私は人生を手に入れた・・・そして人は皆それを失う運命なのだ(山下智久)
はるかマクロの世界では銀河は回転し、膨張し、時には衝突して想像を越えた火花を散らす。
そしてはるかミクロの世界では素粒子は回転し、反転し、時には高速でどこかへ消失する。
その中間で・・・幸せの青いを惑星に生まれた人類はつかのまの人生を瞬くように感じる。
体内では分子が結合し、分解し、生産され、消費され、自分以外の何者かと反応する。
太古から積み上げられたヒトの感性は時には争うことに歓喜する。
時には愛することに耽溺する。
時にははるかな過去をふりかえり・・・時にははるかな未来に想いを寄せる。
一人一人の個性はバラエティーにあふれ・・・同じ人間は一人もいないように見える。
しかし、多くの人間は自分と他人を区別する。
自分とそれ以外の世界を違うものだと考える。
だが・・・そう思う前に・・・自分と世界に境界線はなかった。
やがて・・・多くの人は夢見る・・・世界と一つになる夢を・・・。
そして・・・多くの人が夢は必ず叶うことに気がつくのだ。
時が経てば・・・自分は消え・・・世界だけが残されることを。
で、『アルジャーノンに花束を・第9回』(TBSテレビ20150605PM10~)原作・ダニエル・キイス「Flowers for Algernon」、脚本・池田奈津子(脚本監修・野島伸司)、演出・酒井聖博を見た。感染した人間を死に至らしめることでMERSウイルスは認知される。疫病と戦い続ける人類は多くの死者たちの屍を踏みしめて戦いの狼煙をあげる。千年前には呪いにしか思えなかったものが・・・今は見えるのだ。しかし、ウイルスもまた刻々と進化し、見知らぬ姿を誇示するのだった。ウイルスと人類の死闘はこれからも続いて行く。「お前はなぜ我々を傷つけるのか」と問うても相手は無言である場合が多いが・・・人類は相手が言葉を解そうと解さぬまいとに関わらず・・・その正体を明らかにしようとする生物なのである。
そういう人類の最前線の戦いのはるか後方で・・・花を配達するのが仕事である男たちは些細なことで喧嘩するのである。
「お前の彼女・・・またおねんねか」
「豚野郎」
「なんだと・・・こら」
完全なる植物状態に移行しつつある進行性要素性障害による遷延性意識喪失状態の東京麗徳女子大学生・河口梨央(谷村美月)を思い・・・出口なしのストレスを抱える檜山康介(工藤阿須加)は鬱屈を発散させるために鹿内大(勝矢)に肉体的闘争を仕掛けるのだった。
巨体の前科者は苛立った前科者の挑戦を受け入れ、乱暴を開始する。
たちまち・・・「ドリームフラワーサービス」の商品である花々は散乱し、暇を持て余していた従業員たちは肉弾戦見物に熱狂するのだった。
金のかかる女に縁のある柳川隆一(窪田正孝)は株式市況を眺める。
しかし・・・心には様々な情報が渦巻いている。
交際相手としては申し分ない小出舞(大政絢)・・・。しかし、舞の親友の梨央は死に至る病の床にある。康介の苛立ちの原因もそこにある。そして二人の希望は・・・天才となった白鳥咲人(山下智久)に託される。だが・・・咲人と恋人の望月遥香(栗山千明)にただならぬ危機が襲っていることを洞察力に優れた隆一は感じてしまうのだった。
女子大生と肉体交渉をもって・・・お気楽にその日を楽しみたい・・・。
隆一の簡単な望みを世界は叶えようとはしないのだった。
商品ケースが壊され、ガラスの破片を握りしめた鹿内が殺意を秘めた眼差しで康介を見つめたところで・・・漸く、竹部順一郎社長(萩原聖人)がかけつける。
「おまえら・・・何やってんだ・・・」
「・・・」
「そうか・・・やりたいなら・・・やれよ・・・くだらねえ・・・殺しても何の得にもならねえ相手を殺して・・・損をしたいならすればいい・・・人間、やりたいことをやるのが一番だからな」
「・・・」
二人は気が殺がれるのだった。
「隆一・・・お前も見て見ぬふりしてないで仲裁しろよ」
「うっかりしてました・・・」
「じゃ・・・しょうがねえな・・・」
暗い研究室では・・・咲人が知的障害者の記録映像を眺めていた。
それはかっての咲人自身の姿である。
「もうすぐ・・・全体会議の時間よ」
「昔の僕を見ていた」
「なんだか・・・懐かしいわ」
「僕は・・・彼の笑顔・・・昔の僕の笑顔は一種の防衛的擬態だと推測していたんだ」
「学会でのスピーチの時ね・・・」
「しかし・・・こうしてみると・・・彼は実に屈託なく笑っている」
