怪談の探偵(芳根京子)合唱部の合宿で合(吉本実憂)さよなら眼鏡っ子(萩原みのり)ピアノも弾ける霊感少女(柴田杏花)入浴シーンはありません(森川葵)
夢の美少女合唱団・・・ついに始動である。
結成篇が丁寧に描かれているので・・・女の子たちの友情にもコクがあるのだった。
そして・・・夏休み、合宿、怪談である。
この夏一番の青春絵巻なんだな。
「なんどめだ」の裏で思い出きらきらなんだな。
躾けが虐待に変遷し、我儘がゆとりに転化される時代・・・。
夜の闇の恐怖を忘れて行く人々に甘い愛の詩が響く。
「心の瞳」は坂本九の遺作である。
日本航空123便墜落事故から30年なのだった。
で、『表参道高校合唱部!・第6回』(TBSテレビ20150821PM10~)脚本・櫻井剛、演出・池田克彦を見た。死後の世界・・・失われた生命はどこにいってしまうのか。ある人は言う。彷徨っていた魂が家路を捜して憑依したと。結ばれている人間関係の絆。肉体から肉体をリレーして・・・彼は山奥から都会に戻り、懐かしい我が家にたどり着いたと。恐ろしい悪鬼が徘徊する夜の闇は・・・優しく甘い香りを漂わせることもある。心に地獄を育てるのも人間・・・そして地上の楽園を作るのもまた人間なのだ。
天草教頭(デビット伊東)は合唱部に回す予算はないと断言する。
「それでは合宿ができません」と合唱部顧問の鈴木有明先生(城田優)・・・。
「無料の合宿所」を紹介するわ・・・」と大曾根校長(高畑淳子)である。
「夏休み・・・嫌いだ」と意味不明なことをつぶやく主人公・真琴(芳根京子)・・・。
「どうしてよ・・・」と一同。
「だって・・・何していいかわからないもの」
「一日中、合唱してればいいのよ」
「なんだ~・・・そうか~」
もはや・・・人間界の話ではないな。
そう・・・これは妖精たちの話だ。
女王を追放した竹内風香(小島梨里杏)と相原ほのか(長谷川ニイナ)らは理解不能だが・・・教室の扉にとりついた合唱部の妖精たちに招かれて優里亞(吉本実憂)は飛翔するのだった。
合唱部の魔法の王国が下等な人間たちには見えないのである。
合宿決定の報を受けて歓声をあげる妖精たち。
しかし、あまりんである里奈(森川葵)は「恋」がなければおさまらないのである。
合宿の準備のためにおしゃれなショッピングをエンジョイする女子部員たちだった。
合唱部部長の相葉廉太郎(泉澤祐希)に好意を寄せるミコこと佐々木美子(萩原みのり)を大変身させる一同だった。
しかし・・・能天気な主人公に悩みがないわけではない。
のび太な父親の雄司(川平慈英)に対して、出来すぎな野獣の内田勇輝(石丸幹二)が出現し、誘惑に弱い美女の美奈代(堀内敬子)がウキウキしまくっているからである。
伝説の愛の歌が発見できないまま、両親は離婚してしまうかもしれない・・・。
真琴と真弓(松本来夢)の姉妹は心を痛める・・・。
しかし・・・合宿ともなれば・・・そういう瑣末なことはどうでもよくなる真琴だった。
合宿当日・・・変身して眼鏡っ子ではなくなったミコに・・・一同は熱狂するのたった。
「小林涼子さん・・・」
「永作博美さん・・・」
「お、お約束すぎる・・・」
風光明媚な合宿所・・・そこは校長の私邸だった・・・。
しかし・・・謎のピアノ少女・桐星成実(柴田杏花)はついに秘められた能力を示す。
「この家には・・・何かいる」
「え・・・」
「私・・・霊感があるの・・・」
桐星は真琴を開かずの間に導く。
「ここよ・・・ここに・・・男がいるわ」
「ええええええええええええ」
しかし・・・校長は独身だった。
そこへ・・・「あまちゃん」の大吉の母や「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」の老ムラサキにそっくりな謎の老婆(星野晶子)が現れる。
「この家は呪われている・・・幽霊屋敷じゃ」
だが・・・合唱部の妖精たちには歌があるのである。
みんなで歌えばこわいものなどないのだ。
一方、優里亞と里奈の元一軍コンビに唆され、恋する美少女の道を歩くミコ。
恋愛奥義「じっと見つめて、目があったら視線をそらす誘惑の眼差し」を実践したりするのだった。
しかし・・・どうやら朴念仁設定である部長には通用しないのだった。
「だめじゃないのっ」
「おかしいわね・・・雑誌には百パーセント成功って書いてあったのに・・・」
優里亞はなんだかんだ乙女なのだった。
一方・・・歌いまくり・・・走りまくる健全な合宿に・・・。
一人、ヘトヘトになる合唱部副顧問の瀬山えみり先生(神田沙也加)・・・。
ワンポイント・ギャグが冴えわたるのだった。
えみり先生、可愛いよ、えみり先生である。
眠れない夜。
金縛りにあう桐星と・・・淫らな夢で寝笑いする里奈に挟まれた真琴。
仕方なく・・・開かずの間に向かう。
扉は開き・・・不気味な声が響く。
部屋の中にいたのは校長だった。
「これは・・・私の亡き夫の歌声なのよ・・・私たちはよく歌った・・・でも・・・夫は末期がんを発症した・・・私は夫に・・・入院して治療するように頼んだの・・・でも・・・夫は本当は死ぬまで歌っていたかったのかもしれない・・・私は夫から歌を奪ったの・・・だから・・・二度と歌わないことを誓ったの・・・でも・・・夫の残した歌声は聞きたくて・・・何度も再生した・・・そしてテープはのびきって・・・こんな音色に・・・」
