後れても後れてもまた君たちに誓ひしことをわれ忘れめや(黒島結菜)
吉田松陰に「義」を求められた高杉晋作は・・・松陰の刑死により、死に場所を求める旅を開始する。
師に先立たれた以上、後を追わねば生を全うできないのである。
この論理を肯定することは・・・現代人には難しい。
特にお茶の間ビジネスとしてはいろいろアレなのである。
「松陰」の「死」について「大和魂」を避けて通ったら・・・全く意味がわからないことになるのだが・・・脚本家は物凄く頑張ってると思う。
ま、なんのこっちゃ・・・はなんのこっちゃだが。
とにかく・・・現代のお茶の間はともかく・・・。
「武士道とは葉隠れである」と信じる若者たちは「死に場所」を求めて右往左往するのである。
「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし」なのだから・・・。
とにかく・・・松陰に先立たれた時点ですでに・・・覚悟を決めた晋作なのだが・・・。
同志たちは続々と松陰の後を追って旅立つわけである。
「いのちかけてと誓った仲間は先へ先へと逝ってしまったが・・・約束は守る」と唇を噛みしめる晋作。
しかし・・・最後は病死なので・・・ある意味、天寿を全うしてしまいました。
だが・・・松陰は・・・「生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし」と晋作に優しい。
そして・・・晋作は回天の大業をほぼ成し遂げていたのである。
それは・・・やはり・・・大和魂抜きでは語れないよね。
そんなことになるとはまだ誰も思っていない松陰死後の世界が幕を開けるのだった。
で、『花燃ゆ・第18回』(NHK総合20150503PM8~)脚本・金子ありさ、演出・末永創を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は少し前倒し気味に登場した土佐の剣士・坂本龍馬の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。このメンバーだったら種市先輩でもいいくらいなのに花のパパとは・・・ね。オランダ語でも「自由」っていわせとけば龍馬かっ。・・・でございました。まあ・・・この時期、龍馬は土佐に帰国して動向不明瞭ですし・・・岡田以蔵と中国地方の旅をしていたという噂があり・・・安政年間と文久年間の狭間・・・万延元年に萩に出没なのでございましょう。泣き虫ヒロインを彼氏(夫)が優しく慰めるという昭和の少女マンガの世界ですが・・・「ざけんなよ」「だっつーの」で一世を風靡したヤンキーモードでイケイケの文もちょっと見たい気がします。「寅兄に恥ずかしくないように・・・ガンガンいけっちゅーの」的な・・・。まあ・・・NHKなのでいろいろとアレかもしれませんが・・・「テロリズムのススメ」をやることには変わりないんだから・・・開き直っちゃえば解放されるのにと・・・思ったりもしますぞ。乱世じゃ・・・ワクワクするの~的に・・・。門を出たら二分で銃声ぐらいなら・・・お見送りの後の余韻が欲しいところでしたね。落葉と落花で韻を踏むにしても・・・。ヒロインの主張は土下座ですんだら軍隊いらないという話ですし・・・。
安政七年(1860年)正月、高杉晋作は井上雅と祝言をあげる。二月、咸臨丸は太平洋横断航行に出航し、三月にサンフランシスコ着。三日、桜田門外の変で、大老井伊直弼が水戸浪士・薩摩浪士らに暗殺される。彦根藩士ともども死傷者多数。権力よる処刑に応じたテロリズムの開始である。これを受ける形で元号は十八日、万延に改元。各藩で保守派と改革派の軋轢が高まる。開国による自由貿易により物価の高騰が始る。外国人との直接取引を抑制するための貿易統制法令として五品江戸廻送令を幕府が施行。しかし、幕府自身が太平天国の乱で交戦中の英仏両国に軍馬一千頭ずつを輸出するなど実効性は薄かった。幕府と一橋派の暗闘の中、中立だった長州藩が長井雅楽の「航海遠略策」によって公武合体の方向性を示す。これによって長州藩と京の公家勢力の結びつきが強化される。水戸の烈公・徳川斉昭死去。エイブラハム・リンカーンが米国大統領に就任。南部諸州が合衆国から離脱。万延二年(1861年)二月、文久に改元。長州で松下村塾生を中心とした有志による一灯銭申合が組織される。文久二年(1862年)正月、土佐の坂本龍馬が久坂玄瑞と会合。長州と土佐の尊攘派同盟が検討される。
