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2015年8月 9日 (日)

何が欲しいのか今もわからない(松山ケンイチ)スイカを抱きしめて(前田敦子)片思いの夏休み(満島ひかり)

母親たちは子供をさがしている。

あどけない寝顔で寝息をたてる子供を。

夏の浜辺で水しぶきをあげる子供を。

玩具売り場で泣きわめく子供を。

うるさいほどにまとわりつく子供を。

しかし・・・時は流れて行く。

あの子供たちはもういない。

スイカを食べていた子供たち。

花火を見上げていた子供たち。

日焼けで黒くなった子供たち。

あの子供たちはみんな大人になってしまった。

母親は耳をすます。

どこかで子供たちの声がする。

胸が騒ぐ。

しかし・・・もうあの子供たちはいないのだ。

で、『ど根性ガエル・第5回』(日本テレビ20150808PM9~)原作・吉沢やすみ、脚本・岡田惠和、演出・菅原伸太郎を見た。不思議な友達は・・・王道の展開である。時にはオバケ、時にはロボット、時には怪物、時には忍者・・・しかし、中学生になっているのにカエルのお化けと付き合っている主人公は・・・やはり、少し、発達障害の気配がある。アダルト・バージョンになって・・・それが・・・リアルに描かれる。リアルなのに・・・平面ガエルが実在している以上・・・ファンタジーなのである。なんとも・・・奇妙な世界・・・そこに漂う哀愁。これは・・・凄いね。凄すぎるね。

