家康、秀吉、そして信玄・・・だけどタイムトラベルものではありません(相葉雅紀)グッドラッコ(有村架純)そしてビリオジへ(沢尻エリカ)
綾瀬はるかからお兄ちゃんに選ばれなかった主人公だった。
ニット棒の男は広瀬すずに40歳だと思われた34歳の人ではなかった。
誰がVS嵐の話をしろと・・・。
楽しかったなあ・・・おっぱい三姉妹ともうすぐ17歳の16歳。
夏っぽい夏帆とスラリとのびた長い脚の長澤まさみ・・・。
そして・・・ついに綾瀬はるかからお兄ちゃんに選ばれなかった主人公のドラマ・レビュー完走である。
なんだろう・・・それなのにこの達成感のなさは・・・。
まあ・・・主人公の妹と主人公のパートナー目当てだったからな。
いいのだ・・・すべては結果なんだから。
所詮、綾瀬はるかからお兄ちゃんに選ばれなかった主人公のドラマなんだもの。
で、『ようこそ、わが家へ・最終回(全10話)』(フジテレビ20150615PM9~)原作・池井戸潤、脚本・黒岩勉、演出・中江功を見た。印象としては例年より早めの春ドラマのフィニッシュである。全10話の嵐だな。一話少ない「書店」はすでになく、一話多い「どS」がトリである。「どS」・・・あなどれないな。シークレットゲストが真犯人ということで・・・大物でなければ成立しない展開である。ニット帽の男(市川猿之助)で・・・一部お茶の間のお嬢様方はガッカリだが・・・昨年の大河ドラマの徳川家康(寺尾聰)と豊臣秀吉(竹中直人)がキャスティングされた流れで「風林火山」(2007年)の武田信玄なのか・・・。誰得なんだ・・・。
まあ・・・原作の主人公・太一(寺尾聰)の倉田ファミリーに視点を移し、長男の健太(相葉雅紀)を主人公に仕立てなおしたドラマ版。寺尾聰(68)~相葉雅紀(32)~有村架純(22)まで幅広いターゲットを狙ったホームドラマとして一定の評価はできる。
たくさんの小事件に対して・・・それぞれの真犯人が明らかになっていくというミステリとしても小学生なら楽しめたのではないか。
視聴率的にも前作「デート」の平均12.5%とそれほど変わらない数字で・・・この時代なのでまずまずと言える。
もう、視聴率10%越えたら・・・大成功でいいんじゃないかという時代なんだな。
いいのかよっ。
主婦の専業主婦の占める割合が五割を切ったというクイズ番組のデータがあったが・・・専業でない主婦というのも・・・本当はよくわからない。
なんとなく・・・兼業主婦というのは・・・農家のおかみさんレベルの物凄く大変なポジションのような気がする。
夫婦揃って高額所得者は別格としても・・・いろいろと困難な時代になっているのは明らかだよねえ。
高所得の女性と結婚したい男が増えて行くのはある意味、自然な流れとも言える。
男の魅力次第だもんな。
春ドラマは「結婚の条件」という意味でも・・・いくつかの例があったわけである。
「アイムホーム」はまだ未完だが・・・資産家の娘と結婚した男の話だし、「書店」ではサラリーマンが働く財閥のお嬢様と結ばれている。「倫太郎」では主人公が結婚どころか恋愛もしないのだ。「アルジャーノン」のヒロインも理想の男としか結婚しないムード。「どS」は問題外だが・・・主人公はパートナーをお見合いで求めたりしている。そして・・・この作品では母親はヒロインを嫁候補としてもてなすのだが・・・主人公にその気があるのかどうか・・・まったく読めないまま終了だ・・・。
大丈夫なのか・・・日本と・・・スタッフがふと思っているような気がするよ。
古き良き日本のマイホームパパ・太一は・・・出世コースから外れつつも家族を大切にする男。
そのために・・・健太は自由業という勝負の泥沼に足をつっこんでいる。
母親の珪子(南果歩)はどこか不気味な明るさを持った由緒正しい専業主婦である。
本人に悪気があるわけではないのだが・・・ある種の人間の神経を逆なでするようなところがある。
「無期懲役の判決」を受けて「よかった・・・これでまた人が殺る」と嘯く被告が実在する国では殺されてもおかしくないキャラクターなのだ。
そういう家族に囲まれて・・・「私がしっかりしなくちゃ」と頑張る健太の妹・七菜(有村架純)なのだが・・・所詮・・・井の中の蛙でカエルの子はカエルなのである。
親友に裏切られるという初歩的なミスを犯すのだった。
なにしろ・・・裏切るような人間は親友とは呼べないのだ。
だが・・・ニット帽の男と健太の出会いから始る名無しさん事件は・・・倉田ファミリーを少しだけ変革していったという話だったらしい。
そう言われるとそうなのかもしれないが・・・何がそうだったのかはよくわからないのである。
