まずはシェイクハンドから(伊原剛志)シェイクハンド・・・(東山紀之)ざけんなよ(井上真央)
ファンタジーというよりメルヘンだな・・・。
何が哀しくて吉田松陰の妹のご機嫌を・・・高杉晋作、桂小五郎、次期藩主の毛利元徳までが伺わねばならんのだ・・・。
まあ・・・禁門の変から第一次長州征伐まで・・・長州を窮地に追いつめた薩摩国と・・・軍事同盟を締結することに対し・・・長州藩にあった心理的な抵抗を主人公に仮託したという手法である・・・と言うしかない。
しかし・・・そのためには・・・夫を殺したのが薩摩である。
この強調がなされていないとねえ。
ドラマでは・・・吉田松陰を処刑した幕府と・・・それに追従した長州藩の保守派。
禁門の変から第一次長州征伐に至る幕府軍と・・・それに追従した長州藩の保守派。
これに加えて・・・京都における夫の愛妾問題に対する主人公の葛藤があり・・・「薩摩憎し」の感情が突然発生したようにしか見えないのだった。
「椋梨藤太憎し」も同様だけどな。
まあ・・・こんなもんだよねえ。
歴史をひもとくと・・・状況の類似というものの発見が醍醐味の一つになる。
たとえば・・・「薩長同盟」と「日米同盟」である。
もちろん・・・厳密に言えば状況はかなり違う。
しかし・・・「昨日の敵は今日の友」という言葉の裏に潜む・・・様々な感傷を想像することができるのである。
政府「日米は軍事同盟を結びます」
沖縄人「え」
東京人「と、東京大空襲で十万人焼き殺した相手と・・・」
広島人「げ、原爆・・・」
長崎人「げ、げ、原爆・・・」
英霊たち「・・・」
政府「じゃ・・・ソ連か中国共産党と軍事同盟結びますか?」
一同「いやいやいや・・・」
いろいろあるけれど・・・薩長同盟も日米同盟も・・・歴史的な事実なんだな。
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び・・・「利」をとるのも人間なのである。
で、『花燃ゆ・第34回』(NHK総合20150823PM8~)脚本・金子ありさ、演出・橋爪紳一朗を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は若かりし頃の藩主夫人・都美姫(1985年の大河ドラマ「春の波涛」で松坂慶子が演じた川上貞奴・・・伊藤博文の愛妾ヴァージョン)の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。伊藤博文(伊丹十三)とか幸徳秋水(蟹江敬三)とか坪内逍遥(仲谷昇)とか山縣有朋(高橋悦史)とか板垣退助(米倉斉加年)とか・・・嗚呼・・・でございますな。一方・・・奇想天外を通り越して荒唐無稽の域に達してきた本編・・・。自分たちがどれほどの「とんでもドラマ」を作っているのかという自覚が・・・ひょっとしたらスタッフにないのかもしれないと考える今日この頃です。なにしろ・・・ワイドショーの独占インタビューで山本耕史が語る・・・「私はこうして堀北真希を攻略した」という話の方が百倍面白いですからなあ・・・とほほですなあ。
慶応元年(1865年)五月、坂本龍馬、「亀山社中」を結成。閏五月二十一日、下関で龍馬は桂小五郎と西郷隆盛の会合をセッティングするが西郷は欠席。二十二日、将軍家茂が上洛。二十八日、椋梨藤太処刑。六月、幕府は周防徳山藩主・毛利元蕃と周防岩国領主・吉川経幹の召喚を命ずるが長州藩は拒否の姿勢を示す。八月、禁裏御守衛総督・徳川慶喜の主導により長州再征勅許が求められる。龍馬は薩摩藩名義で購入したミニエー銃を長州藩にお届け。杉百合之助死去。十月、英国製蒸気軍艦「桜島丸」の運航が薩摩藩より「亀山社中」に委託される。幕府は朝廷と兵庫開港の条約勅許で対立。十一月、幕府は長州に降伏条件の不履行について外交圧力を強化するも長州側は屈せず。幕府は第二次長州征伐の布陣を開始。十二月、桂小五郎は藩命により三田尻を出航。慶応元年二年(1866年)一月二十二日、長州処分の勅許が下される。同日、小松帯刀の京都屋敷において、桂と西郷の会談が開かれ、龍馬が立会人となって薩長同盟締結。二十四日、伏見奉行が寺田屋を襲撃。二月、防長武士および農民の対幕府決戦の覚悟を述べた「防長士民合議書」が配布される。幕府軍と長州軍の激突の時は迫っていた。
瀬戸内海の小島に・・・坂本龍馬が率いる科学忍者隊の秘密基地があった。
薩長同盟を成功させるために放浪中の高杉晋作一行を道後温泉でキャッチした龍馬は潜水艦「鶴川」で秘密基地を出航、九州・福岡に上陸する。
「黒田藩は結局、佐幕派ではないのか」と問う高杉晋作・・・。
「筑前宰相の黒田長溥様は勤皇志士嫌いじゃが・・・蘭癖じゃ・・・攘夷と開国は・・・奇妙なものじゃき・・・」
「・・・」
「みんな・・・攘夷、攘夷と騒いでおるが・・・結局は開国しなければ攘夷など絵空事・・・この辺が難しいのじゃき」
「その通りです」
「黒田様には・・・薩摩と長州の密約の後ろ盾になってもらおうと思うちょる」
「なんだと・・・」
「黒田様は・・・毛利家には同情的じゃが・・・それだけではすまん」
「どういうことだ・・・」
「黒田様は・・・シーボルト一族と秘密の研究をしているんじゃ」
「秘密の研究・・・」
「そこで・・・井上さんに来てもらった・・・」
「わしになんの用じゃ」
「ちくと・・・血を抜かせて欲しいんじゃ・・・」
「血・・・」
「知っちょるぞ・・・井上さんが・・・不死身だと言うことは・・・」
「・・・」
「なんでも・・・長崎のタダ博士は・・・おまんの細胞を培養したいらしい」
「サイボーのバイヨー・・・」
黒田藩にある秘密研究所では美少女天才科学者・失本タダが待っていた。
「龍馬・・・その男が・・・死んでも生きかえるという超人か・・・」
「そうだ・・・長州藩士・井上聞多様じゃき・・・」
「誰でもいい・・・とにかく採血じゃ・・・」
強制的に採血される聞多だった。
「俺の血をどうするつもりでありますか」
「なんでも・・・死人を蘇らすそうだ・・・フラフラ坊主とかいう」
「フランケンシュタインのモンスターよ・・・これはフィクションじゃないの・・・」
「・・・」
「死を克服する・・・医学の最終目的よ・・・」
美少女天才科学者は目を輝かせる。
とにかく・・・黒田藩の協力により・・・薩長同盟の交渉は進捗していくのだった。
美和は・・・現実離れした展開に眩暈を感じる。
関連するキッドのブログ→第33話のレビュー
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