人殺しと人殺しのキス(窪田正孝)ロマンチックが半端ない(佐野ひなこ)東京へやってきた私たち(優希美青)
「デスノート」というアイディアの面白さは「お手軽な魔法用具で殺人ができる」という一点にある。
これによって「殺人」という結構、面倒くさい行為が身近なものになるわけである。
誰かが「死ねばいいのに」と考えても誰かを「殺そう」とまでは思わなかった人間も簡単に「殺人者」になれる。
そのハードルが高いものなのか・・・低いものなのか・・・そういう「人道的な問題」もいろいろと考察できるわけだ。
「殺人は禁じられた行為」ではあるが「戦争」や「死刑」あるいは「正当防衛」で「殺人は認められる行為」でもある。
平和でのどかな日常を過ごす一般の人間が・・・あまり深く考えない問題。
そこに「デスノート」は忍びよる。
たとえば・・・あなたが明日・・・落ちているデスノートを発見した時・・・。
あなたは・・・どうします?
で、『デスノート・第5回』(日本テレビ201508022230~)原作・大場つぐみ、小畑健、脚本・いずみ吉紘、演出・猪股隆一を見た。現在でもデスノート・システムは謎に包まれている。もちろん、基本的には原作者の妄想だが・・・それだけではリアルさにかけるわけである。「聖書」のように民族的な妄想があってこそ・・・神が実在するとも実在しないとも言えないリアルさが生まれるのである。デスノートもまた・・・未知の世界、暗黒の歴史、非現実の賜物であった方がいい。デスノートは実在するし・・・死神たちも漂っている。ただ・・・デスノートを手に入れることのできる人は極めて僅かだし・・・死神はデスノート所有者にしか見えない。ただそれだけのこと。そういうリアルの領域にあるべきなのだ。
「どうして・・・息子がキラだと思うのかね」
「主人公だからです」
「・・・」
この世界のLこと天才探偵L(山崎賢人)は・・・少し論理より直感に傾いているようだ。
しかし・・・この世界のライトこと夜神月(窪田正孝)は思っていることが顔に出まくるタイプなので・・・仕方ないのかもしれない。
赤いデスノートと死神の目の持ち主でキラの崇拝者であるミサミサこと弥海砂(佐野ひなこ)が突然、夜神家に来訪。
薄氷を踏む思いで・・・監視の目を欺いてきたライト(キラ)は「何か非常に拙い事態」を予測して動揺し・・・挙動不審となるのだった。
天真爛漫なミサミサ(第二のキラ)は崇拝するキラに自分を信用してもらうためにすべてを明らかにする覚悟なのである。
ミサミサの登場にあわてふためくライトを監視するLはニヤニヤするのだった。
「これは・・・キラでしょう・・・」
「・・・キラかもな・・・」
日本におけるキラ事件の捜査官のリーダーである夜神総一郎(松重豊)も息子を庇いきれぬ状況である。
ライトの妹・夜神粧裕(藤原令子)はそういう緊迫した空気を一切読まない。
「アイドルのお仕事御苦労さまで~す。ミサミサって呼んでもいいですか」
「1994年度生まれ組だもの。いいわよ」
「やった~」
「お互い、読者モデル出身だものね~」
「すぐ上に小島瑠璃子さんいますものね~」
「そっちだって有村架純さんがいるでしょう」
「あやかりたいですね~・・・イチゴBERRYさんはTIFには出ないんですか?」
「あらあら・・・他局系のイベントじゃない・・・」
「おっと・・・それではお邪魔虫はこの変で・・・ドロンします」
妹がいなくなったことで・・・さらに高まるライトの緊張。
もはや・・・ライトはアイドルに憧れる平凡な大学生ではなく・・・兇悪犯罪者限定の大量殺戮者なのである。
「あなたに警戒されないように・・・あなたのために・・・・やったの・・・だってあなたはキ」
いけないおしゃべりをするミサミサの口をキスで封じるライトだった。
耳元で・・・小芝居を命じるライト。
言われた通りにライトを平手打ちにして部屋を出るミサミサ。
「ミサミサって何者ですか」
「アイドルですよ・・・国民的アイドルのようでもあり、地下アイドルのようでもある・・・ポジション不明のアイドルです」
「音夏祭には出ないのか」
「だから・・・それは事務所の壁的な・・・」
「アイドルたちがいろいろな場所で夏祭りをする日本・・・平和っていいな」
監視カメラのない場所で密会するキラとキラキラ。
「まずいんだよ・・・部屋はLに監視されているんだ」
「・・・」
「君は・・・無防備すぎる・・・」
「キラのためにはノーガードで」
「下半身の話じゃない」
憧れのアイドルと二人きりなのに・・・もはや欲情もしないライト。
大量殺人の澱みは・・・ライトから・・・正常な感覚を奪っているのである。
