被害者と加害者が別人とは限らない(堤真一)一番大切なのは自分自身のリスク管理ですか(戸田恵梨香)
夏の音楽特番やら、ドローの男子サッカー日韓戦に押し退けられてコンテンツ的にはやや不遇だよな。
まあ・・・記録的な猛暑だから・・・。
鉄道で架線断線が発生し、フェリーが火災を起こし、アセチレン工場は爆発、五輪のエンブレムにはいちゃもんがつけられ、朝日新聞の編集委員は公認ツイッターに捏造画像を掲載・・・リスク管理のネタには困らない今日この頃である。
終戦の日が近付き・・・大日本帝国の国民は加害者であり被害者であるという矛盾を抱えて懊悩する。
すべての出来事には複雑な関係性がある。
リスクを管理するということは・・・その複雑性に向き合うということである。
大日本帝国が滅亡し、日本国憲法が生まれた。
ヒトラーが死んで・・・ドイツは東西に分裂し・・・そして平和的に統一された。
だからといって・・・戦争が根絶していない事実を・・・安保法制に盲目的に反対する人々は・・・認めることから始めよう。
で、『リスクの神様・第4回』(フジテレビ201508052230~)脚本・橋本裕志、演出・城宝秀則を見た。企業経営は一つのリスクである。一つの企業に大きな影響を受ける自治体運営もまた一つのリスクである。そして・・・同じ日に社長と係長を演じるのも一つのリスクだ。
「刑事7人」のメンバー・・・。
天樹悠巡査部長(東山紀之)
沙村康介警部補(髙嶋政宏)
山下巧巡査部長(片岡愛之助)
永沢圭太巡査部長(鈴木浩介)
水田環巡査(倉科カナ)
堂本俊太郎医学部長(北大路欣也)
片桐正敏警視庁捜査一課12係長(吉田鋼太郎)
「リスクの神様」のメンバー・・・。
危機対策室長・西行寺智(堤真一)
副室長の財部(志賀廣太郎)
渉外担当の結城(森田剛)
調査主任の種子島(古田新太)
見習いの神狩かおり(戸田恵梨香)
サンライズ物産専務・白川 誠一郎(小日向文世)
サンライズ物産社長・ 坂手光輝(吉田鋼太郎)
とにかく・・・リーダーとしてどうしようもなくかぶっています。
事件の黒幕に・・・「あんたが殺したも同然なんだよ」と叫んだ後で・・・ライバル重役に「あなたも少し負担を軽くした方がいいでしょう」と囁く。
まあ・・・一部愛好家には・・・夢の水曜日と言えます。
それにしても第4話ゲストの記憶喪失の弁護士・高杉(眞島秀和)と出生の秘密のある妻(大塚千弘)・・・いい感じだったな。山下リオの姉も三十路を前に顔立ちが落ち着いてきた。
何より、桂小五郎刑事が「高杉さん」を連発して一同爆笑だ。
もういいんじゃないか・・・。
業界最大手の商社・サンライズ物産の傘下にある「波丘樹脂」の企業城下町である波丘市。
住民たちは家族の誰かが「波丘樹脂」の関係者という状況である。
波丘樹脂工場で働く有田俊介(坂田聡)は漁師の父親と水産加工場で働く妻の水江(西尾まり)・・・そして一人息子の小学生・剛(藤本哉汰)の四人家族である。
夏休みに漁に同行させるという祖父の言葉に剛は歓声をあげる。
剛は少し頑固なところがあり、リスク管理が必要な子供である。
大人の言うことを聞かない子供とは・・・そもそも危険な存在なのである。
しかし・・・呑気な有田夫妻には危機意識は薄い。
一人っ子であるために比較対象がないからである。
一人っ子はすでにリスクの一つだ。
その時・・・消防車のサイレンが響き渡る。
「波丘樹脂」の工業薬品倉庫で火災が発生したのである。
坂手社長は危機対策室に出動を命じるのだった。
現地に到着したのは・・・西行寺室長、結城、そしてかおりの三人だった。
「波丘樹脂」の塚原典雄社長(浅野和之)は過去の経営危機を救った実績がある男だった。
「これでも・・・リスク管理には自信があります・・・マスメディアへの対応なども・・・私自身が行いますので・・・忌憚のないアドバイスをお願いします」
「了解しました・・・」
「しかし・・・化学薬品についての専門知識も必要ですので・・・その点はお任せいただきたい」
