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2015年5月 2日 (土)

うまれてはじめてホームランを打ちました(山下智久)

1966年に長編小説「Flours for Algernon」が出版される前・・・結末については何人かの編集者が難色を示したことが逸話として残っている。

大衆が暗い結末を望まないことはある種の人々にとって動かし難い事実らしい。

しかし、ダニエル・キイスはこれを拒否し・・・今に伝わるカタチでもビジネスになると考えた編集者もまた存在したわけである。

不朽の名作が世に出ることは一種の奇跡なのである。

一方、映画やドラマはあくまで脚色された別の作品である。

文章が視聴覚化された時点で・・・もはや文学作品ではないのだ。

結末がどのように変わろうと・・・原作にはいない登場人物が出現しようと・・・それはそれぞれの責任において自由なのだと考える。

そもそも・・・原作の主人公はチャーリイゴードンであって咲人ではないのだ。

チャーリーは富士山の見える野球場でホームランを打ったりしないのである。

しかし・・・「けえかほうこく」で始り「経過報告」を通過し「ついしん」で終わるこの物語の「心」はここまでのドラマからも充分に伝わってくる。

だから・・・ドラマがどのような結末を迎えるか・・・楽しみで仕方がないのである。

「知」とは本当に不思議なものなのだ。

で、『アルジャーノンに花束を・第4回』(TBSテレビ20150501PM10~)原作・ダニエル・キイス「Flowers for Algernon」、脚本・池田奈津子(脚本監修・野島伸司)、演出・松田礼人を見た。知能指数は知能テストによって個人の知的能力が全体の水準のどの位置にあるのかを推量する目安である。もちろん、「知」の計量化は困難な作業であり・・・それがすべてとは断言できない。だが・・・知的水準というものを俯瞰しようとする場合、適切なこともある。知能指数100というのが分布の中心である。つまり・・・90~110というのが一番多い・・・大衆の占めるところなのだ。この人たちから見ると111から上の人は「頭がいい」感じになって・・・89から下の人は「ちょっとバカ」ということになるのである。