七菜は言う。
頼りないお兄ちゃんだと思ったけど・・・私を庇ってナイフで刺されてくれました。
お母さんは・・・いつも明るくて・・・家に放火されそうになっても笑っていて・・・それも一つの取り柄なんだと思いました。
お父さんは・・・給料をもらってくるし・・・浮気したりギャンブルしたりもしない。それってすごいことなんだなあ・・・と。
ああ・・・倉田家・・・よく今まで無事にこれたな・・・とつい思ってしまうのだった。
ナカノ電子部品の総務部契約社員のシルビア/西沢摂子(山口紗弥加)と太一は真瀬部長(竹中直人)に最後の決戦を挑む。
夫のピンチに珪子は青葉銀行人事部長代理・八木(高田純次)とホテルで密会。
昔の好(よしみ)で協力を求めるのだった。
太一と珪子と八木は青春を共有した仲間だったのである。
彼らは善意という同族意識で・・・結束している。
もっとも・・・珪子に頼まれないと八木は動かないのでそれなりに下心もあるわけである。
コネ入社で父親が顔の効く男らしい部下の若葉(田中美麗)からの情報もよせられ・・・真瀬部長の過去が明らかになっていく。
真瀬部長はかって青葉銀行から融資を打ち切られ社長が自殺した会社に在籍し・・・自らも多額の負債を背負った。さがみドリル社は当時、なんらかのつながりから真瀬部長の借金を肩代わりしたらしい。
真瀬部長はナカノ電子部品の営業職を得て、会社の利益に貢献しつつ、非合法な手段で私腹を肥やす不気味なビジネスマンに仕上がったのである。
イーグル社の社長、さがみドリル、真瀬がグルになり・・・計画倒産でナカノ電子部品から三千万円を巻き上げるという詐欺行為が成立したのだった。
持川社長(近藤芳正)は会社を食いものにされているのに気がつかないお人好しさんだったらしい。
最後の最後まで肝心の裏をとらないというつめのあまい太一だったが・・・自分の失策を挽回したいという高橋(橋本稜)の情熱でドリルの本当の納入先の協力が得られ・・・ついに真瀬部長の不正は立証されるのだった。
何代にも渡る総務部長の部下として・・・真瀬部長の不正と戦い続けてきた領収書刑事シルビアはついに報われるのだった。
持川社長に慰留された太一はなぜか・・・シルビアを後継者に指名すると・・・青葉銀行の閑職にと戻って行く・・・なんだ・・・この特命出向部長的な幕切れは・・・。特命出向部長シリーズでも始めるつもりか・・・。
確かにシルビアは真面目にコツコツやるタイプだが・・・いきなり管理職というのは・・・社内的にもいろいろ問題があるんじゃないか・・・。
結局・・・太一と健太をつなぐ人物となったシルビアは結局・・・円タウン出版社の怪人物・蟹江秀太朗(佐藤二朗)と結ばれる。
蟹江は天才的な編集者で・・・あえて・・・世捨て人として高円寺に潜伏しているというドリームな展開である。
「ビリギャル」ならぬ「ビリオジ」が明日香(沢尻エリカ)と健太の共同作業で出版されるのがオチである。まさに楽屋オチだ・・・。
ニット帽の男は社会に適応できなかったお坊ちゃんである赤崎信士(市川猿之助)・・・。
彼もまた元編集者である。
明日香とはパーティーで知り合い・・・しつこく交際を迫った過去があった。
しかし・・・明日香自身は顔も覚えていない相手だったのである。
ジャーナリストとして・・・それはどうかと思うが・・・まあ、人の顔を覚えられないことってキッドには良く分かることなので・・・許容範囲である。
赤崎は明日香に声をかけようとして健太に邪魔をされ・・・暗い情念の矛先を・・・健太へのストーカー行為に転換してしまったらしい。
結果的に・・・嫌がらせをすればするほど・・・健太と明日香の仲を深めるという悪循環。
赤崎は倉田家の不幸を楽しむことが最優先になっていたわけだが・・・健太と明日香がイチャイチャしていることに苦悶もしたのではないか・・・・。
第三の盗聴器を発見して・・・罠を仕掛け・・・ついに赤﨑の氏名と住所を突き止める健太。
しかし・・・直前に赤崎のことを思い出した明日香は名刺から・・・それを事前に察知していたのである。
明日香は衝動的にストレートな復讐・・・自転車のサドル切り裂きを実行してしまう。
えーと・・・それは健太への愛が芽生えたっていう解釈でいいのかな。
愛するものを殺されたものはゴルゴ13の依頼者になる的な・・・。
「あなたはもう名無しさんじゃないんだ・・・あなたを絶対に許さない」
健太はそう言うが・・・氏名も住所もわかっているご近所の人が少し常軌を逸しているととんてもないことになる事例を知らないのか・・・。
とにかく・・・赤﨑は逮捕され・・・一件落着である。
