ど根性ガエル(満島ひかり)ひろし、三十歳独身(松山ケンイチ)永遠のマドンナにはなれない(前田敦子)
鬼太郎「父さん、妖気アンテナに反応が・・・」
親父「むむむ・・・これは不思議な現象じゃ・・・」
鬼太郎「どういうことですか」
親父「お前のちゃんちゃんこは御先祖様の霊毛でできておる」
鬼太郎「ええ」
親父「人間にも子孫を案じる先祖の思いというものがあるのじゃ」
鬼太郎「そうなんですか」
親父「その霊気の集積が・・・生きたいというカエルの執念と融合して・・・物質化現象を起こしたらしい」
鬼太郎「じゃあ・・・あれは妖怪ですか」
親父「・・・のようなものじゃ」
鬼太郎「人間に悪さはしないでしょうか・・・」
親父「まあ・・・人知を越えた存在じゃが・・・放っておいても大丈夫じゃろう・・・」
鬼太郎「じゃあ・・・帰りましょうか」
親父「今日は蒸したので茶碗風呂に入りたいのう」
鬼太郎「あ・・・百円落ちてました」
親父「ご祝儀じゃ・・・ひろっておきなさい」
鬼太郎「はい、父さん」
で、『ど根性ガエル・第1回』(日本テレビ20150711PM9~)原作・吉沢やすみ、脚本・岡田惠和、演出・菅原伸太郎を見た。2015年のVFX技術凄いな。これをテレビドラマの予算内でできる時代・・・この枠の積み重ねの成果だな・・・。泣いて笑ってケンカした努力の成果。その美しさは・・・不自然さをかんじさせないこと。つまり・・・目立たないんだよねえ。凄ければ凄いほど・・・地味って素敵なことだよねえ。今の小中学生は幸せすぎるけど・・・それが普通なんだもんねえ。
16年前・・・1999年~2000年頃・・・。シドニーオリンピック女子マラソンで高橋尚子が金メダルを獲得した頃。「SUNAMI/サザンオールスターズ」がヒットした頃。義務教育に観点別評価が導入された頃。原作コミック「ど根性ガエル」の連載開始から三十年後の世界で・・・。
東京のとある下町・・・中学二年のひろし(髙澤父母道→松山ケンイチ)は番長のゴリライモこと五利良イモ太郎(菊池宇晃→新井浩文)と対峙している。ひろしは強いものが嫌いなのである。心配そうに見守る後輩の五郎(山﨑光→勝地涼)と中学のマドンナ生徒・京子ちゃん(松本来夢→前田敦子)・・・。朝ドラ子役オールスターズかっ。
「やっちゃいなさい」と勝気な性格を示す京子ちゃんだった。
しかし、ゴリライモの剛腕で投げ飛ばされるひろしだった。
季節はカエルたちの恋の季節。
ピョン吉(満島ひかり)はピョン子(木村真那月)にアプローチ中である。
そこに墜落してくるひろし・・・。
ピョン吉はピョン子をかばって必死のジャンプ・・・。
ピョン子は無事、避難できたが・・・ピョン吉はひろしの下敷きになる。
そして・・・奇跡は起こった・・・ひろしのTシャツとカエルのピョン吉は融合し・・・妖怪のようなものとして復活したのである。
「か、怪奇現象だ」
「これ・・・妖怪ものだったのか」
「気がつかなかったでやんす」
「なんだよ・・・これ」
「お・・・しゃべった」
「お前・・・喋れるのか」
「オレ・・・喋れるのか」
日本中はTシャツのカエルが生きているという状況に・・・大興奮し・・・関心を集めた・・・しかし、謎は解明されないまま・・・やがて忘却した。
2015年・・・いろいろなことがあって・・・ひろしは三十歳の無職の遊び人になっていた。
ピョン吉Tシャツはフリーサイズなので・・・今でも着用可能だが・・・最近は着ることが稀になっていた。
ひろしとピョン吉は・・・倦怠期を迎えていたのだった。
いつまでも・・・中学生気分の抜けないひろしは・・・怠惰な日々を過ごしている。
