君の顔が仮面に見える(木村拓哉)あなたの顔も仮面に見える(上戸彩)
「我思うゆえに我在り」と哲学者デカルトが述べて数百年が過ぎた今。
デカルトが存在して思惟したことを信じる人は多いのだ。
今、キッドの拙文を読んでいるあなたが存在して思惟していることをキッドも信じたい。
しかし・・・21世紀になっても・・・人間の心がとこにあるのかは・・・よくわかっていないわけである。
多くの人間は優れた感覚器を持っている。
鏡に映るものが現実を反映するものだと知る人は多い。
しかし・・・たとえば日本語を知らない人がこの文章に接しても・・・なんだかなあ・・・と思うわけである。
視覚障害者には文面を見ることはできない。
このように・・・それぞれの人間は同じ世界に生きていても違う何かを見ている可能性がある。
今回、主人公が「仮面に見えている」と告白したことを・・・「二回目じゃないのか」と感じる人も多いかもしれない。
しかし、前回の告白は「表情がわからない」なのである。
告白された方は・・・「表情がわからないって何よ」と少し戸惑っていたようだ。
お茶の間は「妻の顔が仮面であること」という主人公の認識を視覚的に見せられて・・・主人公と情報を共有している。
一方で・・・主人公には見ることのできない「妻の顔」も見せられているのである。
主人公には「仮面」に見えるが他の人には「仮面」には見えない。
この設定を理解するためにはなかなかに知性を要求されている。
二度目の告白はさらに・・・主人公が自分の状態を他人にわかってもらうことの難しさが表現されるのである。
「あなたは仮面をつけている」と言われて・・・自分が「白い笑い仮面のようなアレ」を装着していると理解できる人はこのドラマを見ているお茶の間の人にほとんど限られる。
主人公の妻は「仮面」を何かのたとえと考えるというのが普通の認識なのである。
主人公は・・・「仮面をつけている」→「表情が見えない」→「相手の気持ちがわからない」と訴える。
しかし、相手は「気持ちがわからない」→「表情が見えない」→「仮面ってなんだよ」と感じるわけである。
今回・・・妻も「夫が仮面に見える」と言い出すのだが・・・その「仮面」が主人公が鏡に映した自分の顔に装着されているものと同じとは限らないのである。
妻は「あなただって・・・表情が乏しくて何を考えているのかわからない」と言いたかっただけかもしれないのである。
もちろん・・・そういう認識はある程度・・・原作の世界観に影響されているという発想もある。
ドラマ版では・・・実は「仮面に見える感染症」のウイルスが存在していて・・・これからみんなが感染し、「仮面に見える人だらけの世界」になっていく可能性もあるわけだ。
まあ・・・それはそれで面白いのだが・・・そうはならないと考える。
で、『アイムホーム・第9回』(テレビ朝日20150611PM9~)原作・石坂啓、脚本・林宏司、演出・七髙剛を見た。このドラマはもちろん「愛の物語」だが・・・人間の心とは何かという問題についていろいろと投げかけてくる。その深みを楽しんでも良いし・・・スルーしても良いという二重構造になっているわけである。「記憶を失うってどういうことなのか」「人間に性格はあるのか」「人を愛することとは何なのか」・・・そういう深みをあれやこれや考える過ぎると時間がいくらあっても足りないことになるわけなので。しかし・・・主人公・家路久(木村拓哉)の事故前と事故後の変化については少し言及したい。
ここで・・・愛というものの本質を・・・「保存」と考える。
本当かどうかは証明されていないが・・・保存には二種類あると言われている。
「自己保存」と「種の保存」である。
「自己保存」についてはそれぞれがある程度・・・共通理解できるだろう。
しかし、「死ぬかもしれないこと」をしたがる人もいるのが人間の面白さである。
一方で「種の保存」はなんとなく・・・高尚な感じかもしれない。「絶滅危惧種を救え」とか「人類全体のことを心配しよう」とか言われても・・・困惑する人も多いだろう。
