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2015年6月 7日 (日)

オリジナルと区別がつかないコピーたちの戯れ(多部未華子)コスプレ刑事に愛の賛歌を(大倉忠義)

著作権というものはデリケートな権利である。

たとえば・・・脚本家たちは脚本という著作物でメシを食うわけだ。

もちろん・・・趣味で脚本を書いていてメシを食わない人もいるだろうから・・・例外はあるだろうが・・・プロを名乗る人たちは仕事が基本的にメシの種だ。

そういう意味ではこのブログはいくら書いてもタダなのでメシの種ではない。

しかし・・・著作物であるかどうかを問われれば・・・一応、著作物である。

一種の公開日記で・・・キッドという人間の記録である。

その行為が法に抵触することはありえることである。

殺したい人間を殺せば殺人罪なのであって・・・いくら「公開日記です」と言っても司法関係者はしかるべき態度で応じるわけである。

素晴らしいインターネットの世界が発生し・・・情報の流通は加速度的に増大する。

その中に・・・様々な「著作物」に対する感想を持つ人間は多いだろう。

そういう人間が・・・「それ」を公開して表現する時・・・様々な法律との兼ね合いはあるわけである。

「それ」について語ることは・・・ものすごくいけないことである可能性もある。

他人の「メシの種」を奪う可能性があるからである。

誰もが簡単に複製を作れる時代・・・「売り物」を「無料」で配布されたら・・・おまんまの喰いあげだ。

それは・・・「表現の自由」や「情報へのアクセス権」という理念と違って死活問題なのである。

キッドにはそういうシステムをある程度、理解しているつもりである。

その上で・・・他者の権利を侵害するかもしれない「言葉」を使って著作行為をしている。

キッドという人間がそうせずにはいられないからである。

権利を主張する人たちは基本的に損得を考える人たちである。

なにしろ・・・何かが・・・自分たちの得を損に変えているので是正したいと思うわけだから。

その行為が自他にとって有益か無益かはさておき・・・デリケートな問題に触れて・・・狂犬にかまれる人がでないことを祈るばかりの今日この頃なのである。

で、『ドS刑事・第9回』(日本テレビ20150606PM9~)原作・七尾与史、脚本・川崎いづみ、演出・中島悟を見た。ちなみに今回のレビューと前フリとは基本的に無関係です。前フリはあくまで一般論でございます。ただし・・・今回はドラマの中にコスプレイヤーが登場し、厳密に言えば著作権問題の根底にあるオリジナルとコピーの関係が暗示されていると言えなくもありません。

そもそも・・・誰が見ているかわからないテレビ番組はドラマであるにも関わらず「これはフィクションです」という断りをしなければならないという不自由さを持っている。もちろん・・・ノンフィクションだと思う知能に不自由な人がいるからである。

実際の警察と違うとか・・・実際の病院と違うとか・・・クレームをつけるバカがいるから・・・川崎青空警察署(フィクション)なのである。

しかし・・・そういうネーミングにもスタッフは知的活動を費やすのである。

つまり、川崎青空警察署という「オリジナル要素」があるのである。

もしも・・・これに著作権があることに配慮するとこの記事に「川崎青空警察署」という文字配列は使用できなくなる。「神奈川県にある最近無惨な少年死亡事件の起きた市町村名と晴れた日の空模様を合体した架空の警察署」とでも書かなければならない。

で・・・その管内で殺人事件が発生する。被害者は「海江田ちさと」(フィクション)であるが・・・これをオリジナルであることに配慮すれば・・・「第10代民主党代表と同姓で某アイドルグループのチームA所属で1990年生まれ、総選挙最高順位37位のメンバーと同名の姓名」とでも書かねばならない。