大奥の大奥と噂される篤姫の居室に服部半蔵となった山岡鉄舟が現れる。
「水戸のご老侯が・・・暗殺されました由にございます」
「そうか・・・」
「これでよろしかったのでしょうか・・・」
「水戸殿は・・・少し・・・大奥に口出しが過ぎた・・・大老暗殺の件もやり過ぎじゃ・・・公儀隠密は・・・桜田門のことも黙認したが・・・水戸殿暗殺の件も看過せよ・・・これからは・・・徳川家の正念場となろう・・・隠密たちを無駄使いできぬ・・・」
「・・・」
「忍びを育成せねばならぬ・・・」
「京の草もかなり狩られましたからな」
「いや・・・大和(日本)のうちばかりの話ではない」
「なんと・・・」
「えげれすにも・・・めりけんにも・・・忍びを送りこまねばならぬ世が来ておるのじゃ・・・」
「・・・」
「先代の服部半蔵が海を渡る時代じゃからのう・・・」
萩では文が江戸に出た夫の留守を預かっている。
長州藩軍艦「丙辰丸」は江戸と長州を往還し、藩士たちは忙しく移動していた。
文は寅次郎の死後・・・世の中が・・・寅次郎の予知した通りに動いていくのを驚嘆しながら眺めていた。
藩主・敬親に呼び出された兄・杉梅太郎は隠し目付け首領の役を申しつけられていた。
杉家が・・・長州藩の忍びの中忍となったのである。
兄婿の小田村伊之助や、その兄で「丙辰丸」の艦長である松島剛蔵までが・・・忍びとして梅太郎の組下に置かれている。
すべては・・・敬親と松陰の忍びごととして目論まれていたのだった。
「長州による天下取り」が開始されている。
だが・・・文は・・・それが寅兄の見た未来のすべてではないことも知っていた。
もちろん・・・文は寅兄の見た未来のすべてを知っているわけではない。
たとえば・・・寅兄は文たち一族の行く末は明らかにしなかった。
しかし・・・「毛利幕府が成立しないこと」を文は知っていた。
寅兄は望ましい未来を構築するために秘密を駆使していたのだ。
すべては・・・神州の存亡を賭けた密謀なのである。
文は首から下げた紐の先の・・・松陰の形見・・・米国海軍のボタンをそっと握りしめた。
(兄上・・・兄上の描いた未来が始っておりますぞ)
萩の城下を春風が吹き抜けていった。
関連するキッドのブログ→第17話のレビュー
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コメント
もしかしてだけど、もしかしてだけど
もしかしてだけど、もしかしてだけど
慶喜とか演じてくれる役者がもはや誰もいなかったんじゃないのー。
ていうかコマーシャルの間にトイレ行ってたら井上雅の出番が終わっていた。先週の凛々しい姿で満足しとけってことなんでしょうか。まだ予告レベルであると思いたいものです。
投稿: 幻灯機 | 2015年5月 4日 (月) 17時35分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
幕末以外は幕末じゃないの~。
まあ、徳川幕末以外にも鎌倉幕末とか室町幕末とかも
あるわけですけどね~。
日本の幕末は乱世の合言葉・・・。
乱世は男のわがまま爆発でいいじゃないか~。
そこに女の幸せは
ないのが基本ですからな~。
まさに絵空事でございます。
人斬り包丁ふりまわし
京の都で遊女を抱きまくる
男のロマンは・・・
一体どうなるのか・・・
生徒会長の花嫁衣装で
満足しとけってことかもしれませんぞ~
投稿: キッド | 2015年5月 5日 (火) 04時43分