しかし・・・「エロいことをやりたいか」と言われれば・・・その根底に「種の保存」があることをなんとなく意識することはできるだろう。
「愛」が「保存」である。
「自己への愛」と「種への愛」がある。
ここまで・・・よろしいでしょうか。
基本的に・・・事故前の久は・・・「自己への愛」が強く・・・「種への愛」が弱かった人と考えることができる。
事故後の久はかなり・・・「種への愛」が強まっているわけである。
これを別の言葉で言えば・・・「自己愛」と「博愛」となる。
ここに「家族」が挿入されるのである。
「自分」と「家族」と「全人類」・・・。
「家族」は自分と全人類あるいは全生命の中間点なのである。
主人公は事故前には・・・自分中心すぎて・・・家族と上手に接することができなかった。
事故後には・・・家族を越えて博愛主義になっているわけである。
中間点にある・・・家族と・・・どうやって折り合いをつけるか・・・そういう話なんだなあ。
事故の直前から数年間の記憶を失った久にとっておぼろげながら記憶のある野沢家の人々は懐かしく親しみのわく人々である。
現在の妻である恵(上戸彩)や息子の良雄(髙橋來)には馴染みがないどころか・・・人間とも思えない仮面の存在なのである。
しかし・・・周囲の人々は・・・繰り返し・・・久に「現在の家族を愛しなさい」と諭す。
そして・・・久もなんとか家族を大切にしようと考える。
しかし・・・心はあっという間に・・・昔の家族のところへ向かってしまう。
実は・・・昔の家族は自分の中の記憶にある存在・・・つまり、結局、久は自分を愛してしまうのである。
他人をないがしろにして・・・自分だけを愛してしまう人・・・久の別れた妻である香(水野美紀)はそういう傾向のある久をクズと呼ぶのだった。
昔の久を知る人々は・・・久を「悪」だと言う。
恵も・・・「昔のあなたより・・・今のあなたがいい」と言う。
良雄は・・・昔の久には怯えているほどだ。
一方で・・・昔の久を評価する人も多い。香の父親・野沢和也(寺田農)もその一人であるし、香の娘のすばる((山口まゆ)もそうなのである。妻よりも・・・義理の父親や、義理の娘に評価される男・・・昔の久が・・・家族を苦手としていたことが・・・なんとなく浮かび上がるわけである。
自分でもなく他人でもない・・・家族との距離感を掴めない人は・・・意外に多いのではないかと考える。
このドラマの普遍性はそこにあると思うのだ。
「別れた妻がガンを発症して病床にある・・・とても看過できない」と久は主張するのであるが・・・一歩、間違えればその論理は「別れた恋人が他の男性と交際している・・・とても看過できない」というストーカー心理と同じなのだ。
別れた妻・香に・・・優しい一面を見せる久は・・・仮面の妻・恵以上に不気味に見えることがある。
それは・・・常に「家族を愛することができない心」を久が潜ませているからであろう。
もちろん・・・それを感じなくてもドラマを楽しむことはできる・・・二重構造なのである。
病室で突如、錯乱してしまう香・・・久は現在の家族を放置して病室に駆けつけ・・・離婚した妻を抱きしめるのだった。
ある意味・・・木村拓哉だから許される・・・展開なのである。
そして・・・鎮静剤で静まった香を残し・・・久はすばるから錯乱に至った事情を聴きだすのだった。
「お母さんは・・・オオイズミヨータローって政治家をずっと追いかけていてやっと本人のインタビューに成功したの・・・雑誌で記事にした後で単行本にする気だったみたい・・・でもドクターストップがかかって・・・記事を他のライターさんが書くことになって・・・きっと口惜しくて頭がおかしくなっちゃったんだと思う」
「相変わらず・・・仕事が一番なんだな」
「私は両親そろって仕事大好き人間の娘だもんね」
「・・・すまない」
「いいのよ・・・別に育児放棄されたわけじゃないし」
「すばる・・・難しい言葉を知ってるな」
「もう、中学生だし・・・ライターの娘よ」
「・・・」
「ごめんね・・・また呼び出しちゃって・・・」
「すばるが謝るようなことじゃないよ」
「だって・・・良雄くんに悪いもの・・・」