そんなひろしを歯がゆく思うピョン吉。
しかし・・・ひろしのピンチを何度も救ってきたことが・・・ひろしの人間的成長を妨げてしまったのではないかと・・・悔悟するピョン吉。
そう思うのは・・・ピョン吉は最近・・・生命力の減退を感じるからなのだ。
ちょっと気を抜くと・・・黒ずんでTシャツから分離しそうになるピョン吉だった。
「もしも・・・おいらがいなくなったら・・・ひろしは一人で生きていけるんだろうか・・・」
過保護で心配症なピョン吉なのである。
橋の上で釣りをしていたひろしは・・・釣果がないことに苛立ち・・・ピョン吉に魚の捕獲を命じる。
「嫌なこった」
「頼むよ」
そこに群がる子供たち。
「おい・・・ピョン吉Tシャツ、今なら一時間五十円で貸すぜ」
「やめろ、ひろし」
しかし・・・子供たちの反応は鈍い。
「ちぇ・・・ピョン吉の人気も落ちたもんだ」
「・・・」
その時、風が吹いて・・・女児の帽子を飛ばす・・・。
帽子は川に落ちるのだった。
「ひろし・・・いくぞ」
「おい・・・やめろ・・・俺は泳げないって・・・何度言ったら」
ピョン吉は根性、根性、ど根性パワーでひろしとともに川に飛び込むのだった。
「やめ・・・ブクブクブク」
仕方なくひろしは・・・沈んだ帽子を拾い上げる。
水中からジャンプしたピョン吉によって土手に叩きつけられるひろし。
女児は心配そうに覗き込む。
ひろしは拾った帽子を手渡す。
「ありがとう・・・ピョン吉くん」
ひろしは・・・やるせない思いを感じるのだった。
「ゴリラパン・・・買っておきな・・・ゴリラパン・・・損はさせないから」
怪しい宣伝歌とともに街を巡回するゴリラパン販売車。
立派なゴリラパン工場の経営者となったゴリライモ・・・。
そこへ・・・結婚して街を出て行った京子ちゃんが現れる。
「どうしたんだ・・・まるで離婚して帰って来たみたいな顔をして・・・」
「その通りなの・・・」
ゴリライモはゴリラパンを京子に渡す。
「あげるよ・・・まあ・・・食ってみな」
「おいしい・・・」
「俺の助手席はいつでも京子のためにあいてるぜ」
颯爽と去って行くゴリライモ・・・。
「立派な大人になったのね・・・」
物憂げにつぶやく京子ちゃんだった・・・。
ひろしの朝は遅い・・・。
ゴリライモのパン工場でパートリーダーとして働くひろしの母ちゃん(薬師丸ひろ子)が出勤する時間まで起きないのである。
最近ではピョン吉Tシャツを着用するのはひろしより母ちゃんであることが多いらしい。
母ちゃんは器用にめざしなどをピョン吉に与えるのだった。
「さっさと仕事探しに行きなさい」
「俺には労働が向いていないみたいなんだ」
「お前は・・・高等遊民かっ」
「母ちゃんがしっかりしてるから・・・大丈夫さ」
「あのね・・・いつまでもあると思うな・・・親と金よ」
「いやいや・・・母ちゃんはまだまだいけるよ・・・もっともっと稼げるよ」
「ひろし・・・」と苛立つピョン吉。「母ちゃん・・・いいかい」
「やっておしまい」
ピョン吉ボディアタックで制裁されるひろしだった。
仕方なく・・・一人で自転車に乗り出かけるひろし。
「仕事・・・捜しました・・・仕事・・・見つかりませんでした・・・と」
まったくやる気のないひろしだった。
ユイちゃんの兄のヒロシでさえ・・・役場勤めをしているというのに・・・。
このひろしは・・・完全なダメ人間なのだった。
このままでは・・・ひろしはダメ男の代名詞になってしまう。
ひろしです・・・ひろしです・・・ひろしです・・・お前かっ。
区長選挙に立候補しているらしいゴリライモの選挙ポスターを発見するひろし。