もちろん・・・次の分布である「111~130」の人たちにとっては・・・普通の人たちが「ちょっとバカ」になります。

そして・・・89以下の人たちにとって・・・その他の人たちは・・・比較の対象ではない場合があることもあります。

「比較」というのは・・・知的な作業の一つだから。

そういうことを・・・なんとなく考えることは・・・まあ、一種の恐ろしさを伴うことですが・・・原作はそういう恐ろしさの存在を少なくとも優しく教えてくれるのです。

それはちょっと気が遠くなる・・・知的な作業の成果と言えるでしょう。

素晴らしいインターネットの世界は・・・そういう恐ろしさを明確に露呈しているシステムなんだな。

凄い時代になったよなあ・・・。

バカが「私はバカだ」と宣言し続ける時代なんだものなあ・・・。

面白いよなあ。

・・・などと喜んでいるのもバカの証なんですけどね。

「ドリームフラワーサービス」の従業員である白鳥咲人(山下智久)が・・・知的能力向上施術(フィクション)を受けて数日が経過している。

脳生理科学研究センターの研究員たちは術後の咲人を検査し、経過報告書を作成するのだった。

「アルジャーノンに比べて咲人氏のアルジャーノン効果の発現値は低い推移となっています」

「記憶力、判断力などについて・・・顕著な変化は認められません」

「そもそも・・・素材が適切だったのか・・・検証する必要が生じています」

杉野史郎(河相我聞)の発言に異議を唱える望月遥香(栗山千明)・・・。

「素材というのは・・・適切な言葉とは思えません」

「素材はあくまで素材だろう・・・君は被験者に妙な感情移入をしているのではないか」

「被験者は人間であって・・・ものではありません」

「その人間に・・・リスクを伴った施術を行っているんだ・・・何を今さら・・・」

「まあ・・・素材でも被験者でも実験対象には変わりないから・・・いいじゃないですか・・・それよりも・・・脳機能イメージングによる画像診断に注目すべきです」

冷笑的な態度の小久保(菊池風磨)が割って入る。

中立的に見えるが・・・どちらにも賛成しないことで・・・遥香に肩入れしているのだ。

上位研究者である杉野はたちまちその意図を察して幽かな敵意を浮かべる。

「画像診断でも・・・特に顕著な変化を認めることはできない」

画期的なナノマシーンによる脳機能イメージング技術(フィクション)により咲人の脳内は常時観測可能になっていた。

つまり・・・咲人は超高機能的電磁観測システムを内蔵し・・・ワイヤレスで脳内をモニターされているのである。

この物語はファンタジーであり・・・超絶テクノロジーが実用化されているのだということにご配慮ください。

「大脳皮質周辺で明らかに細胞活発化の兆候があります」

「アルジャーノンの場合はもっと顕著だった」

「人間とネズミを一緒にできないでしょう」

「蜂須賀部長・・・新たな素材・・・被験者の選定を考慮するべきではないでしょうか」

杉野は研究リーダーの蜂須賀大吾(石丸幹二)に挑戦的な口調で決断を迫る。

「私は・・・経過は順調だと考える」

「・・・」

「このまま・・・様子を見ようじゃないか」

蜂須賀は杉野を見下ろすのだった。

「そういうことのようです」

「・・・部長は・・・失敗を認めたくないんじゃないのか・・・と疑いたくなるよ」

杉野は負け惜しみを呟くのだった。

研究者として高度な知性を持つ杉野の品性を研究者たちの一部は疑うのだった。

咲人は・・・施術前と変わらぬ無邪気さで・・・「せかいでいちばんすきなひと」である遥香と過ごす日々に満足しているようだった。

「次はバーチャル・システムで・・・迷路テストをします」

「ばあちゃん・・・しんだの・・・」

「西田敏行さんですか」

「あはは・・・あはは・・・」

「咲人さん・・・真面目に・・・」

「はるか・・・ぼくは・・・いつ・・・おりこうさんに・・・なりますか」

「・・・」

装置を装着した咲人の目の前に迷路が出現する。

「うわ・・・すごい・・・うわ・・・はるか・・・どこ」

「そばにいますよ」

「みえない」

遥香は咲人の手を握る。

「ここにいますよ」

「うわ・・・はるか・・・いた・・・みえないのに・・・はるか・・・いる・・・あはは・・・あはは」

咲人のテスト結果はあまり高い得点にはならなかった。

しかし・・・その様子を見る蜂須賀の顔には冷たい微笑みが浮かぶ。

「うん・・・順調だ」

一方、症状の安定した河口梨央(谷村美月)は病室から解放され、父親のオフィスを訪ねた。

興帝メディカル産業の社長・河口玲二(中原丈雄)は娘の身を案じる。

「しばらく・・・自宅で療養したらどうだ」

「いいえ・・・いつもと変わらない日常を過ごします」

「しかし・・・すでに病状のステージはあがっている・・・もしもの時に」

「お父様・・・安静にしていたって・・・病状が回復するわけではないのですよ・・・私は・・・残された時間を有意義に過ごしたいのです」

「・・・」

檜山康介(工藤阿須加)は鉢植えの納品に訪れた際に・・・偶然、梨央を目撃するのだった。

周囲の社員たちの態度から・・・梨央が社長令嬢であることを察する康介。

意中の人が雲の上の存在であることに唇を噛みしめるのだ。

梨央が・・・咲人に示す好意も不可思議に感じられる康介だった。

蜂須賀は再び、咲人と遥香をレストランでの夕食に招待する。

「覚えているかね・・・この店を・・・」

「あはは・・・きたこと・・・あります」

「そうか」

「はかせ・・・はるか・・・いっしょ・・・」

「今日は・・・手術が無事に終わったお祝いだよ」

「おいわい・・・はかせ・・・いつ・・・おりこうになりますか」

「君はもう・・・おりこうさんだ」

「おりこうさん・・・あはは」

「今日は・・・アダムとイブの話をしてあげよう」

「アダモステ・・・」

「昔々・・・アダムという男と・・・イブという女がいた」

「おとこ・・・おんな・・・」

「二人は・・・まだおりこうさんではなかった・・・」

「ばかだめ・・・」

「しかし・・・知恵の実を食べた二人は・・・おりこうさんになったんだ」

「はかせが・・・たべさせたの」

「いいや・・・昔々の話だからね」

蜂須賀は蛇のように微笑む。

「おりこうさんになった二人は・・・気がついたんだ」

「きがついた・・・」

「自分たちがハダカだったことに・・・」

「あはは・・・おふろ・・・はいるの」

「いいや・・・ずっとはだかだったんだよ」

「あはは・・・ばか・・・」

「そうだろう・・・おりこうさんになった二人はあわてて服をきたんだ」

「ふく・・・」

「はずかしくなったんだ・・・はずかしい・・・わかるかな」

「ばかだめ・・・ばか・・・はずかしい」

「そうだ・・・ところで・・・君は・・・遥香くんの裸を見たいと思うかね」

「先生・・・何をおっしゃるんですか」

「どうだ・・・きみのいちばんすきなひとのはだかだ」

「・・・」

「君が見ていないのに・・・私が遥香くんの裸を見たら・・・君はどう思う」

「先生・・・」

「はだか・・・はるかのはだか・・・はかせ・・・みたの」

「ああ・・・みたとも・・・」

「だめ・・・はるか・・・はだか・・・見ちゃだめ・・・」

「嘘よ・・・先生の嘘よ」

「うそ・・・はだか・・・はかせ・・・みてない」

「先生・・・何故・・・そんな悪い冗談を・・・」

「分からないのかね」

「・・・」

「彼はお利口さんになっていく・・・しかし・・・どんなに賢い子供も・・・最初は誰かが何かを教える必要があるんだよ」

「教育的な刺激ですか」

「そうさ・・・彼の知性に・・・私たちが着火するんだよ」

「・・・」

店が貸し切りであったので・・・周囲の人々が唖然とすることはなかった。

ウエイターは上品な客の奇妙な変態プレーに舌うちした。

河口社長は東京麗徳女子大学に通う大学生・小出舞(大政絢)と密会していた。

「これは・・・謝礼だ」

しかし・・・舞は札束の受け取りを拒否する。

「私が・・・あなたの命令に従ってお譲さんを監視していたのは・・・父の復職のためです」

「わかった・・・時期を見て君の希望に沿うようにしよう・・・」

「・・・」

「引き続き・・・娘から目を離さないでくれ」

「私はあくまで・・・彼女の友人として・・・そうするつもりです」

「そうか・・・それでは・・・君には話しておくべきかもしれないな」

「話・・・」

「娘は病気だ・・・・変性性認知症を発症している・・・今後・・・急速な記憶障害が発症し・・・やがて・・・知性は失われてしまう・・・もちろん・・・運動機能も喪失される・・・最後は花になるんだ・・・ただ咲いているだけの・・・ただ散るために・・・その時を待つ花に・・・」

