FLASHBACK~シャンバラに捧げよ、わが怨みの刃を!(高梨臨)
猛暑到来である。
この暑さの中、安全保障と戦争の区別のつかない馬鹿は全員、熱中症になればいいと思う。
もちろん・・・国民は戦争には無関心である。
戦争について無知だし、戦争について無見識だ。
ただ・・・戦争というものが好ましくないとは思っているわけである。
売国奴の皆さんは・・・そういう無知蒙昧につけこみすぎである。
戦争をしないですむ方法は二つしかない。
けして、他国に攻め込まないこと。
そして、他国から攻められないことである。
集団自衛権を認めることと・・・認めないこと・・・どちらが・・・戦争をしないですむ確率が高まるか。
そういう話なのである。
憲法で戦争を放棄している以上・・・戦争を放棄する状態を持続することが課題なのだ。
それには・・・防衛力を強めるべきか弱めるべきか・・・自明の理ではないか。
国会でクソみたいなパフォーマンスを繰り広げる議員諸君は・・・恥知らずと言えるのだ。
本当に・・・馬鹿みたいだぞ・・・。
で、『FLASHBACK・第1回』(フジテレビ201506290125~)脚本・大野敏哉、演出・ヤングポールを見た。フジテレビNEXTの作品(2014年12月19日 - 2015年2月6日)のお下がり放送である。かなりのとんでもドラマだが・・・(火)は谷間になる方向でここでレビューしておく。オカルト的なファンタジーは妄想が膨らむからだ。なにしろ・・・アドルフ・ヒトラーの頭蓋骨が登場したりするわけである。いろいろな意味で凄いぞ。
東都大学先端科学研究所の人工知能研究員・轟日見子(高梨臨)はノーベル賞クラスの研究成果を上司の西ノ森秀樹教授(佐野史郎)に奪われた上で警視庁への出向を命じられる。
「私の研究を返して下さい」
「うぬぼれるな・・・君の研究がたまたま・・・私の研究に似ていただけだ」
「ひどい・・・」
復讐の誓いを愛用の「呪いのノート」に書きこんだ日見子は泣きながら出向先へと向う。
都心には珍しい森の中の「考古学研究所」という名の怪しげな洋館。しかし・・・そこには警視総監直属の秘密組織・HIDE(秘匿事件課)の本部が置かれている。
そこに所属するのは・・・捜査一課から出向している古澤尊史刑事(豊原功補)。
考古学の権威である文殊博士(津川雅彦)・・・。
そして・・・「遺体に接触すると三種類のイメージが浮かび、72時間以内にそのイメージの現物に触れないと死亡するというかなり厄介なリーディング能力」を持つ超能力者・加々美稜真(成田凌)だった。
「かなり・・・痛い設定ですね」
「仕方ないだろう・・・そういうフィクションなんだから・・・」
もちろん・・・科学者である日見子は・・・「そんな能力・・・あるわけないじゃないですか」と反応するが・・・設定なので・・・それは現実のものとなるのだった。
幽霊井戸と呼ばれる古井戸から上半身が木端微塵となった文部科学大臣の死体が発見される。
遺体に接触した稜真は「ハーケンクロイツ」「アーネンエルベの紋章」「数字」のイメージを感知する。
イメージに導かれ、日本民俗博物館にやってくる日見子と稜真・・・。
秘密の部屋を発見した稜真は・・・ナチスドイツの鉤十字旗、アーネンエルベの紋章・・・そして番号式の金庫を発見する。
「数字」は金庫の鍵番号だった。
金庫の中身は・・・頭蓋骨だった。
応対した館長は目の前で人体発火現象を起こし・・・焼死するのだった。
遺体に触った稜真は・・・再び「死」へのカウントダウンを開始する。
「でも・・・72時間後に死んだことはないんですね・・・それなのにどうして72時間後に死ぬってわかるんですか」
