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2015年8月15日 (土)

お嬢さん、お入んなさい(芳根京子)トレイントレインもモータリゼーションの波にのまれて(吉本実憂)美女と野獣(神田沙也加)

勝利の喜びは・・・残虐な現実を飲みこんでいく。

敗北の悲しみは・・・残虐な現実を生み出していく。

勝負とはそういうものだ。

敗北感を相殺するために新たな勝利を望むものは・・・自爆も辞さない場合がある。

打ちのめされて泣くのも人間。

高枝切り鋏をふるうのも人間である。

なんの話だよ。

「あーだこーだ言える時代は素晴らしい・・・もっとあーだこーだ言うべきだ」

百歳の翁の言葉は重い。

だが・・・「あーだこーだ」言ったとしても・・・現実的な選択肢は少ない。

勝者が分裂している時に・・・敗者は・・・顔色を窺うしかないのである。

「どっちについたら・・・正しいの・・・」

70年後・・・選択の結果は出ているだろう。

だからといって・・・そのことについて・・・「あーだこーだ」言われても・・・ねえ。

きっと・・・精一杯だったし・・・なるようになったんだよ。

「戦争」について学び、思考実験の中で・・・何千何万何億という人間を殺戮し・・・あらゆる可能性を吟味し・・・選択しても・・・人間は間違える。

間違えないのは・・・間違えないタイプのドラマの主人公だけなのです。

で、『表参道高校合唱部!・第5回』(TBSテレビ20150814PM10~)脚本・櫻井剛、演出・石井康晴を見た。山本美月と早見あかりのツーショットって神々しいよな・・・別次元だよな。・・・誰がAスタジオの話をしろと・・・。うっとりモードが解除されないんだよな。夏のせいもあるけれど・・・処理能力が明らかに劣化してきたよね。昔はドラマ一本は完全に記憶できたけどな・・・最近はなんとなく霧がかかったような記憶に・・・妄想しているつもりがそのまんまだったりするよね。自覚のない再現性の高さほど恐ろしいものはないからな。情報をコピーするだけの生き物が傲慢になると・・・オリジナル性があるとか言い出すんだよな。

真琴(芳根京子)の魔性の歌声はついに合唱部顧問の鈴木有明先生(城田優)の「キャバクラ嬢にいれあげるだけが人生だ」という呪いを解き・・・表参道高校合唱部はついに廃部の危機を克服したのだった。

一方・・・禍々しい美少女・・優里亞(吉本実憂)は実の父親(加藤虎ノ介)とのツーショットを盗撮され・・・「ホームレスの娘」として揶揄されるのだった。

優里亞のとりまきである竹内風香(小島梨里杏)と相原ほのか(長谷川ニイナ)は反逆の時を待って追従する。

香川天国からのうどん天使である真琴は・・・優里亞の心の痛みを感じて、救済に乗り出すのである。

テレポーテーション(瞬間移動)の能力を持つ天草教頭(デビット伊東)は合唱部に対するいやがらせとして・・・「合唱コンクールの東京都大会で入賞しなければ同好会に格下げ」を発表する。どんな権限なんだよ。