「当然です・・・我々の仕事はあくまで危機対策ですから」
西行寺は微笑む。
しかし・・・結城はさっそく地元住民たちと特殊な接触を開始するのだった。
焦点は火災事故により・・・危険な化学物質が流出し・・・環境を汚染した可能性があるかどうか。
塚原社長は記者会見でデータをすべて公開し、澱みない謝罪を展開する。
水質汚染についても地元の大学に調査を依頼し、結果もすべて公表。
安全が確認されるまでの期間、漁業関係者への補償も手厚く行い、両者は円満な関係を構築する。
危機対策室の出る幕なしの手際である。
しかし・・・遊泳禁止の波丘湾で採取した魚介類を食べた剛は腹痛を訴えて病院に搬送されるのだった。
「汚染は・・・問題ないという発表が・・・」と戸惑うかおり。
「捏造の疑いがある」と微笑む西行寺。
水面下で調査を開始するメンバーたち。
「この微妙な時期に・・・食中毒なんか起こして・・・」
有田夫妻には無言の圧力が加わるのだった。
「波丘樹脂」の支配下にある病院では・・・「単なる食中毒」という診断が下る。
西行寺に命じられて有田水江に「剛君を東京の病院に転院させる」ことを提案するかおり。
しかし・・・水江は「街を裏切るようなことはできない」と拒絶するのだった。
「波丘樹脂」あっての波丘の街なのである。
結城は秘密の検査チームを動員するが・・・何者かの圧力によって挫折する。
そして・・・かおりの前にサンライズ物産・薬品部主任の原田(満島真之介)が現れる。
「塚原社長は・・・白川専務の派閥に属している・・・これ以上の追及は控えた方がいい」
「しかし・・・私は今・・・危機対策室の一員です」
隠蔽工作の影に白川専務の影を感じるかおり。
本社に戻ったかおりは白川専務の意向を確かめようとするが・・・西行寺が先手を打っていた。
「後ろ盾にお伺いをたてにきたのか・・・安心したまえ・・・白川専務は・・・この件にタッチしないそうだ」
「・・・」
「君には分かるだろう・・・リスクというものは・・・一度生じれば・・・誰もが無傷ではいられなくなるものだということが・・・」
介護の必要な母親(山下容莉枝)のために帰宅するかおり。
「あなた・・・なんだか・・・優しくなったみたい」
「リスクに直接向き合う仕事が・・・私の心を軽くするの」
「そうなの・・・」
リスクに怯えて生きるよりも・・・リスクに向き合う方が・・・楽なのだと悟るかおりだった。
病院の看護師たちから特殊な情報収集を行った結城は・・・剛に処方された薬品を入手する。
かおりは・・・薬品の分析結果を持って有田夫妻を説得する。
「余計なことをしないでください」と父親は叫ぶ。
「とりかえしのつかないことになりますよ・・・あなたたちにとって一番大切なのは・・・何ですか・・・この街での平穏な暮らし・・・それとも剛くんの命ですか・・・剛くんが死んでしまった時・・・あなたは選択に間違いがなかったと言えますか・・・あなたたちは被害者かもしれないけれど加害者でもあるのです」
「・・・」
精密検査を受けた剛の身体からはあるはずのない有害物質が検出される。
解禁された真実の水質検査もそれを裏付けていた。
西行寺は・・・真実を塚原社長に突きつける。
「そんなことをして・・・波丘樹脂は・・・終わりじゃないか・・・」
「いいえ・・・終わるのはあなたのキャリアだけです・・・あなたは・・・かって薬品流出事故を起こした経営トップを追及して・・・社長になった。事故の原因はろ過装置の故障だった。徹底的なメンテナンスが必要と結論付けたあなたが・・・経営者となると・・・メンテナンス費用を惜しむようになった・・・つまり・・・あなたはリスク管理を怠ったのです・・・火災事故も・・・薬品流出も・・・あなたの杜撰な隠蔽工作も・・・すべてリスクを増大させただけだった・・・もしも・・・人命が損なわれたら・・・企業のイメージダウンは致命的だ」
「隠蔽すればすむことじゃないか」