子供たちの夏休みと言えば早朝のラジオ体操である。

物干し台で・・・ピョン吉(満島ひかり)は母ちゃん(薬師丸ひろ子)と深呼吸をする。

体調不良のピョン吉を気遣って・・・母ちゃんは健康法を指南するのだ。

「深く吸って・・・吐いて」

「すうううううううはああああああああ」

ど根性な肺活量は洗濯物を吹き飛ばす。

夜勤明けの五郎(勝地涼)はひろしのパンツを受けとめるのだった。

「ありがとう・・・朝ごはん食べていきな」

「ごちになるでやんす」

ひろし(松山ケンイチ)と食卓を囲む五郎。

母ちゃんはピョン吉のためのスタミナメニューとしてイナゴの佃煮を用意する。

警察官の直感で・・・違和感を感じる五郎。

しかし・・・ピョン吉は・・・虫が苦手な体質になっていた。

ひろしは呑気に・・・クワガタ捕りの話をする。

「こんな街でクワガタなんて捕れるはずないのに・・・何が楽しかったんだろう」

「でも・・・楽しかったでやんす」

ひろしと五郎の小学生時代の思い出・・・。

中学生のひろしと出会ったピョン吉にとってそれは知られざる過去であった。

その日はゴリラパン創業30周年のイベントがあり・・・ひろしと母ちゃんは・・・早めに出勤する。

残された五郎とピョン吉。

五郎は・・・実は長年の夢だった・・・ピョン吉Tシャツを着ることをピョン吉に願い出る。

五郎とピョン吉のコンビ誕生である。

一人と一匹は街に出るのだった。

五郎・・・夜勤明けなのに・・・タフだな。

ひろしは・・・朝礼で・・・早くもふてくされるが・・・恒例行事の「新入社員の一日社長」に色めき立つ。

京子(前田敦子)との一日社長争奪激辛ゴリラパンゲームで・・・当たりを引き・・・退屈な日常に風穴をあけるのだった。

ノリノリで社長ごっこを始めるひろしに・・・母ちゃんと京子はため息をつくのだった。

しかし・・・腐っても主人公である。

営業もしないのに・・・社長室に座っているだけで・・・ゴリラパンの大量発注が舞い込むのだった。

「ゴリラパンを五千個ですと」

「単価は60円です」

一日社長秘書を務めるゴリライモこと五利良イモ太郎(新井浩文)は素人のひろしを補佐する。

発注してきたポンポコ商事はかってゴリライモが営業したが注文をとれなかったイベント会社だった。

社長を演じるのは手塚とおるなので・・・すでに・・・きな臭いわけである。

五千個の増産を開始するゴリラパン工場・・・。

その頃・・・街に出たピョン吉と五郎は・・・。

梅さん(光石研)とよし子先生(白羽ゆり)の十六年におよぶいつものプロポーズ失敗につきあい、町田校長(でんでん)と「やってみたいこと」について語りあう。

「五郎のやってみたいことってなんだい」

「そうでやんすね・・・車の走っていない車道を横断するとか」

「ひろしはいつもやってるぜ」

「しかし・・・公僕である立場上・・・できないのでやんす」

そこへ・・・老婆が巨大西瓜を二個・・・放出するという惨事が発生する。

坂道を転げ落ちる西瓜。

その行く手には・・・乳母車を押す母親がいて・・・このままでは大惨事発生である。

車道を横断して救助に向かうピョン吉と五郎。

五郎は夢を叶え、母子を西瓜追突事故から救うが・・・ピョン吉の体調不良に気がつく。

ピョン吉は発熱していた。

あわててパン工場に向かう五郎。

しかし、大量発注に浮かれるひろしはピョン吉の異変には気がつかない。

ピョン吉もひろしの邪魔にならないように病状を隠すのだった。

結局・・・母ちゃんと京子がピョン吉を看病するのだった。

五郎が着衣中のピョン吉を撫でさする母ちゃん。

鈴鹿ひろみに乳首周辺を愛撫された前髪クネオは必死に耐えるのだった。

あきらかに狙っています。

それは邪推だろうがっ。

京子はピョン吉の頬に梅干しを貼って少し可愛くデコレーションするのだった。

ピョン吉は・・・雄ガエルだが・・・明らかに13人に一人のタイプを示している。

ひろしが・・・好きなんだよな。

男と男の垣根を越えて・・・。

それも邪推だろうがっ。

でも恋をした

でも片思い

そこかっ。

「卸値は40円の約束でしたよね」

「え」

納品に来たひろしにふっかけるタヌキな社長・・・。

ひろしは困惑するが・・・。

「つまり・・・予算不足で・・・最初から値切るつもりでウチに発注したんですね。いいでしょう・・・その代わり・・・今度は儲けさせてください」

ゴリライモは冷静に損して得とれ的対応をするのだった。

「そんな・・・」と納得のいかないひろし・・・。

「あいつは・・・最初から俺を騙すつもりで・・・汚いよ」

「いいんだ・・・これも商売のかけひきだから・・・」

「それが・・・大人になるってことか・・・」

「台所事情はどこも苦しいし・・・やりくりが必要なだけだよ」

「お前に迷惑かけたんじゃ・・・」

「大丈夫・・・40円ならギリギリ原価割れしてないよ・・・トントンだ」

「・・・」

またしても・・・ゴリライモが一人だけ大人になってしまったようで・・・淋しさを感じるひろしだった。

そんなひろしの心の鬱屈を察する一同。

梅さんの寿司屋で創業の祝いの宴を開催である。

「俺は・・・情けないよ」

「情けないってことがわかるなんて大人になったね」とどこまでも甘い母ちゃん。

「俺は・・・自分が何をやりたいのかさえ・・・わからない」

「究極の片思いだねえ」と目を細める京子のおばあちゃん(白石加代子)・・・。

ピョン吉は・・・人間たちの会話に耳をすます。

帰り路・・・京子はゴリライモに問う。

「なんで一日社長なんて始めたの」

「俺だって・・・しんどいのさ・・・一日くらい・・・休みたい」

「そうか・・・」

ゴリライモが苦しんでいることに安堵する京子。

京子だって苦しくないはずはないのである。

ひろしは・・・ひょっとするとすべてを理解してバカを演じている可能性が浮上する。

翌日は日曜日、ピョン吉はおねだりをするのだった。

「クワガタ捕りに連れてってくれよ」

「なんでだよ」

「だって・・・いるのか・・・いないのか・・・わからないから・・・ドキドキするだろう」

母ちゃんはピョン吉の意図を察するのだった。

「そうだね・・・クワガタ捕りに行こう」

公園でスイカを抱えた京子や・・・不眠不休で勤務につく五郎と合流する。

ひろしは・・・主人公パワーで樹上のクワガタを発見。

子供のように木登りを始める。

ひろしとピョン吉を見守る母ちゃんと五郎と京子。

三人は・・・ピョン吉の異変に気が付いているのだった。

「ピョン吉はもしかして・・・」

「・・・」

不吉な予感に黙り込む三人。

「昔は京子ちゃんもパンツ丸出しで登ってたわよね」

沈黙に耐えかねて鈴鹿ひろみと化す母ちゃん。

「昔の話ですよ・・・もう・・・アイドルじゃないし」

しかし・・・ピョン吉は叫ぶ。

「おいらはさ・・・カエルだから・・・人間より・・・早く死ぬかもしれないよ・・・でも・・・そんなの嫌だよ・・・俺はひろしとずっと生きていたい・・・だってずっと一緒だったもの・・・カエルがダメなら・・・人間になりたいよ」

「何言ってんだ・・・」

「・・・何でもない・・・いつ死ぬかわからないから・・・楽しいって話さ」

「うん・・・そうだな・・・わからないのは・・・楽しいよな」

さりげなく・・・たちあがる・・・ひろしの一生の終わりの予感。

クワガタに手が届きそうな一瞬。

ひろしは樹上から落下する。

絶体絶命・・・しかし・・・母ちゃんが教えてくれた深呼吸が役に立つのだった。

吐息式ホバリングである。

その風でもめくれない京子のロングスカート。

もはや・・・アイドルではないんだなあ・・・。

アイドルならマリリン・モンローみたいに・・・いつの話だよっ。

セーラー服と・・・。

ピョン吉のど根性を見た一同は・・・その健気さに・・・自分自身を省みる。

ひろしとピョン吉と京子の三角関係でもうっとりしたい今日この頃である。

京子の離婚相手は・・・出さないつもりなのか・・。いや・・・そうもいかないだろう。

気になるものなあ・・・。

「銭ゲバ」か・・・「はらちゃん」から・・・誰か来るかな・・・。

アイドルかヤサグレか・・・それが問題だ。

その二者択一しかないのかよっ。

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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コメント

ソフトボールの試合でゴリラパン配るつもりだったんだな手塚とおる。しかしマジ女の保健室の先生は生き別れの兄弟なんでしょうか。すべてバーチャル世界の夢なんでしょうか。

…じゃなくて、大人ゴリライモには惚れまくる今日このごろなのであります。

そして同じ犬を10年以上も飼っている者にとっては、もの言えぬ動物であっても(だからこそ)今回のぴょん吉の言葉は響きまくるのであります。ケロケロ

なんだか来週は走れ!ケー100でのトラウマが疼きそうな今日この頃……

投稿: 幻灯機 | 2015年8月 9日 (日) 14時10分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

いい年をした大人がアイドルに萌える時代でございます。

神出鬼没で善悪を超越する手塚とおる氏・・・。

ある意味、夢の存在でございますな。

大川栄子がピコピコに可愛かった時代・・・。

ガメラ脚本家の描く奇想天外世界・・・。

ハナ肇も笠智衆も野沢那智も消えた・・・。
しかし・・・どっこい生きている大野しげひさ翁・・・

ピョン吉の恩返しで・・・
けして開けてはいけない扉の向こうでは小雪が・・・。

投稿: キッド | 2015年8月 9日 (日) 15時43分

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