「そんな・・・」

「私は・・・父親として・・・できるだけのことを・・・してやりたい」

「・・・」

舞は言葉を捜した。

「治療法はないのですか」

「今は・・・まだ・・・不治の病だそうだ」

「希望はないと・・・」

「・・・」

舞は言葉を失った。

咲人は生活環境を変えることで新たな刺激を得るために「ひまわり寮」に戻されることになった。

「いつ・・・おりこうさん・・・なれますか」

「あなたは・・・いま・・・おりこうさんの元を食べているの」

「おりこうさん・・・の・・・もと」

「そうよ・・・たとえば・・・このハンバーガーは・・・今までのハンバーガーとはちがう・・・」

「ちがう」

「おりこうさんバーガーなの」

「おりこうさんバカ」

「食べれば食べるほどおりこうさんになるの」

「ハンバーガー・・・たべたことあります」

「そうね・・・でも・・・あなたには魔法がかかっているから・・・」

「おりこうさんになる・・・まほ」

「そうよ・・・だからただのハンバーガーがおりこうさんバーガーになるのよ」

「まほ・・・すごいです」

寮に向かう道の途中にグラウンドがあり、少年たちが野球をしていた。

「やきゅう・・・」

立ち止まって野球を眺める咲人。

その姿を観察する遥香。

研究者としての視点が・・・咲人の変化を捉えていた。

(挙動が安定している・・・運動能力が向上しているのね)

二人をモニター車で追跡している小久保も興奮していた。

(凄い・・・脳内の全領域が活性化している)

電磁的に補足された咲人の脳内の血流や脳波の変化を画像処理した映像は刻一刻と変化していく。

(なにかが起こっている)

咲人は遠い記憶を回想していた。

やきゅ・・・おとうさんと・・・した・・・おとうさん・・・ぼーるなげた・・・ばっとふった・・・ぼーる・・・あたらない・・・ぼーる・・・ころがる・・・おとうさん・・・なにかいった・・・ぼーるひろう・・・おとうさんに・・・おとうさんのところに・・・ぼーる・・・もっていく・・・おとうさん・・・なにか・・・いった・・・なんて・・・とくいなこと・・・・さがす・・・さきとの・・・なにか・・・とくいなこと・・・かがや・・・く・・・かがやく・・・かがやくこと・・・みつける・・・かがやく・・・まぶしい・・・はげ・・・ひかり・・・まぶしい・・・くらくら・・・かがやき・・・おなじ・・・さきと・・・かがやく・・・こと・・・おとうさん・・・なにかいった・・・さきと・・・かがやける・・・あかるい・・・まぶしい・・・ひかり・・・さがすこと・・・おとうさん・・・やきゅ

