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2015年8月19日 (水)

杜撰な計画通り(窪田正孝)妄想では何人殺しても罪に問われない世界が続きますように(山崎賢人)NはニヤニヤのN(優希美青)

ペンは剣よりも強しの先には凶器としての著作物がある。

銃刀法と禁書は隣り合わせの存在なのである。

計画と実戦という作業の方法そのものが罪に問われるという話である。

反社会勢力の資金源を根絶するとか、弱者の人権を守るとか・・・適当な理由で・・・思想の自由が収奪される危険は常にあるわけである。

どこかの馬鹿が生殖器がわいせつであると言い出せば性器所持の罪にだって問われる可能性があるわけである。

大衆の求める正義が・・・一部の独善的な知識階級に支配されれば恐怖はすぐそこにあるのだ。

「デス・ノート」は他愛のない妄想に過ぎない。

そういう妄想が危険視されれば・・・人類そのものを粛清することが肯定されることになる。

テロリストが違法なのは・・・人間が他人の苦悶に基本的に無関心だからである。

で、『・第7回』(日本テレビ201508162230~)原作・大場つぐみ、小畑健、脚本・いずみ吉紘、演出・岩﨑麻利江を見た。キラが超法規的に犯罪者を殺すのでLもまた超法規的にキラを逮捕しようと試みる。容疑者の人権を基本的に無視して盗撮・盗聴・拉致・監禁・拷問などを遂行しているので・・・暗殺直前である。そもそも、魔法による殺人が法で裁かれる可能性は低く、キラを封じるためには法外の処置をせざるをえない可能性は高い。そういう意味で・・・キラとLは似たもの同志なのである。神と悪魔の戦争が異教徒にとって意味不明なように・・・多くのお茶の間の人々にとって・・・デスノートをめぐるゲームは不毛そのものなのかもしれない。しかし・・・そういう人知が及ばぬものには恐怖があり・・・基本的には恐怖は人間を魅了するものだ。

赤(共産主義)も黒(無政府主義)も妄想としてのエンターティメントに過ぎないのである。

国民的アイドルトと地下アイドルのイメージの狭間を生きるミサミサこと弥海砂(佐野ひなこ)の衣装はそのシンボルなのだ・・・そうなのかよっ。

「結局、死神って・・・天使なのか」

「いや・・・こいつらは単純に・・・死神族という妖怪だよ・・・地獄や天国とは無関係の・・・精神寄生種族だ・・・悪魔でないなら・・・天使でもないさ」

「ご教授ありがとう・・・コンスタンティン」

「喫煙は長期的な自殺だから・・・天国にはいけないんだぜ」

「残念だけど・・・天国よりこの世の楽園が好きなんだ」

「アジアの文化はファンタスティックだよなあ」

ミサミサは夢から目覚める。

愛するライトこと夜神月(窪田正孝)が目の前にいる。

ライトこそ・・・ミサミサの神である。

「ありがとう・・・ライト。助けに来てくれると思っていた」

ミサミサに抱きつかれ、たじろぐライト。

憧れのアイドルに神と呼ばれる自分に戸惑う。

その様子に違和感を感じるエルだった。

「素朴な疑問だが・・・君たちはどうやって知り合ったんだ」

「ライトが私のライブに来てくれたのよ」

「観客の一人に一目惚れか・・・」

「愛することに理由を求めるなんて・・・馬鹿みたい」

「君に馬鹿と呼ばれるとは・・・」

「ライト・・・この人、どSなのよ」

「こいつは・・・エスじゃなくて・・・エルなんだ・・・しかも・・・女子よりも男子が好きなタイプらしい」

「ええっ・・・十三人に一人いるという・・・」

「やめんか」

「とにかく・・・僕は自分がキラでないことを証明するために・・・キラの逮捕に協力するよ」

「え・・・キラを逮捕するの・・・」

「いやかい・・・」

「だって・・・キラは私のもう一人の神様なのに・・・」

「人殺しの味方をするのかい」

「あら・・・警察だって人殺しの味方じゃない・・・殺人犯を死刑にしないんだから」

「まあ・・・死んだ被害者よりも・・・生きている加害者の方が基本的人権を保持しているからね」

「あなたに・・・基本的人権のことを言われたくないわ」

「そりゃ・・・そうだ」

エルの後継者候補であるニアことN/メロ(優希美青)の活躍により・・・すでに内偵の進んでいる第三のキラと目される日本を代表する企業・ヨツバジャパングループの幹部たち・・・。

「彼らは定例会議と称して・・・暗殺対象を合議制で決定しているらしい」

「ダミーとして犯罪者を殺してもいるが・・・目的は・・・競争者の排除だ。出世のために上層部も殺すし、ライバル企業の経営者も殺す。大手のサンライズなんて危機対策室が全員暗殺されているし、不正を暴こうとした東京第一銀行の女性行員も殺されている」