鈴木先生は合唱部の人間関係に波風を立てつつ・・・心を一つにするために・・・路上合唱訓練を申しつける。

路上生活中の雄司(川平慈英)が優里亞の父親とホームレス仲間だったことで・・・真琴は優里亞の心に眠る「思い出の歌」の発掘に成功する。

幼馴染を思うステキ男子のトッキュウ1号こと夏目快人(志尊淳)は優里亞が重ねてきた犯罪クラスの悪事を追及する。

「全部吐き出してしまえ」

「父との秘密を探るために・・・同級生に窃盗犯の濡れ衣を着せたり、転校生に泥水あびせたり、過去のスキャンダルを掘り起こしたり・・・」

「ゲロゲロ」

しかし・・・優里亞のすべての悪事は素晴らしいインターネットの世界で暴露されてしまう。

たちまち・・・女王の座から転落し・・・孤立する優里亞。

二人の子分は・・・ついに・・・「中学生時代のいじめられっ子だった優里亞の姿」を公開し・・・女王にとどめをさすのだった。

「おまえはもう女王様じゃねえから」

「おまえはクラスの最下層民だから」

「こんな・・・学校やめる」

母親(原沙知絵)の新しい夫(山田純大)のコネで・・・やらせのオーディション合格が決まっている優里亞は・・・芸能界一本で生きる覚悟をする。

そのために・・・母親から・・・父親との決別を求められる優里亞だった。

マネージャーとともに・・・ホームレスのホームにやってきた優里亞。

「この人は誰ですか」

「ボランティアで知り合った・・・赤の他人です」

「本当ですか・・・」と父親に念を押すマネージャー。

「間違いありません・・・」

居合わせた真琴は・・・哀しい気持ちになるのだった。

昔・・・優里亞は・・・貧しさに負けて夫婦喧嘩をする両親を歌で仲直りさせた天使だったのである。

「お父さん・・・街を出て行くって・・・長距離バスで」

「その日・・・私は大事なオーディションがある」

「このままでいいの」

「私の気持ちなんかわからない」

「わかるよ・・・私の親も離婚の危機だし」

「原爆被災者の気持ちを東京大空襲被災者がわかるみたいなこといわないで」

「ヒロシマの人の気持ちはナガサキの人にならわかるんじゃ」

「その・・・たとえやめろ・・・」

天使である真琴には・・・堕ちた天使・優里亞の気持ちがわかっていた。

「校長先生・・・どうすればいいでしょう」

「歌には・・・人の気持ちをつなぐ力がある・・・あなたが人と人をつなげたいと思えば・・・かならずジョイントできるわよ」

大曾根校長(高畑淳子)は適当なアドバイスをするのだった。

早速・・・合唱部に「優里亞の救済」を求める真琴。

しかし・・・優里亞にひどい目にあってきたメンバーの気は重い。

「盗んでもいない金を盗んで・・・みんなに疑われた傷は深いよ」

「仲間を信じてやれなかった傷も深いよ」

「みんな・・・ポンコツだしな・・・」

「ポンコツは言いすぎだろう」

「僕からも頼む」

快人に言われてその気になる女子たち。

「お願いします」

真琴に頼まれたら嫌と言えない男子たちだった。

おい・・・ちょっと違うだろう。

「顎をひけ」

「お尻をつきだせ」

「フラフラするな」

鈴木先生の熱血指導。

「うわあ・・・こんな道端で合唱してる人たちがいる・・・なんだろうなんだろう・・・すごいなすごいなー」

合唱部副顧問の瀬山えみり先生(神田沙也加)もサクラとして応援するのだった。

「鈴木先生、TRAIN-TRAIN入りました」

「じゃ・・・男子メンバーの補強だ」

「快人くん入りました」

「よし・・・合唱部・・・出動だ」

謎のピアノ少女・桐星成実(柴田杏花)はキーボードをスタンバイするのだった。

優里亞のオーディション会場に現れた・・・表参道どこでも合唱団・・・。

「あの人たち・・・なに・・・」

「し・・・目をあわせないで・・・」

有色人種を奴隷化していた国が言う

大陸に手を出すな

強いものたちが囁く

言うことをきかないと

原爆を味わうことになる

はだしのゲンは飛び出して

栄光の図書館から疎外される

ピカドンが響き渡れば

こんな女に誰がしたの嵐

自由と銃をまちがえて

話は見えなくなっていく

この歌をきけば

あなたの本当の心が蘇る

そうなったら

もう

走らずにはいられない

メンバー中、揺らせるタイプの優里亞はバス・ターミナルにむかってトレイントレインするのだった。

「お父さんのこと・・・忘れようとしたって忘れられない」

