たとえばALG9は伝達物質の生成を促す作用があるでしょう」
「その通りだ・・・」
「当然、レセプターに応じる分離が発生する可能性があります」
「しかし・・・それは抑制されるように配合されている」
「脳内で変性した可能性があります」
「ああ・・・つまり・・・擬似ドーパミンや擬似エンドルフィン的なものにか・・・」
「ちょっと待ってください・・・それじゃ・・・まるで覚醒剤の話みたいだ」
「覚醒剤・・・意識の変容・・・それなら他の麻薬でも・・・」
「幻視や・・・幻聴・・・ですか」
「すると・・・アルジャーノンは幻覚で・・・幻の猫にでも追いかけられたっていうのか」
「でも・・・咲人さんは・・・異常なしですよね」と必死で非常事態からの出口を探す遥香。
「そうだな・・・小動物のアルジャーノンと人体の咲人くんでは・・・変性の影響が異なるのかもしれない・・・」
杉野は恐ろしい可能性から目をそらすように遥香に同調しようとする。
蜂須賀はじっと・・・咲人を見つめる。
「僕も・・・私も幻覚が見えるのです」
蜂須賀の顔に浮かぶ・・・悲哀の表情。
それは息子の死を告げられた時にも浮かんだものなのだろう。
「そんな・・・」
研究員としての遥香の人格は恐ろしい結論を拒否しようとする自意識と激しく衝突した。
ブラック・アウト。
遥香はショックで意識を喪失する。
「遥香・・・」
咲人は叫んだ。
騒然とする研究員たち・・・。
アルジャーノン効果の人体実験の失敗・・・それが科学者として致命的な実績であることを誰もが意識していた。
ただ一人・・・被験者である咲人を除いて・・・。
咲人には何の落ち度もなかった・・・自身が知的障害者であり・・・お利口さんになろうと望んだこと以外には・・・。
遥香は見慣れた天井を見上げる。
「気がついたかい・・・」
「私・・・」
「研究室で倒れて・・・とりあえず・・・二人で帰って来たよ」
「ごめんなさい・・・」
「トーストとスクランブルエッグを作ったんだけど・・・何故か、美味しくない」
「一種の才能ね・・・」
「休んでくれ・・・僕は研究室に戻る」
「まだ・・・何かあるのね」
「そうだ・・・君には嘘をつけないな・・・アルジャーノンの電磁的画像診断の結果・・・脳細胞に委縮が見られた」
「退行しているのね・・・副作用だけでなく・・・効果が弱くなっている」
「さすがは・・・専門分野だね」
「脳細胞が正常でないなら・・・副作用だけでは説明がつかないことよ」
「僕は・・・蜂須賀博士と共同して・・・ALGを改良する」
「待って・・・」
「・・・」
「私も行くわよ・・・いつも一緒でしょう・・・それに助手としてなら超優秀な研究員だもの」
二人は見つめ合う。
その時、チャイムがなり・・・隆一が現れる。
「やってた・・・んじゃないだろうね」
「・・・」
二人は昔のように配達車に乗り込んだ。
運転席に隆一。助手席に咲人。
「これ・・・先月分の給料・・・」
「ありがとう・・・」
「でさ・・・社長のこと・・・まだ怒ってる?」
「そんなことないよ・・・あれは・・・よくある・・・売り言葉に買い言葉・・・」
「よし・・・じゃあ・・・今から・・・社長と握手しに行こうぜ」
「ごめん・・・今・・・ちょっとトラブルがあって・・・」
隆一はすばやく咲人の表情を読みとる。
隆一もまた一種の超能力者だ・・・人の心を読みとる特殊能力を持っているのである。
「あらら・・・結構・・・深刻な感じか・・・」
「うん」
「じゃ・・・手打ちはまた・・・今度ってことで・・・」
「ごめんね・・・」
隆一は咲人の中に昔の咲人の面影を感じる。
「気にするなよ」
「隆一くん・・・君の顔が見れて・・・うれしかったよ・・・」
「・・・」
「僕のこと・・・まだ少しくらいは・・・友達だと・・・思ってくれているのかな・・・」
「何言ってんの・・・俺たち・・・親友じゃん・・・対等のさ」
「隆一くん・・・ありがとう」
「咲ちゃん・・・またね」
