生命力がありあまる女(北川景子)横浜チャイナタウンで肉まんひとつ食べさせてもらえない女(川口春奈)
中華パイとか中華もちとかギョーザとかシューマイとかホイコーローとか食べたいよねえ。
ロマンスカーに乗ってシュウマイ弁当食べて温泉に入りたいよねえ。
横浜から箱根に目的地変わってるぞ。
食いしん坊万歳だな。
横浜までおつかいして手ぶらで帰るなんて不憫すぎるよな。
大丈夫だ・・・きっとロケ終わりで中華料理のディナーを食べている。
そう信じたい。
とりあえず・・・現地について入口でチャーシューまん買ってしまった・・・そういう緩い息抜きが欲しいだに。
ドラマの生命力は緩急だからな。
で、『探偵の探偵・第2回』(フジテレビ20150716PM10~)原作・松岡圭祐、脚本・徳永友一、演出・石井祐介を見た。2009年「豊橋ストーカー殺人事件」が発生する。かねてから変質者・岡尾芯也(岡田義徳)のストーカー被害にあっていた高校生・紗崎咲良(芳根京子)は都内から地方の親戚宅に避難していたが、居場所を特定され、岡尾容疑者によって拉致され、生きたまま焼却炉に投げ込まれ殺害される。岡尾容疑者も焼身自殺して事件は終焉する。しかし・・・咲良の姉、紗崎玲奈(北川景子)は妹の住所を特定した探偵の存在を知り、復讐を誓うのだった。
2015年、玲奈は探偵社「「スマ・リサーチ」の対探偵課員となっていた。
悪徳探偵の業務を妨害するのが主な業務である。
探偵業務は基本的にすべてが悪徳探偵の要素を含んでいるために・・・玲奈は業界中から憎悪の対象となる。
寮完備の就職先として「スマ・リサーチ」を選択したという峰森琴葉(川口春奈)は玲奈の助手として須磨康臣社長(井浦新)・・・。
しかし・・・「スマ・リサーチ」の探偵・桐嶋(DEAN FUJIOKA)は・・・履歴書から琴葉が咲良の同級生であったことを知る。
はたして・・・それは偶然なのか・・・桐島は疑問に思うのだった。
玲奈が妹から贈られた赤いマフラーのポーレット人形(クマのマスコツト)と・・・琴葉が所有する青いマフラーのポーレット人形・・・二つの人形が暗示する・・・琴葉と咲良の関係性・・・。ひょっとすると・・・咲良の居場所が特定されたことに琴葉は・・・。
日銀総裁の孫娘・吉池梨央(玉野るな)の誘拐事件が発生。
自宅前で拉致するという大胆な犯行だった。
警視庁は極秘に捜査を開始したが・・・変質者による犯行の可能性を視野に・・・民事訴訟関連の案件において独自の変質者のデータ・ベースを所持する業界最大手の「阿比留綜合探偵社」に捜査協力を依頼する。
「刑事が・・・民間業者に頼るなんて・・・」
縄張り意識の強い捜査一課の窪塚刑事(三浦貴大)が憤慨するが・・・坂東係長(相島一之)は「上からの命令だ」と教育的指導をするのだった。
事件に没頭するために・・・娘を実家の母(岡まゆみ)に預ける窪塚刑事。
しかし・・・犯行に使われた盗難車が付近で発見された以後・・・誘拐された幼女の行方は不明のままである。
玲奈に業務を妨害され、含むところがある「阿比留綜合探偵社」の阿比留佳則社長(ユースケ・サンタマリア)が「スマ・リサーチ」を訪問し・・・「お詫びの品」を玲奈に渡すように留守番をしていた琴葉に手渡す。
探偵課の土井課長(伊藤正之)から電波受信機による発信器検査を命じられた琴葉。
「電波発信検出・・・反応なしです」
「少なくとも・・・送信型の盗聴器の可能性はない・・・ということだ」
「と・・・盗聴器・・・」
仕方なく・・・玲奈に電話する琴葉。
「どこにいるんですか」
「横浜の中華街よ・・・頼みたいことがあるから来てちょうだい」
中華街で・・・ランチという魅惑の言葉が脳裏をかけめぐる琴葉だった。
「何を食べてるの」
「いえ・・・ショウロンポーが百円だったので・・・」
「・・・」
「何をしているんですか・・・」
「風景を撮影しているの」
「写真が趣味なんですか」
「定点で撮影して・・・人物を解析するのよ」
「誰かを探しているんですか」
「いいえ・・・不特定多数の誰かを・・・」
「どういうことですか」
「横浜中華街は基本的に中国共産党工作員の根拠地であるけれど・・・伝統に基づいて旧政権の組織や、チャイニーズ・マフィアの巣窟でもあるの・・・同時に国際的な犯罪組織の出張所でもある・・・」
「えええ」
「闇社会に片足つっこんでいる悪徳探偵も出入りしているわけよ・・・写真にランダムに映り込んだ人物の関係を整理することにより・・・チャイナタウンに潜伏した悪徳探偵の同行を読むのよ・・・」
「わけが・・・わかりません」
「とにかく・・・あなたはここで写真を撮るだけよ」
「私はデスクワーク専門なんじゃ・・・」
「たまには息抜きが必要でしょう・・・」
玲奈の真意を測りかねる琴葉。
「あの・・・これ・・・阿比留から・・・玲奈さんに・・・」
贈り物を取り出した琴葉・・・玲奈の顔色が変わる。
「なんで・・・もって来ちゃったの・・・」
「え」
「これは・・・おそらく・・・振動で発動する・・・GPSによる位置報告装置だわ・・・」
「でも・・・電波発信は未検出です」
「これは・・・ときどき報告して・・・ある程度の距離を移動すると連続報告するタイプだと思う」
「そんな・・・じゃ・・・私・・・」