「・・・」

「お父さんが・・・大好きだから・・・」

「同居してると・・・そうでもなかったりするけどねえ・・・」

旅立つ前に風呂に入ってさっぱりした父と娘は別れの抱擁をエンジョイした。

主人公と愉快な仲間たちは・・・魔法の空間を形成し・・・拍手喝采を受けるのだった。

魔法の歌は・・・優里亞の母親の歪んだ心まで修正してしまう。

恐ろしいことである。

「忘れようとすればするほど忘れられないってあるよな」

「嫌なことをされても・・・許せば忘れられる」

「忘れてくれるといいのに・・・いつまでも怨みがましい人はいるよね」

「まあ・・・それが人間関係の基本だから」

「高枝切り鋏には気をつけないとねえ・・・」

「許してください・・・なんでもします」

「じゃ・・・合唱部に入ってね」

ついに・・・合唱部員はなんだかんだ十人になったのである。

男女比もちょうどいいぞ。

フィナーレに向かって走る列車は加速していく。

真琴と真弓(松本来夢)の姉妹は・・・妻に捨てられそうな父親を慰める。

しかし・・・そこに現れたのは・・・。

美女(堀内敬子)と野獣(石丸幹二)だったのだ。

「劇団・・・」

「四季かよ・・・」

「誰か・・・高枝切り鋏のブルースを歌ってくれ・・・」

「ディズニーランドで何故悪い?」

「オレたちはタテノリで」

「左右には揺れないでピョンピョンするのさ」

「上下にね」

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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コメント

あなたの隣に誰か(合唱バカ隊)いる……。怖い。

ソフトポールチームは一人一人見るとそこそこ魅力的なのになぜか集団になると個性が消えるのか。合唱バカ隊は集団になっていても目移りする……。
ピアノ少女がうんしょうんしょ言いながらキーボード運んでいるの図(想像)に萌える。

先週まで脚の踏ん張り具合と重力の関係が気になっていましたが、今週は優里亞の顔の筋肉と重力の関係が気になる…。
俳優が良いのか撮影が良いのか演出が良いのかその全部なのか…。

ああなんでもします(合唱部に入ります)。合唱部に入るためなら何でもします……とはちょっと違いますね(笑)。

投稿: 幻灯機 | 2015年8月15日 (土) 16時47分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

表参道高校を浸食する合唱バカの群れ・・・。

このままいくと・・・「マーラー千人の交響曲」のために
全校生徒が汚染され、合唱部化してしまう惧れがございます。

そうなれば表参道そのものが合唱の虜に・・・。

やがて・・・成田空港に降り立った外国人観光客は
響き渡る合唱に立ちすくむ・・・。

実に恐ろしいことですな。

ソフトボールの人たちは主軸が
厳密には美少女ではないのでアレですが
ピアノを弾く二人には
どちらも萌える今日この頃でございます。

やはり、美少女とピアノは一体化した生物兵器ですねえ。

優里亞は・・・所属事務所特有の顔面の傾斜を持ちつつ
無垢か美少女と高慢ちきの両方を発揮できる
スーパー美少女枠ですな。

すでに合唱部化してしまったので
これからは合唱場面にも登場し・・・楽しみです。

走っていく・・・どこまでも内燃機関萌えて・・・

投稿: キッド | 2015年8月16日 (日) 04時19分

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なにげに、良い意味でのベタさが心地よく、新鮮顔ならではのフレッシュ感が好きです。毎回、工夫を凝らした、合唱も新鮮だし、青春モノならではの、涼風が吹くようです。留守してた間に、鈴木有明(城田優)顧問の過去の問題が解決したり、部員が増えたり、ついには、これまで敵役してた、優里亞(吉本実憂)の事情までクリアにして、彼女までが入部。思わず、をを~っ! だったのでした。優里亞ちゃん、家で難しい立場に居たがために、よけいに合唱部員達の友情が羨ましかったのですね。でも、優里亞ちゃんママ、怖っ! ホラーに出てきそう... [続きを読む]

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