死者に背中を押されたりはしない(北川景子)ただいま実働中(川口春奈)痛恨のフィアンセ(藤本泉)
夏の終わり・・・である。
驚くべき事件が次々とワイドショーをにぎわす。
不謹慎にも「少し間隔あけてくれればいいのに」とスタッフの誰かが思うのではないかと想像する。
なにしろ・・・そういうビジネスなのである。
差別された有色人種が・・・虐待された女性が・・・底辺の前科者が・・・しでかすわけである。
社会的弱者による凶悪犯罪に良識的なコメンテーターは言葉を選ぶのだった。
本当に悪魔たちが形成する人間たちのもつれは・・・厄介だな。
お前が言うか。
荒唐無稽なフィクションをリアルと感じるかどうかは・・・各人の持つ・・・心ののどかさによります。
で、『探偵の探偵・第8回』(フジテレビ20150827PM10~)原作・松岡圭祐、脚本・徳永友一、演出・石井祐介を見た。陰鬱な社会を描くエンターティメントは冷酷非情であることが一つのユーモアであり、爽快でなければならない。信じられないような残酷さを隠しもつ人間が優雅に振る舞うことが苦い笑いを生むからである。そして、それは現実から目をそむけることがいかに危険かという警告でもある。非現実的なものから現実について想像する。それは普遍的なお笑いのスタイルなのである。この作品が時々、禁じ手を放って失望もさせるものの総合的には優れたハードボイルドとして成立している由縁だ。
人を苛むことでしか生きていけない男たちに・・・罪なき供物としての女たちを捧げる野放図のイベントに殴りこんだ探偵の紗崎玲奈(北川景子)と刑事の窪塚悠馬(三浦貴大)・・・。
野放図との乱闘の中・・・野放図のリーダーである淀野瑛斗(丸山智巳)の凶刃な倒れる窪塚。
接近する栃木県警のサイレン音に・・・。
玲奈は脱出を開始する。
無法者である探偵は・・・尻尾を掴まれてはいけないのだ。
森を走る玲奈。
窪塚の指示で脱出用車両とともに待機する峰森琴葉(川口春奈)・・・。
琴葉と合流した玲奈は・・・証拠の残らない携帯電話で窪塚の母(岡まゆみ)に栃木県警に窪塚刑事の安否を確認するように指示する。
「なにがあったんですか」
「窪塚刑事が瀕死になった・・・」
「死神のことは・・・」
「聞けたのはさわやなぎななという名前だけ・・・」
「原作者が柳沢なな(麗奈)のファンなんでしょうか」
「泣かないと決めた日か・・・」
「とにかく・・・窪塚刑事の名誉を守らなければならない」
「名誉を・・・」
「誘拐された女性たちを救助した英雄的行為も法令順守の社会では傷害罪を問われる可能性がある」
「そんな・・・」
「証拠を隠滅しなければならない」
栃木県警航空隊の倉庫に侵入した玲奈は発電機のショートにより巨大な電磁場を発生させ、警察ヘリの搭載カメラの記録映像を消去した。
玲奈と窪塚の行動を曖昧なものとしたのである。
「証拠がなければ・・・警察の隠蔽工作も成功するでしょう」
窪塚が収容された病院に向かう玲奈。
窪塚の母は先着していたが・・・窪塚はすでに絶命していた。
到着した警視庁の刑事たちの目を逃れ、病院を脱出する玲奈。
「どうでしたか・・・」
「彼は死んだ・・・」
「・・・」
事情を知る刑事たちは玲奈を呼び出す。
「何があったか話してくれ」と船瀬刑事(阪田マサノブ)・・・。
「・・・」
「お前のせいで・・・窪塚刑事は・・・」と長谷部刑事(渋谷謙人)・・・。
「・・・なにをしても彼は帰らない」
「・・・」
「窪塚はお前に同情したかもしれないが・・・俺はお前を追い詰める」と坂東刑事(相島一之)・・・。
玲奈は無言で警視庁に背を向ける。
そして・・・引き籠った。
玲奈不在の対探偵課において・・・スマ・リサーチ社の須磨社長は現場に琴葉を送りだす。
悪徳探偵に法外な調査費用を要求された「婚約者に裏切られたかもしれない女」・・・後藤清美(藤本泉)を救援する琴葉。
「まほろ駅前番外地」の吉村刑事に似た悪徳探偵の浅村(三浦誠己)を護身用のスタンガンで撃退する琴葉だった。
