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2015年8月21日 (金)

誰かが助けてと叫ぶ夜(北川景子)ただいま救援中(川口春奈)野垂死の目撃者(門脇麦)

女子中学生の惨殺事件が関西で発生中である。

現実の警察が事件の真相を明らかにすることを祈るばかりである。

現実の世界の残酷さと・・・フィクションの世界の残酷さは時にリンクする。

しかし、それはあくまで作り手の妄想と受け手の妄想が重複するようなものである。

ハードボイルドの作品では・・・時系列のシャッフルによる釣りが禁じ手であることは前にも述べたが・・・なにしろ・・・しらけるのである。

「前代未聞のラストシーン」などと惹くのも醜悪だ。

まあ・・・視聴率に基づくビジネスなので・・・なりふりかまわない姿勢は仕方ないが・・・あまりにウエットで・・・ハードボイルドに似会わないのである。

いや・・・物凄いシーンを見せてくれれば問題ないのですが・・・絶対、そんな演出力ないんだから・・・ねえ。

で、『探偵探偵・第7回』(フジテレビ20150820PM10~)原作・松岡圭祐、脚本・徳永友一、演出・森脇智延を見た。半グレ集団(暴力団指定されていない暴力組織)の一つ「野放図」に拉致された紗崎玲奈(北川景子)が着衣のまま覚醒するのはお茶の間に配慮すると同時に主演女優のポリシーの問題であってリアリティーとは無縁である。逃亡を阻止し、武装解除するためにも実際は全裸で捕縛されていると妄想補完しなければならない。剥き出しにされた局部に縄が食い込み、玲奈は屈辱とともに死地に落ちたことを悟る。