「昔のあなたは・・・生きていることをそれなりに楽しんでいたと思う」
「そうかもしれないね・・・確かに・・・もっとお利口さんになりたいと願っていたが・・・それが叶わない願いだとは思いつかなかったし・・・だから絶望もしなかった」
「ええ・・・あなたは知的障害者とは言えなくなってしまったけど・・・知的障害者が悪いことだという考え方は・・・この世界では悪とみなされる」
「そうだね・・・奇跡が起こらない世界ではあるがままを受け入れることが・・・善だから」
「そういう意味では・・・少女の性的搾取という名目で少女の裸体画像を悪とするこの世界は裸体になった少女の名誉は無視するのよ。すべては世界の誰かの優先順位によって決定されるなにかにすぎないの」
「凡庸な人々には芸術は時には有害だからね」
「だから・・・あなたが知的障害者でなくなったことは必ずしも善ではないわけ・・・だけど・・・あなたが昔のあなたに戻るのは・・・私にとって受け入れ難いことだわ」
「僕だって・・・そうさ・・・君を愛して・・・君に愛される・・・そういう僕でなくなるのはつらい」
「・・・私は・・・あなたがどうなっても・・・」
「僕は・・・最悪の結果についての考察については留保している・・・今は・・・そうならないように最善の努力を尽くすことが最優先だから・・・」
「咲人・・・」
「遥香・・・」
二人は見つめ合い・・・耐えられなくなってキスをするのだった。
その時、会議開始の時間を告げるチャイムが鳴った。
研究室には研究員が顔を揃えていた。
蜂須賀大吾部長(石丸幹二)は研究方針を発表する。
「咲人と私の結論はALG試薬の強化型の開発となった」
「しかし・・・ALG試薬の副作用について解明できていない今・・・それは危険なのではないでしょうか」と杉野(河相我聞)は異議を提唱する。
「副作用の解明による・・・安全性の高いALG試薬の改良は理想的だが・・・試験のために膨大な時間が必要となる・・・タイムリミットが迫っている今・・・選択肢としては断念するしかない」
「・・・」
「脳細胞の活性化の反作用のように起こる・・・退行現象に対応するために・・・脳細胞そのものを増殖させ・・・脳機能の活動領域を広げることが当座の目標だ」
「いたちごっこですね・・・」と小久保(菊池風磨)が呟き、全員から睨まれる。
「その通りです・・・しかし・・・タイムリミットがある程度、延長できると考えます」と咲人。
「その間に・・・次の一手を考えたいということだ」
全員は二人の天才の意図を了解した。
「これが・・・強化型ALG・・・名称・ALG-βの組成表だ・・・」
「二人の天才のレシピ・・・素敵」と小沼由美子(松本若菜)がささやき・・・全員から睨まれた。
「作業開始だ」
一同はそれぞれの任務についた。
白鳥家では花蓮(飯豊まりえ)が窓花(草刈民代)のために食事を作っていた。
「お母さん・・・私はお兄さんにもう一度会ってみるつもり・・・昔のことを謝って・・・許してもらいたいの・・・だって世界でたった一人のお兄さんなんだもの・・・お母さんも一緒に」
「私はいいの・・・私にはあなたがいるもの・・・」
「それはウソでしょう・・・お母さん・・・本当はずっと・・・お兄さんのことを考えているもの」
「・・・」
「小さい頃から・・・ずっと・・・私がお兄さんに意地悪をしたのは・・・本当は・・・お兄さんのことだけでなく・・・私のことも見てもらいたかったからなんだもの・・・」
「花蓮・・・」
「障害者を抱える家庭ではよくある話よ・・・仕方ないわ・・・私は普通で・・・お兄さんより恵まれていたんだから・・・今だから・・・そう思えるの」
康介は梨央を見舞い・・・病室でストレスをためる。
無意味な暴力をふるっても何も解決できないことはわかっていた・・・しかし、他にどうすることもできなかったのだ。
梨央が花になっていく時間を黙って見つめるだけ・・・。
康介は無力な自分を呪う。
隆一はハンバーガーを食べていた。
舞から着信がある。
「何してるの・・・」
「ランチだよ・・・」
「バッカじゃないの・・・」
「君も食べればいいと思うよ・・・」
嵐は過ぎ去った。
やり過ごすのだ・・・。
どうしようもないことは・・・やがて・・・どうしようもなく終わるのだから。
咲人の個室に蜂須賀がやってくる。
「彼は今、仮眠中です」
「そうか・・・これは・・・強化型の効果についての予測データだ」