「え」
「ねえ・・・写真見せてよ」
「・・・」
「いいでしょう」
複雑な気持ちで家族写真を見せる久。娘に浮気を責められているような気分なのか・・・。
「かわいい・・・」
「平気なのか」
「だから・・・もう子供じゃないもん・・・だって良雄くんは・・・私にとって弟みたいなものでしょう・・・血はつながってなくても・・・」
「・・・」
「こっちがとっちゃったみたいで・・・悪いなって思って・・・だって私も嫌だったもんね・・・お父さんが仕事で帰って来ないの・・・」
「いや・・・家は・・・平気だよ・・・全然、大丈夫だよ」
虚勢を張っているのか・・・目をそむけているのか・・・表情を失う久。
すばるはそういう久を興味深く観察する。
久は落ちつきを取り戻した香を訪ねる。
「なんで・・・もっと早く言ってくれなかったんだ」
「・・・あなたに心配してもらうことじゃないのよ」
「ほっとけないだろう・・・」
「だから・・・あなたと私は・・・もう無関係なのよ」
「・・・」
久は香の説得に耳を貸す気はないようだった。
他人がどう思うかより・・・自分がどう思うか・・・それが久のポリシーなのである。
何よりも・・・久にとって現実の家族から逃避できる大義名分は必要なのである。
久が「大丈夫」と言い切った現在の家族たち・・・。
恵の表情は暗くなり・・・良雄は不安のために妙に明るくふるまっている。
「お父さん・・・家が壊れちゃったよう」
「家が・・・壊れた」
作りかけの模型の家は・・・良雄が床に落したために・・・バラバラになっていた。
「大丈夫だよ・・・また作りなおせば・・・」
「じゃあ・・・なおしてよ」
「よし・・・でもその前に・・・歯を磨いてきなさい」
良雄を洗面所に追い払うと久は恵に言う。
「僕は何を訊いても平気だ・・・昔、僕が何をしたのか・・・話してくれ」
恵が話したくないという気持ちは無視して・・・自分が訊きたいという気持ちを優先する久。
相手のことを思いやらない性分は久の中に居座っている。
悪魔のように囁き続ける久の中の久である。
(そうだ・・・家族なら・・・何でも願いを聞いてくれる・・・俺を一番優先してくれる・・・)
しかし・・・恵にとって・・・それは話すことに抵抗がある・・・忌まわしい記憶なのである。
「話してくれ」
「・・・」
口を閉ざす恵に・・・久は理不尽な憤りを感じるのだった。
恵の中に去来する・・・元カレであるサッカークラブのコーチ・本城(田中圭)の言葉。
「あの日のことが・・・忘れられるわけはない」
恵にとってそれはつらいつらい記憶らしい。
おそらく・・・それは本城と恵のことではなくて・・・久と恵のことなのだろう。
それほど恵を辛い目にあわせておきながら・・・久は何一つ覚えていないのである。
「妻が話してくれないんです」と愚痴る久。
第十三営業部の四月(わたぬき)信次(鈴木浩介)は「それは倦怠期だね」と月並みなことを言う。
「倦怠期を脱するには・・・相手と結婚した時のフレッシュな気持ちを思い出すりが一番さ・・・その人を選んだ理由とかさ・・・」
月並みなアドバイスだが・・・記憶喪失者には不向きな箴言である。
(恵と結婚した理由・・・)
もちろん・・・それが思い出せれば苦労はないのである。
そこへ・・・轟課長(光石研) が現れ・・・「第一営業部の企業買収案件の応援業務」を伝える。
轟課長は喜色満面で部屋を出るが・・・それが「重要書類のコピー作業」と知り、課員一同意気消沈するのだった。
書類ケースを大量に移送中の廊下で・・・久は眠れる森から来た昔の知人(ユースケ・サンタマリア)に遭遇するのだった。
「どちら様ですか・・・」
「いやだな・・・ミスター・ブレイン、私ですよ・・・雲井不動産の竹田の部下のトマリです」
「竹田専務の・・・」
「七年ぶりですかね・・・港区の不動産の件でお世話になりました・・・あの後・・・リーマンショックで大変だったのに・・・上手く売り抜けたと噂に聞きましたよ」
「・・・」
久の中に浮上する曖昧な記憶。
(投資目的の不動産・・・借金して・・・購入して・・・土地価格の暴落・・・返済不能の債務)