隆一は遠ざかる咲人の姿を見守る。
咲人が困っていることは分かる・・・しかし、おそらく自分にできることはない。
ただ・・・黙って見守るだけだ。
二人は・・・そういう仲なのだから・・・。
研究室ではアルジャーノンの病状に対する分析が始っていた。
個室では咲人が遥香と問題点の整理を行う。
そこへ・・・蜂須賀が現れた。
「あらためて・・・君には申し訳ないことを・・・」
「謝らないでください・・・」と咲人はALGの構造式を記す。
「・・・」
「先生の研究は素晴らしかった。私に素敵な夢を見させてくれた。愛する人もできた。愛されることも・・・できれば覚めたくない・・・永遠に見続けていたい・・・この上もなく素敵な夢です・・・だから力をお貸しください。私一人では無理です。あなたの頭脳を貸してください」
「もちろんだ・・・夢なんかにはさせない・・・私たちが力を合わせれば夢は現実となる」
遥香は自分が科学者となった意味を感じる。
愛する人を幸せにするために・・・できることをするのだ。
チーム蜂須賀&白鳥は始動する。
「結局、知性とは好奇心の成果ではないでしょうか」
「おやおや・・・君は理性こそが知性の証だとは思えないのかね」
「哲人政治家は必ずしも・・・民衆を幸福にしないでしょう」
「それでは・・・君は男が女のなんたるかを知りたいがために人類は発展してきたと」
「博士は僕を愛のスパルタ教育で導いたでしょう」
「結果として・・・最愛の息子を美しい助手に奪われたがね」
「何かを知ろうとすれば・・・結局、愛を知ることになります」
「愛の天使は君の耳元でそう囁くのか・・・」
「二十世紀の魔術師は言いました・・・意志こそがすべてだと・・・」
「だが・・・神の御心に叶う意志など・・・人には望むこともできないだろう」
「しかし・・・魂は・・・それを求めるのでは・・・」
「オカルトか・・・最後は結局・・・オカルトか」
「実の父と息子のような一体感だな」と愛妻家の杉野。
「あんな抽象論・・・何の役に立つんですか」と冷笑的な小久保。
「スパークよ・・・天才同志のスパーク。咲人さんの拡大した超意識に・・・蜂須賀先生が激しく刺激を与えようとしているの」とうっとりする天才愛好家の小沼研究員・・・。
研究室の夜は更けて行く。
長い片思いの果てに・・・老いた恋人との友情だけにすがりつく竹部。
「なぜ・・・素直に・・・咲人くんを受け入れてやれないんだ・・・」
執拗に黄色い毛糸で小さな靴下を編む窓花。
「どうしようもない子供を持ったどうしようもない母親なのよ・・・自分が殺した子供に優しくなんてできないわ」
「咲人くんは・・・生きているじゃないか」
「あんなの・・・咲人じゃないわ・・・咲人は・・・ウスノロマヌケなの・・・どんなに水を注いでも・・・底の抜けたバケツよ・・・私はそれが・・・馬鹿馬鹿しくなったのよ・・・あなたには分からないわ・・・自分が生んだ子供に憎しみしか感じなくなった女の気持ちが・・・結局、赤の他人なんだから」
「・・・いいじゃないか・・・自分のことはどうでも・・・大切なのは・・・今の咲人くんの気持ちだろう」
「・・・」
しかし・・・すでに壊れてしまった窓花の心には・・・どんなに正しい言葉も届かない。
花蓮の日常生活はまだ秘密らしい。
「素朴な疑問なのだが・・・」と蜂須賀。
「アルジャーノンはおそらく・・・幻覚によってパニックに陥ってる・・・たとえは悪いがシャブ中のフラッシュバックのようなものだろう」
「・・・」
「君は・・・幻覚に襲われて・・・どのように自分をコントロールしているのかね」
「私の見る幻覚は・・・恐ろしいものではないのです」
「ほう・・・」
「父です・・・亡くなった父の姿が見えるのです」
◉◉◉◉
咲人は蜂須賀博士と父親の白鳥久人の姿がシンクロする幻視の中にある。
父を失った息子と息子を失った父はお互いを憐れんだ。
◉◉◉
ひまわり寮に舞が殴りこむ。
「ちょっと・・・どうなってるのよ・・・ケータイ出ないし」