「預かります」
「具合はどうかね」
「今は特に際立った変化はありません」
「いや・・・君のだ」
「私のご心配をいただけるとは・・・」
「彼が息子だとすれば・・・君は娘のようなものだ」
「・・・」
「私に言えることは・・・ただ一つだ・・・今を大切にすることだ」
「彼が彼でなくなった時のことを考えるなと・・・」
「そうだ・・・その時、君が彼をどう思うかは・・・その時・・・考えればいい」
「愛が・・・消えてしまうのではないかと・・・私は恐れています」
「当然だ・・・彼を失うことは世界の誰にとっても大いなる損失なんだから・・・だが・・・私は・・・彼が強化型によってどのように変化するのか・・・知りたい気持ちも抑えきれない」
「先生はそういうところが魅力的なのです」
「だが・・・彼は違う・・・そうではないかね」
「そうです・・・私は・・・彼が知識よりも愛を求めているところが気に入っているのです」
「君たちの愛が末長く続くことを・・・私は祈るし・・・そのために手段は選ばないつもりだ」
「先生・・・」
咲人は夢を見ていた。
父親の白鳥久人(いしだ壱成)は微笑む。
「お前には誰にも負けない愛嬌がある」
「あいきょ」
「そうだ・・・もっと笑いなさい・・・愛嬌をふりまくんだ」
「あいきょ・・・」
「いいぞ・・・咲人・・・愛嬌さえあれば・・・お前はきっと幸せになれる・・・愛嬌だ」
「あいきょ、あいきょ、あいきょ」
咲人は自分が父親に厳しく躾けられていたことに気がついた。
そして・・・アルジャーノンは死んだ。
小久保は考えた。
(アルジャーノンが死ねば・・・解剖される・・・特に脳は完全に切り刻まれ・・・脳内に残っている物質はすべて分析されるだろう・・・もちろん・・・全身に張り巡らされた神経細胞の各所も徹底的に解析される・・・解剖が終わったら・・・アルジャーノンは影も形もなくなってしまうだろう・・・人類の科学の発展に多大な貢献をした・・・一匹のネズミ・・・アルジャーノンのことを覚えている人間は・・・きっと俺だけだ・・・アルジャーノン、お前はそれでいいのか・・・俺は・・・嫌だな)
小久保はアルジャーノンをケージに収納すると飼育室を抜けだした。
アルジャーノンの脳波が消えたことに研究室の数名が気がつく。
「どうした」
走り去る小久保に杉野が声をかける。
「アルジャーノンが死にました」
「え・・・」
「遺族として・・・解剖は拒否します」
「何を言ってるんだ」
小久保は脱出に成功した。
竹部はひまわり寮の食堂にやってきた。
「朝の件はすまなかった」
「・・・」
頭を下げる竹部に鹿内は戸惑う。
「結局・・・俺も・・・元はお前たちと一緒だ・・・頭にくると見境がなくなっちまう・・・」
「・・・」
「お前たちの親代わりなんて言っているが・・・親としたら下の下だよな」
「説教ですか」
「説教じゃない・・・これを見ろ」
竹部は腹の手術跡を見せる。
「随分・・・派手な手術ですね」
「腎臓の移植手術だ・・・若い頃・・・俺はお前たちよりずっとひでえ・・・ワルでさ・・・人を殺すわ・・・モノは盗むわ・・・女は犯すわ・・・やりたい放題だ・・・で・・・ある日突然、動けなくなって・・・病院で医者に腎臓が両方いかれてるんで・・・死ぬしかないって言われたよ・・・そしたら・・・学校の先輩が訪ねてきた・・・まあ・・・顔を知ってる程度だったけど・・・親戚だったんだよ・・・親父の親父の弟の子供の子供くらいの親戚で・・・よくわからないが・・・血縁だった・・・その人がくれたんだよ・・・腎臓ひとつ・・・俺はさ・・・バカみたいな奴がいるもんだとびっくりしたよ・・・でもな・・・そのバカのおかげで今も生きてるんだ・・・俺にとってあの人は神様と同じなんだよ・・・だからさ・・・俺の気持ちを・・・お前らに少しでもわかってもらいてえんだよ」
「説教じゃないですか」
「まあな・・・」
「それって・・・咲人の親父さんですか」と隆一。
「・・・」と無言で同意する竹部だった。
大手製薬会社「興帝メディカル産業」の河口玲二社長(中原丈雄)は杉野に電話をする。
「あの話はどうなっている・・・」
「今・・・タイミングをはかっています・・・こちらでも少し残務処理があるので」
「わかっているだろうが・・・時間がないのだ」
「わかっておりますとも」
着替えのために一時帰宅する遥香を待ち伏せする隆一。
「お話することは何もないわ・・・」
「何かあったんでしょう・・・」
「・・・」