追い詰められた息苦しさの幽かな記憶の痕跡。
久は・・・業務を放棄して・・・法務局で登記簿を確認するのだった。
平成19年10月16日 購入
久は確かに高額の不動産を購入していた。
しかし・・・不動産価格は下落して、久は投機に失敗したのだ。
平成21年7月12日 売却
買い手は「森電産」・・・恵の父親・森龍夫(堀内正美)の経営する会社だった。
久と恵が結婚したのは・・・平成21年6月30日である。
「お父さん・・・この土地・・・相場より・・・かなり高値で買ってくださっていますよね」
「久くん・・・記憶がないから・・・仕方ないが・・・あれはビジネスだよ・・・君は私の会社のためにしっかりとしたプランを作って・・・取引を成立させたんだ」
「僕の・・・不動産投資の失敗を・・・尻拭いしてもらったんじゃ・・・」
「誤解だよ・・・確かに最終的には清算することになったが・・・あくまでビジネスの上での問題だ・・・君が気にすることはない・・・」
ここにもまた一人・・・過去の久を擁護する人が現れたのだった。
しかし・・・久の中の久は囁く。
(お前は・・・妻の親の資産が目当てで・・・結婚したんじゃないか・・・恵じゃなくて・・・恵の親の金が欲しかったんだろう・・・)
少なくとも恵の巨乳を見る限り、そうとは断言できないが・・・疑心暗鬼を内蔵した久の心は揺れるのだった。
(僕は恵を最初から愛していなかった)・・・何故か、久はそう思いたがるのである。
久の中に・・・家庭や・・・家族をめぐる狂おしい何か・・・おそらく愛憎が渦巻いているのである。
もちろん・・・それは久が父親に捨てられた子供であったことが関係しているわけである。
父親との再会でそれを乗り越えたはずの久だったが・・・潜在する心の傷跡は久をまだ拘泥しているらしい・・・。
久は最初の傷が作った傷のすべてを克服しなければ過去の自分と決別できない。
そのためには恵の協力は必要なのである。
しかし・・・それは恵にとっても苦痛を伴う作業なのである。
久は・・・まだ・・・そのことに思い至れないのだった。
コピー業務に戻った久は・・・いかにも怪しいメモを発見し・・・それが不正な粉飾決算に結びつくことを洞察する。
「これは・・・運用失敗による2000億の巨額損失を・・・実質評価額1000億の企業買収を3000億の仮装売買で成立させ・・・差額で補てんした・・・金融商品取引法に違反した行為の証拠になる可能性があります」
「おいおい・・・そんな物騒なこと言うなよ」
「まずいですよ・・・」
「よし・・・聞かなかったことにしよう」
「でも・・・上が私たちが知ったことを知ったら・・・」
「・・・他言無用だ」
しかし・・・小机部長(西田敏行)はタヌキ寝入りだった。
「はい・・・あの件が・・・部員にもれまして・・・いえ・・・家路には問題ありません・・・呆けた頭でたまたま当たりを引いた感じですから・・・なにしろ・・・表沙汰になれば・・・逮捕されるのは彼自身ですからな・・・はい・・・その他の部員についてはしかるべく・・・」
小机部長は・・・恐ろしい男だったらしい。
おそらく・・・電話の相手は・・・次回のゲストなのだろう。
あるいは・・・ゲストの敵対者か。
そんなこととは露知らず・・・家族サービスのためのハンバーグを用意した久は現在の家族と過ごす時間はないがしろにして・・・昔の家族のために奉仕活動を開始するのだった。
久にとって離婚した野沢家の人々は・・・もはや「家族」ではないので尽くせるのである。
関係各所に根回しして・・・香のライフワークを可能にするお膳立てを整えるスーパー久。
医師も説得して・・・香のために娘のすばると協力して良き夫ごっこを始める久だった。
その「異常な好意」を受けとめる香。
幻想の家族は・・・過去に達成されなかった理想の家族を追体験するのだった。
香のやりがいのある仕事を応援する娘と夫・・・。
結婚中には実現することのなかった・・・幸福な生活。
幻の野沢家の三人は・・・徹夜でそれを成し遂げる。
その際中に突然、悩みを香に打ち明ける久。
結局・・・久は誰かに甘えたい男なのである。
