生きていることに何の価値がなくても生きていてもいいですか?(松山ケンイチ)死ね(前田敦子)生きろ(満島ひかり)
ひろし・・・フーテンの寅さんに・・・なりきりすぎである。
今日は実弟が来て・・・強制的に大掃除である。
いや・・・別に少しくらい書斎が汚れていても生きていけるわけだが・・・。
そういう甘えは許されないのだ。
健全な部屋に健全な魂が宿るらしい。
オリンピック精神か・・・。
小学生の頃から・・・体育会系の実弟なのである。
ひろし・・・キッドもどこか遠くへ脱走したいよ・・・。
西に金色の落日・・・東に巨大な虹のアーチ・・・あれはメルヘンランドのゲートじゃないのか・・・。
で、『ど根性ガエル・第2回』(日本テレビ20150718PM9~)原作・吉沢やすみ、脚本・岡田惠和、演出・菅原伸太郎を見た。2015年のVFX技術凄いな・・・先週も言ってたぞ。一瞬・・・そういうTシャツを着ているだけに見える場面での・・・ピョン吉の瞬きひとつでも・・・思わずドキッとさせられる完成度である。ひろし(松山ケンイチ)、ひろしの母ちゃん(薬師丸ひろ子)に続いて京子ちゃん(前田敦子)もピョン吉(満島ひかり)Tシャツを着るわけである。何もないTシャツと会話する演技において、常に実力が試されるのである。今回は・・・ピョン吉の寿命を感じさせるシーンで・・・「おとろえ」に京子ちゃんが気がつかない・・・間が素晴らしかったな。実写とのバランスを考えた演技プランも・・・アイディアに満ちていたようだ。思わず・・・筋を追えなくなる面白さの連続なのだ。
「京子ちゃん、結婚してくれ」
「お断りします」
「俺はあきらめねえ」
・・・からのいつもと変わらぬひろしの朝である。
「あきらめないって期待させておいて・・・」とガッカリの母ちゃんとピョン吉だった。
「人間・・・そんなに簡単に変わらねえよ」とひろし・・・お前な・・・展開。
「働かざるもの食うべからずだよ」と恫喝する母ちゃん。
「そんなら・・・食べない」と小学生まで退化したひろしだった。
結果として・・・朝食抜きで「家出」をするひろしなのである。
母ちゃんとピョン吉はため息をつく。
母ちゃんはほころびかけたピョン吉をそっと撫でる。
ピョン吉は母ちゃんが何かに気が付いているのではないかとハッとする。
女優と絵にかいたカエルとは思えない情感の描写だ・・・。
家出したひろしは・・・ゴリライモのパン工場へ出勤途中の京子ちゃんと出会う。
「京子ちゃん・・・お腹すいてないかい」
「どういう・・・朝の挨拶よ・・・プロポーズは断ったでしょう」
「でも・・・友情はかわらないだろう・・・」
「友情・・・」
「そうさ・・・たとえば・・・友達がお腹をすかせていたらほっとけないような」
「最低・・・あなたなんて・・・生きているだけで地球の資源の無駄使いよ」
「ひでぶ」
「せめて・・・働きなさいよ」
「そんな・・・無職のラッパーの彼女みたいなこと言って・・・」
「私はあなたの彼女じゃないの・・・これから出勤なのよ」
「ちぇ・・・」
仕方なく・・・学校に向かうひろし・・・。
教師生活四十一年目になっている町田校長(でんでん)、梅さんのプロポーズを待ち続けて十六年、四十歳になってしまったよし子先生(白羽ゆり)は生温かく迎え入れ、給食を振る舞うのだった。
そこへ、梅さん(光石研)がやってきて・・・。
「け・・・・・剣道がしたい」
剣道場で激しく打ち合う梅さんとよし子先生だった。
街へ出たひろしは・・・ゴリライモこと五利良イモ太郎(新井浩文)と遭遇。
ゴリラパンの美味しさを褒めあげた上で・・・ゴリラパン販売車一号を強奪する。
ひろしは・・・旅に出るのだった。
パン工場の昼休み・・・ピョン吉Tシャツを着た母ちゃんは・・・京子ちゃんとランチタイムを楽しむ。