かっての宿敵は・・・立派な大人になっているのだ。
無性に腹が立つひろしだった。
そこへやってくる後輩の五郎。
五郎は派出所勤務の警官になっているのだった。
「ポスターに悪戯したらダメでやんす」
「何・・・お前・・・ゴリライモが憎くないのか」
「憎いでやんす・・・しかし・・・職務上、許すことはできないのでやんす」
「やんすの使い手としては日本一かもな」
「おほめにあずかり恐縮でやんす」
そこへゴリライモがやってくる。
「ひろし」
「ゴリライモ・・・やるか」
「おいおい・・・子供じゃないんだから・・・今さら喧嘩なんかしないよ・・・やっても勝つのは俺様だし」
「ちっくしょおおおおおお」
しかし・・・何やら高度な格闘技術をマスターしているらしいゴリライモは・・・あっさりとひろしを投げ飛ばすのだった。
「ははは・・・そうだ・・・一ついいことを教えてやろう・・・」
「なんだよ」
「・・・やっぱりやめた・・・あははは」
悠然と去って行くひろしだった。
口惜しさのあまり・・・自転車で激走するひろし・・・。
しかし・・・ブレーキが故障して・・・坂道を転げ落ち・・・橋から川に転落してしまう・・・。
「うわあ・・・ピョン吉・・・助けてくれえ・・・ブクブクブク」
その姿を通りすがりの京子ちゃんが見ていた。
「なんだか・・・なつかしい・・・」
母ちゃんに手洗いで洗濯してもらい・・・物干し場でまどろんでいたピョン吉は・・・ひろしのSOSにたちまち反応するのだった。
「ひろし・・・待ってろ・・・今いくぞ」
街の上をジャンプで滑空するピョン吉。
水没したひろしを救助するのだった。
「大丈夫?」
「京子ちゃん・・・」
「ピョン吉くん・・・まだ生きてたんだ」
京子は・・・言葉の底に幽かにピョン吉への敵意を感じさせる。
まあ・・・憎からず思っている男性がずっと・・・しゃべるカエルのTシャツを着ているのはいろいろとアレだと妄想できるわけである。
「京子ちゃん・・・帰ってきてたの」
「見ての通りよ・・・」
「・・・」
「離婚して帰って来たの・・・」
「えええええええええええ」
ゴリライモは一目で察することができるのに・・・・ひろしには無理だったらしい。
そういうところも・・・京子には・・・ガッカリな気分を感じさせるらしい。
しかし・・・ひろしは・・・京子が離婚したことに飛びあがりたくなるほどの喜びを感じているのだった。
さっそく・・・京子ちゃんの歓迎会を催すべく・・・教師生活四十一年目になっている町田校長(でんでん)、梅さん(光石研)、梅さんのプロポーズを待ち続けて十六年、四十歳になってしまったよし子先生(白羽ゆり)などに声をかけるのだった。
しかし・・・京子は・・・。
「そんな歓迎会なんか・・・出たくない・・・」と出席拒否だった。
宝寿司に集まった一同に頭を下げるひろし。
「ごめん・・・京子ちゃん・・・来ないって・・・」
「まあ・・・離婚して帰って来たんだから・・・そうかもね・・・」
納得する一同。
「だけど・・・俺・・・京子ちゃんを元気づけたくて・・・それなのに・・・京子ちゃん・・・妙に冷たくて・・・よそよそしくて・・・なんだか変わっちゃった・・・」
「人は変わって行くのよ・・・」と母ちゃん。
「このままで・・・いいのか・・・ひろし」とピョン吉。
「いや・・・俺・・・本当は京子ちゃんが結婚するって聞いた時・・・すごく嫌だった・・・でも・・・それで京子ちゃんが幸せになるならと思って・・・耐えたんだ・・・だけど・・・今度は俺が京子ちゃんを幸せにしたい・・・俺、京子ちゃんにプロポーズする」
「・・・」
店の外で京子はすべてを聞いていた。