「この間咲人ちゃんと話した時・・・何か様子が変でした」
遥香は秘密を守ることが苦手なタイプである。
非情とはもっとも縁遠いタイプなのである。
「退行するの」
「タイコー」
「前の咲人さんに・・・戻ってしまうのよ」
「え・・・」
「それが・・・どんなことか・・・対等な友達になった・・・あなたには・・・わかるでしょう」
「そりゃ・・・あんまりだ」
「そうよ・・・ひどいのよ・・・だから・・・なんとかしなくちゃならないの」
「・・・」
「社長令嬢の話も知っているわ・・・でも・・・そのことは秘密にして・・・彼が知ったら・・・」
「自分のことよりも・・・彼女のことを助けるって言い出すかもしれないから・・・」
「そうよ・・・時間がないの・・・優先順位の問題なのよ・・・」
「あなたは・・・」
「そうよ・・・咲人を助けたいの・・・他の誰でもない彼を・・・」
「・・・」
隆一は咲人のために何かをしてやりたかった。
しかし・・・できることはないのである。
隆一は自分の無力を噛みしめる。
咲人は小久保が帰ってきたことを知った。
「やあ・・・」
「よく考えてみれば・・・アルジャーノンは君の友達でもあった。君のために解剖されることを彼は望むだろうと思ってさ」
「ありがとう・・・でも・・・その必要はない」
「・・・」
「行こう・・・どこか・・・美しい場所へ・・・友達を弔うのに相応しい場所を探そう・・・」
「・・・」
二人は赤い車に乗った。
「この原生林なんか・・・どうかな」
「いいね・・・この容器の中なら・・・獣の餌にはならないし・・・」
「素敵だね・・・僕はお葬式は初めてなんだ」
「だけど・・・本当にいいのかい」
「もう・・・すべての計算は終わっている」
「そうか・・・さすがだな・・・でも・・・不安や恐怖はないのかい」
「不安や恐怖は未知から発するものだ・・・もちろん・・・私だって全知全能ではないけれど・・・そういうものへの対処の仕方は理性が制御できる範囲についてはわかっている。それにALG試薬の効能には不安物質の制御が入っているんだ」
「変性した体内物質による鎮静か」
「それと・・・不安物質のレセプターを埋めてしまう効果もある」
「それって・・・少し、ヤバイんじゃないの」
「まあ・・・ALGは明らかに危険ドラッグの類だね」
「・・・」
「君がアルジャーノンに文字を教えたのかい」
「アルジャーノンが文字を知っていたかどうかはわからない・・・ごく初期に・・・芸として仕込んだんだ・・・文字の上に餌を置いてね」
「・・・」
「アルジャーノンを百万回さ・・・」
「百万回の孤独だね」
「そうさ・・・君と同じだ」
「友達はアルジャーノンだけか・・・」
「まあ・・・君には遥香くんもいるけどさ」
「もうすぐ・・・妹が私を訪ねてくると思うんだ・・・」
「紹介してくれるかい」
「まあ・・・君には少し高嶺の花かもね」
「ひでぶ」
夜明けの森林でアルジャーノンの葬儀はひめやかにおこなわれた。
「それは何・・・」
「遺伝子改良された花の種・・・何が咲くかはお楽しみ・・・」
「それは・・・完全にヤバイだろう」
「大丈夫・・・たとえ・・・それで人類が滅びたとしても・・・生命が滅びるわけじゃない」
「おいおい・・・」
「今・・・僕は強化型を試用中なんだ・・・」
「知能指数が10000くらいある気がする・・・今、僕は宇宙と一体化している気がするよ」
「そこに・・・アルジャーノンはいるのかい」
「もちろん・・・」
「じゃ・・・伝えてくれ」
「いいよ」
「さよなら・・・アルジャーノン」
「うん」
康介は・・・咲人に面会するために研究所に不法侵入した。
たちまち・・・警備員に確保されるのだった。
そこへ・・・咲人たちが帰還する。
「何があったのですか・・・」
杉野が答えた。
「恋人を助けたい一心・・・ということだろう・・・」
「恋人?」
咲人は事情を知った。
咲人は蜂須賀に経過報告をする。
「なんだって・・・もう・・・強化型を試用したのか・・・何故・・・動物実験を・・・待たない」
「先生の計算よりも早くタイムリミットが来ることがわかったのです」
「・・・」
「それに・・・強化型では・・・マウスもラットもアルジャーノンと同じ・・・運命をたどることになるでしょう・・・」
「実験動物に同情していては・・・ストレスがたまるぞ」
「ただ・・・無駄を省いただけです」
「なぜ・・・あきらめるのだ・・・可能性はあるはずだ」
