サプライズ・パーティー急襲!(多部未華子)回転ジャングルジムの果てに(大倉忠義)悪女の御裾分け(吉田羊)
おしたな・・・。
おしました・・・。
3333333の通過を楽しんでる暇もなかったな。
(木)(金)の修羅場が応えてるな。
中盤突入でねっとりしているのでございます。
さあ・・・まくぞ。
まくのですな。
まいてまいてまきまくる~。
手を抜くのでございますね。
それ・・・禁句ですから~。
で、『ドS刑事・第5回』(日本テレビ20150509PM9~)原作・七尾与史、脚本・山岡真介(他)、演出・松永洋一を見た。日本テレビシナリオ登竜門2005優秀賞の脚本家投入である。「セクシーボイスアンドロボ」とか「ホタルノヒカリ」とか単発登場でそれなりの切れ味を見せている。「警部補 矢部謙三」とか「霊能力者 小田霧響子の嘘」とかテレ朝でミステリ修行も積んでいるしな。そういう意味で今回はギリギリ、ミステリーだった。まあ・・・どこが面白いのかわからない面白さも面白いと言えば面白いのでギリギリ、コメディーとしても成立していたようだ。ギリギリでいいのかどうかは別として。
室内にブリザードが吹き荒れる川崎青空警察署刑事一課強行犯捜査係。
課長の白金不二子警視(吉田羊)が四十歳の誕生日を迎えたのだった。
「十三日の金曜日」と同じくらい不吉な「四十歳の誕生日」に刑事たちは戦々恐々である。
絵文字で言えばヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ~(°°;)))オロオロ(((;°°)~である。
「何を怯えているのかしら」とにらまれる有栖川係長(勝村政信)。
「何を笑っているのかしら」とすごまれる中根刑事(中村靖日)・・・。
「何で変な顔なの・・・特に眉毛と目の間の幅がむかつく」と叱責される浜田刑事(八乙女光)・・・・・・。
定年間際の近藤刑事(伊武雅刀)はひたすら息を殺し、嵐の過ぎ去るのを待つ。
その時・・・部屋の照明が消え・・・素っ頓狂な歌が聴こえてくる。
「ハッピーバースデイ~トゥ~ユ~・・・」
バースデイケーキを持った愚鈍な代官さまこと代官山脩介巡査(大倉忠義)と人の嫌がることをさせるのが大好きな黒井マヤ巡査部長(多部未華子)の登場である。
刑事たちの心は凍りつく。
うっかり転ぶ代官様。
しかし・・・バースデイケーキは白金課長が受けとめる。
「遅れてすみません・・・なにしろ・・・蝋燭四十本たてるのは時間がかかるので」とマヤ。
「これは・・・何の真似・・・」
「サプライズです・・・」
高まる緊張を切り裂く入電である。
(管内で不審事件発生、至急現場に臨場せよ)
「ちっ」と舌打ちする課長とマヤだった。
一同は事件発生を喜び現場に急行するのだった。
とあるパーティー会場でIT企業に勤務する大隣(ダイアモンド☆ユカイ)が意識不明の重体になり、病院で死亡が確認されていた。
死因はピーナッツアレルギーによるアナフィラキシーショックだった。
しかし、パーティーン会場の料理にはピーナッツは使用されておらず・・・何者かが故意にピーナッツを摂取させた可能性があった。
パーティーは大隣の専務昇進祝いであり、サプライズ企画であるシャンペンぶっかけの際中の出来事だった。
容疑者として・・・大隣に出世を邪魔されていた有田サチ(赤間麻里子)が浮上する。
しかし・・・近藤刑事はパーティーの料理を用意した料理人の有美香(入山法子)に疑いの目を向ける。
そして・・・マヤは直感で・・・大隣の腹心の部下である脇本司(柏原収史)と断定するのだった。
「なぜです・・・大隣専務昇進後・・・部長の席を用意されていた脇本さんには動機がありません」と代官様が指摘する。
「ばっかじゃないの・・・動機なんてなくたって人は人を殺すのよ」
「いや・・・それを言うとミステリじゃなくなります」
「そんなの・・・私の知ったことじゃないわ」
「主人公の言うセリフですか」
「とにかく・・・あの男はゲストの中で一番、アップが多い・・・従って彼が犯人よ」
「・・・」
おい、これ、まいているのか。
これからまきにまきます。
やたら、敵対的で周囲の人間を見下しまくる有田に辟易する刑事たち。
今回羊回といっていいくらいだが・・・舞台女優対決だと地味すぎて絵面が深夜のドキュメンタリーみたいだ。
「とにかく・・・脇本は腰ぎんちゃくのイエスマンよ、そんで大隣のお気に入り・・・私は大隣が死んでくれてよかったと思っている。殺してやりたいと思ったこともあるしね。殺そうか。殺してやろうか、しゃーっ」
「NHKのコント見ましたね」
「微妙な面白さよね~」
「女優陣はがんばってますけどね」
「だけど・・・私は殺してないわよ」
近藤刑事は有美香と大隣が交際関係にあったことをつきとめ・・・家宅捜査を行う。
「ピーナッツバターが見つかりました」
「好きなんですよ」
「たまに食べたくなりますよね」
「昔、コーヒーバターっていうのもありまして」
「よくご存じですな・・・ところで・・・あなたは大隣に暴力を振るわれていたのでしょう」