「別のメディアにダビングすればよかったですね・・・」
「ああ・・・その手があったわねえ」
校長の歌声を聞きたい。
決意した真琴は・・・ポルターガイスト現象を捏造するのだった。
奇術部かっ。
しかし・・・校長は嘘を見抜く。
「あなたたちの気持ちはうれしいけど・・・これは私が自分に与えた罰なの・・・」
しかし・・・響き渡る亡き夫・敬三(国広富之)の朗々たる歌声。
私がオジさんになっても
何度も求めて欲しい
ディスコにはいかないけれど
二人で歌い踊り明かす
時がながれていくことは
哀しいことではないだろう
どんな歌にも終わりはあるけれど
気分を出してもう一度
愛は永遠なのだから
「死後の世界は必ずある」と叫ぶ桐星だった。
ついに勇気を出して部長に告白するミコ。
しかし・・・「ごめんなさい」で木端微塵になるのだった。
「私・・・調子にのって・・・浮かれてた」
ミコは眼鏡をかけ直すのだった。
「そんなことない・・・当たって砕けたミコは・・・永遠のゼロよりかっこいいよ」
「そのたとえはどうでしょう」
「気持ちを伝えられたら・・・恋は実ったも同じだよ」
優里亞の慰めに・・・乙女一同は激しく同意するのだった。
その頃・・・元野球部の桜庭大輔(堀井新太)は「甲子園百年東海大相模優勝おめでとう・・・僕は里奈が好きみたい」と男子たちに打ち明けて虚しくバットを振るのだった。
一方、生徒たちを暖かく見守るようになった鈴木先生はステキ男子のトッキュウ1号こと夏目快人(志尊淳)の体調不良に気がつく。
「大丈夫か・・・」
「大丈夫です」
「嘘ばかりついていると狼に食べられちゃうぞ・・・」
「・・・」
キャンプファイヤーで・・・校長の思い出の歌を歌う合唱部。
もちろん・・・合唱の力で・・・校長の自縛された心は溶ける。
「そうよね・・・あの人の分まで・・・私が歌うべきなのね」
合唱バカの勝利を祝う虫の声が響く。
お約束の花火・・・。
線香花火でツーショットの真琴と快人。
二人の姿に・・・少し揺れる優里亞だった。
幼馴染と親友の恋・・・もう邪魔することはできない。
この合宿には「ワンピース51」はないのである。
そして・・・時間もない・・・なにしろ・・・世界陸上が来襲するのだ。
しかし・・・ついにその時が来る。
「家に帰るまでが合宿だ」という駅前解散のセレモニー。
快人の心臓は限界に達するのだった。
「グギギ」
「快人」
「快人くん」
路上に倒れた快人に・・・かけよる・・・真琴と優里亞。
彼女のくれた夏が終わって行くのだ・・・。
関連するキッドのブログ→第5話のレビュー
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コメント
メガネを外せば…よくぞここまで引っ張った(計画どおり!ニヤリ)。
二代目栗山千秋襲名の女子力誘発パワーはスゴイ。そしてチョイ百合(妄想)。
あるいは予想外の謎ピアノパワー(笑)。x代目・黒井ミサもできるかも。
と思う間もなく、ドはミスドのドのような名作風練習風景(笑)。もう泣き笑いです。
ていうか、泉澤祐希あらやだ可愛い(笑)。
ところで、真琴の父親が胃が痛いと思っているのは大抵膵臓のストレス腫れです。
…と思っていたら校長の旦那さんは本物の膵臓癌かい(自分的にはシャレにならんワ……)。
トッキュウも膵臓じゃないのか。脚本家が膵臓が悪いのか。
しかし女子各人の私服のコーディネートも練られていますなー。
メガネは体の一部なの。じゃなくて、それ外される行為は結構衣服のメタファーというか心をむき出しにされる
効果がありますです。
ああ、次週の分がまだ出来上がっていないから作者急病のため陸上やって予告は総集篇的なんだなと思ったらオマケ映像が(録画消せない)。
投稿: 幻灯機 | 2015年8月22日 (土) 15時21分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
メガネなしっ子には「浜崎あゆみ」や「安達祐実」要素もありましたな。
元一軍コンビの恋愛至上主義パワーも炸裂していましたな。
そして、あまちゃん化する主人公の「おらが恋愛するなんてありえねえ・・・好きだ」的展開にうっとりですな。
うにではなくて音符を数えそうな勢いがありました。
「♪がひとつ、♪がふたつ・・・眠れねえ!」
関西圏からの転校生なのになんで東北弁なんだ・・・。
「メガネがあったってなくたって・・・陽のあたる場所で・・・輝いてる君が好きだ」
部長が・・・翻弄される未来が見えます。
まあ・・・好きな人にもてあそばれるのが宿命なんですな。
トッキュウ、野球部の父、おじいちゃん、校長の夫・・・病人が続出する学園物・・・。
ついに死人が出て・・・しかも幽霊まで・・・。
現実と非現実を彷徨う感じが独特のムードを作ってますよねえ。
おでかけスタイルから就寝着まで・・・サービス、サービス~でございましたな。
優里亞様の黒からあまりんのゆるゆるまで・・・
いい、実にいい・・・。
永久保存版のレッテルを貼っておきます。
「サウンド・オブ・ミュージック」を底流に
「モンパチ」やら「犬のおなか」やら
「あなたにあいたくてあいたくて・・・」なミュージカル展開。
もっともっと~でございました。
フレー、フレー、オモコー・・・。
投稿: キッド | 2015年8月22日 (土) 21時26分