「いいえ・・・もう・・・計算は終了しています。強化型、改良型・・・共に私の知性を維持するのは不可能です・・・つまり・・・退行阻止の可能性はゼロです」
「・・・」
「しかし・・・進行性要素性障害による遷延性意識喪失状態の治療については・・・アイディアを持っています」
「それが・・・君の科学者魂か・・・」
「博士譲りですよ・・・」
「咲人・・・君の成功を祈る・・・しかし・・・私もあきらめない」
「ありがとう・・・博士」
咲人は涙を堪える遥香に声をかけた。
「素直に教えてくれればよかったのに・・・」
「嘘をついてごめんなさい・・・でも・・・」
「わかってるさ・・・僕が君なら・・・同じことをしていた」
「ねえ・・・もう一度・・・自分を最優先にはできないの」
「だめだ・・・僕は父親に洗脳されている・・・いざとなったら自分を犠牲にすることしかできない」
「私のために・・・」
「無理だよ・・・君は僕のために献身してくれるに決まってる」
「愛しているのに・・・」
「愛は・・・基本的に・・・悲しいものなのさ」
「・・・」
咲人は梨央の病室に向かった。
釈放された康介は・・・咲人を抱きしめる。
「誰のための抱擁サービスなのか」
隆一は微笑むのだった。
すべては杉野の計画通りとなった。
「薬学的アプローチで症状の改善を目指します。記憶の減退および意識の消失を新薬の投与で抑止することになります。最終的には脳外科およびナノマシーン技術の融合による施術を行う可能性を含めてプロジェクトをスタートします」
咲人はチームのリーダーとして梨央に対峙する。
梨央は長い眠りから目覚めるのだった・・・。
「咲人さん・・・」
咲人は一瞬・・・二人の出会いを思い出す。
この人を助けるのが・・・自分の運命だったのか。
咲人は父親によって植え付けられた自己犠牲精神コンプレックスの発動を感じる。
遥香は・・・窓花を訪ねていた。
「そう・・・あなたが・・・咲人の家族になってくれるの・・・私にお気遣いは無用よ」
「ちがいます・・・私はお願いに来たのです」
「・・・」
「彼は今・・・お父様の記憶に支配されて自己犠牲の虜になっています」
「ああ・・・彼は・・・家族を犠牲にしても社会奉仕をするタイプだから・・・」
「私は・・・そういう偽善的な態度が嫌いです・・・本末転倒ですもの」
「・・・で」
「彼に・・・自分のことだけを考えるように・・・命令してほしいのです・・・彼はママの言うことなら絶対に従うはずですから・・・」
「・・・」
窓花と遥香は見つめ合うのだった。
咲人は微笑む。
幻想の久人も微笑む。
どのような天才も・・・両親の支配からは逃れられないらしい・・・。
勝利の栄冠はどちらに輝くのだろうか・・・。
ねえ・・・パパとママ・・・どっちが好き?
関連するキッドのブログ→第8話のレビュー
エリ「ああ・・・もう・・・咲Pは逝ってしまう運命なのですか・・・アルジャーノンの死因は・・・自殺・・・それとも薬物死・・・やはり司法解剖するべきだったのではないでしょうか・・・こうなったら遥香のヒロインパワーだけが頼りなのでスー。いざとなったら・・・ネクロマンサーハルカとなって・・・蘇生の術を使ってもいいのでス~。愛のために・・・・何がなんでも咲Pを助けてね~・・・普通の女の底力・・・見せてよ最終回~・・・グスン・・・命がふたつある人はひとつわけてください・・・お願い・・・光の国の人・・・」
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コメント
キッドさん
こんにちは
毎日 楽しみに読ませてもらっているブログにコメントをするのは 容易いようでいて とても勇気がいります
今日もブログが読めて コメントできること とても嬉しいです(*゚ー゚*)
キッドさんが想像するよりもずっとですよん♪
難病ものや自己犠牲の悲劇的なドラマとかは
実はあまり得意ではなくて このドラマの最終回
原作と変えてきそうだし
どうなるのか
どうか納得のいくものであってほしいと
ちょっと祈りにも似た気分で1週間すごしていました
9話は
冒頭のけんかが迫力がありすぎて 理由もわからないし(キッドさんのレビューのセリフを2人に言ってもらいたかった)
マンモス西より強そうな勝矢さんが演技がうますぎたので怖かったし 社長さんのお話もちょっと長すぎる気もしてしまいました
見返してみると 冒頭の咲人との静との対比にもなっていたのでしょうか?