「今、私たちは居場所を特定されている・・・あなたはすぐに・・・バスに乗って横浜駅へ・・・東京に帰り、寮に直帰しなさい」
「え・・・ランチは・・・」
「ここは危険なのよ・・・早く走って・・・バス停へ向かいなさい」
「はい・・・」
あわてて・・・走りだす琴葉。
しかし・・・たちまち披露困憊するのだった。
道行く人々がすべて凶悪犯に見えてくる琴葉。
そこへ・・・桐嶋が現れる。
「迷子か・・・」
「どうして・・・ここに」
「それは・・・秘密だ・・・とにかく・・・東京に帰ろう」
探偵たちはみな・・・怪しいのだった。
駐車していた社用車に戻る玲奈。
箱の中身は案の定、GPSによる現在位置報告装置だった。
「どんな・・・御礼をしてくるつもりかしら」
玲奈は挑戦に応じて人気のない埠頭に向かうのだった。
夕闇に包まれる横浜港。
停車していた玲奈の車に暴走トラックが爆走して接近する。
咄嗟の判断で切り抜けた玲奈の車は出現したブルドーザーによって海に突き落とされるのだった。
「殺しにきたか・・・」
たちまち、海中に没する車内で玲奈はハンマーを取り出す。
ウインドウを叩き割る玲奈。
「・・・」
海中を潜水したまま泳いだ玲奈は浮上し、闇の中を遊泳する。
充分に現場を離れた玲奈は上陸するのだった。
体内の酸素は限界に達していた。
ずぶぬれの衣装を脱ぐと玲奈は走りだした。
下にはジョギングスタイルを着こんでいたのだった。
最寄りの駅まで走りきった玲奈はタクシーを拾う。
「東京まで・・・」
タクシーの運転手は思わずニヤリとした。
琴葉の携帯電話に着信がある。
「玲奈先輩・・・」
(社長に電話して・・・車は今日の午後・・・盗まれたと・・・)
「え」
(そう言えば・・・わかるから・・・)
「・・・はい」
琴葉は何か恐ろしいことがあったことを直感した。
阿比留社長の元へ殺し屋が報告にやってくる。
「政治家が好き嫌いでものを言っちゃダメだよな」
テレビのニュースを見ながら阿比留はつぶやいた。
「しくじりました」
「失敗の報告って嫌いだなあ・・・」
「車ごと横浜港に沈めたんですが・・・」
「なんだよ・・・それなのに・・・失敗なの・・・」
「しぶといやつです」
「タフでなければか・・・」
消耗して帰還した玲奈の姿に・・・動揺する琴葉・・・。
「何があったんですか・・・」
「たいしたことはないわ・・・」
「ご家族は・・・心配しないんですか・・・」
「母は精神病院にいるし・・・父親は再婚間近なの・・・」
「・・・」
「私には・・・家族は必要ないのよ・・・」
ベッドに倒れ込む玲奈。
去来する過去の現実。
「そんな・・・男に付きまとわれていたことを・・・なぜ・・・黙っていた」
激昂する父親(矢島健一)・・・。
押し黙る在りし日の咲良。
「咲良は・・・お父さんたちに心配をかけたくなかったのよ」
「すぐに・・・警察に行こう」
「待って・・・あなた・・・そんなことをして・・・逆恨みされないかしら」
怯えた表情を見せる母親(宮田早苗)・・・。
「そんなこと言っている場合か・・・お前は口を出すな」
「でも・・・」
「大体・・・お前の育て方が悪いから・・・変な男に目をつけられるんだ」
「なんですって・・・きいいいいいいいいいいいい」
「うるさい・・・だまれ」
「きいいいいいいいいいいいいい」
「お母さん・・・」
「お母さんが・・・壊れた」
「きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
錯乱した母親の声が夢の中の姉妹の胸をしめつける。
暗闇の中に浮かぶ顔のない男の影。
「愛知県豊橋市鴨田町在住・・・紗崎咲良・・・豊橋北高三年生・・・」
玲奈は声なき声で叫ぶ。
「お前か・・・お前が・・・死神か・・・」
妹の所在を変質者に教えた探偵。
妹を生きたまま焼かれる運命に導いた死神。
玲奈は息もできないほどの憤怒に包まれる。
「お前を・・・絶対に・・・許さない」
玲奈の元へ愛知県警の嘱託医・矢吹洋子(高岡早紀)から連絡が入る。
ホテルのラウンジで密会する二人。
「あなたに・・・どうしても伝えたいことがありました・・・」
「・・・」
「妹さんの御遺体と一緒に発見された死体は・・・DNA鑑定の結果・・・岡尾芯也のものとする報告書をお読みになられましたね」
「・・・」
「あの報告書には削除された但し書きがあったのです」
「但し書き・・・」
「死体は骨まで・・・高熱による組織破壊が及んでいたのです・・・DNA鑑定したのは・・・現場に残された毛髪でした」
「つまり・・・」
「死体が岡尾芯也のものであるというのは・・・あくまで推定です」
「・・・」
「実は・・・現在発生中の誘拐事件に関するDNA鑑定を行いました。逃走に使われた盗難車の遺留物によるものです・・・採取されたDNAが・・・岡尾芯也のものと一致したのです」
「なんですって・・・じゃ・・・岡尾芯也は・・・」
「生きている可能性があります」
玲奈は・・・新たなる事実に・・・一瞬、我を失った。
面白い仕上がりなのだが・・・脚本の整合性がもう・・・一歩なんだよな・・・。
台風11号・・・四国・近畿を縦断中・・・東京も蒸し暑い・・・中華街のあんまんになった・・・気分だ・・・。
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