「漏洩した場合のリスクが高すぎるのですよ・・・」
「・・・考えさせてくれ」
「その必要はありません・・・すでにマスメディアにはすべてのデータを公表しましたから・・・このタイミングなら波丘樹脂の再生は可能です」
「ひでぶ・・・」
調査主任の種子島は別件の調査結果を報告する。
西行寺の父・関口孝雄(田中泯)は天然ガスの採掘権をめぐる贈賄事件で逮捕されていた。
その事件に関わったのは坂手社長、顧問の天童徳馬(平幹二朗)、そして白川専務の三人だった。
犯罪者の息子として「地獄の青春時代」を送った西行寺。
その苦い思い出が・・・蘇る。
リスクによって苦しむかおりが・・・西行寺の目にはかっての自分自身のように映る。
その複雑な状況の行方を・・・西行寺は想像している。
転院した有田剛の病状は快方に向かった。
坂手社長は白川専務と密会する。
「塚原社長の後任は・・・どうするね」
「化学部門から・・・トップを送りこみます」
「よろしい・・・ただし・・・化学部門のトップの後任人事は私にまかせてもらおう」
「・・・」
「君の負担を軽減したいだけだ・・・我々は同志なんだから・・・」
社長と専務は冷たい火花を散らすのだった。
それもまた・・・リスクの一つに過ぎない。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
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コメント
どうもやっぱり専用ユニフォームとか、リスク対策室専用オスプレイとか、サンライズシークレット地下道路((c)ウルトラセブン)を行くサンライズラビットパンダで出動とかしてもらわないとピンと来ないのであります。
それか、メンバーの一人が飛行機が苦手とか、調達のプロとかそういうキャラ立てがまだ弱いような。
分かりにくすぎてお茶の間的には一周遅れでわかってもらえるのかなぁ……。自動車保険のCMだと思っている人もいるかも。
投稿: 幻灯機 | 2015年8月 6日 (木) 20時13分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
サンライズ危機特別対策隊・・・SCT出動します・・・でございますよね。
本部はサンライズビルの秘密の地下室か、屋上への秘密階段でたどり着くペントハウス・・・。
マーチのテーマも欲しいところでございます。
まあ・・・結城隊員だけは・・・アダルトなシークレット・プレイを実践中ですな。
どうやって・・・看護師たちを虜に・・・。
薬品を盗みださせるほどの協力者に・・・。
恐ろしいことでございます。
「はい、お嬢様」と言う忠実な運転手も欲しいところですが・・・副室長はきっと・・・そういうポジション。
ミサミサには75を連呼しながら
覚醒の時を迎えてもらいたい・・・。
まだ・・・新人として様子見ですが・・・
最終回までには
変身アイテムを入手してウルトラ75に・・・。
投稿: キッド | 2015年8月 6日 (木) 21時52分
そう、そうなんですよ、チームに付き物の超人はどうするかと思っていました。ウルトラ75! すばらしい!
ピンチになると流星の彼方からお兄さんが二人かけつけて、リクス怪獣をぶっ殺してくれそうな気がします。
投稿: 幻灯機 | 2015年8月 7日 (金) 21時07分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ウルトラマンXでは
第3話ゲストにテレスドンを操る地底女(佐伯日菜子)が
登場し激しく萌え~だったわけですが・・・。
まあ・・・妄想上では
西行寺隊長と神狩隊員は
幼少期にウルトラの地獄を味わった危機仲間・・・。
固いウルトラの絆で魂が結ばれていると
考えながら見れば
百倍楽しいウルトラリスクの神様でございます。
投稿: キッド | 2015年8月 7日 (金) 21時58分