咲ちゃんとじゃんけんをして
君の勝ちだ
だから 彼は笑っている。。
の表情とセリフに泣かされました。
もう最終回に使ってもいいと思ったくらいに気に入っています。
違和感をもっていた
自己犠牲も
森でのシーンを見ると
より一歩深い
人としての一生の営み
みたいな哲学的なテーマにも思えてきて
今は 野島版 アルジャーノンに花束を
の最終回 しっかりと見届け
受け止めたいと思っています。
投稿: chiru | 2015年6月 6日 (土) 17時09分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
前日の記事の前フリでコメント欄に触れたのは
メールアドレスの公開について
問い合わせの通信があったことに対する
キッドの公式回答になっております。
レビュー内容とは直接関係ないのですが
著作権についての見解の違いがあったので
やや戦闘モードになっており
違和感を感じた方もあったかもしれません。
どうか・・・お見逃しくださるよう・・・
お願い申し上げます。
その方以外の読者の皆様にはなんの他意も
ございませんので・・・。
chiru様のコメントには毎回励まされ
モチベーションをアゲアゲにしていただき
感謝しておりまする。
素晴らしいインターネットの世界での
コミュニケーションはいつもそうあってほしいと思うばかりでございます。
基本的に原作は
昔で言えば「サイエンス・フィクション」のカテゴリーで
現在では幻想小説的なニュアンスを感じさせるものです。
知的障害を病気とは考えない社会的傾向もありますし
原作では自己犠牲よりも
他者を犠牲にすることの可否が主題になっている側面がございます。
「知恵遅れの人間の知性を磨く魔法の技術」
しかし・・・それを「人体で実験することは正しいのか」
そういうストーリーで・・・。
結局・・・「知性とは何か」・・・を問う問題作でございます。
それをお茶の間相手のドラマ版にするのですから
なかなかにスリリングな作業であると考えます。
すでに・・・強化型の開発で
大きく主人公の生き方は
前向きになっていますよねえ。
単純に見れば
「他人に優しくする意味」を謳っているようですが
詳細に見ると
どこか皮肉のニュアンスも感じることができます。
キッドのレビューはそれを
強調したつもりでございます。
同じものを見ても
違うことを感じる・・・。
それが人間の醍醐味でございますからねえ。
主人公の魅力が抜群なのは
もちろんですが・・・それぞれが
様々な思いを感じる・・・
それだけでもこの作品は素晴らしい出来だと感じるのですね。
原因も曖昧な人間たちの愚かなる争い。
人は過去の自分とさえ争う・・・。
しかし・・・不毛に見える出来事から
何かを感じて・・・
人は生きて行く・・・ということでございましょう。
じゃんけんは・・・
フジテレビのめざましじゃんけんの
アレンジだと思いました。
何が映るか知っている咲人は・・・
わざと・・・負けてあげたんですよね。
過去の・・・知的障害者である自分に
勝利の喜びを与えるために・・・。
これも悲しい愛のひとつと言えましょう。
自分が生きていると知って・・・
何かを成し遂げたいと思う。
それが自分自身のためでなく・・・
誰かの役に立つことだったら・・・
理想なんですねえ。
少なくとも咲人は・・・そのように躾けられている。
それが・・・良いか悪いかは別問題なのでございます。
想像もつかない知性の高みで
咲人は「運命」が回避不可能なものだと
感じた・・・。
フアンタジーなのでここはうっとりするしかないのでございます。
輝きを求めてきた咲人が輝きそのものになる。
エクセレント!と叫ぶ他はないのです。
投稿: キッド | 2015年6月 6日 (土) 23時30分
「運命」は回避不可能なもの。
野島アルジャーノンが、原作からリスペクトしたであろう主題の一つが、それだったのでしょうか?
咲人の神々しさは、紛れもなく山Pの人類の奇跡の本領発揮。美し過ぎて目がつぶれるかと思いましたよ(笑)
自分の中で、アルジャーノンはプロポーズ大作戦を超えるかと思いましたが、今の所惜しい。
最終回に神展開が待っているのでしょうか?
プロポーズ大作戦はファンタジーだけど、心の奥の奥に染み入り涙がハラハラ流れる、それでいて心が暖かくなるセリフがいっぱい詰まってましたよね。
アルジャーノンも、前半はそんな展開が続き山Pに癒され、男3人の友情に心が暖かくなったりしました。
中盤以降は、話に着いて行くのが必死で、できたら咲人の葛藤をもっと見たかったのが本音なんです。
ただただ、山Pの美しさは息を飲むほどで、このドラマをやってくれて良かったなぁと思ってます。
原作はIQは高くなっても、母親との問題が解決できる訳ではないけど、自分自身の生命の奥底で納得できる答えを見つけたんだろうなと思いました。
そう言う意味では、今作は主題からそんなに外れてないなと思います。
100人いれば100通りの人生があり、母親への恋慕を色濃く描いてないけど、遥香はもう一人の母親ですからね。
