ネジが怖いのですか?(戸田恵梨香)ネジじゃない・・・猫舌なのです(堤真一)
ネコジタ・・・略してネジか・・・。
いや・・・そこは別に狙ってないと思うぞ・・・。
少数派の意見を「民意」と言いすぎだよな。
「安全保障について理解できましたか」
「よく・・・わかりません」
「つまり説明不足だ・・・ということですよね」
「きっと・・・そうかな・・・」
そういうおよそ80%である。
「徴兵制度が復活したらどうします」
「赤紙一つで戦地には行きたくありません」
「この法案にはそういう可能性がなきにしもあらずです」
「ええええええええ」
これはもう・・・詐偽のレベルの論理展開だろう。
「説明不足だって思いませんか」
「馬鹿にはいくら説明しても・・・わからないことってありますよね」
・・・って言えないものなあ・・・。
奥歯にものがはさまった季節が通りすぎていきます。
台風も通過中です。
で、『リスクの神様・第2回』(フジテレビ20150715PM10~)脚本・橋本裕志、演出・石川淳一を見た。格差社会はひとつのリスクである。貧富の差によって生じる嫉妬の情念はたやすく悪意に転嫁するからである。被差別者は社会が混乱することを求め、たやすく自分の首をしめる。勝者は敗者を管理する必要があり、それはすなわちリスク管理に他ならない。奇跡の復興を遂げた戦後の日本社会は・・・勝者と敗者の協力関係によって成立した。それがいかに奇跡であったかは・・・あらゆる紛争地帯で・・・難民があふれだす現実が証明している。
画期的な性能を誇るバッテリー「LIFE」の開発責任者である業界最大手の商社・サンライズ物産のエリート社員・神狩かおり(戸田恵梨香)は不祥事の発覚で勝者から一転、敗者となった。
サンライズ物産の社長として君臨する坂手光輝(吉田鋼太郎)の対抗馬・専務・白川 誠一郎(小日向文世)の派閥に属していたかおりは・・・坂手社長の主導する危機対策室に移動する。
白川派に属する広報部主任の橘由香(山口紗弥加)、薬品部主任の原田清志(満島真之介)たちは落ち目のかおりから距離を置くようになった。
逆境のかおりは・・・我武者羅にリスク管理の知識習得に没頭する。
負けるわけにはいかないからである。
そんな・・・かおりを・・・危機対策室長・西行寺智(堤真一)は生温かく見守るのだった。
サンライズ物産傘下の食品メーカー・豊川フーズの主力商品である「カップマカロニ」に金属製のネジが混入し、ユーザーからのクレームが寄せられる事案が発生。
素晴らしいインターネットの世界に「異物混入の件」が投稿され、世間は騒然となった。
しかし・・・豊川フーズの社長・天野昭雄(飯田基祐)は「危機」から目をそむけ、「異物混入の件」が「捏造」であると「被害者の立場」を強調、初期対応を誤るのだった。
坂手社長は危機対策室に介入を命じる。
「異物混入は・・・愉快犯による悪質な悪戯である」という立場から謝罪や商品の回収、返金などに応じなかった豊川フーズに対し、世間は敏感に反応し、不買運動が始り、株価は急落する。
この期に及んで、矢面に立たない天野社長は・・・謝罪会見に総務部長の麻生次郎(岡本信人)を立てるなどの失態を続ける。
「どうして・・・社長が会見に応じないのか」
記者たちに問われ、答えに窮する麻生部長・・・。
「最悪だな・・・」と吐き捨てる西行寺だった。
「どうして・・・記者会見に出席しなかったのですか」
「謝罪をすれば責任を認めることになるじゃないか・・・そんなことができるか」
「顧客に不信感をもたれたら・・・責任問題になります」
「その危機を回避するのが・・・君たちの仕事だろう・・・私の仕事は・・・サンライズ物産が豊川フーズに投資した金を無駄にしないことだ・・・その責任は充分に果たしている」
「・・・」
豊川フーズは数年前に経営危機を起こし、サンライズ物産が出資し、サンライズ物産の食品部門から社長として出向したのが天野だった。
天野はリストラなどで経営をスリム化し・・・経営を立て直した功績者であった。
しかし・・・その強引な経営手法はいくつかの問題点を残していた。
一方で、麻生部長は旧・豊川フーズの経営陣の一人で・・・食品工場の工場長という経歴を持っていた。
危機対策室では西行寺の状況説明の後で・・・各人が行動を開始する。
副室長の財部(志賀廣太郎)は社内の実情調査。
渉外担当の結城(森田剛)はクレーム処理のレクチャーを行うと同時に・・・素晴らしいインターネットの世界に残されたクレーム画像から商品番号を割り出す。
調査主任の種子島(古田新太)は豊川フーズに敵対する人物の特定を開始する。
「私は・・・小売店で・・・情報を収集します」
かおりは指示を待たずに自ら提案し、存在をアピールするのだった。
「やる気満々だな」
「危機を克服しなければ・・・実績になりませんから」
ハングリー精神を剥きだしにするかおりだった。
やがて・・・異物混入の商品の製造年月日が判明する。
それは・・・七月のとある日・・・王子工場から出荷された商品だった。
種子島は・・・「豊川フーズ怨んでますリスト」を提出する。
「経営合理化に際して・・・天野社長がリストラしたのは・・・1500人・・・」
「そんなに・・・」
「しかし・・・そのうちの一人・・・小畑氏はとある日に工場を訪問している」
「自分をクビにした会社の・・・工場見学に・・・」
「不自然ですね」
「不自然だ」
さらに・・・かって、豊川フーズで発生した異物混入事件の隠蔽工作が雑誌で記事になるという事態が発生するのだった。
西行寺はかおりとともに問題の工場を訪ねる。
「安全面での設備投資はきちんとしました・・・」
異物混入を防止する探知システムを稼働させ説明する麻生部長。