「永遠に黙らされちゃったのね」

「そこまで・・・わかっているなら・・・逮捕すれば」

「証拠はない」

「・・・」

「そこで・・・潜入捜査をすることにしました」

「潜入調査?」

ヨツバのイメージ・モデルとして・・・ミサミサを売り込むという杜撰な計画である。

「私の協力前提なの・・・」

「ハリウッドの売り込みに失敗して・・・帰国することになったと発表した」

「私のアイドルとしてのイメージ戦略ぶちこわしじゃない」

マネージャーとしてちょっと馬鹿な松田桃太(前田公輝)は松井太郎の偽名のまま参加。

付き人としてライトも参加することになるのだった。

「彼は・・・民間人じゃないですか」と仏の模木完造(佐藤二朗)・・・。

「市民の協力は犯罪の抑止に必要なことです」

「また・・・勝手なことを・・・」とワタリ(半海一晃)・・・。

「今回、ほとんど出番ありません」と偽タキシード仮面の相沢周市(弓削智久)・・・。

「俺もだよ・・・」と日本におけるキラ事件の捜査官のリーダーである夜神総一郎(松重豊)・・・。

ヨツバジャパングループに潜入したライトはトイレで清掃員に潜入し、幹部たちの定例会議が行われる会議室に盗撮カメラを仕掛けるのだった。

「これさ・・・ワタリさんに命ずればたちまち終了する作業じゃないの」

「主役としての見せ場作りに文句言われてもな」

「私なんて・・・股間にカメラを仕掛けた風に見えるわよ」

なぜか・・・ヨツバグループは謎の探偵バベルことBにミサミサの尋問を担当させる。

「あなたは・・・第二のキラとして逮捕されましたね」

「違うわよ・・・どSなエルって人に監禁されてたの・・・私のストーカーらしいの・・・」

「・・・」

幹部の一人・・・火口卿介(柏原収史)はミサミサのムチムチなボディに脳殺され、個人的に接触する。

「枕営業はありですか」

「事務所を通して下さい」

「私の本当の姿を知れば・・・あなたは私の虜になりますよ」

「私・・・ライトの虜なので」

「ライト・・・」

デスノートにライトの名を書き込む火口しかし・・・実効はない。

「くそ・・・・愛称かよっ」

実はバベルの正体はニアだった。

ニアは・・・幹部の一人、奈南川零司(越村友一)と取引して第三のキラに罠を仕掛ける。

エルはニアとジグゾーパズルに興じる。

「どうして・・・奈南川がキラではないと・・・」

「キラは八人のうちの一人・・・1/8なら・・・勝率は高い」

「当たりじゃなくて・・・よかったよ」

「当たりだったとしても・・・私・・・平気だし」

「・・・最後のピースは君のためにとっておこう」

「あらあら・・・敗北宣言なの」

「相手は・・・魔法を使うとしか思えない・・・ライトやミサミサの精神を完全にコントロールできたとしたら・・・私や君も・・・のっとられるかもしれない」

「もしかして・・・もう・・・のっとられているのかも」

「君が時々・・・メロになるようにか」

「ああ・・・そうだよ・・・」

松田捜査官は・・・大手テレビ局の生放送の特別番組「キラスペシャル」に出演し・・・キラの正体を暴露すると宣言する。

罠を仕掛けられ完全に監視されている幹部たち。

第三のキラは・・・火口だった。

偽名の松田を殺せない火口は芸能事務所に潜入し・・・松田の本名を捜す。

「松井じゃなくて・・・松原かよ」

しかし・・・それも偽名だった。

デスノートに書きこんで独り言をつぶやく火口は監視されていることに気付かない。

「死神・・・取引だ」

火口は・・・死神のレム(恒松あゆみ)に「死神の目」を与えられる。

「死神・・・なんのことだ」

「探偵の探偵が追いかけている悪徳探偵では・・・」

「いや・・・キラが超能力者だとすると・・・死神が実在するのかもしれない」

「そんな馬鹿な」と呟く・・・元・死神くんの上司の夜神総一郎・・・。

火口はテレビ局に向かう途中・・・白バイ警官を葬る。

「白バイ警官は・・・取り締まる時に身分を提示しますか」とエルは日本の慣習を久しぶりの日村章子(関めぐみ)に問う。

「セリフがあることに感謝します・・・ケース・バイ・ケースですね」

「つまり・・・火口は・・・顔だけで殺せるキラに変化した可能性があるということです」

「覆面部隊を投入します」

「そうしてください」

スタジオに侵入し・・・告発者の顔を見ようとした火口は催涙弾を打ちこまれ・・・失明する。

「うわあ・・・何にも見えない」

「確保」

エルは火口の所持品の中からデスノートを発見する。

「これか・・・」

デスノートに触れてレムの姿を見たエルは腰を抜かす。

「どうした・・・」

エルを助け・・・デスノートに触れるライト。

すべての記憶が蘇ったライトはキラとしての自覚を取り戻す。

(俺がキラだ・・・キラはデスノートの所有を放棄した・・・しかし・・・現在のデスノート所有者を殺せば・・・デスノートは再び俺のものになるルールなのだ・・・ルールはご都合主義で適当に改編されるのがデスノートのお約束だからだ・・・)

ライトはあらかじめ・・・時計の裏に針とデスノートの紙片を隠していた。

こっそりと血文字で・・・火口の名前を書くライト。

「とにかく・・・事情聴取だ」

我を取り戻したエルは火口の元へ急ぐ。

しかし・・・火口はすでに心臓麻痺で死亡している。

ふりかえるエル。

目に映る蹲るライトの後ろ姿。

(君がキラでないことを信じたかった・・・しかし・・・君は今・・・何をしたのだ・・・ライト)

悪魔が支配する夜の闇が二人を包む。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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