「アルジャーノンのママ」
遥香の独りよがりとも思える行動は、恋人というより、まさに母親の愛そのもの。
なんとなく科学者としては失格だけど、母親としてならよくわかる。
遥香は科学者じゃない方が良かったかな。
最終回にどんなカタルシスが待っているのか?山Pの渾身の演技が楽しみでなりません。
投稿: なっち | 2015年6月 7日 (日) 01時44分
帝国臣民はトンチキがお好き~なっち様、いらっしゃいませ~可愛いよ山P可愛いよ
咲人の語る「運命」とは
近代科学の一つの仮説で・・・
すべての原子の振る舞いが特定できれば
未来は予測できるという考え方です。
現代では不確定性原理というこれを否定する論理も提唱されています。
「運命」的な世界では
たとえば人間が何かを選択したとしても
それは・・・そうなるように原子が動いたに過ぎず
つまり・・・選択した結果以外には
選択できないという考え方が支配しています。
すると・・・全世界の原子を把握する超人にとって
未来は現在と同じように
すでに決まっているということになります。
超人となった咲人はすべての可能性を見渡すことが
できるので・・・
できないこととできることの見極めが可能になったと
信じるわけです。
教授にとっての選択の余地は・・・
咲人にとっては選択外になってしまった。
何故なら・・・失敗することが
咲人にはすでに確定的だから・・・。
これが・・・咲人の「運命論」なのですね。
最終回では神となった咲人の判断に
人間である蜂須賀や遥香が挑むと言った展開が
あるような気がします。
人間が勝てば・・・神の下した決断は
間違いだったことになり・・・
咲人は神ではなくなって・・・
ひょっとしたら大逆転があるのかもしれない・・・
そういう希望を抱かせるのが
遥香のママへの依頼であり・・・
予告編の蜂須賀のALG注入か・・・という場面なのですね。
オリジナル脚本の「プロポーズ大作戦」と
比較するのはアレですが・・・
キッドにとってはどちらも素晴らしい作品になっているというここまでです。
俳優としての山Pということで言えば
こちらの方が格別の味わいがございますね。
天才は死ぬまで成長するという意味で・・・。
もちろん・・・魅力という意味で
「若さ」という絶対的な価値もございますが・・・。
原作では母親も単に一生懸命に生きた人間だし
咲人も過酷な運命に翻弄されながらも
一生懸命に生きている。
その一生懸命な生きざまが
時代を越える要素だと考えます。
もう一つべつの世界の遥香は
女性としてもっとドライな面も見せています。
ちょうどいい知性の主人公だけを
配偶者として認めるわけです。
天才も知的障害者も対象外なんですね。
ある意味、熟年離婚をする妻。
夫の老後の世話は無理という考え方です。
その点・・・少し理想論的ですが
おじいさんになっても一緒にいたいという遥香は
原作よりもウエットと言えるかもしれません。
まあ・・・男性は配偶者に母親的なものを
求める傾向もあるので
その反映とも言えるでしょう。
遥香は独善的というよりは
咲人を独占したいだけなのでございますね。
それは女として・・・自然で普通のことだと思いますよ。
まあ・・・愛しい人を独占されたらいやだ・・・という
一部お茶の間の皆さんの気持ちもわかります・・・。
投稿: キッド | 2015年6月 7日 (日) 05時08分
キッドさん、こんにちは(^-^)
「あいきょでしょ」はパパから咲人への
メッセージであり、願いだったんですね。
咲人のじゃんけんは、あいこのループで勝敗
がつかない…咲人の前では誰もが、勝ったよう
な気にも…負けたような気にもなる…
父からの教え…難しいことは理解できない咲人
に、いつも笑っていなさいと…咲人の笑顔は
世界で一番だと…生きて行く知恵を授けた。
父、久人の行動は…全て息子、咲人に注がれて
いく…咲人の幸せだけを願って…自己犠牲ですら…神頼みのようで…家族の調和が乱れていく
のが、容易に想像できる。
父は、兄を守り…母は妹を守った…どちらも
狂気の愛情…母の冷めた表情は、狂気の果ての
ような気がする。
アルジャーノンと共に咲く花は…どんな花だろ
う…咲人の運命は…美しいストーリーのラスト
をあれこれ想像しながら…来週を待ちたいと
思います。
投稿: しずく | 2015年6月 7日 (日) 11時09分
キッドさん、こんばんは
毎回泣いているんですが、
ラスト前の今回は、もう泣きっぱなしでしたわ
咲人の、過去にも囚われない、妬みも持たない
超人然とした様子には圧倒されますね。
退行していく絶望や不安を、咲人があまり見せないので、
遥香がその部分を背負い込む形になっているのが、
気の毒です。
遥香は「おりこうになりたい」と涙ながらに訴える姿や、おりこうになってホームランを打った姿を見ているから、やっぱり耐えられないですよね。
そもそも、自分が推薦した責任もあるでしょうし。
今と同じように愛せるか、不安もあるでしょうし。
(梨央の病気を隠していた件で、遥香の個人的な性格に