「ひろしが・・・迷惑かけてごめんね」
「いえ・・・」
「あの子も・・・一度は就職して会社員になったこともあるんだよ・・・」
「え」
「営業の仕事でね・・・成績もよかったんだ・・・でも・・・同僚に営業成績の振るわない子がいてね・・・ひろしを見習えとかなんとか言われた後で・・・会社を辞めちゃって・・・それ以来・・・ひろしも・・・」
「優しさの方向性が間違っているんですよねえ」
「そうなのよ・・・でも・・・いい子だとは思うんだ・・・他人様のものに手を出したこともないし・・・」
そこへ・・・警官の五郎(勝地涼)がやってくる。
「大変でやんす・・・ひろし先輩が車泥棒したでやんす」
「えええ」
ゴリライモはあわてずさわがず・・・社長室へ・・・。
「大丈夫ですよ・・・警察沙汰とかにはしませんから」
「社長・・・ありがとう」と母ちゃん。
「ごめんね」と京子ちゃん。
「なんで・・・京子ちゃんが謝るんだ」
「私・・・今朝、ちょっとひどいことを彼に言っちゃったから」
「・・・」
ゴリライモは思う。なんで・・・ひろしに勝てないのかと・・・。
脇役だからだよ・・・とシャアがつぶやくのだった。
気を取り直すゴリライモ。
「ははは・・・簡単には逃げられませんよ」
販売車の移動先は・・・GPSで筒抜けだった。
「私・・・追いかける」と京子ちゃん。
「俺も連れてって」とピョン吉。
こうして・・・二人の追手は旅立つのだった。
「ひろしのやつ・・・高速道路で福島方面に向かったぞ・・・」
「ああ・・・死んだ父ちゃんの故郷だから・・・」と母ちゃん。
ひろしは・・・ゴリラパンをたたき売りながら・・・東北方面に向かうのだった。
「東京の立石から参りましたゴリラパン・・・今日はもってけ泥棒三十円でお買い得」
まあ・・・完全に犯罪者です。
福島の田園で旅を満喫するひろし・・・。
たまたま・・・出会った農家の夫婦に声をかけられ・・・ちょっとした労働をして・・・美味しい握り飯にありつくのだった。
「働いて食べるごはんって・・・うまいんだなあ」
「あんたさえ・・・よかったら・・・明日も手伝うかい」
「そうしたいのは山々だけど・・・俺がいないと何にもできない相棒とか・・・俺がいないと泣いちゃう彼女とか・・・俺に頼り切りの母ちゃんがいるんで・・・帰らなければならないのです」
その言葉を立ち聞きして怒り心頭に達するピョン吉と京子だった・・・。
その時、停めてあったゴリラパンの車が畦道の下り坂を落ち始め・・・田圃のカエルたちに危機が訪れる。
本能的に危機を察したピョン吉は・・・ひろしに衣装チェンジを求めるのだった。
路上生着替え(露出なし)にトライする京子ちゃんだった。
転落しかかる車をど根性で支えるひろしとピョン吉。
カエルたちもジャンピング・ボディ・アタックで助力する。
こうして・・・田園の平和は守られたのだ・・・。
お日柄もよろしく・・・なんとなく親密になって帰還する一同だった・・・。
穏やかに過ぎて行く日々・・・。
しかし・・・変化しないものなど・・・この世にはないのだ・・・。
ファンタジー世界に忍びよる・・・時の流れという現実・・・。
やがて・・・すべての人生・・・かえるも含めて・・・は永遠の秘密になる運命なのである。
なんだ・・・もう・・・哀しくなってきたのか・・・。
最終回までは・・・まだ・・・ひと夏あるじゃないか・・・。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
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コメント
キッドさん☆
こんにちは(*^^*)
昨日の大掃除で筋肉痛になってませんか?