「設定・・・だから」
「じゃ・・・仕方ないですね」
二人の前に名誉館長の天明寺悟(小松政夫)が現れる。
「これは・・・呪いかもしれない」
意味ありげな言葉を残し去って行く名誉館長。
やがて・・・幽霊井戸からは黄金のリングを持つ錫杖が発見される。
「これは・・・」と何でも知っている文殊博士が息を飲む。
「なんですか・・・」
「神の錫杖じゃ・・・」
「神の錫杖?」
「チベットに伝わる秘宝じゃ・・・シャンバラの門の前で鳴杖として使えば扉が開くという」
「なんで・・・そんなことを知っているんです」
「博士だからな」
シャンバラは・・・秘密の仏教王国で初代ダライ・ラマが封印したという伝説上の産物である。
やがて、頭蓋骨を遺伝子鑑定した結果・・・それがナチス・ドイツの指導者・アドルフ・ヒトラーであることが判明する。
「なんで・・・ヒトラーの頭蓋骨が・・・こんなところにあるんですか」
「ヒトラーはUボートで同盟国の大日本帝国に亡命したという説がある」
「うそ・・・」
「しかし・・・ヒトラーは何しに日本へ・・・」
「ヒトラーは腹心のハインリヒ・ ヒムラーに命じて・・・歴史学の公的研究機関・アーネンエルベでシャンバラの門を捜索していたという・・・」
「なんですって・・・」
「ヒトラーは大陸空洞説を信じていたからな・・・地球の裏側から敵国に侵入し、地下から粉砕する計画を持っていたのだ」
「そんな馬鹿な・・・」
「ヒトラーだけに・・・なんでもありなのだ」
「シャンバラの入り口が日本にあるとしたら・・・」
「そうか・・・第三地下帝国の野望か・・・」
「・・・ついていけません」
科学者として・・・事件の解決にとりくんだ日見子はニュースで「台湾のカラーシャワーで粉塵爆発発生の映像」を見る。
「そうか・・・」
幽霊井戸には古い炭鉱の跡地であり・・・周囲には粉塵が漂っていたのである。
「神の錫杖は点火装置だったんだ」
真相を確かめるために単身、日本民俗博物館に向かった日見子。
応対する名誉館長。
「あなたが・・・犯人ですね」
「そうだ・・・君は戦争というものを知らないだろう・・・」
「・・・」
「私は・・・考古学の学生だった・・・古代チベットの支配者・アルタン・ハーンがゲンドゥン・ドゥプパに大海師(ダライ・ラマ)の称号を贈ってから後・・・秘宝として伝来していた・・・破壊の象徴である阿修羅王を封印した神の錫杖が・・・シルクロードを経て日本に伝来したことを突き止めたのだ・・・しかし・・・戦争の際中に・・・そんな研究は無意味だった」
「・・・」
「敗戦は濃厚となった・・・空襲で・・・親兄弟はみな・・・死んだ・・・そんな時・・・ヒトラー総統がやってきた・・・私は通訳として彼に仕えた・・・そして・・・この男がいなければ・・・帝国は愚かな戦争に巻き込まれなかったという思いにかられたのだ」
「まさか・・・」
「そうだ・・・私がヒトラーを罠にかけ・・・暗殺したのだ」
「そんな・・・」
「その秘密は・・・私の胸だけに収めていた・・・ところが・・・最近・・・その秘密を暴こうと・・・日米の神秘家たちが動きだしたのだ・・・」
「神秘なんて・・・ないのに・・・」
「お嬢さん・・・それは違うよ・・・人知で測れないものはある・・・たとえば・・・あの男の奇妙な能力はどうだ・・・」
「あれは・・・設定だから」
「シラケドリはいつだって南の空を飛ぶんだ・・・」
「え」
謎の言葉を残し・・・名誉館長は自殺した。・・・おいっ。
日見子と稜真の奇妙な戦いはこうして始ったのである。
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