「押し掛け女房かっ」
「咲人さんの件どうなったの」
「行ったよ・・・でも・・・話せなかった」
「なんでよ」
「あいつ・・・なんだか・・・難しい顔してたんだよ・・・切羽詰まってる感じで・・・頼みごとなんてできない空気がね」
「こっちより切羽詰まってることなんてないでしょうが」
「なんだ・・・舞ちゃんか・・・」と康介が顔を出す。
「檜山くんからも言ってやってよ・・・」
「何を・・・」
「何よ・・・あんた・・・檜山くんにも言ってないの・・・」
「だから・・・苦手なんだよ・・・深刻なのは・・・」
しかし・・・二対一となった今は・・・隆一の深謀遠慮は否決されるのだった。
隆一の良識の砦は陥落した。
◉◉
咲人と遥は二人きりで愛を交わしていた。
「私・・・シャワーをあびて・・・仮眠するわね」
「おやすみのキスを忘れないで・・・」
「咲人も少しは休まないと・・・」
「追加投与したALG試薬が効いている時間を無駄にしたくない・・・なにしろ・・・残された時間が不明だからね・・・それにアルジャーノンの側を離れられない・・・アルジャーノンは僕の未来そのものだからね」
「・・・何か・・・夜食を用意するわ」
「ありがとう」
遥香は個室を出ると踊り場で自分を解放した。
とめどなく流れる涙・・・。
(神様・・・生まれてはじめて・・・あなたに祈ります・・・時間をください・・・薔薇が咲くための時を・・・)
その時・・・階下の騒ぎが耳に入る。
入口で警備員と若い男女がもめているのがわかった。
「白鳥咲人に面会したいだけです」
「急用なのよ」
遥香は警備員を制した。
「知り合いです・・・」
「・・・よかった」
「ご用件はなんでしょう・・・」
「杉野さんからお聞きでしょう」
遥香はすでに三人の用件を察している。
「いいえ」
「そんな・・・」
「とにかく・・・咲人にぼくらが来たことを取り次いでください」
「無理ね・・・あなたたちと彼がどんな関係か・・・知らないし」
「何言ってるんですか・・・」と隆一は遥香の態度に疑問を感じる。
「友達ですよ・・・あなただって・・・知ってるでしょう」
「さあ・・・彼は友達なんて・・・一人もいないと言ってたわ・・・だから・・・花屋をやめたんでしょう・・・」
「・・・嘘だ・・・何か・・・隠してる」
「お引き取り下さい」
遥香は後退し警備員が前に出る。
「ちょっと・・・何なのよ」
「咲ちゃん」
「お願いします」
◉・・・冷酷な表情を浮かべる遥香。
研究室での杉野との会話が蘇る。
「あの話だけど・・・患者の状態が良くない」
「咲人さんが知れば・・・きっと助けようとするわ・・・でも時間は有限なのよ・・・こっちが間に合わなかったら・・・ゲームオーバーよ」
「咲人くんが二人いればな・・・」
「すべては・・・優先順位の問題でしょう」
「・・・」
静謐に包まれた夜の研究所。
遥香は無慈悲な時が刻む天使の足音を聞いている。
たとえ・・・世界が滅びても咲人が助かればそれでいいのだ。
遥香は無言で愛する人の元へ帰って行く。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
エリ「お布団の下には爆安って書いてありませんから~。なんて素敵なラブ・ストーリー。あんなベタなセリフでこんなにうっとりさせるなんて・・・まさに・・・運命の二人だからなのでス~。愛する人以外のことは知ったこっちゃない・・・それでいいのだ~。アルジャーノン1号、2号、邪魔する人は齧っちゃって~。そして・・・隆一との友情の復活~。どうしようもない母親との愛と憎しみの果て・・・。そして・・・大ピンチの咲P先輩を・・・断固守り抜く・・・愛のスーパーブロック炸裂なのでス~・・・神様・・・もしちょっぴり間に合わなかったら時間延長でお願いしまス~」
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コメント
◎◎◎同じ記号が見つからなくてすみません