拉致現場から程近い「野放図」の接客用施設には・・・升瀬淳史(中野裕太)や沼園賢治(姜暢雄)が集合していた。

男たちは美貌の虜囚の艶めかしい姿に心を奪われている。

「一体、この女、なんなんだ」

「しばらく・・・お待ちください」

野放図のメンバーである宇佐美秋子(今村美乃)が客たちを宥める。

野放図のリーダーである淀野瑛斗(丸山智巳)は玲奈を見下ろす。

「お前・・・誰だ」

「・・・」

「紗崎玲奈という探偵なんだろう・・・」

「・・・」

「何しに来たんだ」

「死神という探偵に用がある」

「死神・・・か」

「どうせ・・・殺すなら・・・教えてくれ・・・死神のことを・・・」

「さあな・・・」

玲奈は淀野が秋子に目配せするのを見た。

死神につながる細い糸があることを感じる玲奈。

「皆さん・・・闖入者のおかけで少し・・・時間をロスしましたが・・・まもなく出発しますのでご安心を・・・」

「ペナルティーを要求する」と客たちが騒ぐ。

「ペナルティー?」

「予定変更の違約金・・・と言いたいところだが・・・その女でいい」

「なるほど・・・処分の前にご賞味なさりたいと・・・他にご希望のある方は」

二人が手をあげる。

「それでは・・・別室をご用意します・・・ただし・・・三十分程度でお願いします」

全裸で拘束されたまま・・・担ぎあげられた玲奈は個室に移される。

男たちは下腹部を剥きだしてそそりたつものを身動きできない玲奈の露出された局部に押し付ける。

身悶える玲奈。

そこへ・・・鉄パイプを構えた窪塚悠馬(三浦貴大)が現れた。

剣道の有段者である窪塚は三人の男たちを悶絶させる。

「・・・」

男たちの一人の上位とスボンを脱がせた窪塚は玲奈とともに抱えあげる。

侵入経路を逆にたどり脱出した窪塚は玲奈を愛車に詰め込んだ。

カッターナイフで手の縛めを切断する。

「後は・・・自分でやれ・・・とにかく撤退する」

「・・・」

「とにかく・・・上着を着て大人しくしていろ・・・出血があるが・・・大丈夫か」

「どうして・・・あなたが・・・」

「お前の助手に頼まれた・・・お前の位置は助手が追跡していた」

「琴葉・・・いつの間に・・・これから・・・どうする気」

「ここは・・・俺の実家が近い・・・ひとまず・・・そこに避難する」

「・・・」

「それとも・・・あそこに・・・拉致された女たちがいたのか」

「いない」

「男たちだけでは・・・どうすることもできない・・・それとも・・・お前は暴行傷害でやつらを訴えるか」

「・・・」

傷だらけの玲奈は・・・窪塚の母(岡まゆみ)にもてなされる。

ただならぬ気配に起き出した窪塚の幼い娘(藤田彩華)は亡き母の服に着替えた玲奈を「新しいお母さん」と決めてかかる。

刑事の家庭の地道な日常生活に・・・修羅場の毒気を抜かれる玲奈だった。

「今度・・・父兄参観日に来て」

「・・・わかった」

こんな危険な女に来られてたまるかと思う窪塚だった。

「どうする・・・」

「問題は消えた女たちの居場所ね」

「相手は野放図だ・・・資金力もあるし・・・アジトを特定するのは難しい」

「淀野瑛斗とはどんな奴」

「大学生時代に覚醒剤などのドラッグを使った乱交パーティーを主催したのを手はじめにスーパーでフリーな闇のビジネスを手掛ける弁護士だ」

「手掛かりはDVシェルターにあると思う」

「なぜだ・・・」

「内部に協力者がいたと野放図のメンバーが口にしていた」

「協力者・・・都の職員だぞ・・・」

「国会議員だって犯罪をおかす」

「・・・」

「ところで・・・刑事がこんなことしてていいの」

「緊急避難だ・・・人命優先で行動する・・・刑事失格だがな」

二人はDVシェルターを訪問する。

元おはガールの職員・穂津芽衣(安藤聖)に対する事情聴取で野放図のトリックを見破る玲奈。

「お粥を高熱で蒸発させ・・・失われた水分を昏睡させた人間の体重で補完したのよ」

「侵入者を許さないハイテクを逆利用したのだな」

配送トラックの運転手である宇佐美秋子の父(千葉哲也)と挙動不審の職員・笹倉志帆(橋本真実)がグルであることを看破した玲奈は「欠勤通知」のメールに添付された位置から・・・笹倉の現在地を特定する。

「池袋から車で三時間の山奥だ・・・符合するな」

「野放図はフリーメールのアカウント共有を連絡手段にしている。送信履歴を残さないトリックだけれど・・・下書きはチェックできる・・・おそらく・・・笹倉が野放図のマリコなのよ」

「イベント開催は・・・日の出後か・・・」

「急ぎましょう」

刑事と女探偵は戦場へ向かう。

「戦力不足ね」

「高速で速度違反をして・・・パトカーに追跡してもらう」

「免職になるわよ」

「・・・見て見ぬフリして・・・生きるのには・・・飽きた」

「・・・」

暴走する刑事の車をパトカーと警察ヘリが追跡するのだった。

人里離れた山奥のイベント会場。

「皆さん・・・お待たせしました・・・野放図がお届けする愛しい人との再会の宴の開幕です」

整列したDV加害者たち。

そこに呪縛された芦原遥香(西原亜希)や沼園凛(門脇麦)などのDV被害者が連れ出される。

男たちは歓声を上げる。

「遥香・・・お前を捜すのに・・・大金を使ったよ・・・」

「わ・・・私のお金じゃない」

「生意気な口を聞くんじゃないよ」

男たちは自分の女たちに暴力をふるい始める。

「皆さん・・・どうぞ・・・ご自由に再会の喜びをわかちあってください・・・ここは野放図の私有地ですので・・・スーパーにフリーにエンジョイできます・・・よきところで・・・指定の場所まで送迎いたします・・・なお・・・ここでお相手が死亡した場合の処理費は別料金となりますのでご注意ください」

そこへ乗り入れる刑事と探偵。

刑事は野放図の男たちを車で追いたてるが運転を誤り転倒してしまう。

車から脱出した二人は乱闘モードに突入するのだった。

「応援はどうしたのよ」

「警察ヘリが下の状況を知らせれば・・・誰かが駆けつけるだろう」

「それまで持つかしらね」

玲奈は秘密兵器ガソリンライターで火炎放射などで野放図を駆逐する。

多勢に無勢だが・・・混乱した男たちは窪塚の鉄パイプの餌食になるのだった。

玲奈はついに・・・宇佐美秋子を追い詰める。

「死神の名前を言いなさい・・・じゃないと殺すわよ」

「こ・・・殺さないで・・・さ・・・さわやなぎ・・・なな・・・」

「・・・」

その時、沼園凛を庇った窪塚は淀野のナイフに貫かれていた。

「危ない」

「グギギ」

玲奈は駆け寄るが・・・間に合わなかった。

淀野は玲奈のタックルを受け・・・転倒して自傷する。

「グギギ」

「窪塚刑事・・・」

「あはは・・・やはり・・・慣れないことはするもんじゃないな」

「死なないで」

「グギ・・・」

「・・・」

高まるサイレンの音。

茫然とする男と女たち・・・。

まあ・・・アクション監督がいないアクションは・・・アクションのようなものに過ぎないという見本がここに・・・。

峰森琴葉(川口春奈)は玲奈の無事を祈る。

しかし・・・窪塚刑事はその祈りの対象から漏れていたようだ。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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