何故か・・・二人を案内する警備員の和田(遠山俊也)に対し・・・表情を曇らせる麻生部長だった。
社宅で質素に暮らす麻生部長だったが・・・中学生の息子とはトラブルが発生している。
「どう思う・・・」
「社宅暮らしということは・・・社宅を追い出された元・社員の家族がいるということです。息子さんが公立中学に通っていればリストラされた元・社員のクラスメートからいじめが発生してもおかしくない状況ですね」
「そうだな・・・給食にネジを入れられたりする前に・・・息子を隔離するべきだったな」
「工場長の息子と・・・大規模なリストラ後に本社に残留した重役の息子では・・・立場が違いますものね・・・」
「麻生氏は・・・家族のリスク管理が甘いということだ」
「・・・」
「それは人間として間違っていますか」
「家族を不幸にする・・・という意味ではな」
土木作業員になっている元・社員の小畑(児玉貴志)と面会する結城・・・。
「なぜ・・・工場見学なんかに・・・」
「俺を疑っているのか・・・」
「いえ・・・そういうわけではありません」
「俺は・・・何もしていない・・・ただ・・・昔を懐かしんだだけだ」
「・・・そうですか」
天野社長は小麦製品に特化する方針を打ち出し、米製品の技術者だった小畑は・・・リストラ対称となり・・・追い出し部屋で・・・無意味なネジの着脱作業に従事させられていた。
「地獄だったよ・・・」
「豊川フーズのコメスナック・・・好きでした・・・あなたが開発者だったとは・・・」
「そうですか」
しかし、巧に誘導する結城をもってしても小畑は口を割らなかった。
やがて・・・豊川フーズには「社員の再雇用」を促す脅迫状が郵送されてくる。
「内部の人間による犯行だな」
西行寺は断定する。
犯人は・・・新聞の広告欄に・・・社員募集の告知を出す要求をしてくる。
「社員募集はいたしません」という広告を掲載する西行寺。
「犯人を挑発するのですか」
「仕方ない」
怒りの導火線に着火した犯人は・・・異物探知システムを停止させ・・・ネジを製品に仕込む。
しかし・・・それは危機対策室の仕掛けた罠だった。
「和田さん・・・あなたでしたか・・・」
「あの日・・・小畑がやってきて・・・実情を知った・・・俺も追い出し部屋にいたんだ・・・俺はなんとか・・・耐えた・・・そのあげくが・・・今は警備員だ・・・俺は堪忍袋の緒が切れた」
「でも・・・あなたのしたことは・・・犯罪なんですよ」
「・・・」
かおりは・・・西行寺を問いつめる。
「これでも・・・ピンチはチャンスなんですか」
「君は・・・経験者として・・・麻生部長にそのことを・・・伝えてもらいたい」
「・・・」
西行寺は・・・打開案として豊川フーズの大蔵食品への吸収合併を画策していた。
そのための社内工作を麻生部長に承諾させる必要があった。
「合併・・・そんな・・・社長に相談しないと・・・」
「あなたは・・・豊川フーズの社員として・・・天野社長の経営方針に従順だった・・・それが今の危機を招いているんです」
「・・・」
「人は大切なものに優先順位をつけたがらない・・・奥さんと息子さん・・・どちらも大切な家族だ・・・みたいにです。しかし・・・二人が同時に溺れていて・・・一人しか助けられなかったら・・・どうしますか・・・。二人を助けられないなら・・・二人とも見殺しにしますか・・・。危機に際して・・・人は無傷ではいられません。本当に大切なものは何か。自分自身・・・会社の存立・・・企業理念・・・職場の仲間・・・顧客の信頼・・・家族・・・あなたは・・・優先順位をつけて・・・何を守るのか・・・選択しなければなりません・・・そうすれば・・・危機はひとつの転機になるのです」
「私自身が・・・変わるための・・・」
「・・・」
麻生部長は暗躍し・・・合併は成立する。
「どういうことだ・・・私に何の相談もなく・・・」
「あなたが・・・私たちに委任したのではありませんか」
「しかし・・・会社を売り払うなんて・・・」
「企業買収によってサンライズ物産の損益は想定内におさまりました・・・」
「・・・」
「そもそも・・・この事態はあなたの・・・無理なリストラに起因するものです」
「なんだって・・・」
「あなたの経営は短期的には成功したかもしれないが・・・長期的には大失敗だったのです」
「そんな・・・」
「あなたは・・・リスク管理に失敗した・・・経営者としては・・・失格ということです」
「・・・」
「あなたのために・・・次のポストが用意されていますよ・・・サンライズ物産・・・資料室・・・通称を御存じですか・・・」
「わ・・・私が・・・追い出し部屋に・・・馬鹿な・・・」
「社長命令です」
「の・・・呪ってやる」
「ま・・・資料にネジを混入しても・・・問題はないですから・・・」
葉山の海辺・・・。
車椅子の老人(田中泯)を見守る西行寺。
そこへ・・・サンライズ物産の顧問・天童徳馬(平幹二朗)がやってくる。
「どうだね・・・彼は・・・」
「話はできます・・・ただ・・・私が息子であることも覚えていないようです」
「そうか・・・」
「このトリオが・・・最終的なネタということなんでしょうね」
「そうだな・・・豪華な危機がやってくる予感があるだろう・・・」
「まあ・・・そういう思わせぶりなやり方は・・・今ではかなりのリスクがありますけどね」
「まあ・・・ヒトケタ発進だ・・・気楽にやるといい」
「主役ともなれば・・・そんなにのほほんとしてられませんよ」
「健闘を祈る・・・ピンチはチャンスなんだろう・・・」
「・・・」
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