咲人は胸が苦しくなった。

「おりこうさん・・・バーガー・・・おなか・・・いっぱい」

「え」

「に」

「え・・・」

「にんげんのに」

咲人は看板を指差していた。

「ああ・・・それは・・・打球に注意!・・・よ」

「だきゅう・・・ちゅうい」

「打ったボールに気をつけなさいってこと・・・」

「いたい・・・あぶないから・・・」

「そうそう・・・」

「だきゅ・・・にんげんのに・・・ちゅい」

「打球・・・に・・・注意」

「だきゅ・・・に・・・ちゅい」

なげました

うちました

ほーむらん

「なげました・・・うちました・・・ほーむらん」

「え・・・」

「なげました・・・うちました・・・ほーむらん・・・あはは」

「咲人さん・・・ホームランを打ちたいの?」

「おとうさん・・・きっと・・・よろこぶ」

「・・・」

「おかあさん・・・いいこ・・・いいこ・・・いい子いい子・・・してくれます」

「咲人さん・・・」

「ドリームフラワーサービス」の経営者である竹部順一郎(萩原聖人)は咲人の様子を観察してから遥香に皮肉な視線を向けた。

「結局・・・失敗ですか」

「え」

「私には・・・咲人が変わったとは思えない」

「幼稚園児が急に大人にはなりません」

「・・・」

「咲人さんは・・・ずっと・・・幼いままでしたが・・・今、ゆっくりと知的向上の過程に入ったのです」

「前にも言いましたが・・・私は別に・・・このままの咲人で構わないと思っているんです」

「・・・また・・・伺います」

遥香は片隅に置かれた野球用具に目を止める。

「野球ですか・・・」

「ええ・・・更生の一環として・・・チームを持ってます」

「咲人さんも・・・」

「ええ・・・まあ・・・攻撃も守備も立っているだけで何もできませんけど・・・」

「・・・そうですか」

柳川隆一(窪田正孝)は咲人の退院祝いを口実に梨央と舞をひまわり寮に招待した。

舞は毒舌を吐く。

「なんて・・・せまいの・・・」

「あらあら・・・庶民の暮らしに・・・いきなりダメ出しですか」

隆一は軽口で応じる。

康介は無言で梨央と咲人の様子を窺っていた。

「とにかく・・・私はともかく・・・梨央には環境が悪すぎる」

「ひどいな・・・そりゃ・・・葉山の別荘のトイレより狭い感じですけど」

「食事の時にトイレの話なんて下品よ」

「あれれ・・・まるでお嬢様はうんこしない・・・みたいな」

「やめてよ」

「まいちゃん・・・うんこ・・・あはは・・・うんこまいちゃん」

「うんこまいちゃん・・・じゃない」

「まあまあ・・・食べて食べて・・・そうそう・・・今度、俺たち野球の試合をするんだ・・・」

「野球・・・咲人さんも・・・」

「うんうん・・・咲人も・・・」

「おけつです・・・」

「おけつ・・・?」

「補欠だよ・・・補欠」

「おけつ・・・あはは」

「咲人さんたら・・・」

和気藹々である。

次の休日、咲人を餌にナンパに出かける隆一と愉快な仲間たち。

「咲ちゃん・・・わかってるよね・・・」

「おばさんだめ」

「そうそう・・・おっぱいは・・・」

「おっぱい・・・」

「どうしたの・・・おっぱいは大きい方がいい・・・でしょう」

「おっぱい・・・大きい」

「あれ・・・どうしたの・・・」

「咲人・・・顔が赤いぞ・・・」

「咲ちゃん・・・」

「はずかしい・・・おっぱい・・・はずかしいです」

「え」

「何言ってんだよ・・・」

「なんか・・・目覚めちゃったのか」

「まさか・・・手術って・・・色気づく手術なのかよ」

そこへ・・・舞の友人の絵里奈(柳ゆり菜)たちが通りかかる。

「あれ・・・この間・・・クラブに来てたよね」

隆一と愉快な仲間たちは彼女たちをカラオケに誘うことに成功する。

胸部露出の近接攻撃で誘惑される咲人・・・。

「ねえ・・・二人で・・・」

「おっぱい・・・」

「え」

咲人は心が乱れて逃げ出すのだった。

追尾していた小久保は・・・雑踏に倒れ込んだ咲人を救助するのだった。

蜂須賀は咲人を保護するように指示して自宅に招く。

「どうしたのかね」

「おっぱい・・・ドキドキ・・・だめ」

「なぜだい・・・」

「すきなひとの・・・おっぱいじゃ・・・ない・・・ドキドキ・・・だめです」

「そうか・・・遥香くんのおっぱいではないおっぱいに・・・ドキドキしたことに・・・罪の意識を感じているんだね」

「つみ・・・いしき」

「いいんだよ・・・男は・・・すきではないひとのおっぱいでも・・・ドキドキするんだ」

「でも・・・だめ・・・」

「そうだね・・・すきなひとに・・・わるいような気がするのだね」

「わるい・・・おっぱい・・・だめ・・・ドキドキ・・・だめ」

「しかし・・・大丈夫だ・・・すきなひとのおっぱいなら・・・もっとドキドキする」

「もっと・・・いっぱい・・・ドキドキ・・・」

「そうだ・・・」

「はかせも・・・ドキドキしますか」

「もちろんさ・・・遥香くんのおっぱいにだって・・・ドキドキするよ」

「はかせも・・・はるか・・・すきですか」

「いや・・・私は・・・遥香くんを愛してはいない」

「でも・・・はるか・・・はかせと・・・いつも・・・いっしょ」

「そうだね・・・遥香くんは・・・私のことを好きなのかもしれない・・・私はその気持ちを利用しているんだ・・・」

「りよう・・・」

「そうだ・・・愛は利用できるんだよ」

「わかりません」

「いや・・・今の君には・・・わかるはずだ」

「私は・・・遥香くんが・・・私を愛していることを・・・利用しているんだ」

「だめです・・・それは・・・だめです・・・」

「だめかい・・・それなら・・・君はどうする」

「・・・」

咲人は遥香の家に向かって走り出した。

蜂須賀は追跡者の小久保に指示を出す。

「彼は遥香くんの家に向かうだろう」

(なんだか・・・覗き屋になったみたいですよ・・・)

「何を言っている・・・対象を冷静に観察する・・・研究とはそういうものじゃないか」

(・・・)

「まあ・・・咲人さん・・・どうしたの・・・」

「・・・」

「とにかく・・・お入りなさい」

「はるか・・・はかせ・・・すきですか」

「え」

「はかせ・・・だめです」

「ええ・・・」

「はかせ・・・はるかを・・・あいしてません」

「えええ・・・」

「はかせ・・・はるかを・・・りよう・・・してます」

「やめて」

思わず冷静さを失う遥香だった。

「う・・・うう・・・ううーん」

沈黙した咲人に遥香は研究者としての自分を取り戻す。

(咲人さん・・・悩んでいるの・・・咲人さんが・・・悩む・・・問題に直面して・・・答えを捜している・・・凄い・・・彼は悩んでいる)

「咲人さん・・・」

「はるか・・・おこった・・・ぼくが・・・バカだから・・・ボク・・・まだオリコウサンにならない。ボク・・・オリコウサンになりたいのに・・・バカだから・・・はるかのやくにたてない・・・オリコウサンじやないから・・・オリコウサンになりたいよ・・・タイトーになって・・・ヤナガワくんのトモダチになりたい・・・タイトーになって・・・ハルカのヤクにたちたい・・・おリコウさんになりたいよ・・・う・・・うう・・・ううう」

「なれるよ・・・大丈夫・・・あなたは・・・お利口さんになれるから・・・泣かないで」

遥香は咲人をそっと抱きしめた。

小久保はため息をついた。

咲人の脳内画像は新たな輝きの兆候を示している。

「これが・・・アルジャーノン効果か・・・教授・・・データをご覧になっていますか」

(もちろんだ・・・すべては順調に進行している・・・問題ない)