「・・・」
「ついに・・・あなたは耐えかねて・・・殺したんですね」
「いいえ・・・私たちはそういう趣味なんです・・・彼を愛していたし・・・もう殴ってもらえないと思うとどうしていいか・・・」
「病院に行きなさい」
一方、サプライズを嫌がらせの一種だと考えるマヤはサプライズ好きだった大隣の過去の記録映像を取り寄せ、BARBER「代官山」で研究にふけるのだった。
「柿ピーお好きでしょう」と代官様の母(岸本加世子)・・・。
「なぜ・・・それを」とマヤは驚く。
「まあ・・・嫌いな人の方が少ないですから」
明らかにマヤの父である警察庁次長の黒井篤郎警視監(未登場)と顔見知りであることを匂わせながらもったいぶる代官様の母だった。
情報屋(石井正則)は大隣にサプライズを仕掛けるのはいつも脇本で・・・大隣は驚いたフリをしているだけで実は脇本と組んでサプライズを装っていたことを明かし、サプライズの後で必ず大隣が脇本にサプライズ返しをしていたことを告げる。
「なんだか・・・面倒くさいですね」
「サプライズなんて基本、金持ちの道楽だから」
「今回のサプライズ返しは・・・脇本の誕生年ワインのプレゼントだったらしい」
「なんだか・・・普通ですね」
ワインを用意したのは有美香だった。
「残念でしたね・・・ゲストなのに・・・犯人じゃなくて・・・」
「殺された被害者役より・・・マシです」
「最初に殺されて回想シーンもないと・・・死んでるだけですものねえ」
「やはり・・・普通のワインみたいです・・・」と代官様。
しかし・・・マヤはワインを調べると・・・ラベルの裏側に文字が書かれていることに気がつく。
緊急捜査会議は・・・今回は何故か地球型回転ジャングルジムで行われた。
「回します」
「もっと」
ヘトヘトになる代官様だった。
もちろんマヤはニヤニヤした。
一方、白金課長は防犯カメラの映像から・・・脇本がピーナッツオイルを購入したことを突きとめていた。
パーティー会場で撮影された映像から何者かが大隣にピーナッツオイルを付着させたと思われるハンカチを渡していた。
ハンカチで口を抑えた大隣はピーナッツ成分を吸引し死に至ったのだ。
しかし、現場にハンカチは残されていなかった。
取調に応じる脇本は落ち付いていた。
「すると・・・私が・・・大隣さんを殺したと・・・何のために」
「そうですね・・・あなたと大隣さんは特殊な関係だ」
「・・・」
「やらせのサプライズをするほどの一心同体で・・・きってもきれない腐れ縁」
「そんな・・・大隣さんが・・・あなたを裏切ったとしたら・・・あなたはショックでしょうねえ」
「私を裏切る・・・」
「そうです・・・たとえば・・・あなたを部長にするのはやめた・・・とかなんとか」
「・・・」
「愛というのは・・・不思議なものです・・・深まれば深まるほど・・・憎しみと区別がつかなくなる・・・失恋した男が相手を殺すなんて・・・よくある話でしょう」
「しかし・・・私は大隣さんに・・・裏切られたり・・・していない」
「ですよねえ・・・ところで・・・サプライズにはサプライズ返しがつきものとか・・・」
「?」
「大隣さんはあなたのためにサプライズ返しのワインを用意していたんですよ」
「・・・」
「せっかくですから・・・大隣さんを悼んで献杯しましょう」
ワインはグラスに注がれる。
ワインボトルを掲げるマヤ・・・。
「おやおや・・・エチケットの裏に何か文字が見えます・・・あらあら・・・これはあなたへのメッセージですね」
マヤは脇本にそれを示した。
《親愛なる脇本新部長へ・・・驚いた?・・・まさか・・・本気で私が君を裏切るとでも?》
「・・・ああああああああああああああああ」
「どうやら・・・あなたは・・・勘違いなさったようですね」
脇本の心を大隣への愛と自責の念が引き裂いた。
ボトルを割って凶器に変え自殺を図る傷心の犯人。
マヤは女王様の鞭で阻止するのだった。
「確保」
刑事たちは容疑者を逮捕するのだった。
「愛に満ちた上司と部下だったのね・・・私もこんな忠実な部下が欲しいものねえ」
「悪戯心を起こさず・・・部下をからかったりしなければ・・・死なずにすんだんですよねえ」
陰険な火花を散らす課長とマヤだった。
もちろん・・・二人は・・・自分以外の人間を下僕と見なす点においては同じカテゴリーに属するのだ。
再び用意される課長のためのバースデーケーキ。
「気持ちだけ受け取っておくわ」
「それじゃ・・・代官様・・・課長の代わりに蝋燭を吹き消してあげたら」
「いいんですか」
代官様は蝋燭の火を一気に吹き消すのが大好きだったらしい。
馬鹿だからな。
代官様が息を吹きかけるとケーキは爆発した。
若い女王様から四十歳の女王様にいやがらせのおすそわけである。
課長はニヤニヤした。
世界は悪意に満ちている・・・それを楽しんだ者の勝ちなのだ。
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