話が進まんわっ。

被害者は海江田ちさと(北浦愛)で23歳のフリーターだった。

死因は胸部を刺されたことで、死体は自宅アパートの一室で発見された。

死体の第一発見者は同郷の友人・墨田緑(寉岡萌希)である。

有栖川係長(勝村政信)は「上司や部下とは正反対の控えめな性格」と被害者を断じて地雷を踏むのだった。

被害者宅には荒らされた形跡もなく、被害者周辺にも怨恨などの動機が見つからないために捜査は難航する。

しかし・・・独自の捜査力を持つ黒井マヤ巡査部長(多部未華子)と代官様こと代官山巡査(大倉忠義)は被害者宅に乗り込む。

そこで・・・第一発見者の墨田から・・・生前にちさとから預けられたという玩具の時計を渡されるのだった。

最も疑わしいのは第一発見者だが・・・もちろん・・・マヤは墨田を疑わない。

しかし・・・「合鍵を持っていたということは・・・」と一応、疑うのだった。

「ばっかじゃないの」ポイントだが・・・誰かが「疑ってはいけないポイント」を思いつかなかったのでスルーである。

被害者宅で・・・マヤが注目したのは・・・被害者の書棚の配列だった。

「パンドラの黙示録/新橋カイト」

「悲しみの侵略者たち/新橋カイト」

「鏡の大戦/新橋カイト」

「勇者ハヤトの追憶/新橋カイト」

「バベルの落とし穴/新橋カイト」

「魔王ルシールの逆襲/新橋カイト」

しかし・・・代官さまは・・・被害者り質素な暮らしぶりに憐れを感じる。

だが・・・書棚から・・・二人は被害者の意外な一面を示す写真を見つけるのだった。

ちさとは・・・コスプレイヤーだったのだ。

早速・・・コスプレイヤーとしての潜入捜査を思いつく代官さま。

命令もしていないのに・・・変身する代官さまをマヤは不快に感じるのである。

しかも・・・女装ではなく・・・ダーク・ヒーロー・コスプレである。

恥じらいを示さない飼い犬に手を噛まれた思いがするマヤなのである。

本来・・・コスプレとは仮装であるが・・・現在ではオリジナル・キャラクターに扮する遊びである。

キャラクター業界では・・・ファンによるキャラクターの二次使用を寛大に見守る傾向がある。ファンあっての業界であり、次世代のクリエーターの発掘場所として有効と考える風潮もあるからである。しかし、一部の業界人は・・・いかなるキャラクターの二次利用も・・・権利の侵害と考えたりもする・・・欲の皮がつっぱっているからである。

愚かで悲しい心根だ。

そういうわけで・・・なんだかよくわからないキャラクターの集うコスプレイベント・・・。

「デート」のクォリティーはないのだっちゃ。

そこで・・・マヤは不審なカメラマンを発見する。

被害者の手帳からイベント会場を割り出した刑事一課長・白金不二子(吉田羊)と係長の目を逃れようとするドクロ帽の男。彼はちさとの名前にも反応を示すのだった。

だが・・・ドクロ帽の男は姓は違うが、係長の息子・新山(田村健太郎)だった。

ちさとがドクロ帽の男に付きまとわれていたという情報があり、事情聴取を受ける新山。

「僕は・・・彼女の友人です・・・ストーカーでも・・・変質者でもありません・・・本の貸し借りをしたり・・・」

「あなた・・・新橋カイトのライトノベルを発表順に言いなさい」

マヤは突然、命じるのだった。

「カイト先生はライトノベル作家ではありません・・・ライトノベルというには重い」

ちなみに新橋カイト(フィクション)である。

「とにかく・・・おっしゃい」

「悲しみの侵略者たち/新橋カイト」

「パンドラの黙示録/新橋カイト」

「バベルの落とし穴/新橋カイト」

「魔王ルシールの逆襲/新橋カイト」

「勇者ハヤトの追憶/新橋カイト」

「鏡の大戦/新橋カイト」

・・・というのが発表順だった。

つまり・・・ちさとの部屋で本は順不同で並んでいたのである。

「え・・・そんなのよくあることじゃないですか」と代官さま。

「・・・」

おそらく・・・新橋カイトの愛読者であるマヤにとって・・・それはありえないことだった。

つまり・・・あの部屋で・・・誰かが・・・本を並べなおしたのだ。

何のために・・・何かを・・・探すために・・・。

もちろん・・・穴だらけの推理であるが・・・これが持ち味である。

「天麩羅そばの天麩羅が小さいのが許せない係長」と「海老たっぷりチャーハンの海老が少ないのを認めない課長」のいる警察署の話なのである。

もう・・・少し、面白くなってきたよ。

「どうして・・・デカワンコのコスプレイヤーがいないのか」と疑問を持ちつつ、「玩具の時計」の成分分析をケンケン(ミッツ・マングローブ)経由の秘密の特急便で依頼するマヤ。

使用された塗料が有害であることが判明する。

そして・・・ちさとのアルバイト先がギャラクシー・トイズという玩具会社であることを突き止める近藤巡査部長(伊武雅刀)。

件の時計の玩具・・・「エナジー・ウォッチ」はギャラクシー・トイズの商品だった。

ずっとコスプレイヤーだった情報屋(石井正則)から「エナジー・ウォッチの危険性を隠蔽したままギャラクシー・トイズが製品回収を進めていたこと」という情報を得たマヤは・・・超能力で容疑者と断定したギャラクシー・トイズ社長(金児憲史)に罠を仕掛けるのだった。

その罠とは・・・ざわちん(ざわちん)の特殊なメイクアップ術で・・・墨田緑をちさとに変身させることだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、いいか。

死んだはずのちさとに呼び出され・・・動揺する社長。

「お前は・・・俺が殺したはずだ・・・密かに回収した商品を勝手に持ち出して・・・告発するとか・・・おかしなことを言い出したお前が悪い・・・とにかく盗んだものを返せ」

「そこまでよ」

スケバン刑事というよりは・・・七十年代スケバン風にコスプレした課長は・・・マヤと共闘して悪徳社長を逮捕するのだった。

「ファイトなしですか・・・」

物足りない気分の代官さまだった。

代官さまの母はとりあえず・・・マヤの父とキスはしたらしい・・・。

とにかく・・・そろそろ・・・川崎青空署の皆さんが・・・好きになってきた今日この頃です。

習慣性とは恐ろしいものだよね。

夏服なのにヘソなしってシースルー愛好家を喜ばせるだけじゃないか。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

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