今回のレビューに出てきたマークの意味
最初わからなかったのですが
読み返して気がつきました
素晴らしいレビューありがとうございます
時を刻む時計
バックに写る観覧車
思わず夜行観覧車のラストのレビューを思い出してしまいました
こだわりをもって丁寧に作られ映像も本当に綺麗でうっとりしてしまいますが遥香とのエピソードが私には やや足りないように思われたので
二人の仲の良い描写にまだ慣れません
でもキスは上手いのねの台詞に本気で照れて顔が赤くなってる栗山さん
とっても可愛かったです(^^)
今回は車の中での柳川君と咲人
対等な友達
に全てを持っていかれてしまいました
さすが窪田君 上手いですね
山下君の表情もとってもよくって見るたびに泣いてます
このドラマ
ヒロインには厳しい役回りを演じさせてるのに男性は魅力的ですね
蜂須賀でさえ好感を持ってしまいます
今クールは心をテーマにしたドラマが多くそれだけでもレビューが大変だと思いますが昨夜の地震
真夏を思わせる暑さ
あまり無理はなさらずにキッドさんのペースでお願いしますね
お住まいのエレベーターは大丈夫でしたか?
噴火や地震が多くてなんか不安になりますね
咲人だけでなく平和で幸せな今の生活
この毎日が続いて欲しい
そんな気持ちにさせられます
投稿: chiru | 2015年5月31日 (日) 22時24分
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉いつ、いかなる時も・・・時間は有限でございます。
◉◉◉◉◉❍◉◉◉◉◉
◉◉◉◉❍◉◉◉◉
二つ並んだ不揃いの腕時計・・・。
すれ違っていた二つの気持ちが一つになったのは・・・
咲人が常に遥香を追いかけそして待っていたという
「変わらぬ心」を示していると思われます。
まあ・・・乙女心と秋の空と申しますからな。
愛し合うためには・・・どちらかが
「変わらぬ心」を維持するのが近道なのですよね。
もちろん・・・一般的に人間は男女を問わず変心するので
すれ違うわけですが・・・。
このドラマは基本的に
男子が待ちの姿勢でございますねえ。
これは女性脚本家の願望が入っているのかもしれません。
原作の主人公は結構、移り気ですからね。
原作者は男性ですし・・・。
そういう意味で物語の女性たちの浮気心は不評で
男子たちの揺れない行動にはうっとり・・・ということでしょう。
遥香は蜂須賀→咲人
梨央は咲人→康介
舞は隆一の相手なのに一番大切なのは梨央
三人の男子たちをこよなく愛するお茶の間の皆様は
なに贅沢してんのよ・・・でございましょう・・・。
今回はほぼ・・・遥香の主役回なのですが
咲人と隆一の友情譚にうっとりするのが
乙女心なのでございますよねえ・・・。
失う可能性に気がついただけで
気絶するほど愛している相手。
その相手が傍らにいる幸福感を
栗山千明は見事に演じていたと思います。
鼻の頭が赤くなるほど・・・キスをしたのですよねえ。
女性陣どころか男性陣も
みんな咲人を愛している中で
舞だけが梨央を見ているのも
ポイントなのですな。
ラストの救いがあるのかどうか・・・。
アルジャーノン
咲人
梨央
みっつの命の灯は消えかかっている。
ひとつくらいは助かるとよろしいですねえ・・・。
すでに扇風機は全力回転中。
あの日を思わせる揺れでしたが
今回は書棚に被害なし・・・。
迫りくる夏・・・揺れる列島・・・。
まあ・・・人生はスリルとサスペンスに満ちている方が
楽しい・・・と自己暗示をかけるしかない今日この頃でございます。
投稿: キッド | 2015年6月 1日 (月) 02時42分
地震多発に、心穏やかでない時に、
間違いなく、アルロス(笑)に陥ります。
8話は、愛し、愛される事を知った咲ちゃんは
人が何を言おうとしているのか、分かるくらい
最強の天才になった。
より、スマートに声質まで変えてきたアッパレ!!