日中 HEROの再放送を見て 松 たか子が出演するなら映画を見に行っちゃおうかな という気分になり 夜 松ケンや満島さんの好演技を見て
デスノート映画版を見直したくてたまらなくなってますが
とりあえず この夏 ジェラシックワールドは見に行こうと思ってます^^;
生きているだけで地球の資源の無駄遣い
ぴょん吉と母ちゃんがヒロシに甘いせいか京子ちゃんの言葉は
いつも とっても厳しいですね
でも めげないヒロシ
最近 ちょっとした発言が大問題になってしまうことも多いきがするので
このドラマには昭和の大らかさを感じます
今回はぴょん吉が母ちゃんからパンを貰って食べるところと
田園のカエルの登場がとっても楽しかったです
耳から離れないゴリラパンの歌
劇中 ちょっとだけベムを思い起こす曲が流れたり
エンディングが秀逸すぎて 最後はいつも切ない気分にさせられますが
寅さん色が強くてもいいので
ゆる〜くファンタジー全開で あまり深刻な方向にいかず
最後まで楽しませてもらいたいです
もう関東は梅雨明けでしょうか?
本格的な夏の到来ですね
キッドさん
気合いダァ〜*\(^o^)/*
投稿: chiru | 2015年7月19日 (日) 11時35分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
実弟はキッドを員数外あつかいですので
基本的にはほぼ実働しておりませんのでご心配なく。
それより・・・梅雨明けですな。
東京は子供たちが汗だくになってあふれかえっておりまする。
「ど」の世界は一種の「夢」世界ですが・・・
「はらちゃん」のマンガの世界と同じような
「世界」なのだと考えます。
「ど」を描いている誰かがいるのですな。
キッドの「悪夢」の世界もありますな。
世界に恐ろしい「夏という名前の悪魔」が忍びよる。
彼はそっと「かき氷」を消します。
世界から・・・かき氷が消滅してしまう。
それから・・・彼は・・・。
アイスクリームを消す。
冷蔵庫を消す。
クーラーを消す。
扇風機を消す。
団扇だけは消さないでくれ・・・土下座して頼むキッド。
夢なら醒めてくれ!と叫ぶしかございません・・・。
根性、根性、ど根性で乗り切る他ないのですな。
長い長い三ヶ月が・・・始まります・・・。
投稿: キッド | 2015年7月20日 (月) 01時36分
役の数だけ夢はあるー!
新井浩文……以前はちょっと苦手な俳優っていうかキャラでしたが、『信長協奏曲』で「おっ?」と思って『64』で「おおっ?」と思って、『ど』の特に今回の話を観て「おおお(゚∀゚)?」っときました。ジャイアンに負けていたゴリライモの復権ってこともありますね。
先週は、「これはドラマでなくCMでやれよ」ってちょっと思っていたけど、そうでもなくなってきました。こういう「劇画オバQ」みたいなのは着地方法が難しいけどうまく作ってほしいです。
投稿: 幻灯機 | 2015年7月20日 (月) 07時59分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
海もなければ夢もないが悪夢はございます。
新井浩文は悪夢の登場人物としては別格の趣きがございますな。
なんといっても「モテキ」の
主人公の親友にして恋敵(しかもかならず食べちゃう)・・・こんな悪夢なキャラクター設定・・・比類なしでございました。
背後にダークなゾーンが透けて見える感じが
素敵なのですな。
虚無の美学が匂い立つアクターと言えましょう。
基本、ドラマは脚本家の夢世界ですが・・・。
「ど」はまさに・・・
「ど根性ガエル」の続きを・・・
脚本家がノートに描いているかのような世界観。
ピョン吉の最後がどうなるか・・・
手に汗握ってみつめております・・・。
投稿: キッド | 2015年7月20日 (月) 15時46分