かねてよりたてしこころのたゆむべきたとへこの身はくちはてぬとも・・・初恋ですから(井上真央)
そうだよね・・・松島剛蔵の辞世よりも・・・主人公の初恋の方が大事だ。
・・・なわけないだろうがああああああああああっ。
心に秘めた初恋を・・・死刑囚に打ち明けるために・・・萩城の奥御殿を飛び出して・・・城下の野山獄に走る奥女中・美和・・・しかも、その相手は姉の夫だった・・・。
まあ・・・あくまでフィクションだからな・・・。
そういう主人公を脚本家が描きたいなら・・・仕方ないよな・・・。
・・・なわけないだろうがああああああああああっ。
「たとえ俺が死んでも志は絶えないよ」
ここまで魂を投げ出して・・・どうでもいい話を描いたのに・・・低視聴率・・・。
お茶の間相手のビジネスは本当に難しいよねえ・・・。
できれば・・・失敗から・・・何かを学んでもらいたいと真剣に思うのだった。
生き証人が一人もいない時代を描いているのである。
だから・・・なんでもありでいいじゃん。
・・・なわけないだろうがああああああああああっ。
脚本家のスマホに変なアプリダウンロードされろ・・・どこの屋上のシェフの呪いだよっ。
せめて、来週はは高杉晋作万歳を叫ばせてください。
で、『花燃ゆ・第31回』(NHK総合20150801PM8~)脚本・金子ありさ、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はついにほとんど見せ場もないまま刑場の露と消える攘夷決行の長州海軍指揮官・松島剛蔵と主人公のわがままなおねだりを何でも叶えてくれる上席の女友達ポジションに配置された長州藩・最後の藩主夫人・銀姫の二大イラスト描き下ろしでお得でございます。前回は画伯が降臨され・・・シナリオ的にもかなり危機感が漂ったこのドラマ。今回は脚本家がチェンジしてさらにとんでもない方向に向かって踏み出しましたな・・・。文だけに・・・いや・・・今は美和か・・・。戦後時代でも・・・幕末でも・・・女性は確かに存在していた。しかし・・・現代においても女性総理大臣の誕生していないこの国では・・・あくまで男尊女卑の制度の中・・・。そういう女性を生き生きと描くためにはかなりの力量が求められると考えます。そういう意味では・・・今をときめく女流作家たちも・・・実力不足が露見してしまっている・・・まあ・・・基本的に・・・他人の仕事にあれこれ言うのは自粛しています・・・今さらかっ。
元治元年(1864年)11月1日、高杉晋作は谷梅之助を名乗り、下関を船で脱出、海峡を渡り、筑前に潜入する。福岡藩の攘夷志士・野村望東尼の元で藩外の攘夷志士による挙兵を画策する。11月中旬、三家老の切腹の報に接した晋作は藩庁による奇兵隊に対する解散命令に危機感を募らせる。長州藩恭順派(俗論党)は征長総督・徳川慶勝、参謀・西郷隆盛にひたすら追従し、藩は存亡の危機に陥っていた。21日、晋作は博多を出発。25日、下関着。長府まで退陣した奇兵隊と合流。松陰門下の奇兵隊総監・赤根武人と激論し、穏健派の赤根を弾劾。長府の諸隊の内、力士隊(隊長・伊藤俊輔)、遊撃隊(総督・石川小五郎)が晋作に同意する。12月中旬、長府を出発した晋作軍団は16日、下関の奉行所を急襲し、これを占拠する。同日、晋作の下関挙兵を探知した萩藩庁は諸隊を反乱軍と認定。19日、見せしめとして反恭順派(正義派)の毛利登人、松島剛蔵、山田亦介、前田孫右衛門らを処刑。晋作は別働隊によって三田尻に突入。長州海軍の「癸亥丸」「丙辰丸」「庚申丸」の三隻を強奪。25日、藩庁は報復として投獄中の清水清太郎親知を切腹させる。こうして長州藩内の仁義なき戦いが開始された。もはや・・・長州藩は内戦状態に突入したのである。これを元治の内乱と呼ぶ。そして・・・それを見さだめたように・・・27日、征長軍は解兵令を発する。29日、崇文院殿天常端誠大居士(長州藩第12代藩主・毛利斉広)命日。
文は西郷吉之助の心を読んでいた。
西郷の心は憤怒に燃えていた。
長州藩庁の藩士に対する扱いに・・・義の心が騒いだのであった。
西郷もまた・・・攘夷の志に燃える士なのである。
ひたすら・・・幕府の威を惧れ・・・次々と志士の首を届けにくる・・・恭順派たちの性根に嫌気がさしていたのだった。
「終わりにしもす」
「え・・・」
徳川慶勝は参謀の決断に唖然とした。
しかし・・・幕府軍は無傷で・・・長州軍を降伏させたのである。
成果は充分にあったとして・・・西郷に異議は唱えなかった。
任務半ばでの徳川慶勝の撤退に幕府も朝廷も激しく動揺するのだった。
椋梨藤太は藩の命令に服従しない諸隊に恐怖を感じている。
恫喝のための処刑も効果を示さず・・・もはや・・・正攻法の討伐しか手はなかった。
「しかし・・・」と藤太は考える。
(数万の幕府軍に包囲され・・・数千の長州正規軍がいる・・・やつら・・・わずか数百の人数で何をしようというのだ・・・)
だが・・・下関の奇兵隊には続々と応援が駆けつけていた。
仕方なく、藤太は・・・藩主より・・・諸隊追討の命をとりつける。
(おかしいな・・・)
藤太は・・・部下の公儀隠密の報告が遅れていることに舌うちをする。
