小暮写眞館~心霊写真探偵(神木隆之介)黒いスニーカーの女(成海璃子)
世界陸上的な谷間である。
夏も終わりだな・・・そればかりだな。
クーラーをガンガンに使いすぎて・・・涼しくなると書斎が冷蔵庫の中のように冷えてしまうのだ。
クーラーを停止しろよ。
もう・・・室温25℃を越えると汗ばむんだよな。
雪男体質か・・・。
巨大台風も東京を避けてきたが・・・そろそろかなあ。
今年の秋はどんな災厄が待っているのか・・・。
読者の皆様も夏バテにご注意ください。
・・・遅すぎる残暑見舞いか・・・。
で、『小暮写眞館・第1回~最終回(全4話)・・・2012年3月31日 - 4月21日、NHK BSプレミアムにて放送作品』(NHK総合20150811AM1~)原作・宮部みゆき、脚本・国井桂、演出・熊坂出(他)を見た。BSプレミアムドラマからのお下がりである。公共放送と言う名の有料放送はサービス・サービスなのであった。NHKというものの存在のあいまいさは一種の心霊現象のようなものである。時々、白黒つけたくなるが・・・グレーの領域こそが・・・日本らしさというものなのかもしれない。日本政府、大企業、そして受信料を支払う国民・・・あらゆるものから自由な放送などないわけである。美名さえ言い立てなければ嘘くさくないのにねえ。昔は「受信料」を払わないという猛者のいた制作会社の制作である。今はおそらくいないのだろう。
築五十年の「小暮写真館」に傷心の花菱一家が引っ越してくる。
前店主の小暮泰治郎(品川徹)が死去した後で空き家となっていた写真館の建物を気に入った会社員の父親・花菱秀夫(石黒賢)は営業するわけでもないのに看板などはそのままに移住してきた。
秀夫の妻・花菱京子(松下由樹)や二男のピカちゃんこと光(加部亜門)も状況をすんなりと受け入れる。
しかし・・・神経質な長男のハナちゃんこと花菱英一(神木隆之介)はなにか納得がいかないのだった。
引越しの手伝いにきた親友のテンコこと店子力(堀井新太)はそんなハナちゃんをからかう。
「なんでも・・・小暮さんの幽霊が出るって噂があるらしいよ」
「・・・まあ、いいけどさ」
軽く受け流すハナちゃんだったが・・・確かに・・・小暮さんはいるのだった。
花菱家の心にわだかまっているのはハナちゃんの妹でピカの姉にあたるフーコこと花菱風子(新井美羽)の早世だった。
フーコは満四歳でインフルエンザ脳症により亡くなったのである。
フーコの死に気がつかなかった母親は自分を責め、仕事で家にいなかった父親も自分を責め、先にインフルエンザに罹患していたピカも自分を責め、容態の急変に気が付きながら寝入ってしまったハナちゃんも自分を責めているのだった。
フーコの葬儀で心ない言葉で妻の京子を詰った母親の敏枝(大方斐紗子)に腹を立て秀夫は花菱一族と絶縁し、気を使った京子も実家と絶縁している。
小暮写真館に移住した花菱家の事情である。
しかし、傷ついた家族の心は・・・不思議な出来事と周囲の人々との出会いで癒されて行くのである。
小暮写真館を紹介したST不動産の社長・須藤(笹野高史)を訪ねたハナちゃんは事務員の垣本順子(成海璃子)と出会い、ツンデレの年上の女と交流を深めて行く。
しかし・・・順子には実母の垣本保恵(黒沢あすか)との間に陰惨な確執があった。
男狂いの母親の情夫に十代の順子は母親の目の前で強姦されていたのだった。
理知的な順子は・・・ハナちゃんに的確なアドバイスをするが・・・その心は常に死と隣り合わせているのだった。
小暮写真館が営業を再開したと誤解して奇妙な写真が持ち込まれる。
「家族団欒の写真に泣いている女(田中美里)の首が映っている」
「縁側での家族写真に父親(渡辺哲)と娘(徳永えり)の泣き顔が映っている」
「フリースクールの集合写真で少年(浦上晟周)の上に変なカモメが飛んでいる」
成り行きで心霊探偵となったハナちゃんはアドバイザーであり、後見人であり、助手である順子と真相に迫って行くのだった。
そこには・・・。
「怪しい宗教を信じる一家にいびりだされた嫁の生霊」とか「プライドがたかい男の哀しい念写能力」とか「モラルハラスメントに悩む母親を思う幼子のトリック」とかが隠されていたのだった。
その間にも・・・順子は・・・「電車を正面から見たくなった」と言って線路に飛びこみ、「待ち合わせに遅れたくなかったから」と言って睡眠薬を飲み過ぎ・・・対岸へと渡りかける。
ハナちゃんは小暮さんの霊に導かれ・・・順子の危機を救うのだった。
やがて・・・ハナちゃんは・・・順子の不幸な過去を知る。
同時に・・・淡い初恋をするのだった。
暗い情念を抱えた美少女・・・順子に・・・一部お茶の間はうっとりするのである。
家出して・・・友達の家の庭でキャンプとか・・・小学生が一人で墓参りとか・・・深夜に河川敷のベンチに女性が佇むとか・・・いろいろタイムリーな事象もちりばめられている。
妹の死に対する自責の念を感じるハナちゃん。
しかし・・・順子はささやく。
「あんたの家の子供に生まれたら・・・きっと・・・幸せだったと私は思うよ」
リバーサイドの高層マンションのベランダに幻のフーコが現れる。
手をふるハナちゃん。
手をふるフーコ。
慰められたハナちゃんは順子に手数料として「三雲高校鉄道愛好会」の田中博史(加藤諒)から「正面から電車が見えるポイント」を入手して支払うのだった。
付き添い人としての順子と祖父の納骨式に参加するハナちゃん。
「一族の皆さんに不義理を重ねていることをお詫びします・・・しかし・・・妹の葬儀であなたたちは善意だか正義だかに基づき・・・私の母に言ってはならないひどいことを言った・・・それだけは許さない・・・私たち一家のことは放っておいてください」
口汚い祖母は冷水を浴びせられるのだった。
心臓発作で死ぬのかと思ったぞ。
駅まで走る二人。
ホームで記念写真を撮った順子は・・・無垢な年下の恋人に別離を告げる。
「私・・・あなたの写真を大事にする・・・でも・・・私の写真は捨てちゃっていいよ」
「・・・」
「まあ・・・いいけどって・・・言えば」
「嫌だ」
線路を渡って反対側のホームに立った順子はローカル線に乗り込む。
ほほえんで・・・ありがとうとささやく順子。
母親への殺意を秘めた美しい年上の人を・・・もやもやしながら見送るハナちゃんだった。
まあ・・・これ以上の進展は公共放送には・・・無理だもんな・・・。
菜の花畑に順子の母親の骸が埋まっているとか・・・。
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