小久保はもう一度・・・大きく息を吐き出した。

梨央は「ドリームフラワーサービス」にやってきた。

「あの・・・咲人さんは・・・」

「あ・・・隆一たちと出かけている」

例によって一人、別行動の康介だった。

「これ・・・咲人さんに・・・」

真新しい野球用具を差し出す梨央。

「あんた・・・なんで・・・咲人にそんなに優しくするの・・・」

「好きだから・・・」

「マジかよ・・・」

「私・・・人に恋することに・・・臆病だったんです」

「・・・」

「でも・・・咲人さんなら・・・私が突然消えても・・・笑って許してくれる気がして」

「なんだよ・・・それ・・・バカだから・・・すぐに忘れるだろうってか」

「・・・」

「大体・・・消えるってなんだよ・・・あれか・・・親の決めた許嫁とかで・・・政略結婚するとか・・・」

「まあ・・・舞と同じことを・・・」

「え」

「とにかく・・・咲人さんに・・・渡してください・・・お願いします」

「・・・」

康介は去って行く梨央の後ろ姿を悩ましげに見送る。

梨央はそっとつぶやいた。

「忘れてしまうのは・・・私の方なのにね・・・」

咲人をひまわり寮に送り届けた遥香は研究室に向かう。

蜂須賀は咲人のデータを検討中だった。

「君に第二の被験者について話さなかったことはすまなかった」

「いえ・・・私も言いすぎました」

「君が戻ってくれて助かったよ」

「咲人さんの知能はどこまで高まるのでしょうか」

「それについては・・・なんとも言えない」

「仮想の機能局在イメージでは・・・すべてが良好の傾向を示しています」

「脳の機能が局在しているかどうか・・・まだ仮説の域を出ない・・・それは意識がデータ化できない限り・・・あくまで場当たり的なものだ」

「順調に進めば・・・常人なみになることも予想できますが・・・」

「あるいは・・・それ以上になるかもしれない」

「天才に・・・ですか」

「そうだ・・・・発育が止まった神経の再生と同時に全域での活性化を進行させる・・・それによって・・・彼がどうなるのかは・・・予測不可能だ」

「・・・明日・・・彼は野球をするそうです」

「野球か・・・」

「運動という領域での刺激も・・・貴重なデータになりますね」

「その通りだ」

晴れ渡る空の下。

御殿場のグラウンドは霊山・不二に見下ろされている。

声援を送る梨央の元へ舞がやってくる。

「本当に来たのね」

「あなた一人で獣の相手はさせられないわ」

「まあ・・・」

「彼は・・・出ているの」

「ベンチよ・・・」

観客席には遥香と小久保の姿もある。

「解析用の映像を撮影しろというお達しです」

「御苦労様・・・広報用の資料というところね」

「気がかりがありますか」

「彼が・・・失望したらどうしようと思うの・・・」

「しかし・・・失望もまた知性の証でしょう・・・」

「残念だと思えるくらい・・・知性が高まったのでは・・・成功とは言えないわ」

「我々には負い目がありますからね」

「負い目・・・」

「考えてください・・・知能を高めるためというなら・・・我々は誰もが被験者になる資格があるんですよ」

「・・・」

「知的障害者の知能向上にはメリットがある・・・それは・・・我々が自ら・・・リスクを冒さない口実にすぎないのです」

「考えてもみなかったわ」

「我々はみんな・・・知能には充分恵まれていると思っていますからね」

モニター車には蜂須賀と杉野が待機していた。

「どうだ・・・彼は目覚ましい向上を見せているだろう・・・」

「・・・」

「君は・・・もう少し、視野を広げるべきだ」

「自分の不明を恥じております」

試合は進み・・・一点のリードを許したまま・・・咲人のチームは最終回の攻撃を迎えた。

二死となり・・・最後のバッターは背番号10の康介。

「監督・・・肩の調子が悪いので・・・代打をお願いします」

「そうか・・・勝つことだけが試合じゃないものな」

「咲ちゃん・・・出番が来たよ・・・」と隆一。

「でばん・・・」

「ほら・・・ヘルメットかぶって・・・来た球を打つ・・・それだけだ」

「ほら・・・彼女からのプレゼント・・・新品のバットだ」

「ばっと・・・」

咲人は梨央を見て頷いた。

「咲人さん・・・」

一球目・・・空振り・・・ワンストライク。

二球目・・・見送り・・・ツーストライク。

「ボールをよく見て・・・バーンだ」と隆一が叫ぶ。

三球目・・・ファール・・・。

「すげえ・・・当たった」と康介。

「咲人さん・・・いつもと違う」と梨央。

「え・・・何が・・・」と舞。

「笑っていないもの・・・」

「神経細胞全域が活性しています」と杉野。

「投球の軌道を学習し・・・タイミングを計算しているのだ」と蜂須賀。

「打って」と遥香は叫んだ。

咲人は遥香を見た。

「打てなかったら・・・ガッカリするんじゃないですか」

「ギャンブルの勝者に・・・ギャンブルの危険性を説く必要はないのよ」

「・・・」

第四球・・・。打球は美しい軌道を描いてフェンスを越える。

「ホームランだ」

「ホームランだ」

「ホームランだ」

「ホームランだ」

「うそおおおお」

同点だったが・・・チームの全員が我を忘れ・・・咲人を祝福する。

誰もが奇跡を見た気持ちだった。

お父さん、ボクはホームランをうちました。

みんながよろこんでくれた。

お父さんは・・・いつも・・・ボクにいろいろなことをおしえてくれた。

ボクがかがやけることをさがしてくれた。

ボクにもトクイなことがきっとあるといってくれた。

お父さんは・・・ボクのことをたくさんかんがえてくれた。

いままで・・・ずっとずっと気がつかなくて・・・ごめんなさい。