野山獄に残っている反乱分子の毒殺を命じたものの・・・その結果報告が帰ってこないのである。
その頃、長州藩の隠し目付けたちは・・・藩内に潜入した公儀隠密たちをほぼ壊滅させていた。
もはや・・・長州藩内に残った公儀隠密は・・・藤太一人となっている。
出世目当てで・・・俗論党に与した長州藩士たちは・・・風向きが変わったことを敏感に察し日和見を決め込み始める。
藩庁に出仕するものが一人また一人と消えて行く。
「どういうこっちゃ」
藤太は天を仰ぐ・・・。
空からは雪が舞い降り、元治元年は暮れようとしていた。
関連するキッドのブログ→第30話のレビュー
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コメント
今回の作品を見た際に浮かんできたのは
村下孝蔵さんのあの歌でしたよ
処刑される史実の時間の流れを動かして
都合のよい方向に話をもってくるところは
愕然たるところです
で、一番がっかりしたのは高杉晋作の挙兵を
毛利元徳にまるで一介の使者たるような扱いで
使ってしまったことでしょうね
威厳もなにもあったもんじゃないですね
┐(´ー`)┌
投稿: ikasama4 | 2015年8月 3日 (月) 07時17分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
・・・でございますよねえ。
好きだよと言えない初恋の話を
からめてもいいけど・・・ここでかっ。
・・・でございまする。
幕末という時代を好きで好きでたまらない人たちの
気持ちは無視ですか・・・。
明治維新という誰もが知っている
近代日本の始りが
どういうものだったのか・・・
どういうメカニズムで
どういう人たちの思いで
それが起こっていったのか・・・。
言葉だけでなく追体験したいから・・・
幕末ドラマを見ているのに・・・。
名もなき女の心につかえていた思いを聞かされても・・・。
それ・・・今じゃなきゃダメなの・・・と
ふと思ってしまうのでございます・・・。
下関、萩、山口、三田尻・・・
結構、距離のある長州の諸拠点で
それぞれの思いが交錯する。
早馬が走りまわり狼煙が立ち上る。
草のものたちが右往左往する。
お役人たちは・・・一揆を鎮圧する感じなのか
上意討ちをする感じなのか判断に苦しむ。
殿とお世継ぎの間でもギクシャクする。
そういうドタバタした熱気・・・。
そういう時代の空気を・・・。
味わいたいですねえ。
あの頃みたいに・・・。
風林火山が遠い過去のようでございます・・・。
投稿: キッド | 2015年8月 3日 (月) 15時19分
「新章」の初回を観たときは多少期待した……そんな時期が私にもありました(笑)。
しかし「旦那様のため」にお城に入ったはずが、「義兄」のためならなんでもする……もとい初恋の人のために動き出す~になり、ていうかそもそもイノスケは死なないことが歴史上わかってしまっているので視聴者としてはなんとも思わないし、津田寛治なんていままでいたっけ???となって、やっぱり「詳しい人もついてこない」「詳しくない人もついてこない」ってドラマに成り下がっておりますねぇ。もう連載打ち切りで「夢だった」あるいは「いまも戦いは続いている」とかなんとか『サルまん』読んでナントカしろ……みたいな。
投稿: 幻灯機 | 2015年8月 3日 (月) 19時57分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ふふふ・・・なかなか悩ましい展開ですな・・・。
前回が「危ない逃げて」という伝言ゲームで
今回が「なにとぞお助け」という伝言ゲーム。
脚本家チェンジしているだけに
重ねた感じよりかぶった感じがしてしまうという悪循環。
なにしろ・・・女性が政治的な発言力を持てなかった時代。
さらに封建制度のただなかです。
フィクションでできることには限界があるのに・・・
無理矢理話作ってますからねえ。
昨日は何してたの・・・?
そんな昔のことは忘れたね・・・。
ボギーボギーあんたの時代はよかった~・・・でございます。
月9の主人公なら初恋にこだわりぬいてナンボですが・・・。
なにしろ・・・夫が戦死した理由を問いに
奥に入った女が・・・
死ぬかもしれない姉の夫が・・・初恋の人だから
最後に一目お会いしたかった・・・を
主軸にされても・・・
冷たい雪が降るばかりでございますよね~。
表が奥に経費節減を求めるのは
よくある話でございますが・・・
外圧を受けて表向きの粛清を続ける張本人が
そんな暇あるかよ・・・と誰もが思うのですな。
まあ・・・名もない女の考えとは
関係なく歴史は動いて行くというリアルは表現されているとは思います。
だけど・・・ドラマなのに・・・。
松陰の死から禁門の変の間に
高杉晋作は松島剛蔵から門下生として
航海術を指南されています。
ある意味で勝海舟と坂本龍馬の関係。
「勝さんを殺すなんて・・・アホじゃ」的な展開だって
できたのに・・・・でございますよ。
投稿: キッド | 2015年8月 3日 (月) 23時23分