「ありがとうございました」
「仕事ですから・・・」
「お前は・・・なんなんだ」
「無許可の探偵行為は犯罪です・・・自首する気がないようなので通報しました」
「死神捜索」に協力するスマ・リサーチ社の桐嶋(DEAN FUJIOKA)は琴葉とともに自宅療養中の連絡役の宇佐美秋子(今村美乃)を尋問する。
「死神とは・・・どうやってコンタクトするんだ」
「あああああああああああ」
精神に問題のある秋子にハサミで抵抗され軽傷を負う琴葉。
「精神を病んでいるのは事実のようだ・・・」
宇佐美家を出た二人は刺客に尾行されるが・・・桐島は返り討ちにするのだった。
「野放図のバックにはやはり獅靱会が控えているようです」
桐島は刺客の背後関係を須磨に報告する。
「一般企業となった暴力団が・・・半グレを使い・・・半グレが・・・無認可探偵を使う・・・縦社会だな・・・」
「無認可の探偵が探偵の評判を下げ続けるということです」
「そのための対探偵課だ・・・探偵は非合法活動だが・・・あくまで法令順守の建前は貫く」
「自己責任で・・・ということですね」
「その通り」
宿舎に戻った琴葉は玲奈を食事に誘う。
「そのケガ・・・どうしたの・・・」
「大丈夫ですよ・・・」
「・・・」
「玲奈さんが不在の間は・・・私ががんばります」
「私は・・・」
「逃げるんですか」
「死神を追いかけて・・・私は死に物狂いになった・・・そして・・・あの人を巻き込んで」
「だからこそ・・・逃げることは許しません」
「・・・琴葉」
「死神をつかまえた時・・・すべてが終わるんです」
「・・・」
「咲良のためにも・・・」
帰らぬ咲良(芳根京子)の名前を出されて覚醒する玲奈。
「一緒ですよ・・・」
琴葉の手の温もりに蘇生する玲奈。
玲奈は窪塚の娘(藤田彩華)の授業参観に新しいお母さんとして参加する。
美貌の未亡人の登場に教室はどよめくのだった。
対探偵課に帰還した玲奈に須磨は「さわやなぎなな」に関する情報を伝える。
「かって澤柳菜々という女を調査した探偵がいることがわかった」
「何者ですか」
「君がよく知っている探偵だ」
収監中の阿比留綜合探偵社社長・阿比留佳則(ユースケ・サンタマリア)に面会する玲奈。
「死神か・・・今度は誰を殺すんだ・・・俺か」
「澤柳菜々という探偵を知っている」
「そういう探偵は知らないが・・・澤柳菜々という女は調査したことがある」
「・・・」
「ひきこもりの男がFXで儲けて・・・澤柳菜々という女と結婚し・・・すぐに死んで二千万円の遺産を残した・・・調査を依頼してきたのは男の家族だ・・・」
「・・・」
「調べてみると・・・女は・・・十代から・・・孤独で小金をもった男と結婚しては死別するというビジネスを展開していた」
「・・・」
「謎だったのは・・・どうして・・・彼女がそういう男たちを見つけていたかだが・・・まあ、彼女自身が探偵なら・・・そうか・・・彼女が・・・死神・・・」
「・・・」
「またきてくれよ・・・ここは退屈すぎる」
社に戻った玲奈は須磨に報告する。
「いよいよ・・・最終章だな」
「直前でバレーボール中継で11時30分オンエアって・・・」
「まあ・・・ドミニカに逆転勝ちしてよかったじゃないか」
「・・・」
「死神に手が届いたら・・・殺せ」
非合法には非合法で対応するしかない。
探偵たちは非情のライセンスを所持しているのだ・・・あくまで自己責任で。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
| 固定リンク
« 海に千年、山に千年(堤真一)蛇は竜になるのですね(戸田恵梨香)スピン・ドクター(大谷亮介)ハゲタカファンド・マネージャー(手塚とおる)ホワイト・ナイト(木下ほうか) | トップページ | 小暮写眞館~心霊写真探偵(神木隆之介)黒いスニーカーの女(成海璃子) »


コメント