関連するキッドのブログ→第3話のレビュー

Hcal004ごっこガーデン。愛と宿命のスタジアムセット。エリさらば・・・お利口さんじゃなかった昨日まで・・・今・・・咲人は新しい人生の第一打をかっとばしたのでス~。感動で・・・涙が止まらないから・・・打球の行方が見えないのでス~。このまま・・・いつまでもいつまでも・・・ハッピーでいいじゃないですか~。ハッピーエンドでよろしくお願いしま~ス~

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コメント

トリプルヒロイン! あるいは2.5人のヒロイン!(大政ファンのかた0.5の割り当てでごめんなさい。しょうすうてんいかだいによりしたはけいそくできないです。そういうもんだいではないですか)

今週冒頭すでに演技に変化があったように思える。すげぇ。

そして浅野支店長あらためハカセ! 悪魔博士ですね。キッドさまのお知り合い…

テレビ向けの恋愛要素を分かりやすく入れるために! いやそうじゃないとしてもこの改変!
どうだ咲人君! おりこうになるとこんなことやあんなことまでできてしまうのだよ! わははははははは。

基礎教養としてこの物語の行く末(多分)を知っている私たちにとって咲人の未来、どう転んでもそれは河口梨央の未来でもあり……

もう今週で第一部完でもいいです(ほめことば)。

投稿: 幻灯機 | 2015年5月 2日 (土) 09時27分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

栗山千明に大政絢を重ねる・・・
それだけで凄いキャスティングですが
二人に谷村美月を挟ませる・・・。
なんて・・・絶妙なことをするんだ・・・。
・・・でございますな。

もう、三食おかずなしで過ごせる展開です。

山下智久は緻密な演技プランで勝負するタイプですからねえ。
今回はまさに計算に計算を重ねた演技が
圧巻でございますな。

特に身体に関しては
姿勢と動きで・・・知能の上昇を
物語るという素晴らしい演技でございました。

そして・・・最後は眼差し勝負・・・。
トレビアンの連打です。

ふふふ・・・蛇は魔王様の仮の姿でございますからねえ。

悪魔などは下の下の下の賤しい輩です・・・。

よくある・・・通俗的な展開では
身体は大人でも心は子供・・・・
性欲だけはありあまる・・・なことになるわけですが
性欲も欲望である以上
脳の機能・・・つまり知性の働きですからな。

そういうものが未発達であることは
知的障害の範疇なのでございます。

まあ・・・人間というものは
恐ろしいほど「知」というものに「無知」なので
いろいろと誤解が重なるわけでございます。

前にも述べましたが
脚本監修の人は
基本的に
「アルジャーノンに花束を」を
基礎にしている感じの人ですからな・・・。
いわば・・・これは
集大成・・・自分で脚本が書けないくらいに
のめりこんで恥ずかしい感じになっていると
妄想しています。

まだまだ・・・
いろいろやってくると思いまする~

投稿: キッド | 2015年5月 2日 (土) 21時51分

キッドさん
連日のハードレビューお疲れ様です

キッド版 アルジャーノンに花束を
毎週 楽しく読まさせてもらってます
真面目な話なのに咲人のお父さんとの回想
まぶしい はげ ひかり に大笑いしちゃいました

野島版アルジャーノンがラスト どんな風にまとめるのか とても興味がありますが
原作をリスペクトする
心を十分に感じて今まで見てこれたので
納得のいくなるものになる気がしています

思った以上に異性への目覚めをしっかり描いたようにも感じましたが ファンタジーとして見れるのは主役の中性的な容姿からきているのかもしれません

これからがドラマも核心に入ってきますね
まだ先は長くハードなレビューが続くかと思いますが
楽しみにしていますのでご自愛くださいませ

キッドさんの苦手な夏じゃなくてよかった
\(^_^)/

投稿: chiru | 2015年5月 3日 (日) 00時32分

シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン

ねぎらいのお言葉ありがとうございます。

夏の気配が漂い・・・ドキドキいたします。

まだ・・・梅雨前でございますのに~。

「得意」でも押せるのに
「輝き」を連発ですからねえ。
つい・・・筆がすべりました。

笑っていただき幸いでございます。

「リスペクト」こそが脚色の基本ですからねえ。

もちろん・・・様々なリスペクトのスタイルがありますが
つぶやき文化の中では
その精神が
見失われがちですからな。

人が何かについて言及する時に
リスペクトする心がなければ
世界は殺伐に傾くものでございまする。

リスペクトこそが
偉大なる知の成果の一つと言えましょう。

脚本にもそれを演じるキャストにも
その心が漲っていると感じております。

お茶の間には馴染まないはずの主題を掲げながら
アット・ホームな感じに仕上がっているのは
主人公が世にもまれな美しいフランケンシュタインのモンスターだからでございましょうね。

ドラマもいよいよ中盤戦・・・。

際立つ知性の輝くパート・・・。

輝くほど・・・影は濃くなるのですな。

そして・・・知は苦悩を生み出す・・・。

青春の光と影を・・・存分に味わいたいと考えます。

季節の変わり目延長戦・・・ご自愛くださりますように。ヽ(´▽`)/

投稿: キッド | 2015年5月 3日 (日) 05時45分

暑くなってまいりましたね!!季節も内容も!!
キッドさん!お身体に気を付けてください!!