本当に、みんなが良いのですよ~!!
私も、遥香の愛する人を守りたいため、
来た友達を、追い返したい気持ち、分かります。
戻るだけですよね??
1話の風船で飛んでいく咲ちゃんが、オーバーラップ
してくる。ヤーダー!!
あ~!もう9話予告で泣いてます。(笑)
投稿: ユキヒョウ | 2015年6月 1日 (月) 10時59分
そうですねえ。
お気づきかもしれませんが・・・
キッドは(木)の夜になると気が遠くなって
気がつくと(土)深夜になっているという
このシーズン・・・。
おせおせで・・・ようやく(水)深夜に一服します。
い、一週間が一日にしか感じられないんて・・・。
まあ、素晴らしい作品に巡り合えれば
それだけで満足するしかありません。
・・・でございましょう。
アルロス万歳!でございますよ~。
超人となった咲人の
美しさが極まりましたね・・・。
遥香がメロメロなのは
もう大自然の営みのような
理路整然さでございます。
下手すれば
咲人以外みんな死ねの心境ですよね~。
人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて死ぬ運命でございますからな。
もちろん・・・咲人を愛するメンバーたちも
全員素晴らしい感じですな。
なにしろ・・・基本的に罪悪感でいっぱいなんですから。
さあ・・・もう・・・運命は
この世界の神々のなすがまま・・・ですからな。
空高く飛び去った風船を
ついに捕まえた咲人・・・。
ああ・・・その運命は・・・。
心穏やかに・・・夏を待つ・・・。
どうか・・・ご静粛に・・・。
投稿: キッド | 2015年6月 1日 (月) 23時47分
栗山千明には嫉妬しかないけど、遥香たんには、ただただ『羨ましいー』『いいな、いいな』『ゴチソウサマです』なんて色々な感情が溢れて来て、気が付いたら顔がにやけて、口をポカンと空けてる残念な自分の姿がありました。
【月9でやれ!】何人の乙女が粒やいただろう。
アルジャーノンとしては、ファンタジーがいつの間にか大映ドラマっぽくなってきたけど、山Pの美しさをこれほど的確に、リアルに撮ってくれるTBSはさすがだわ。
ただ一つ、脚本はキッド様の妄想脚本でお願い致します。
脚本だけで、ご飯三杯いや五杯はいける。
しかし原作ファンは怒っておられないか、この展開。
投稿: なっち | 2015年6月 3日 (水) 10時03分
ドラマの中の誰かに感情移入するのは
ドラマを楽しむ基本ですからねえ。
そういう能力があることは素晴らしいことですな。
感情移入している登場人物が
死んだりすると死んだような気分になるので
注意が必要ですな。
キッドは時々、これはドラマだ・・・お前は生きろと
言い聞かせる必要があります。
アルジャーノンが大映ドラマになったのではなくて
大映ドラマがアルジャーノン的なものを含んでいるのですな。
偉大な作品というのは時には現実にも反映してしまう。
原作発表当時と現在では
知的障害者に対する世間の風あたりも
変わっているわけですが・・・
それもアルジャーノン以後と言う話です。
また・・・たとえば「フロイト的精神分析」も
当時はまだ発祥から半世紀。
百年を過ぎた今とでは重みが違います。
そういうあれやこれやを
考えてドラマ化していると
推定すれば
本当の原作愛読者には
問題ない内容であると推察します。
もちろん・・・読者の知的水準によって
原作に対する理解度も変わるので
一概には断定できませんけれど・・・。
主人公を暖かく包み込む展開に
キッドはうっとりいたします。
世界はだんだん良くなっていく・・・。
そう信じなければ・・・この世は闇に墜ちるばかりですからねえ・・・。
妄想が楽しいのはオリジナル脚本が楽しい証でございます。
今回の脚本は実にエレガントな仕上がりだと愚考しております。
投稿: キッド | 2015年6月 3日 (水) 22時38分