七菜は地方局の面接試験で・・・週刊誌ネタを郵送した赤崎の最後の罠を「自分語り」で乗り越える。
「ストーカーに狙われたことで家族の大切さに気がついたのです」
静岡のテレビ局の偉い人は感動して七菜を採用するのだった。
七菜は・・・地方局のアナウンサーとしてめざましテレビに登場・・・ま、これも一種の楽屋オチなんだな。
わかる人だけにわかればいいの方向性が微妙に間違っているような気がするがこれは好みの問題なのかもしれない。
最後は明日香のちょっとした間違いを健太が見抜いて愚直な正義が勝利をおさめる。
たとえ・・・社会に不健全な人が発生しても多くの人が健全なら大丈夫という話なのである。
しかし・・・呪われた倉田家には・・・人知を越えた感じの黒い影が迫る・・・。
妖怪「花壇あらし」である。
2015年度倉田家嫌がらせ事件容疑者ランキング
①位 逆光の人影(今度こそ・・・)
②位 健太(主人公的妄想)
③位 七菜(ツッコミ上手になりすぎ)
④位 銭湯主人(富士山の怨み)
⑤位 珪子(能天気大賞)
⑥位 太一(トッピングかけすぎ)
⑦位 青葉銀行人事部長代理(人妻狙い)
⑧位 蟹江タウン誌編集長(銭湯でわいせつ行為)
⑨位 岡田(軍師)
⑩位 ガス(にゃんこ星人)
名無しさん殿堂入り
コピーキャット万里江(逮捕)
盗聴マニア波戸(逮捕)
怪盗有閑マダム(逮捕)
文書窃盗犯・高橋(改心)
怪文書送信犯・平井(改心)
野瀬部長(謝罪)
ニット帽の男・赤崎(逮捕)
明日香(厳重注意)
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
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コメント
妖怪「花壇あらし」…
あ~、笑いました。
VS嵐もご覧になったのですね。このタイミングでお兄ちゃんに選ばれないなんて、フジテレビ…頼んでおいてよ、はるかちゃんに!
キッド様のレビューのおかげで、私も完走できました。ありがとうございます。投票に参加なさった多重人格ご一同様にも、おつかれさまと申し上げたいです。
お父さんは会社で、健太は家庭で、優しいままヒーローになった。そこがちゃんと伝わってきましたので、いい最終回だったと思います。
明日香が警察に、犯人の男を知らないと言う→でも、実は知っていた→けど、大して知り合いじゃなかった
…という所が、なんかムニャムニャしちゃってたのが残念でしたね。
ともかく、ニット帽の男が嵐メンバーでなくて、ほんとに良かったです。あんだけ引っ張って主役の身内だったら、まじめに見てきた視聴者が確実に椅子からずり落ちると思いますから。
メンバーのカメオ出演は、ファンには嬉しいものですけど、時と場合によります。本筋に絡まないのが鉄則と存じます。ようこそ、猿之助!まあ、ポカンとしましたけど…
夏ドラマのレビューも楽しみにしております。暑くなってきますが、ご自愛くださいませ
投稿: なつ | 2015年6月20日 (土) 00時59分
カイブツクンノトモダチハ?~なつ様、いらっしゃいませ~ヒロシクンデス
【花壇あらし】
花壇で作業中に死んだ相撲とりの霊と言われる。
花壇で地団駄を踏み、草花をまき散らす。
ちゃんこなべを供えるとおさまることが多い。
(妄想妖怪大事典より)
VS嵐はあえて・・・お兄ちゃんに選ばないギャグだったと妄想しています。
結構、仕込みネタ多い気がしますので。
おつきあいくださりありがとうございました。
まあ・・・上手にアレンジされていましたよね。
シルビアつなぎで父ネタと息子ネタをなんとかジョイントしましたし・・・。
キッドは悪魔ですのでこんな一家は滅びると思いますが・・・。
一般的にはこんなダメダメ一家でも
なんとか生きていけるという癒しになるのかもしれません・・・。
そういうある意味でお人好し無敵神話として
記憶に残るドラマと言えるでしょう。
ふふふ・・・キッドは絶対、怪物くんだと思ってましたぞ~。
猿之助はある意味・・・妥当なラスボスでしたねえ。
明日香のストーカーだったニット帽の男。
しかし・・・明日香は男の顔を覚えていなかった・・・。
怪物くんだと・・・その屈辱感が
百倍笑えたような気がします。
「40歳じゃないよ」みたいな・・・。
今週もバンビと一緒に「ノー」と言われていて楽しかった。
結局、「VS嵐」はお気に入りの番組でございます。
夏ドラマまで谷間がどのくらいあるか・・・
いつも・・・割とすぐ・・・なんですよねえ・・・。
投稿: キッド | 2015年6月20日 (土) 04時05分