あっという間の1時間!!イヤー!堪能して、
また直ぐに、繰り返し見たくなる!!
どんどんと色んな色を重ねつつ、濃くなってきた
アルジャーノン!!

ちょっと、突っ込むと、おりこうさんになっても、
女の気持ちが分るかは、微妙ですね(笑)

人の意見が入ると、色々と変わってしまうそうですね!
先日、クランクアップしたようなので、
あんまり、左右されず、このまま、どう展開するか
楽しみたいものです。
本当に、楽しめるドラマは久しぶりで、うれしい!!

投稿: ユキヒョウ | 2015年5月 3日 (日) 12時07分

絶滅危惧種~ユキヒョウ様、いらっしゃいませ~山下君愛好

好天に恵まれた黄金週間・・・。
キッドとしてはもうこれ以上、暑くならないでっ!
・・・という気持ちで一杯です。

気温の上昇とともに明らかに知能が低下するタイプなので。

ふふふ・・・ビューティフルかつキュートな主人公に
脳殺リピート光線を照射されているのですな。

今回は幼年期の終わり・・・。

咲人に眠っていた膨大な記憶が
一つ一つ意味を見出していくという
輝きの幕開けでございましたねえ。

おりこうさんになると・・・
凡人の気持ちは通り越して
すべてを見透かすようになるのでは・・・
ないかと愚考いたします。

まあ・・・女心はそういう理論を
超越いたしますからなあああああっ・

クランクアップになれば
キャストの仕事は終わり・・・。
後はスタッフの腕まかせでございますが
本作は原作があり、監修があり、脚本があるので
そこそこ・・・一本道になっていると推察いたします。

すでに名作の香りがたちこめていますので
このクオリティーが維持されるのは間違いないでしょう。

何よりも・・・好きな人を
楽しんでみれる・・・
まあ・・・ファンにとって・・・
それ以上望むことはないのでございますよねえ。


投稿: キッド | 2015年5月 3日 (日) 21時31分

じいやちゃま、GWもお休み無くご多忙のこと
お見舞い申し上げます~♪
おいなりさんを作ってきました。
筍としょうがをみじん切りにして隠し味にしてますの。
五月の味をどうぞ♪

今週はきっとお茶の間のこちら側もみんな脳内にお花畑を展開していて
誰のモニター見ても綺麗なお花が映されてるに違いないのだわ。
最も象徴的な梨央に対してはすずらんを思い浮かべてました。

ラストシーンのP先輩がホームランをかっ飛ばしながら
走るのはいつものようにゆっくりとふにゃふにゃしてるのが
ギャップでかわいかったですね。
本当、ずっとずっとこのハッピーな咲ちゃんでいいのにと
竹部じゃないけど思ってしまったり。
でもきっと次はカッコよさの頂点極めるP先輩に
ドキドキするのでしょう。

今日はお屋敷の窓のお掃除しましたのよ。
じいやちゃま、ご褒美にピンクのバラの花束100本にしてね~。

投稿: エリ | 2015年5月 4日 (月) 20時00分

✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

夏の予感に満ちた大型連休もフィナーレでございますな。

もちつきロイドもちつき名人に
かしわもちを作らせましたぞ~。

シェフロイドは・・・夏にむけて
うどん名人、そうめん名人、冷麦名人シリーズも
すべてヴァージョンアップしております~。

しかし・・・お嬢様のおいなりさんは
おいなり名人を凌駕する美味しさでございますな。
流石でございまする。

まさにお花祭りですな。

人間は皆、美しい花を咲かせるために
生まれたのですからなあ。

大地の恵み、太陽の光、そして水と風のバラードでございます。

すずらん・・・可憐ですな。

集中力も知性の一種でございます。

長い幼年期の終わり・・・脱皮のために
一撃にすべてを込めた咲ちゃん。

その後のランニングはまだまだ
幼さをとどめている・・・。

素晴らしい演技プランと感銘を受けましたぞ。

これもまた
コンテンポラリー・ダンスでございましょう。

そして・・・今後を知るものにとっては
「ぼうや大きくならないで」の祈りも発動いたしますねえ。

それでも新天地に向かっていく若者に
期待するのが・・・人の性でございましょう。

とにかく・・・このドラマは
基本的に主人公の見せ場の連続ですからな。
まさにスターに相応しい素材なのでございますね。

お嬢様専用中庭には
お嬢様ハイブリットローズ「エリのために」が
百万本花開きましたぞ~。
さっそく、ご贈答用の花束にいたします~

投稿: キッド | 2015年5月 5日 (火) 05時02分

キッドさん、こんにちは

いよいよ野島先生の本領発揮ですね。

徐々に頭が良くなるとは知っていたのですが、
階段を上るように段階を踏んでいくのかと思っていたら、
放物線のように滑らかに自然に変化していったのが、
素晴らしかったです。