すり替えて敢えて突き放す咲人の優しさには、
貰い泣きしました)
研究バカな蜂須賀先生も可哀想ですが、
咲人の超知能に頼りきっている杉野さんが、
ALG-βの限界を分かっていない感じなのが残念です。
残り一回となりましたが、
早くも、もうアルロスにかかっています。
キッドさんもお疲れだとは思いますが、
どうかよろしくお願いいたします
投稿: mi-nuts | 2015年6月 7日 (日) 20時43分
(o^-^o)ブザビもピー~しずく様いらっしゃいませ~コドブもピー](o^-^o)
砂場で遊ぶ幼い咲人。
知的障害者である咲人は
おそらく創造的な砂遊びはできない。
ただ砂と戯れるだけ・・・。
難しい遊びの中には
じゃんけんも入っているのでしょう。
彼はジェスチャーとしての
じゃんけんを真似することはできるが
じゃんけんのルールを理解することができない。
一般人には
じゃんけんのルールがわからない
・・・ということがわかりにくいのかもしれませんねえ。
彼は一度もじゃんけんで勝負することは
できなかったのです・・・
ALGと出会うまでは・・・。
あいこ・・・引き分けという意味もわからない。
なにしろ・・・勝負というゲームの意味が
わからない・・・。
しかし・・・笑いなさいと言われて
笑うことはできた。
すると父は笑う。
なんだか楽しくなる咲人。
笑え・・・笑う。
父が笑う・・・楽しい。
そういう百万回のリピートが
「笑う咲人」を作り上げた。
それを残酷と考えることもできます。
しかし・・・猿回しの猿は
そうやって生きて行くわけです。
時には・・・知的障害者は父親の葬儀にも列席できない。
厳粛なムードを壊す虞があるためです。
問題は・・・今の咲人には
すべてが理解できるということですね。
過去の咲人の愚かさ。
咲人の父の愚かさ。
咲人の母の愚かさ。
しかし・・・そういう愚かさを否定することは
咲人にはできないのです。
今や・・・愚かな人々を保護する立場に
なってしまったわけですから・・・。
残された時間を・・・咲人自身のために使ってほしいという遥香の願いも虚しく・・・。
咲人は「愛する女性とのひととき」よりも「人類に貢献すること」を選択する。
もちろん・・・遥香はそれを認めない。
誠に悲しい愛でございますな。
知的障害者を子に持つ苦しみは
多くの親にとって個人では対処が難しい。
その苦悩を分かち合う世の中が求められる。
なぜなら・・・それは
いつ誰に起こるかわからない問題だからでございます。
はたして・・・咲人の自己犠牲は
母親の愛を得られぬ自暴自棄なのかどうか。
遥香のラストチャンスに奇跡は起きるのか・・・。
それぞれがじゃんけんのスタート位置についた今回。
はたして・・・最終回のポンは・・・
誰の勝利に終わるのでございましょうか。
とにかく・・・今の咲人には
じゃんけんのルールがわかっている。
それが・・・救いなのでございますよねえ。
投稿: キッド | 2015年6月 8日 (月) 00時57分
✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭
ひとつひとつの要素がすべて・・・涙腺を刺激しますよねえ。
遥香の部屋のキラキラしたアクセサリー。
咲人が欲しかった輝き。
咲人が投げ捨てようとした輝き。
そして男と女としてつかのまの愛を得た輝き。
それが・・・あのアイテムに結集している。
それがあってからの・・・森の葬儀。
妖しい光を浴びて超天才となった咲人は
自分自身が「輝き」になってしまう。
なにしろ・・・「咲人の輝き」争奪戦が
展開しているわけです。
そういう輝きさえ・・・利用しようとする杉野の邪悪な知性もなかなかの味わいでございます。
遥香の行動を理解できない人は
基本的に美しい人の勝手気ままが
許させないタイプだったりして・・・。
わかりますよねえ・・・。
この物語の中で
どれほど・・・遥香が咲人との思い出を
積み重ねてきたか・・・。
ある意味、遥香は咲人に出会って
「真実の愛」を手にしたわけですし・・・。
それを失うかもしれないと考えた時の狼狽・・・。
悪魔としては千載一遇のチャンスでございます。
必ず、魂を売ってくれそうですし・・・。
咲人には分かっているわけですよね・・・
愛を深めれば深めるほど
遥香が失うものが大きくなることを・・・。
思い出作りが何の役にも立たないことは
壊れた母親が良い見本ですしねえ・・・。
杉野は・・・おそらく
研究者としては凡庸ですが・・・
小賢しい策略家としては
なかなかの繊細さを持っています。
本当に自分の娘を愛しているのかどうかも怪しいと
キッドは考えます。
冷めた野心家として・・・ポジションをキープしてますよねえ。
いよいよ・・・フィナーレ。
何がどうなれば・・・ハッピーなのか・・・
まったく読めない最終回。
心から・・・楽しみたいと考えます。
ああ・・・(木)(金)の季節・・・
永遠に続くのかと思ったら・・・終わるのですなあ・・・
投稿: キッド | 2015年6月 8日 (月) 01時14分