深夜の街を爆走する一同。
両親が他界した京子は祖母(白石加代子)と二人暮らしである。
「京子ちゃん・・・好きだ・・・好きだ・・・大好きだ・・・俺と結婚してください」
京子の部屋の窓に向けて叫ぶひろし・・・。
しかし、窓をあけたのは京子ちゃんのおばあちゃんだった。
「ロマンチックねえ・・・うっとりしたわあ・・・」
「私はここにいるわよ」
路上に姿を見せる京子。
思わず京子に抱きつくひろし。
「京子ちゃん・・・俺の気持ちは言った通りだ」
「お断りします・・・」
「ええええええ」
「私・・・明日からゴリライモさんの工場で働くの・・・あなたも結婚とかなんとか言う前に働きなさいよ」
正論だった・・・。
夜更け・・・泣き寝入りするひろし・・・。
息子の身を案じた母ちゃんはそっと息子の部屋に・・・。
その時・・・壁にかかったピョン吉の異変に気がつく・・・。
「・・・ピョン吉・・・」
ピョン吉は黒ずんで・・・Tシャツからはがれおちそうになっていた・・・。
哀愁の「ど根性ガエル」・・・始りました。
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コメント
キッドさん☆
こんばんは(*^^*)
先日はコメント欄を推敲していただき
お心遣い大変有り難かったです
お手数をおかけしましたm(_ _)m
ふふふ
ひろしです ひろしです ひろしです
最近 聞いた気が^ ^ 結構インパクトあったので
またブレイクして欲しいな〜
春ドラマの終盤あたりから 夏ドラマはとにかく軽い明るいタッチのドラマをみたいと思い ど根性カエルだけは絶対に見逃さず初回を見ようと決めていました
バカバカしくって軽いものを見たい気持ちが今年は特に強かったので
キッドさんのレビューを読んで乃木坂46のドラマもチエックしちゃいました
意外と楽しかったのでこれからも見ちゃうかもです♪
ど根性は軽いものを見たい気持ちを満たすドラマではなく
私にとっては夢中になってみれる
最高の癒しドラマでした
この世界観 大好きです✨
保存して何回も楽しみたいです
ど根性という言葉
すっかり忘れていて
なんだか懐かしくって ちょっと切ない
ステキな夏ドラマ 始まりましたね‼︎
今後もレビュー楽しみにしています
投稿: chiru | 2015年7月13日 (月) 21時49分
僭越ながらの愚行を御容赦いただきありがとうございます。
最近、露出が多い「ひろし」ですな。
しくじり先生とか・・・。
キッドは自虐ネタというのは基本的に大好物でございます。
自分を蔑むことは人間の基本でございましょう。
頭のおかしい人満載だった春ドラマだっただけに
そろそろまともな人間のドラマが見たいですよねえ。
「ど」は主人公はちょっとまともとは言えない設定ですが
Tシャツにカエルが憑依して16年なら
少しおかしくなっている方がまともでございましょう。
周囲の人間がその分、まともな人たちなので
これから・・・ピョン吉が
どのような最期を迎えるのか・・・
彼らと共に臨終に立ち会う気分で土曜の夜を
厳かに過ごしたいと考えます・・・。
死ぬな・・・ピョン吉~。
死んだら・・・泣いちゃうぞ~。
で、ございます。
今のところ・・・。
(月)未定
(火)未定
(水)リスクの神様
(木)探偵の探偵
(金)未定
(土)ど
(日)奥萌え
という夏ドラマのラインナップ。
すでに猛暑に突入していますので
なるべく涼しくレビューしたいと考えます。
chiru様もご自愛くださりますように・・・
投稿: キッド | 2015年7月14日 (火) 10時47分