凡人だったライトが責め立てる・・・人間の心臓をとめまくる男が人並みに恋なんかできるものか。
「どうして・・・わかってくれないの・・・すべてキラのために・・・」
「デスノートを持ち歩いているのか」
「今度から・・・しまっておきます」
「・・・確かに・・・俺はキラだ・・・そして・・・君は足手まといだ」
「そんな・・・」
「君は・・・余計なことはするな」
「私のことが・・・心配なの」
「・・・そうだ」
「うれしい・・・」
「・・・」
キラが心配するのは・・・キラキラが何かしでかして・・・Lがキラにたどりつくことなのである。
「私が・・・Lを殺してあげる・・・私があなたの目になるわ」
「Lは・・・そんなに甘い相手じゃない・・・」
直感的にキラと第二のキラがいることを見抜いたLはライトを秘密の部屋に招待する。
まるで・・・キラは死神の目を持っておらず・・・第二のキラが死神の目を持っていることを脚本を読んだので知っているかのような推理力である。
「どうして・・・」と仏の模木完造(佐藤二朗)、久しぶりの日村章子(関めぐみ)、ちょっと馬鹿な松田桃太(前田公輝)、偽タキシード仮面の相沢周市(弓削智久)たちは疑問に感じる。
「第一のキラは顔と名前があれば殺せる。第二のキラは顔だけで殺せる・・・以上」
「第一のキラも顔だけで殺せた可能性はありますよね」
「以上」
他人の意見には耳を傾けないのがLなのだ。
ついに敵地に乗り込んだライト。
「この脅迫状をどう思いますか」
「どうして・・・僕に?」
「主人公だからです」
「・・・」
「いえ・・・あなたは僕と出会って・・・才能を開花させたんじゃないのかな・・・と思うんです。僕って刺激的な男だから・・・」
「僕の身体に興味があって・・・監視カメラを仕掛けたのか」
「いえ・・・見られていると知って・・・あなたは・・・自慰行為を控えましたよね」
「そそそそそそそそんなことはないもん」
「・・・第二のキラに・・・第一のキラになりすまして・・・メッセージを送ろうと思います」
「キラは二人いるのか・・・」
「ええ・・・キラとキラキラ・・・三人目がいればキラキラキラ」
「もういいわ・・・」
「偽物のキラへ・・・無差別殺人はいけないよ・・・本物のキラ」
「なるほど・・・シンプルだ」
テレビ番組を使った交換日記である。
「本物のキラへ・・・ごめんなさい・・・キラキラ」
「キラキラへ・・・わかってくれればいいんだよ・・・キラ」
すべては・・・キラがミサミサに命じたことだった。
「私はあなたの夢を叶えるお手伝いがしたい」
「危険な夢なんだよ・・・正体がバレたら逮捕されるかもしれないし・・・呪術を裁判で立証できないと考えたら超国家機関によって殺されるかもしれない」
「ロマンチック・・・」
「君が逮捕されたら・・・君の名前をデスノートに書くよ」
「超ロマンチック・・・」
ミサミサはキラに赤いデスノートを捧げる。
キラは・・・LをイチゴBERRYのライブに招待する。
「僕のとなりの白いシャツを着たメイクばっちりの男がLだ」
ミサミサが死神の目でLの本名を確認したらチェックメイトである。
しかし・・・Lは影武者をライブ会場に多数配置する。
「お面はかぶらないのか」
「ひょっとこが似会うのは銭ゲバとかピョン吉の相棒とかを平気で演じるあの人だけです」
「とにかく・・・今夜は事件のことは忘れて・・・萌えよう」
「ええ・・・ドキドキしますね・・・あなたがキラではないといいんですが・・・」
「え」
「だって・・・あなたは・・・私のたった一人の友達だから・・・」
「ええ」
ステージに姿を見せるマコ(橘希)とセリナ(真凛)・・・。
「ごめんなさい・・・ミサミサは今日・・・トイレの後で手を洗わなかったのでダニにやられてしまって」
「カワええ~」
「カワええ~」
「カワええ~」
「えええ」
「ミサミサさんは・・・最初の脅迫状に指紋を残していて・・・第二のキラとして超法規的逮捕をしました」
「ええええええええええええ」
「どうしたんです・・・ライトさん・・・そんなに驚いて・・・まるで何か・・・計画が狂っているみたいじゃないです」
「お前・・・絶対、原作コミックか・・・映画版を見ているだろう」
「神に誓って・・・アニメ版さえ・・・見てませんよ」
その頃・・・ニアことN(優希美青)は某公園にいた。
「おい・・・N」
「なんだい・・・メロ」
「お前・・・道に迷っているだろう・・・」
「・・・東京って広いね」
「ごまかすな」
「Lの次はN・・・」
「・・・Mを忘れるな」
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