じっくり見ていないとわからないくらいの変わり様で、
みんなに伝わっている?と心配になるくらいでしたわ。

キッドさんのレビューも、いつも以上に、
本編で省略されているところを補足していただいて、
ありがとうございます。

ありのままで良いという社長の言葉も大事だけど、
咲人パパの何とも言えない表情の対比が切なかったです。
当事者の重みが感じられますね。

親の愛情が感じられる暖かいシーンなのに、
同時にとても哀しくて、胸が締めつけられるようでした。
輝けるところがあるはず=今は無い、ってことですよね。
今の咲人が、理解しているようなのが、つらいです。

蜂須賀博士が何故あんなに感情にこだわったのかも、
今回はっきりしましたね。
これは、ネズミでは、何匹実験しても無理ですよね。
(野島先生は、リピドーが好きですよね)

ナンパもエロ本もおっぱいも、
ママの顔を思い出したのも、伏線が効いていますね。
全部説明してもくれないし、ながら見できないので、
視聴率は望まないけど、
単純にドラマとして、すごく面白いです。

長々と失礼しました。
次回、遅れてきた思春期の楽しさと苦しさを味わいつつ、
ガリレオ咲人の格好良さを楽しみたいと思っています。

連休で、お忙しいとは思いますが、
レビューよろしくお願いしますね。
楽しみにしています

投稿: mi-nuts | 2015年5月 5日 (火) 09時23分

ゴールデンもお休みなく、毎日のアップご苦労様です。

それにしても、アルジャーノンの破壊力半端ないです。
山P咲ちゃんの可愛らしさが、もう見れないのかと思うと時を止めてしまいたいですわ。
ホームラン打って、嬉しそうに走る咲ちゃんに涙が止まりませんでした。
又、リピートの毎日です。
野島さんの作品は、わりと見てますが、こんなにリピート率高かったかしら?
山P主演てだけでなく、内容も素晴らしくて自然と泣いちゃうんです。
もちろん山Pの存在がお話を引っ張ってますけど。
壱成さんはやっぱりいい役者さんだと再認識しましたよ。

今後来るであろうアルジャーノンロスが恐い。
どっぷりアルジャーノンの世界に浸かってますから。
本当に視聴する人増えてほしいです。

投稿: なっち | 2015年5月 5日 (火) 11時25分

✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭

お楽しみいただきありがとうございます。

連休終盤、東京は風が吹いて
少し冷気をとりもどしホッとしております。

脚本監修、脚本、演出・・・
すべてがいい味だしておりますな。
主役の輝きがスタッフを照射している感じがいたします。

富士山さえもが微笑んでいるようでした。

コップに水滴が落ち
ゆっくりと水が満ちて
ついにあふれ出す・・・。
見事なアルジャーノン効果の表現でした。

ドラマは原作の意を汲んでいますので
文章による妄想も自然に広がるのでございます。

まあ・・・誤読は世の常ですが
本編読んでないのが
明瞭な罵詈雑言には
困惑いたしまするねえ。

知的障害者あるいはその関係者にとって
アルジャーノン効果は
見果てぬ夢・・・。
ネクロマンサー蘇生術のように
邪悪な物語ともいえるわけです。

その毒が
現実の残酷さに抗う化学変化こそが
物語の真髄と考えます。

社長もパパも精一杯。
しかし・・・願うところは人それぞれですからな。

ありのままを受け入れることのできる人は幸いですが
ありのままとはなにかをも知らぬことは憐れですし。

知らないから幸せだったことは
知って不幸だったと気付くことでもありますが
幸せというものがあることに気がつくことでもあります。

アダムとイブの知恵の実を食べるようにと
唆すのは悪魔の王ですが
流れ始めた時を神はけして止めないのでございます。

性の喜びを
知ったものが
こんなものいらないと
思うのは紆余曲折の果てでございます。

愛のない人生はただ虚しいのでございます。

目の前に差し出された
美味しい果実に
心乱されてこその人生ですからねえ。

甘き・・・甘き・・・香り・・・。
そして苦さもまたテイストでございます。

名作は視聴率とは無関係に心に残りますので
めぐりあった奇跡を喜ぶべきでございますよね。

とにかく咲人演じる喜びは
本人にございましたでしょうから。

いよいよ・・・「輝き」の世界を生きる咲人。

その美しさを堪能したいと存じます・・・

投稿: キッド | 2015年5月 5日 (火) 20時46分

帝国臣民はトンチキがお好き~なっち様、いらっしゃいませ~可愛いよ山P可愛いよ

いいものはたくさんの人に知ってもらいたい。

これもまた「知の作用」ですな。

キッドの妄想もギリギリ『知』と言えるかもしれません。

『痴』もまた知なりでございます。

そのためにゴールデンも妄想は止まらないのでございます。

かってギリシャの哲学者プラトンは
師であるソクラテスの知を継承し
「無知の知」について語りました。

人間は知らないことがあると知ることが
基本です。

「アルジャーノンに花束を」は
その対話の果ての一つの結晶でもございます。

ダニエル・キースは
教師にはなれたが医師にはなれなかった自分の知を
知的障害者の少年の知を
ソクラテスの無知の知を
関連付けて奇跡の物語を紡ぎました。

今、咲人はその結晶をさらに花開かせる使者と
なっているわけです。

もちろん・・・多くの人にそれを知ってもらいたい気持ちは自然なこと。

しかし・・・分かる奴だけ分かればいい・・・という考え方もございます。

なにしろ・・・楽しんだ方がお得でございますからね。

それに「知」はそれぞれの中にこそ・・・
生まれるものでございますから・・・

投稿: キッド | 2015年5月 5日 (火) 21時30分

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