キッドさん、こんばんは
地震や噴火で落ち着かないところ、
レビューありがとうございました。
カウントダウンの演出、切なかったです(>_<)
窓花の時間は咲人が出て行った時から、
止まったままなんですよね。
時は残酷でもあるけれど、
時が解決してくれることもあるし、
いつか咲人とのわだかまりが解消されるといいですね。
(この二人は、相手のことを考えすぎで、自分の気持ちを押さえがちなところが似ていると思います)
この作品には、咲人と遥香のラブラブシーンのように、
楽しい場面なのに哀しみが漂っていたり、
(キュンキュンしないのは、そのせいかもしれませんね)
檜山と梨央のキスシーンのように、
悲しい場面なのに幸福感があったりしますね。
そういうのが物語に深みを与えてくれているような気がします。
もう一つの世界とは違って、咲人が退化しても、
遥香はお嫁さんになってくれるのかも気になりますねえ。
(家族が増えているのかも)
三歳までに、味覚は決まってしまうと言われているので、
咲ちゃんが料理出来ないのも無理は無いですよね…
それでも、赤飯ドリアよりはマシだと思うので、
七菜ちゃんの将来のほうが心配ですわ(^_^;)
投稿: mi-nuts | 2015年6月 3日 (水) 23時09分
心の揺れる春ドラマ戦線。
ドラマ業界の人々の心身が案じられる今日この頃です。
深い所で揺らされて
北は北海道から南は九州沖縄まで
仲良く揺れたあの日・・・。
日本人は一つになれたのでしょうか。
七菜は母親との距離を上手に
とっているような気がします。
ツッコミは客観性の表出ですからねえ。
キッドは砂時計が大好きなんですな。
落ちきって死んだ感じにうっとりします。
しかし、裏返すとたちまち復活するという
素晴らしいゾンビ展開にまたうっとりします。
窓花は特に悪い母親ではないのだけれど
心を病みやすいタイプだったのでしょうねえ。
原作ではジェネレーション的な知性差というものも
象徴しているでしょう。
科学技術が発達して・・・
旧世代は常に少し馬鹿に見えるという時代ですからな。
原作者のそういう観測が
知的障害という単なる事実に
対応できない愚かさを主人公の母親に押し付けている感じがいたしますねえ。
その現代化であるために
やはり・・・窓花はドラマの中で
もっとも憐れで異質な存在になってしまうのですな。
まあ・・・美男美女すぎるカップルは
一般人には近寄りがたい感じがしますよね。
ハリウッドスターたちのイチャイチャカップルに
胸がキュンとしたという話はあまり聞きません。
梨央が本当に昏睡していたら・・・
性的悪戯とか強姦罪が成立するシーンですが
梨央は檜山に愛を告白しているし
本当は寝たフリなので
メルヘンチックになるわけです。
まあ、梨央は死んだように眠る演技が
上手すぎる気もいたしました。
名女優ですからな。
ふふふ・・・遥香が
気絶するほど悩ましいのは
知性を失った咲人を
自分が愛し続ける自信がなかったからかもしれません。
まあ、悪魔としてはそうであってほしいと考えます。
幸福とは悲しいものでございましょう・・・。
なにしろ・・・絶対に長続きしないのですから。
・・・悪魔。
新しい生命の誕生はベタですが・・・
あると思えばあるかもしれません。
どうして・・・咲人は
美味しい料理を作れないのか・・・。
まあ・・・食べたのが遥香だけなので
遥香が味音痴の可能性もありますな。
キッドは料理を失敗しない方なので
よくわかりません。
まあ・・・きっと・・・幻覚で
塩と砂糖を間違えるのかもしれませんな。
そして・・・みりんの代わりにサラダ油を
ぶっこんだり・・・。
三倍酢が醤油1に対して酢2なのか3なのか4なのか
時々わからなくなったり・・・。
赤飯ドリアは意外と美味しい気かします。
投稿: キッド | 2015年6月 4日 (木) 01時41分