「妻の顔が仮面に見えるんだ」
「人間なんて誰もが素顔なんて見せていないんじゃないかしら」
あくまで一般論で応じる香。
お茶の間以外には・・・久はイラストでも描いて説明する必要がある。
まあ・・・イラストに描かれても・・・信じない人は信じないよな。
しかし・・・イラストを描くのは禁じ手らしい。
なにしろ・・・ドラマの世界では仮面グッズは販売されていないのだから・・・。
とにかく・・・昔の家族に尽くしたことで・・・久の中で何かかスッキリしたらしい。
香の新しい恋人・清原(山崎樹範)に久はバトンタッチする。
清原がモヤモヤした気分になっても・・・久には知ったことではないからである。
しかし・・・久を責めることはできない。
記憶の障害者として・・・久は必死に「今」を生きているのだ。
だが・・・良雄は父親と過ごす時間を刻々と奪われ、心に傷を重ねて行く。
入院中の前の妻を内緒で見舞う夫に傷つく妻の心情も久には思いやれない。
しかし・・・ついに・・・正直に打ち明ける久。
「香さんが・・・胃がん・・・」
「だから・・・何かをしてやりたかった・・・」
「そうですか・・・」
久はスッキリしたかもしれないが恵は明らかにモヤモヤするわけだ。
恵は「昔のことが知りたい」と要求する夫の要望に応じて・・・ついに事故の時に久が持っていたカバンを提示する。
その意味を判じかねる・・・久。
小机部長が動き・・・久はバーレーンへの海外赴任を命じられる。
久より価値の低い部員たちは研修センターで三ヶ月の猶予を与えられ全員リストラである。
本当にポンコツだったんだな・・・。
第十三営業部は消滅するのであった。
すべては・・・「AOI1113プロジェクト」という不正に絡んだ後に記憶喪失になった久に対する処置であったらしい。
久に想いを寄せるハケンの女・小鳥遊(たかなし)優愛(吉本実憂)は小机に釘を刺される。
「君の好きな家路くんね・・・彼は被害者じゃなくて・・・事件の張本人だからね」
大きく・・・遠回りをして・・・どうやら原作に続く道へと曲がって行く物語。
何故か・・・仮面に見える妻と息子・・・。
結局、企業戦士として辞令には従わざるを得ない身の上・・・。
虚しい思いを抱えて・・・久は例のカバンから離婚届を発見する。
「自分の子供だと思っているの」という恵の言葉。
行ったはずのない遊園地の記念写真。
恵が様々な包帯に感じる封印された過去。
久はメモで誰を愛していたと書きしるしたのか。
様々な謎がフィナーレになだれ込んでいく。
「一緒に行ってくれとは・・・とても言えない・・・カバンから離婚届が出て来た・・・僕は離婚するつもりだったのか・・・」
「ちがうわ・・・離婚届を送ったのは・・・私・・・」
「え」
「・・・」
「だから・・・僕には君が仮面に見えるのかな・・・」
「え・・・」
「僕は君や良雄の顔が・・・仮面に見えるんだ」
「そんな・・・」
「・・・」
「私もね・・・あなたの顔が仮面に見えるの・・・」
「ええっ」
思わず・・・鏡を覗き込む久。
そこにあるのは・・・仮面の顔だった。
「えええ」
久の帰る家は・・・どこにあるのか・・・それとも・・・。
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アンナ「たくさんの家庭をまたにかける悪のダーリン・・・そして・・・父なき娘や父なき息子を量産・・・そんなことをしていたら・・・家なきダーリンになってしまうのぴょん。真実の愛に気がついて・・・帰る道を見つけ出して・・・ダーリン久が・・・心から・・・ただいまって言えるように・・・全力でお祈りするのぴょ~ん。僕のどこがスキってしつこく言われてみたいのぴょ~ん。そしてみんなには悪人だけど・・・私だけは特別でしょって言ってみたいぴょんぴょんぴょん・・・・みんなにはクール、アンナにだけはホットなダーロイド、じいや、スタンバイしてね・・・夏はクールバージョンに切り替えるけどね~」
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